inView N911 GPS(1)
やっと時間が取れたので、「D-Media System社」の「inView N911」に装備されている、GPS受信機機能を評価することが出来たが、冬至ともなると昼の時間が短くて、午後4時を回ると、既に空は黄昏時。トワイライトゾーンでのinView N911内蔵GPS受信機の、評価となってしまった。
今回の評価では、折角のWindows Mobile 2003 SEを装備したinView N911なので、手元にあった台湾Maction社の「PaPaGO! V7(3Dバージョン)」をインストールし、そのGPSツールでの評価を行ってみた。もっとも、日本の地図データを装備していないPaPaGO! V7(3Dバージョン)では、GPSツール以外は、動作させても意味がないのは、言うまでもない。
inView N911を、ランドスケープ表示のままで、前面パネルに装備された、「GPS」ボタンを押すと、上部(横置きの場合は右側)LEDの右側(横置きの場合は下側)LEDが、オレンジ色に点灯し、GPS受信機がオンになる。台湾の工場から出荷されたままの、初期状態からのコールドスタートであったが、3分もしない内に測位が開始された。GeoHelixアンテナは、横置きの状態であったが、測位速度はSiRFらしい小気味良い速度だ。
Maction社のPaPaGO! V7(3Dバージョン)によるGPSツールでは、簡単な世界地図表示による、現在位置表示が行えるのだが、確かに日本列島の中心部分、関東地方の辺りで、赤い点が点滅している。ランドスケープでの状態でありながら、PDOP値は"3.2"と、それほど悪い数値を表示していない。十分に横置き状態でも、問題ない受信感度を持っていると言ってよいだろう。
GPS衛星の天空図表示モードに切り替えると、筆者宅のベランダでは、開けていない北側の衛星以外は、横置き状態であっても、問題なく捕捉しているのが判る。この状態から、縦方向へと手で持ち替えてみたが、捕捉衛星の状態は殆ど変化せず、衛星からの信号強度も、大きな変化は無かった。セラミックパッチアンテナの場合には、アンテナ面が地面に水平で無い場合は、アンテナの角度によって、大なり小なりはあるが、衛星からの信号強度は、それなりに変化するが、GeoHelixアンテナでは、その変化が極めて少ないことが判る。
D-Media System社へ確認したところ、内蔵されているSiRF star II e/LPに使用されているファームウェアは、SiRF XTracとの事なので、ライバルとなるMiTAC社のMio 168と全く同等の、SiRF製GPSエンジンを搭載していることが判った。唯一異なる仕様は、装備されているGPSアンテナが、Mio 168ではセラミックパッチアンテナなのに対して、inView N911ではGeoHelixアンテナが、使用されているという点だけである。
また、OSから見た場合は、共にCOM2へGPS受信機データ出力がアサインされており、アプリケーションから見ると、Mio 168もinView N911も、全く同じに見えることになる。ただし、Mio 168では、アプリケーションがCOM2をアクセス(オープン)すると、自動的にGPS受信機がオンになるのに対して、inView N911では、「GPSボタン」によって人為的にGPS受信機をオンにする必要がある。
しかし、アプリケーションからGPSのオン・オフ制御も可能なようであり、事実PaPaGO! V7(3Dバージョン)のGPS設定では、「GPS on N-911」という選択が表示されるのだが、残念ながら筆者の評価している日本語β版では、この設定ではGPSを使用することが出来ず、「COM2」の設定で動作を行った。
恐らく、台湾バージョンのinView N911では、PaPaGO! V7(3Dバージョン)が標準装備であるため、この設定が生きており、自動でGPS受信機がオンになるのではないかと想像する。内蔵GPS受信機のポートが、Mio 168と同じということから、筆者が現在評価中の、マップネット社製グランマップ・ナビβ2をインストールし、inView N911で動作が可能かどうかをチェックしてみるつもりだ。
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コメント
Mio168と並べておいてある写真を見てみたいです。サイズ的にはどういう感じなのでしょうか?
投稿: たくぼ | 2004年12月23日 19:02
たくぼ さん、こんばんは、
ご希望のMio 168とN911の比較写真は、未だ撮影していないので、撮影しましたら、掲載します。
両者のサイズですが、仕様では以下の様なサイズと重量です。
Mio 168:112.8mm(H) 69.6mm(W) 16.3mm(D)(含アンテナ24.15mm)、147g
inView N911:121.1mm(H)(アンテナ含まず) 76mm(W) 12.1mm(D)、148g
投影面積では、N911がMio 168よりも一回り大きいのですが、厚みはN911が薄く、重さは殆ど同じです。容積を計算すると、Mio 168が127969.344で、N911は111363.56なので(共にアンテナ含まず)、N911の方が小さいですね。
投稿: 清水 隆夫 | 2004年12月23日 23:00
お返事ありがとうございます。
一見すると薄いためか大柄に見えたのですが、手のひらのうえにある写真を見ると実はコンパクトな感じですね。
Mio168とのツーショット楽しみにしています。
投稿: たくぼ | 2004年12月24日 22:47