inView N911 GPS Utilitys
パソコンGPSショップ、SPAよりテスト販売された、d-Media System社の「inView N-911」は、限定20台だったために、僅か1日で完売となったようだ。既に、その20台のinView N-911の出荷も始まったようなので、inView N-911のGPS関連ソフトウェアの紹介をしておこう。
inView N-911に装備されている、GPS関連ツールは、Windows Mobile 2003 SEの「設定」の「システム」に収録されている。一つは、「GPS Engine」というショートカット名で、もう一つは「GPS Utility」というショートカット名だ。
GPS Utilityは、実際の機能としてinView N-911に内蔵されている、GPS受信機(SiRF Star II e/LP XTrac V2)の電源制御のコントロールソフトウェアである。inView N-911には、内蔵するGPS受信機の電源専用ボタンを装備しているが、このボタンとは別にGPS Utilityによっても電源制御が可能となっている。
ちなみに、inView N-911のGPS電源ボタンは、3秒間押し続ける(いわゆる長押し)ことで、内蔵GPS受信機の電源をオンにしたり、オフにしたりできる。単純に、ボタンを押しただけでは、GPS受信機の電源がオンになったり、オフになったりはしない様になっているのだ。
GPS Utilityの設定によっては、inView N-911のGPS電源ボタンによって、内蔵GPS受信機の電源オンだけではなく、同時にアプリケーションを起動することも可能だ。標準設定では、「GPS Engine」が設定されているので、ここの「□」へチェックを入れておけば、inView N-911のGPS電源ボタンの長押しで、自動的にGPS Engineも起動できる。勿論、別のアプリケーションを登録することも可能なので、昭文社のPocket Mapple Digitalを登録しておき、自動的に立ち上げることも可能だ。
また、「電源」ボタンをタップすることで、内蔵GPS受信機をオン・オフすることも出来る。この場合は、通常のタップで良く、長くタップをホールドする必要はない。隣には「リセットGPS」ボタンがあるが、これをタップすると、内蔵GPS受信機を初期化できる。この場合、GPSの電源はオンにしておく必要があるが、無闇に初期化すると、再度の測位で時間が掛かるので、不用意にリセットは行わない方が良いだろう。
もう一つのGPS関連ツールである「GPS Engine」は、inView N-911内蔵GPS受信機を活用するためのツールで、本当の意味でのGPSユーティリティである。機能的には、GPS受信機の出力したNMEAデータのログ記録と再生を行ったり、GPS衛星の天空図や、緯度経度、高度、DOP値の表示、生NMEA-0183データの表示など、多彩な機能を持っている。
GPS Engineを起動すると、設定画面が表示されるので、通常は「○ N911 GPS」へチェックを入れておけば良い。「○ ユーザ設定」では、別のGPS受信機を接続した場合などに使用する。接続されたGPS受信機のCOMポートや通信速度(Bluetoothなどの場合)の設定を行える。
起動時には、「GPS接続」と赤いアイコンで表示されており、この状態では内蔵GPSのポートには未接続であり、このボタンをタップすると「GPS切断」と表示が変わり、アイコンも緑になる。この状態で、内蔵GPSのポートへ接続されたことになる。無論、予め内蔵GPS受信機の電源は、オンにしておく必要もある。
この状態で、ログとなるデータは、inView N-911のメモリをバッファとして、記録されていくので、必要に応じて「ログの記録」を行うのだが、この際に一度「GPS切断」を行わないと、記録を行えない。記録されたログは、GPS Engineで再生することが可能だが、ログデータを加工して、他の地図ソフトなどでの流用もできるだろう。
GPS Engineに下段にあるタブをタップすると、他の機能表示に移動することが出来る。「位置表示」では、世界地図が表示され、自分の位置が赤いポイントの点滅によって、知る事が出来、測位している緯度経度、高度、時間(JST補正済み)、速度、進行方向などのデータも表示される。
「衛星状態」のタブをタップすると、お馴染みのGPS衛星の天空配置図が表示される。合わせて、2D測位状態なのか、3D測位なのかも表示され、PDOP値の表示や、各GPS衛星の信号強度と共に、測位に使用している衛星を色分けで表示する。色分けは、青が捕捉中で測位に使用しているGPS衛星だ。
