DigiWalker Mio 136 (2)
MiTACのブースで筆者の事前のアポで対応していただいたのは、同社のMioシリーズを担当するプロジェクトマネージャのMs.Changと、Mioシリーズを統括するマネージャのMs.Tsaiの両氏。お二人とも、まだお若いキャリアウーマンであるが、筆者の質問に丁寧に答えてくれた。
Mio 168が最も売れているのは、ヨーロッパのドイツであり、既に数万台の出荷があり、今だにバックオーダをこなせていないという嬉しい悲鳴だという。この事実の背景には、Mio 168が生まれた明確な理由がある。Mio 168を発売する以前に、同社のPocket PCと、CF型GPS受信機、そしてカーナビソフトをバンドルしたEZ GOシステムのPDA-GPSによるカーナビシステムセットを販売したところ、なんと50万台以上の販売をドイツだけで達成したというのだ。
その結果として、GPS受信機を内蔵したMio 168が生まれ、当然ながらナビゲーションソフトと、簡単に車への脱着が可能な、オールインワンのEZ GOシステムを継承したパッケージ販売が、ドイツでは好評だというわけだ。残念ながら、米国では同様なシステムのパッケージでも、ドイツほど販売台数は伸びておらず、反面、地元台湾や香港、中国ではかなりの台数が売れているという。
日本では、ナビゲーション機能を持った電子地図ソフト(もっと正確に言うと、ナビゲーションが可能な地図データが高価)が手配できなかったので、ナビゲーション機能を持った地図ソフトをバンドルしている国々での販売に比べ、大きなハンディを持っているにも関わらず、出荷は好調のようだが、出来ればナビゲーション機能を持った地図ソフトを是非とも用意して欲しいと筆者から伝えた。
MioMap(PaPaGO!のOEM)の中国語版による、台湾の地図データを装備したプロトタイプも、特別にお見せいただいたが、カーナビとしての完成度は高く、ボイスガイドも綺麗な北京語による女性のアナウンスで、大変に聞きやすかった。また、ボタンの照明には青色発光ダイオード(LED)を用いたり、液晶のバックライトも白色LEDを、Mio 168よりも高輝度に変更してあるようで、大変に見やすかった。
実際に、Mio 136によるMioMapで、台北の街でナビゲーションを試して見たかったのだが、試作のMio 136であるため、これは実現しなかったが、機能は全く同じMio 168向けのMioMap(表示はポートレートとなるが)を提供いただけたので、これを筆者が持参したMio 168へインストールして、テストできることになった。(テストレポートは別途掲載予定)
また、日本では既にカーナビの実装率がかなり高いため、Mio 136へオプションで防水ケースを用意してもらい、オートバイへの装着が可能なようにして欲しいという提案を、筆者からしてみた。ツーリング用としてのMio 136は、小型で内蔵バッテリーオペレーションも可能な上、日本のカーナビと異なり、CD/DVDドライブ、HDDなどのメカニカル稼動パーツが存在しないMio 136によるナビシステムは、最適ではないかと筆者は考えたのだ。
もっとも、ハードのオプションよりも先に、MioMapで使用可能なナビデータを持った電子地図データが必要となるので、これをクリヤしないと、幾らハードウェアが揃ってもカーナビとしては動作できない。カーナビの市場が既に形成されている日本で、価格破壊を招きかねないPDA-GPSによるカーナビへ、ナビゲーションが可能な電子地図データを安価に提供してくれる、勇気ある電子地図データメーカの登場を期待するしかないのが現状だ。
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