COMPUTEX TAIPEI MiTACブース
今年のCOMPUTEX TAIPEIでは、PDAの流れが大きく二つに分かれてきている。一つの流れは、言うまでもなくSmartPhonの流れで、PDAの流れと携帯電話が融合した姿である。もう一つの流れは、MiTAC社が開拓したと言っても過言ではない、PDAへGPS受信機を内蔵し、文字通りのPDA-GPSデバイスとし、カーナビゲーション分野市場向けデバイスだ。
MiTAC社は、PDA-GPS製品のヨーロッパでの市場だけで、世界シェアの第二位にまで販売を伸ばしている。これは、OEM./ODM製品も含めての出荷数であるが、それだけカーナビゲーションの市場が、ヨーロッパにはあったということだろう。日本においては、カーナビゲーション専用機の存在が大きく、また米国ではカーナビのニーズそのものが小さいため、ヨーロッパほどPDA-GPS市場が開花していないようだ。
そんなMiTAC社のOEM/ODM専用機が、MiTAC社のブースに展示されていたので、紹介しておこう。OEM/ODM専用機のコードネームは「OSCAR」で、名称はOEM/ODM先によって変わることになるし、デザインも変更されることになる。
MiTAC OSCAR 150
「OSCAR 150」は、MiTACブランドでは製品に該当するモデルが見あたらず、新製品になるようだ。スペックとしては、プロセッサがPXA- 270/312MHz、GPSエンジンにSiRF Star III、OSにWindows Mobile 5、Bluetooth 1.2内蔵、内蔵電池交換式となっている。
MiTAC OSCAR 100A
「OSCAR 100A」は、Mio 268、269のOEM/ODMモデルに相当し、HDD無しの「OSCAR 100」と、2.5GBのHDDを内蔵している、「OSCAR 100A」となる。CPUはPXA-255/300MHzで、OSはWindows CEとなり、ナビとMP3専用マシンだ。
MiTAC OSCAR 88
「OSCAR 88」は、既に発表されている「Mio 169」のOEM/ODMバージョンであり、スペックもデザインも、全く同じである。CPUはPXA-255/400MHz、OSはWindows Mobile 2003 SE、GPSエンジンは、SiRF Star III、RAM64MB、ROM32MBと現行の「Mio 168RS」から、GPSエンジンのみを変更したモデルだ。
ランドスケープ表示がデフォルトであるが、無論ポートレート表示にも変わるが、裏面に装備されているセラミックパッチ型のGPSアンテナは、ランドスケープ表示専用の位置で、ポートレート時には、GPSアンテナ面が、横を向いたままになるのが、すこし気になる。SiRF star IIIが、いくら高感度であるとはいえ、より精度の高い測位を行おうとするならば、GPSアンテナがポートレート表示時には、上側を向くようなギミックが欲しかったところだ。
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コメント
こんばんは。なるほど、PDAの流れはsmartphoneとGPSの2つに分かれてきているんですか!そう考えるとマイタックの功績は大きいですね。日本でもこういった市場を開拓して欲しいです。
投稿: u-number9 | 2005年6月 8日 21:27
u-number9さん、こんばんは、
日本の場合は、PDA市場として、世界的な流れとは、ちょっと違っているかもしれません。というのは、SmartPhone市場には、あまり積極姿勢を見せない、携帯電話キャリアの問題。現状では、ボーダフォンの702NK/Nokia 6630しかありませんし(ドコモがM1000で参集しますけど)、海外メーカの参入が難しい市場です。
(特に、大手ではない、台湾のメーカは、日本へのOEM/ODMを希望していますけど、日本の携帯メーカは消極的のようです。)
また、PDA-GPSに関しては、専用カーナビの普及率が、新車では7割を超えている日本ですので、これも欧州とは、桁違いの数字です。ですので、どうしてもニッチなバイクとか自転車ニーズ程度しか見込めないので、これまた国内メーカは消極的なんでしょう。
いずれにしても、ニッチな市場しかない日本ですので、欧州のような市場と同じという訳にはいかないみたいですね。
とは言え、海外では魅力的なPDA-GPSや、SmartPhoneが発表されているので、その一部でも日本で販売されればと願っております。
投稿: 清水 隆夫 | 2005年6月 9日 01:29