GPS Engineの「データ」タブをタップすると、inView N9-11内蔵GPS受信機の出力している、NMEA-0183の生データを表示することが可能だ。内蔵GPS受信機が、機能しているかどうかを判断するのに、生データを見る事が出来るので、ありがたい機能だ。下段には、「コールドスタート」、「ウォームスタート」、「ホットスタート」などのボタンがあるが、グレー表示となっており、このバージョンでは動作しない。恐らく、今後のバージョンアップによって実装される機能ボタンだろう。ただ、GPSを切断した状態では、このボタンも機能するのだが、切断されて状態では、ボタンが機能しても意味が無いので、現状は使用出来ないと考えた方が良いと思われる。
「バージョン」タブをタップすると、このGPS Engineのコピーライトが表示される。ここの表示では、「GPS Utility Ver.2.02J」となっており、本来はこのツールがGPSユーティリティという名前であることが判る。機能的には、もう一方のGPS Utilityが管理しているのは、GPS電源関係であり、本来であればGPSコントローラという位置づけだろう。
また、「PaPaGO!」の表示も見え、このツールが台湾Maction社のPaPaGO!に装備されている、GPSツールソフトウェアであることが判る。願わくば、GPSツールだけでなく、ナビゲーションソフトウェア本体も、日本語版の提供があればと願うのは、筆者だけではないだろう。
そういう意味でも、今後のinView N-911日本語版には、期待したいと思う。
尚、搭載されている二つのGPSツールは、ポートレート表示であっても、ランドスケープ表示であっても、全く支障なく機能する。特に、GPS Engineでは、世界地図表示や、GPS衛星の天空図表示などの、レイアウトも同時に切り替わるという、芸の細かさである。日本のPDA-GPS用ナビソフトメーカも、見習って欲しい機能だ。
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コメント
こんにちは。
清水さんのBLOGでinViewを見かけてから苦節半年(笑)
ウチにinViewがやってきました。
GPS Engineがうまく作動していないのはなぜだろう?まだまだ理解不足のようです(きて半日じゃあたりまえ?)
とりあえずmappleとomaniは動いているようなんで、これから色々いじってみます♪
これからも色々な情報を楽しみにしてます
投稿: yomikaki | 2005年7月29日 13:00
yomikakiさん、こんにちは、
inView N-911の入手、おめでとう御座います。私が、昨年末に入手してから、ほんと、半年たちましたね。とは言え、ツールなども日本語化されましたし、使いやすいPDA-GPSですので、可愛がってあげてください。
GPS Engine(GPS Utility)が、動きません? 裏で、Pocket Mapple Digitalか、omaniが動いていませんか?
同時に使えるGPSアプリケーションは、一つだけです。
d-Media Systemには、ショートカット名の混乱をレポートしておきましたので、次回のバージョンアップで修正されると思います。恐らく、現在の「GPS Utility」が「GPS コントローラ」へ、「GPS Engine」が「GPS ユーティリティ」へと修正されると思います。
「KeyLock」というショートカット名も変ですよね。「ボタン ロック」が正しいと思います。電源ボタン以外のボタンで、電源がオンにならないように出来ますので、鞄やポケットに入れている際、不用意に電源が入らなくなって便利ですので、お試しください。
今後も、inView N911ユーザのお仲間として、情報交換をよろしくお願いします。
投稿: 清水 隆夫 | 2005年7月29日 15:26
こんにちは。
GPS Engine動かない原因は清水さんのおっしゃる通りでした。
私はLinuxザウルス SL-A300ユーザーだったので、同じ感覚で、ウィンドウ上の×をタップすればアプリケーションは終了するものだと思ってました... ちゃんとメニューから終了を選ばないとダメなんですね。PocketPC自体の勉強をまずしないとダメみたいです(笑)
GPS Engineは、あと緯経度表示がHDDD.MM.MMM表示できて、単純なGOTOナビができれば(GARMINのハンドヘルドGPSのように)どれだけでジオ・キャッシングできるのに、惜しいと思っちゃいました(笑)
私自身はあまりナビゲーションソフトをそれほど重視してないのですが、それでも「PaPaGo!」がインストールされると素晴らしいですよね。(願わくは海外でも使えたらなぁと思うので...)
