Caplio Pro G3とGARMIN VISTA
新たに購入した、ラトックの「RATOC RS-232C CF CARD REX-CF60」を、リコー「Caplio Pro G3」で試してみた。実は、このCF型RS-232C拡張アダプタは、Caplio Pro G3が正式に対応しているCF型シリアルアダプタである。本来は、ドコモの衛星通信携帯電話「ワイドスター・デュオ」や、ソキア製の業務測量用のGPS受信機「R80D」を、Caplio Pro G3へ接続するために対応している。
従って、REX-CF60を用いて、他のGPS受信機をCaplio Pro G3へ接続可能かどうかは、全くの人柱であり、リコーからも情報は全く公開されていない。しかし、ソキアのR80Dのスペックを調べてみると、GPSデータの出力フォーマットは、NMEA-0183と仕様書に記載されている。多少の方言はあるにしろ、NMEAフォーマットであれば、そのまま他のGPS受信機であっても、データを認識してくれる可能性が、無いとも言えない。
REX-CF60を、Caplio Pro G3のCFスロットへ挿入し、セットアップのモードから、シリアル接続先を「GPS」にセットし、接続GPS受信機には、手持ちのGARMIN社製ハンディGPSの「eTrex VISTA日本語版」を繋いでみた。GPSデジカメ用のGPS受信機として使うには、少々オーバスペックであるが、電子コンパスの出力にCaplio Pro G3が対応しているのかどうかも、同時にチェックしたかったので、eTrex Vista日本語版を選んだ。
これは、手持ちの電子コンパス内蔵GARMINハンディGPS受信機が、日本語版のeTrex Vistaであっただけで、本来GPS受信機デジカメに使用するのが、主目的であるのならば英語版のeTrex Vistaで問題は無く、むしろ安価であるので、新規に購入するのであれば、「GARMIN eTrex Vista英語版」の方がよいだろう。
結果としては、なんの問題も無く、Caplio Pro G3は、GARMIN eTrex VistaのNMEA-0183信号を受け取り、その情報を液晶画面へ表示すると共に、撮影画像のExifデータへ、緯度経度情報を書き込んでくれた。つまり、シリアル接続であっても、NMEA-0183フォーマット出力のGPS受信機を、Caplio Pro G3で使用可能だということだ。
これは、手持ちのGPS受信機を、そのままCaplio Pro G3で活用可能ということで、新たにCaplio Pro G3が対応している、GPS受信機を購入する必要はなく、REX-CF60を購入するだけで、GPSデジカメとして使用可能なわけである。
実際に撮影した画像のExif、GPSifdを見てみると、残念ながら電子コンパスのデータは、反映されていなかった。電子コンパスの方位から、撮影方向を記録するには、GARMIN社の電子コンパス内蔵ハンディGPSであれば、"$HCHDG"センテンスによって得られるのだが、Caplio Pro G3では、このセンテンスを無視しているようだ。
ところが面白いことに、「Exif Radar V3.50」から、Exif/GPSifdを覗いてみると、測地系の部分が、「WGS 84」となっている。前回レポートした、BTGPSの場合は、「WGS-84」となっており、これはCaplio Pro G3自身が設定した測地系を、Exifに書き込んでいるわけで、BTGPSから測地系情報が出力されている訳ではない。
しかし、GARMIN eTrex Vistaの場合は、"$PGRMM"GARMIN独自センテンスによって、設定されている測地系が、ASCIIテキストによって出力されるのだが、これが「WGS 84」という記述なのだ。即ち、Caplio Pro G3ではGARMIN eTrex Vistaの"$PGRMM"GARMIN独自センテンスを認識し、それをExifのGPS情報として書き込んでいることが判る。
また、高度の値が、前回と比べてみると大きく異なっているのだが、これはGARMIN eTrex Vistaに気圧計が内蔵されており、その気圧計のデータから高度を算出している。それに対して、BTGPSの場合は、GPSによる高度の値なので、実際の海抜データに対しては、気圧計による高度データの方が、近い値となっている。もっとも、気圧計と実高度のキャリブレーションを行っていないので、この値もずれている可能性は大である。
実際にCaplio Pro G3へREX-CF60経由で繋いだ、GARMIN eTrex Vistaの測位による、Exif/GPSifd情報付の画像を掲載しておくので、興味のある方はExif Radarで開いてみるか、対応する電子地図ソフトへドラッグ&ドロップしてみて欲しい。掲載画像は、Caplio Pro G3のリサイズ機能によって、VGAサイズへリサイズした画像なので、Exif情報は撮影時のままである。
今回の実験で、Caplio Pro G3に対応しているGPS受信機が、従来のCFGPS2だけではなく、Bluetooth GPS受信機のBTGPS 、そしてREX-CF60による、シリアル接続を行えば、GARMIN eTrex Vistaのような、汎用のNMEA-0183フォーマット対応のGPS受信機も、問題なく接続可能な事が判明した。過去に、これほど多くのGPS受信機に対応していた、GPSデジカメは皆無であり、Caplio Pro G3の持つ多機能さには、驚くばかりだ。
願わくば、GARMIN社のオリジナルセンテンスである、"$PGRMM"センテンスによる測地系を、Exif情報として記録できるのであれば、是非とも汎用の電子コンパスの、方向データセンテンスである"$HCHDG"を、Exif/GPSifdの「撮影方向」データとして、記録可能なように、次回のバージョンアップで対応いただきたいと思う。
そうなれば、文字通りの「最強GPSデジカメ」として、業務用のプロニーズのみならず、ハイアマチュア向けのGPSデジカメとして、より多くのユーザがGPSデジカメで楽しめるのでは無いかと思うのだが、いかがだろうか。
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