POLSTAR PGM-111 GPS受信機
パソコンGPSショップ「SPA」より新発売となった、「イオ111」(IO 111)こと台湾POLSTAR社の「PGM-111」GPS受信機を試用できることになったので、ファーストインプレッションをお届けする。この「イオ111/PGM-111」は、最近殆どのGPS受信機が搭載している、SiRF製のGPS受信チップではなく、ソニー製となる「CXD2951」を搭載しているのが、目新しい仕様だ。
一見すると、外部接続用の小型GPSアンテナの様だ
大きさは、一般的なGPS外部受信用アンテナと同等の41mm平方、高さ18mmと小型でありながら、この容積内にGPSアンテナと受信機が内蔵されている。また、車載時に車の屋根に装着する場合、マグネットがボディに内に内蔵されているので、取り扱いも外付けGPSアンテナと同様だ。出力ケーブルは、2mとあまり長くはなく、車載時には延長ケーブルを用いる必要があるかもしれない。
ケーブルに付属のコネクタは、ミニDIN6ピンのオスで、形状はPS/2マウスやキーボードと同じだ。従って、PS/2マウスやキーボードの延長ケーブルが、そのまま延長ケーブルとして流用可能かもしれない。SPAから販売される製品には、ミニDIN6ピンのメス・コネクタからRS-232CメスとDC5Vの電源コネクタへの変換アダプタが付属してくる。
ルーツとなるIPS-5200と比較すると容積は約1/8!
ソニーのCXD2951を採用しているということで、感度や測位性能は、ソニー製の同じチップを搭載している、Bluetooth内蔵GPS受信機、「GU-BT1」と同等ではないかと予想される。技術評論社刊「Mobile PRESS 2004年秋号」でレポートしているとおり、GU-BT1はNMEA-0183フォーマット出力でありながら、コマンドはIPSフォーマットという変則仕様であるが、イオ111/PGM-111も同じだ。
ただし、GU-BT1では測地系の初期値がTOKYO測地系であったが、イオ111/PGM-111では初期設定がWGS-84となっている。しかし、GU-BT1では、"@SKA"で測地系をWGS-84へ切り替えても、電源オフで初期値のTOKYOへ戻ってしまうという、非常に使いにくい仕様だったが、イオ111/PGM-111では設定測地系は電源を落としても、設定を保持しているので、全く問題はない。
コネクタにはRS-232C、電源に加えTTL信号もある
一般的な使用で問題となるのは、最近のノートパソコンではRS-232Cポートが未装備の機種が多いことと、仮にRS-232Cポートが装備されていても、イオ111/PGM-111用の電源となるDC5Vを供給する方法だろう。過去に、IPS-3000やIPS-5000/5200等を、ノートパソコンで使用する場合は、PS/2マウス・コネクタよりDC5Vを取るという方法が一般的だった。
しかし、現在のノートPCでは、このPS/2マウスポートを装備した機種も少なくなっており、最も容易な方法は、USBポートからDC5Vを頂くという方法だろう。同時に、RS-232Cの信号も、USBへの変換をしてしまえば、USB接続ケーブルのみで、スマートに接続可能となる。
RS-232CとUSBの変換アダプタは、千円台と安価になってきているので、これを流用し改造を施すのがよいと思う。この改造に関しては、実際の改造を行った後、またレポートをしたいと考えている。イオ111/PGM-111のインターフェースコネクタには、RS-232C、電源の他にTTLレベルの信号もアサインされているので、IPS-3000やIPS-5000/5200からの置き換えとしても、良い選択肢となるだろう。
残念ながら、コマンド切り替えなどによって、NMEA-0183フォーマットから、IPSフォーマットへの切り替え機能は存在しないのだが、ソニーオリジナルのセンテンスとして、「$PSGSA」メッセージを出力することが可能だ。このメッセージは、"$PGSA,n,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,nn,n,nn.n,nn.n,zzzzz,hhmmssxx,D*cc"というフォーマットで、IPSフォーマットを知るユーザには、懐かしいメッセージだ。