最後になりましたが、ドシロウトではありますが、素人なりの視点でいろいろイジッてBLOGにのっけたいと思いますので、こちらこそよろしくお願いします。
投稿: yomikaki | 2005年7月30日 23:43
yomikakiさん、こんばんは、
無事に解決して良かったですね。inView N911は、メモリが128Mあるので、裏でタスクが動いていても、通常のアプリならば、あまり動作に影響しませんが、COMポートやIrDAを使うアプリは、ポートのシェアが出来ませんので、要注意です。
GPS Engineは、元々がPaPaGO!のツールなので、ナビ関係は、本体のソフトで受け持ってますから、仕方ないですね。緯度経度表示は、確かに変更できるとありがたいのですが、これも国によってどうも標準が違うので・・・提案はしておきます。
海外版は、PaPaGO!の海外ブランドでMapKing(或いは、KingMap)があり、かなりの国の地図データがあるので、探してみるとよいですよ。私は、米国版の必要な州だけを持っています(CDでしたが、DVDにすれば全米もOKみたいです)。
ちなみに、ダウンロードでも入手できます・・・何故か、TOKYOの地図データもあります(笑) PaPaGO!の使い勝手を試すには、いいかもしれません。MapKing自体は英語版で、TOKYO地図の注記も英語になります。ガイドも英語ですが、お好みに合わせて中国語や、他の言語もバージョンも選べます。
http://www.matlastech.com/mk7/download.htm
早く、PaPaGO!日本語版が登場してくれればと、願っているのですが・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2005年7月31日 01:40
某所のコメント欄にて、レスをいただき、ありがとうございました!
で、清水さんもこのエントリーで書かれておられるように、私も他のblogのコメント欄で、PaPaGo! ver.7の東京の地図があることを知ったので、さっそく先ほどから都内で試しております...(^ ^;
(↓に、携帯からアップした写真があります...)
http://d.hatena.ne.jp/uttii/20050731
X50v(最近買ったばかり)と、以前から使っている、HOLUX GR-232 Bluetooth GPS Receiverの組み合わせです。
地図の試用期間は、3日間だそうです。音声は上書きすれば、自作日本語その他で遊べることは、清水さんもすでにご存じかと思われます...(^ ^;
私もPaPaGo!の日本の地図を以前から期待している一人です。「東京の地図」で皆さんが試して、ある程度使える音声カーナビであることを是非実感して欲しいですね!
なお、「keiboard+IE」をPocketPCに繋ぐ件(笑)は、レスをいただいたsonimapさんのblogのコメント欄にも書きこみましたが、あらためてメール等で報告させていただく予定です...(^ ^;
投稿: uttii | 2005年7月31日 04:34
uttiiさん、こんばんは、
TOKYOマップの実走、拝見しました。いや~ 素早いですね。(深夜のドライブ、お疲れ様でした。)
このマップ、実は5月の時点で公開されておりして、COMPUTEX TAIPEIで台北を訪れた際に、Mactionから入手しておりました。
実際には、日本版をという話も、Mactionの社長にはお願いしてありますので、近々とは言えないまでも、登場するのを期待しても良いかと・・・
どんな形になるかは、楽しみではありますが、なにしろ現在の日本で開発された他のPocket PC用ナビとは、正直なところ次元が違う完成度ですので、期待せずにはいられないのが本音です。
「keiboard+IE」の方も、レポート、拝見しました。やはりHIDなので使えたようですね。携帯での文章入力が得意な方も多いので、結構、実用的かと思います。SIPで、スクリーンキーボードが非表示で日本語入力が快適に出来るようなら、私も使うかも(笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2005年7月31日 22:34