HOLUX GM-270 ULTRA
台湾でHOLUX社を取材させて頂いた際に、リファレンス用として同社のCF型GPS受信機、「GM-270 ULTRA」の提供を受けたので、その評価レポートをお届けする。GM-270 ULTRAは、GPSエンジンにSiRF Star II e/LP XTrac 2を搭載しており、文字通り標準的なGPS受信機として、リファレンスGPS受信機としては最適である。
パッケージには、「GM-270」と記載されているのだが、この表カバーをスライドさせると、箱には「GM-270-ULTRA」の黄色いステッカーが貼られていた。
GM-270は、以前のHOLUX社のモデルであり、GPSエンジンには、SiRF Star II e/LPが搭載されているのも同じであるが、ファームウェアがXTracではなく、SiRF Softを搭載していたモデルである。恐らく、パッケージはそのままで、ファームウェアの変更を行い、GM-270 ULTRAとの区別を用意にするため、この黄色で目立つステッカーを貼っているのだろうと思われる。
GM-270 ULTRAの本体は、標準的なTYPE I型のCF筐体と、GPSアンテナ部分を含んだ本体ボディを持ち、本体横には外部GPSアンテナ用のコネクタを装備している。国内で販売されている、CF型GPS受信機受信機との大きな違いは、CFスロット側の本体ボディ下部へ装備されている、LEDである。
このLEDは、電源パイロットランプを兼ねた、測位ステータスを表示するLEDであり、従来のCF型GPS受信機では、アプリケーションを起動しなければ、測位を開始しているのか、GPS衛星を探査中なのかを判断出来なかったが、GM-270/GM-270 ULTRAでは、このLEDの発光状態を見るだけで、測位中かどうかを判断できるのは、とても優れた特徴だ。
GM-270 Ultraの大きさは、以前に紹介した「Leadtek 9534」CF型GPS受信機(SPAでの販売名は「コメットCF」)と比べると、CF部分と本体部分共に若干、サイズが大きい。本体ボディ部分は、Leadtek 9534の場合、CF部分から上下に本体部分が張り出していたが、GM-270 ULTRAの場合は、上側のみへ張り出している。
また、両サイドへも若干の張り出しがあるものの、僅かであるため手持ちのCFスロットを持ったPocket PC、東芝GENIO e550Gでも、スタイラスペンの取り出しには問題もなく、CFGPS2の様に、スタイラスペンが取り出せないという様な事は無かった。本体の上面は、若干の傾斜を持っているので、分解してみないと判らないのだが、セラミックGPSパッチアンテナが、傾斜して取り付けられている可能性も否定できない。
実際に、東芝GENIO e550GのCFスロットへGM-270 ULTRAを挿入してみる、パイロットランプのLEDは点灯しない。故障か、接触不良かと思い、一端引き抜いた後、再度CFスロットへ挿入してみても、LEDは消灯したままだ。LEDが不良の可能性もあるので、アプリケーションを起動し、通信ポートを指定してポートをオープンすると、その時点でLEDがオレンジ色に点灯した。
なるほど、従来の国内で販売されていたCF型GPS受信機では、CFスロットへ挿入した時点で、GPS受信機としても同時に起動したのだが、GM-270 ULTRAの場合には、通信ポートをアプリケーションからオープンした時点で、始めてGPS受信機への給電が開始される仕様だった訳だ。
これは、MiTAC社のMio 168/Mio 168RSの内蔵GPS受信機への、給電方法と同じ仕様であり、電力消費の大きなGPS受信機部分への給電を、アプリケーションによってコントロールするように通信ポートに制御回路が組み込まれており、アプリケーションからGPS受信機の電源オン・オフが可能となっているのだ。
対応するアプリケーションを起動して、GM-270 ULTRAの通信ポートを開いて、一分も経過しないうちに、LEDがオレンジ色の連続点灯から、オレンジ色の点滅へと変わると同時に、アプリケーション側では測位の開始を示してくれた。想像以上に、このステータス表示のLED点灯機能は便利だ。
Leadtek 9534に比べて、CF部分が若干長めとなっているのも、CFスロットの挿入口から、GM-270 ULTRAの受信機本体部分の下部に装備されている、このステータス表示用LEDが、確認しやすいための配慮だったことが、この時点で判明した。無用に、CF部分が長いわけではなく、使いやすさのためだった訳だ。
測位速度は、同じSiRF Start II e/LP XTracを装備している、Leadtek 9534やMio 168RSと比べても、同等かそれ以上の早さであり、GPSアンテナ部分の性能が良いのかもしれない。もっとも、SiRF Star II e/LP XTracの場合、ファームウェアのバージョンによっても、測位性能が異なるため、今回評価したGM-270 ULTRAのファームウェア性能が向上しているとも考えられる。いずれにしても、測位速度や感度、精度に関して、性能的には全く問題ないと言えるだろう。
従来、コメットCFとして、Leadtek 9534を販売していたSPAでも、新たに「コメットCF/LP」と称して、このHOLUX社のGM-270 ULTRAの販売を開始した。しかし、Leadtek 9534とGM-270 ULTRAの消費電力は、少なくとも、GPS受信機を稼働させての状態では、大きな違いは無い。ただし、GM-270 ULTRAの場合は、アプリケーションを起動させず、CFスロットへ挿入したままでも、GPS受信機へは電源が供給されない仕様であるため、そういう意味ではローパワー(LP)という表現も、あながち誤りとは言えないだろう。
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