Caplio Pro G3とGARMIN eTrex
先日は、リコー「Caplio Pro G3」と、ラトックの「RATOC RS-232C CF CARD REX-CF60」へ、GARMINの「eTrex VISTA日本語版」を接続してみたが、全く問題なく測位データが、Caplio Pro G3でExifへ記録出来た。また、GARMIN独自プロトコルによる、測地系の記録までも行っている発見も出来た。
この測地系の記録というのは、対応する電子地図ソフトによって、そのExif/GPSifdに記録されている緯度経度が、どんな測地系で記録されているかを判断する場合、非常に重要である。もっとも、折角、測地系が記録されていても、無理矢理に旧測地系であるTOKYO測地系で処理してしまう、ゼンリンの電子地図帳Z[zi:]シリーズのような、手抜きソフトも存在しているのは、残念である。
筆者は、このゼンリンの電子地図帳Z[zi:]の仕様(バグとは言い切れない)を、技術評論社「Mobile PRESS」誌で、2年も前から指摘しているのだが、一向に修正されない。世の中で、最も多く市場に出回っているGPSデジカメは、auのデジカメ内蔵のGPSケータイであるが、auのGPS携帯電話の測地系は、WGS-84固定であり、旧測地系には設定することが出来ない。
従って、auのGPSケータイで撮影された、緯度経度情報を記録した撮影画像を、ゼンリン電子地図帳Z[zi:]シリーズへドラッグ&ドロップすると、実際に撮影した地点より、400m~500m北西の地図上へプロットされてしまう。他の電子地図ソフトでは、地図の緯度経度を、新測地系(JGD2000)とほぼ互換のWGS-84へ変更可能だったり、画像に記録されている緯度経度を変換したりする事ができる。
ちなみに、auのGPSケータイで記録される緯度経度データには、標準で表示されるWGS-84による緯度経度データの他に、旧測地系へ変換された緯度経度情報が記録される。この隠し緯度経度情報を使えば、旧測地系しか対応していない、ゼンリン電子地図帳Z[zi:]シリーズのような手抜き仕様であっても、まともな位置に画像のプロットが可能になるのだが、それすら対応しない(出来ない?)のは、日本最大の地図メーカとしては、少々怠慢ではないかと思うのだが、いかがだろうか。
もっとも、Caplio Pro G3では、測地系の設定を新測地系である、WGS-84にも、旧測地系のTOKYO測地系にも、自由に設定できるので、ゼンリン電子地図帳Z[zi:]を前提に撮影するならば、旧測地系のTOKYO測地系へ設定すれば、正しい位置へプロットされるのだが、auのGPS携帯電話では、無理な話なので、やはりゼンリンへ対応を願いたいものだ。
さて、そのCaplio Pro G3の測地系設定であるが、前回の、GARMIN eTrex Vista日本語版では、GARMIN独自プロトコル"$PGRMM"による測地系を、ちゃんとCaplio Pro G3がハンドリングしていたが、同じGARMIN社のハンディGPS受信機であっても、旧機種では測地系センテンス"$PGRMM"が出力されていない。
この場合、Caplio Pro G3はどんな測地系をExifへ記録するのだろか。ちょっと興味があったので、それを確かめてみた。今回、使用したのは、GARMIN eTrex英語版だ。eTrexシリーズの初代モデルであり、電子コンパスも気圧計も内蔵されていない、ベーシックなハンディGPS受信機である。
結果は、Socket社のCF型Bluetoothデバイス経由でBTGPSを用いた時と同じく、Caplio Pro G3側でセットした、"WGS-84"と記録されていた。この事からも、Caplio Pro G3は、GARMINの独自センテンスである、"$PGRMM"を正しく認識し、Exuf/GPSifdへ測地系として"WGS 84"を、書き込んでいることも証明された。
こうなると、GARMIN独自センテンスではない、電子コンパスによる撮影方向(電子コンパスが装備されたデバイスの向きで、Caplio Pro G3へ装備すれば、撮影方向として記録が可能になる)を示すセンテンス、"$HCHDG"にも是非とも対応してもらいたいものだ。
今回も、Caplio Pro G3に内蔵されている、リサイズ機能によって作成した、オリジナルの生画像(Exif情報付)を掲載しておくので、興味のある方は、是非Exif RadarでExif情報(特にGPS情報)を確認してみて欲しい。
また、ゼンリン電子地図帳Z[zi:]シリーズ以外の、位置情報が記録されたデジカメ写真画像のプロット機能を持った、電子地図ソフトへドラッグ&ドロップしてみて欲しい。その場合、測地系は、「WGS-84」を電子地図で正しく設定されている必要があるのは、言うまでもない。
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コメント
うわぁ。しばらく見ない間にレポすごい増えてますね。しかもシリアル接続まで試してくれてるとは。
すばらしい報告ありがとうございます。
手持ちでCFGPS2とVistaJはあるんですが,どれ買えば良いのか迷いますね。
Bluetoothがとってもスマートなんですが,シリアルアダプタだとVista使えますしね。
シリアルアダプタ+VistaJの使い勝手はどうですか?やっぱケーブル邪魔かな?
投稿: こば@道産子 | 2005年5月18日 20:51
こば@道産子さん、こんばんは、
GARMIN eTrex Vistaだと、取り扱いにはちと面倒です。ケーブルも長いので、専用で使う場合には、ケーブルを自作した方がいい感じですね。
REX-CF60用のコネクタが入手できるかどうかが不明です。それと、QV-4000GXのオプションのような、マウンターも必要になりますね。しっかりと、Caplio Pro G3とVistaを固定しないと、電子コンパスのセンテンスに、Caplio Pro G3が対応してくれた場合、意味が無くなります。
手元にあったQV-4000GX用のマウンターは、残念ながらCaplio Pro G3には使えませんでした。装着は可能なんですが、CFスロットを半分塞いでしまいます。削れば、なんとかなりそうですが・・・
リコーさんが、"$HCHDG"センテンスに対応してくれたら、迷わず削りますけど(笑)
現状では、やはりBluetoothが一番だと思います。GPS以外にも、通信でも活躍しますし(まだレポートしてませんが)、これは強力です。
投稿: 清水 隆夫 | 2005年5月19日 00:16
Hi Why should I buy a 900 Dollar Digital Camera that it worth
only 150 dollars compared to a normal canon digital camera only to
have gps? There is a solution that cost only 15 dollars and
works with every digital camera - if you have a gps-reveiver that
writes gpx-data. take a look here: Www.grazer.de best regards
and jens
投稿: Jenns Schwoon | 2005年6月 3日 15:19
Hello Jenns Schwoon,
There is software which writes GPS data also in Japan with a personal computer to Exif.
Moreover, it is possible to also write in map software.
Only by GPS, there is no Caplio Pro G3 and it can also use WiFi.
CF modem can also be used. Of course, Bluetooth can also be used.
These functions do not exist at the digital camera of $150.
投稿: Takao Shimizu | 2005年6月 6日 01:39