また、イオ111/PGM-111(CXD2951)には、IPS-5200の血が流れている仕様として、2衛星測位を応用した、擬似三次元測位も装備されているようだ。都市部における、GPS衛星を捕捉しにくい環境では、この擬似三次元測位の装備は、ありがたい仕様である。実際に、試用してみての評価レポートは後日、改めて掲載する予定であるが、FGPSでもメンバー向けに回覧評価が募集されているので、評価してみたい方は応募してみるとよいだろう。
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コメント
始めまして橘と申します、よろしくお願いします。早速ですがPOLSTAR PGM-111 を台湾で購入しPCカーナビを作製しようと思うのですが、方法を教えてください、OSはXP,Navin you5.5,専用マップです。お願いします
投稿: 橘 子寛 | 2005年1月12日 01:46
橘さん、こんばんは、
PGM-111(イオ111)が初めてのGPSだとするならば、あまりお勧めはしかねます(工作やパッチなどが自己解決できない場合は、特にです)。まず、お持ちのノートPCへ、PGM-111が接続可能かどうかを確認してください。PGM-111は、RS-232C(シリアル)ポート接続ですので、ノートPCにRS-232Cポートが必要になります。
RS-232Cポートが無い場合は、USBポートへの変換アダプタが必要になります。このアダプタは、種類が多いのですが、機種によっては上手く通信が出来ない場合がありますので、要注意です。
一番、厄介なのは、PGM-111へ供給する電源です。これは5Vの直流が必要となりますので、ノートPCのUSBコネクタか、PS/2マウスコネクタなどに出力されている5Vを流用するか、車のシガーアダプタ(12V)から5Vへの変換アダプタを用いて給電します。コネクタなどの工作(ハンダ付け)は避けられないと考えてください。
次に、Navin'Youでは、PGM-111の信号出力である、NMEA-0183フォーマットのGPSはサポートされていません。ですので、NMEA-0183フォーマットのGPSを繋ぐための、ソフトウェアを別途入手して、これをインストールします。
このソフトは、NylinkとGPS Playerです。既に、サポートは中止されているソフトで、Windows XP/2000で使用するためには、Nylinkのパッチを施す必要があり、これはバイナリエディタを用いて、自分で行う必要があります。
これらは、全て自己責任での作業となります。もっと詳しい情報が欲しい場合には、FGPSへアクセスしてください。会員になるには、無料ですが登録を事前にしないと、メンバー以外はアクセスは出来ません。
うまく、PGM-111をNavin'Youで使えるとよいですね。
投稿: 清水 隆夫 | 2005年1月13日 02:20
PGM-111を本日購入しました。
PC本体はLet'sNOTEなので、USBからシリアルに変換するアダプターが必要でした。これには、サスペンドから復帰に問題がないかどうかチェックするのが大変でしたが。
で、USBの延長ケーブルをちょん切って、そこからDC+5Vを拝借するようにしました。
あとは、もう順調です。コマンドで@SKBをいれてTOKYO測位にしないとちゃんと現在地にならなかったですが、一度設定すれば問題ないみたいですね。
明日以後、車に積んで遊んでみたいと思います。
投稿: Mune | 2005年1月20日 23:06
Muneさん、こんばんは、
PGM-111、使えたようで、よかったですね。ソニーのBluetooth対応GU-BT1と違って、変更した測地系は保持してくれるので、使いやすいですよね。
設定の保存が、リチウム電池なのか、スーパーキャパシターなのかが不明なので、後者の場合には2週間程度で、保持していた測地系が消えてしまうかもしれません。
USB延長ケーブルを改造して使うのは、よい考えですね。私も、USB<-->RS-232Cアダプタを改造するのは、ちょっと躊躇しておりまして(苦笑)
先日、秋月で安価なアダプタ(1,400円)を入手してきました。問題なく使えていますが、これを改造してみようと思っています。結果などは、また後ほど・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2005年1月22日 23:36