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2004年5月13日

バンコクでServerを作る(2)

 パンティップ・プラザで待つこと4時間。バンコク製のサーバが完成したが、まさか全て組み立ててくれるとは、全く思っていなかったので、嬉しいやら困りものなのだか、複雑な心境だ。しかし、パーツの不良が皆無であったことだけは間違い無く、問題だったのは、店主がAdaptecのシリアルATA対応64ビットPCI-RAIDカードの設定方法を知らず、この部分だけは筆者が行った事だけだろう。
 実際には、TYAN製のマザーボードにオンボードされているシリアルATAインターフェースも、実はAdaptec製であり、起動時にS-ATAポートをオンにしてやると、BIOSの起動の後、AdaptecのBIOSが表示される。そして、同じメッセージで、64ビットPCIスロットへ装着したRAIDカードのBIOSメッセージが表示されるという具合だ。
 もちろん、オンボードのS-ATAでは2機までしかHDDがサポートされていないので、RAIDのレベルは"0"か"1"、即ちストライピングかミラーリングの選択となる。それに対して、64ビットPCIスロットへ装着したRAIDカードでは、RAID5や、RAID10の設定も可能になるのは4機のHDDが接続可能となっているからだ。無論、オンボードのS-ATAではRAID1を選択し、拡張カードのRAIDではRAID5を選択した。
 また、ATAポートへ接続されたパラレルATAのHDD2機は、OSレベルでのミラーリング設定を行うことになる。IDEのセカンダリポートには、CD/DVD-ROMドライブが装着されるので、後でバックアップ用として書き込み型DVDドライブの装備が、物理的にも論理的にも可能となっている。
 完成したサーバを、仕事先のオフィスへ持ち帰るのも、既に時間は19時前になっていたので、車に積みっぱなしとして、明日新しい仕事先のオフィスへ運ぶことにし、筆者はそのままBTSの駅まで、ドライバーに送ってもらい、スクンビットのアパートへ引き揚げた。パンティップ・プラザから最寄のBTS駅までは、車だと5分もかからないが、バンコク名物の万年渋滞に巻き込まれると、そうは行かない。
 たまたま、今回はすんなりとBTS駅まで車で移動できたので、そのままBTSへ乗換え、スクンビットのプロンポン駅まで移動し、そこから徒歩で、自分のアパートへ帰った。ちなみに、このアパートは、筆者のバンコク滞在用に借りたもので、広さは150㎡ほどあり、日本の自宅マンションよりも、はるかに広く快適だ。もちろん、ここは筆者の個人用バンコク、サテライトオフィスと言うことになる。

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 翌日、新しい仕事先のオフィスへサーバを移動させて、OSのインストールを開始した。予定では、19インチラックとUPSも来るハズだったのだが、やはりタイ式で、結局は来なかったので、仕方なく机にサーバを置き、そこでOSのインストールを行った。OSには、MSのSBS2003(Small Business Server 2003)を使用した。別途、Windows Server 2003とExchangeや、SQL Serverを入れても良いのだが、一括でインストール可能なので、SBS2003を選んだ。
 本来であれば、タイのエンジニアにも設定や運用を任せられれば、英語バージョンのSBS2003をインストールすべきなのだが、運用も設定も筆者が行わねばならず、セキュリティの意味も含めて日本語バージョンのSBS2003を、あえてインストールすることにした。日本語を読めるタイ人は、あまりおらず、居たとしてもIT系では非常に数が少ないので、日本語によるセキュリティ効果は、それなりにあるのではないかと筆者は考える。

