GrandMap Navi Map Data編(1)
グランマップ・ナビのファースト・インプレッションに続いて、本日は地図データの紹介をしておこう。グランマップ・ナビに搭載されている、地図データのサプライヤーは、住友電工だ。同社の地図データは、現在のカーナビでは、殆ど目にする事は無く、パソコン用の電子地図も、見かけることは少ない。
しかし、カーナビに限らず、ルート検索を行うのに不可欠である、「ロード・ネットワーク・データ」のサプライヤーとしては、ゼンリンと並んで国内では、数少ない提供元として知られている。カーナビの肝である、ルート検索に必要なデータは、表示される地図データに加えて、このロード・ネットワーク・データが不可欠なのである。無論、このデータだけでルート検索が行われる訳ではなく、ルーティングエンジンの優劣によって、ルートの検索結果は、同じロード・ネットワーク・データを用いたとしても、結果は大きく異なってくる。
グランマップ・ナビのルーティング機能については、また日を改めて詳しくレポートするとともに、ルーティングそのものについても、少し解説してみたいと思っている。
今回、グランマップ・ナビに搭載されている、住友電工による地図データは、一般的なカーナビ用の地図データと比べてみると、ナビ研S規格による全国版に相当すると考えられる。つまり、CD-ROM一枚で、日本全国を収録している、比較的安価なカーナビと同程度と考えてよいだろう。
しかし、ナビ研S規格の全国版は、地図データとしては定評のあるゼンリンが作成しているので、その見た目の違いは、賛否両論あるだろう。筆者としては、道路地図として見た場合には、全く問題ないレベルであると思うが、電子地図用としてみた場合には、貧弱な表示に感じた。また、昔使っていたカーナビが、住友電工製の地図データを採用していたので、ちょっと懐かしい感じがしたが、言い換えれば古めかしさ(地図データが古いという意味では無い)が拭えない気もする。
地図の表示は、かなり面倒な操作が必要となっており、電子地図として見た場合の、グランマップ・ナビの操作性は、正直なところ良くない。グランマップ・ナビが、ナビゲーションを前提にしたメニューとなっているのが、逆に災いしていると思う。
メニューから地図を表示させようとすると、トップメニューの「地図」をタップするのが、一般的な「直感操作」だろう。筆者もそのようにしてみたが、サブメニューには「出発地表示」、「目的地表示」、そして「現在位置表示」しか選べない。ここで、出発地や目的地を選ぶと、何故か「江古田」近辺がどちらも表示されてしまう。
現在位置を選ぶと、GPS測位になってしまうので、室内では当然ながら現在位置の地図表示はできない。東京駅を表示し、その後「衛星を捕捉中です」のアナウンスになってしまう。仕方がないので、トップメニューへ戻り「目的地」をタップすると、「住所検索」、「駅検索」、「周辺検索」が表示された。
ここから、住所検索か駅検索を行うことで、やっと室内でも目的の場所の地図が表示される。これは、トップメニューも含めて、メニューの構造が、良くないと筆者は考えるのだが、いかがだろうか。住所検索にによって選んだ場合、そのエリアの地図が表示されるまでの時間は、待たされる程ではなく、10秒前後だろうか。これは、北海道から沖縄まで、それ程違いは無い。
秋葉原周辺を表示させてみたが、最初に表示されるのは、デフォルト設定の場合、500mスケールの地図が表示される。注記や各種POI(Point Of Interest)情報も、同時に表示されるが、注記やPOIの表示は、設定によって非表示も可能だ。
(+)ボタンをタップすることで、表示のスケールが可変可能だが、現在どのスケール表示がされているかの情報がなく、基準スケールの表示オプションもない為、縮尺が判り難い。これは、是非とも表示オプションで、基準スケールの表示を可能にして欲しい。スケールは、500mから拡大で3段階可能だ。
(-)ボタンのタップにより、表示地図の縮小が行われるのだが、500mスケールから一段階縮小した段階で、注記やPOI情報が、殆ど表示されなくなる。同時に細い道路の表示も無くなるので、ここの段階で地図データのレイヤが切り替わっているものと思われる。
縮小の場合、500mスケールから2段階の切り替えまでとなっており、それ以上縮小を行おうとすると、リミッタが働いて、縮小されなくなってしまう。拡大の場合も同様で、500mから3段階拡大すると、リミッタが働き、それ以上の拡大は出来なくなる。
拡大のリミッタは、同じ地図データを用いているので、支障は全くないのだが、縮小のリミッタは、頂けない。電子地図として見た場合、日本全図の表示まで縮小できて当たり前だと、筆者は考える。住所検索や、駅検索などで地図を表示する場合は問題にならないが、ビジュアルな操作により、目的とする地域を表示するならば、日本全図から、徐々に拡大を行い、目的地を表示するという、電子地図的な操作を可能にすべきだろう。
当然、ルート表示においても、出発地から目的地までを、画面上で確認する場合にも、もっと広域表示が可能でないと、表示された地図をスクロースしていかないと、全部が把握できないということになってしまう。この縮小リミッタは、ぜひとも外すべき機能だと思う。
表示された地図のスクロールは、かなり快適だ。同じMio 168へインストールしてるPocket Mapple Diditalでは、表示されている地図のスクロールを行うと、余白に白いエリアが表示され、再描画を行うのにウェイトアイコンが表示されることも、しばしばであったが、グランマップ・ナビではスクロールによるウェイトアイコン表示や、スクロールによる余白に地図が表示されないと言ったことはない。
スクロールは、スタイラスのタップ&スライドで行うのだが、出来ればカーソルボタンによって、画面レベルのスクロールが行えれば、もっと使いやすくなるのではと思う。タップ&スライドは、細かな微調整スクロールには便利だが、大幅な移動を伴うスクロールは、何度もタップ&スライドを繰り返さないといけない。カーソルボタンによるスクロールが可能になれば、より素早く大きな地図画面移動が可能になるのではないだろうか。
<<続く>>
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