夏の思い出
今でこそ、ノートPCやPDA、そして携帯電話やPHS、或いはWi-Fi(無線LAN)によるワイヤレス環境でのモバイルは、設備さえ買えば誰でもが行える。筆者が、最初に無線環境でのモバイルを運用したのは、今から16年ほど昔に遡るのだが、その当時を思い出してみた。
1989年の6月末、東芝から初めてのノートPC、「DynaBook SS001」が、198,000円で発売された。筆者は、それまで同じ東芝製の、モバイル型ラップトップ「J-3100SL」などを使っていたが、大きさや重さ、それと電池での稼働時間などで、決して満足はしていなかったので、このDynaBook SS001を、即決購入したものだ。
筆者は、当時、仲間達とアマチュア無線による、パケット通信ネットワークを日本全国規模で構築していた。このパケット通信ネットワークは、小型のハン
ディ型トランシーバと、TNC(Terminal Node
Controller)と呼ばれた、無線用モデムを組み合わせれば、かなりのエリアからネットワークへアクセスが可能だった。
また、基幹となるアマチュア無線局では、短波帯による長距離伝送網を構築し、北は北海道、南は九州までを、これらの短波ゲートウェイ局で結んでいると共
に、海外(オーストラリアや米国)とのリンクも行っていた。(後には、アマチュア無線衛星を介して、短波帯から衛星回線での世界ネットワークへと進化し
た。)
沖永良部島の屋子母海岸から自宅(川越)のメールを読む家内
このアマチュア無線によるパケット通信網を用いて、南西諸島の沖永良部島の海岸から、430MHz帯のハンディ型トランシーバで、地元の友人が運用していた、短波(14MHz)帯へのゲートウェイを経由し、東京六本木の某社へ設置されていたゲートウェイ局にアクセスした。更に、その東京のゲートウェイから1.2GHz帯へのゲートウェイを使用し、当時自宅のあった、川越の基幹システムへリモートログインを行った。
回線速度は、1200bpsと今では考えられない程の低速であるが、当時はまだまだ携帯電話によるデータ通信も、業務用以外は誰でも出来る状況ではなく、個人で実現できるワイヤレス環境での、モバイル通信としては、かなり先進的であったと自負している。
あれから、16年経った今では、アマチュア無線の免許を取得する必要も無く、携帯電話を購入しさえすれば、誰でもがワイヤレス環境のネットワークへアクセスできるし、無線LAN(Wi-Fi)アクセス環境も整備されつつあり、無線LANを内蔵したノートPCやPDAであれば、誰でもワイヤレスでのネットワーク(インターネット)を使えるのだから、良い時代になったものである。
更に、通信速度の向上や、安定性の向上に加えて、最も進歩したのは、ノートPCの価格対性能比、すなわちコストパフォーマンスの向上だろう。今、当時のDynaBook SS001の価格である、198,000円であれば、当時のミニコンピュータ並の性能を持った、軽量ノートPCが購入できるのだから。
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