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 インターネット接続環境は、ADSLによる回線で、今回、筆者も始めてバンコクのADSLを体験した。しかし、ここでもタイ式のトラブルに悩まされた。ADSLモデムは、Ethernet接続型を指定していたにも関わらず、手配されたのはUSB接続型だ。これでは、ルータ兼ファイアーウォールに接続できない。仕方が無いので、今回は、クライアントのPCを、インターネットゲートウェイとして使用することにし、後日Ethernet型のADSLモデムが来た段階で、ルータ接続とF/Wの設定を行う事にする。
 Windows XPのインターネット共有機能とパーソナルファイアーウォール機能を稼動させ、それをHUBで共有したわけだが、まぁ何とか使える環境が出来た。ADSLのリンク速度は、1.1Mbpsと低速であり、日本の2~3年前のADSL創世記並の速度だ。しかし、バンコクでの通常ダイヤルアップ接続による極悪通信環境から比べれば、そこは天国のように快適なインターネット接続環境だ。
 バンコク都内でのアナログモデムによるダイヤルアップ接続は、56Kbpsモデムであっても、今だ筆者はその速度でリンクしたことは無く、最速でも32.8Kbps程度であり、普段は24K~28.8Kbps程度だ。それに対して、ADSLではリンクが1.1Mbpsであり、実測でも600Kbps~700Kbpsが出ており、バンコクでもISDNによるバルクで128Kbpsが、企業でも多いのだが、それに比べても十分に高速だと言える。
 以前、チュラロンコン大学内のLANで、速度を実測したのだが、その時の速度は500Kbps~600Kbpsだった。大学の先生に聞いたところ、チュラロンコン大学はT1(1.5Mbps)での環境とのことで、それと同等の環境がADSLで得られたことになる。まずは、満足できるインターネット環境だ。

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 OSのインストールは、すんなりと終わった。しかし、ここで問題が発生した。OSである、Windows 2003 Serverは問題なく稼動したのだが、アプリケーションとなるExchangeやSQL Serverの自動インストールの段階で、エラーが表示された。エラー内容は、CPUが多すぎるという内容だ。SBS2003では2プロセッサまでのサポートで、それ以上のCPUが搭載されていても、2プロセッサ用としてしか動作しない。
 今回のハードでは、Xeon 2.4GHzを2個搭載していたのだが、何故か・・・そう、HT(Hyper Threading)が機能していたので、実プロセッサは2個なのだが、論理プロセッサの数は、4個にカウントされてしまうのだ。となると、片側のCPUを使用しない形になってしまい、折角のデュアルプロセッサも意味が無くなる。仕方がが無いので、BIOS設定で、HT機能をオフに設定し、このエラーを回避した。
 サーバでプロセスを多数開く場合には、HT機能によるマルチスレッドは非常に有効だ。従って、今回のようなケースでは、Server OSをSBS2003ではなく、やはりWindows 2003 Server Enterprise Editionにすべきだったと、反省もするのだが、HT機能に騙されてしまうSBS2003にも問題があるだろう。HT機能は、論理的なものなのだから、それを判断して、実プロセッサ数をカウントすべきだと筆者は考える。
 その後は、エラーも無く、設定も順調に終了し、Windows Updateも完了し、新オフィスのサーバが稼動し始めた。LAN環境としては、全てのPCにギガビットイーサが装備されているので、HUBも3Com製のギガビット8ポートを使用した。サーバのストレスは皆無であり、DBも快調に動作している。
 唯一の問題点としては、契約プロバイダのAsianetが、SMTPをブロックしており、メールの送信に問題がある。これは、プロバイダとの調整を行う必要があり、固定IPの契約に替えてもらい、ドメインなども含めた形で、全てのポートを使用可能にしてもらう必要があるだろう。日本のプロバイダでは考えられないことだが、実際にNiftyのローミング先であるAsianet経由のメール送信でも、SMTPがブロックされており、AsianetのSMTPサーバを使用しないと、メール送信が出来ない。これにも、大分悩まされたのだが、Niftyのタイでのローミングの注意事項にも記載されていた。
 ということで、タイ王国はバンコク製の筆者特製サーバが、起動し運用が開始された。実際には、新しい仕事先となるオフィスの空調が故障していて、タイ人も「暑い!」と言う中での、OSインストールで、一次的に筆者も具合が悪くなるほど、過酷な環境でのインストール作業だったが、なにはともあれ、「Good Job !」(だろう?)。

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