HTC Universal
先日、siam_breeze氏とお会いした際に、台湾HTC社製「Universal」のOEM製品の一つ、i-mete社「JASJAR」を触らせていただいたので、簡単に写真をメインにレポートさせていただく。
JSAJARは、クラムシェル型のVGA3.6インチ液晶画面を持った、Windows Mobile 5を搭載しており、画面の輝度は高く(調整可能)見やすい液晶画面だ。画面の右側には、カーソルボタンと、その下にはTV電話用のカメラ(CIFサイズCMOS)を装備している。
キーボードは、ASCII配列が基本であるが、純粋なASCII配列ではなく、一部の記号キーが、キーボード面積の関係から、「Fn」キーや「Shift」によるコンビネーション操作が必要となる。基本的には、親指タイプによる入力であるが、キータッチはクリック感もはっきりとした、打ちやすさを持っている。しかしながら、ブラインドタッチを行うには、小さすぎる感じだ。
携帯電話の待ち受けモードでは、タッチパネルによるテンキーでの電話操作画面が標準となっている。携帯電話としては、GSM/GPRSのトライバンドに加えて、W-CDMAにも対応しているので、日本でもドコモかボーダフォンの3Gを利用した、ローミング運用が可能だ。
今回は、siam_breeze氏がタイ王国で使用中の、AISのSIMカードによる運用だったが、問題なく筆者のボーダフォン702NKとの通話も行えた。
携帯電話として使用する場合は、液晶を閉じた状態であっても、そのまま着信と通話が可能だ。液晶側の裏蓋右側にある、3個のスリットはスピーカ用のスリットであり、通話用マイクロフォンは、キーボード側の左に装備されているので、実際に試してみたのだが、この液晶を閉じた状態でも、明瞭な通話が可能だった。
もちろん液晶を閉じた状態でも、着信と通話切断を行えるように、液晶側のヒンジ部分に、着信ボタンと、切断ボタンが装備されている。その下のキーボード側には、ミニUSB端子、リセットホール、ステレオイヤフォンジャック(3.5φ)が配置されている。
ボディの裏側には、メインのデジタルカメラ(1.3MピクセルCMOS)がビルトインされ、底面のカバー全体が電池交換用の裏蓋となっている。持った際に、滑りにくいような凹凸加工がされており、なかなか高級感もある。
キーボード側の全面には、カメラの起動ボタンやボリュームコントロールなどの操作ボタンや、音量のアップダウンコントローラが配置されている。大きさの割には、厚みを感じると共に、重量はずっしりとした感じで、携帯電話としてはヘビー級の重量であるが、Windows Mobile 5のPDA(しかもキーボード付)であることを考えれば、軽いという表現になるだろう。
液晶画面は、ヒンジ部分が180度回転するので、液晶面を表側にした状態でも、そのまま使用可能だ。PDAをメインで使う場合には、この状態での使用となるだろう。液晶を回転させると、画面は自動的にランドスケープ表示から、ポートレート表示へ切り替わるなど、ギミック的にも凝った仕様だ。
大きさとしては、筆者の持っているinView N-911と殆ど同じ投影面積であるが、やはり僅かにJSAJARの方が大きい。液晶画面は、JSAJARは3.6インチのVGA、inView N-911は3.5インチのQVGAであるが、標準アプリケーションを使う限りは、VGAの3.6インチ表示であっても、見やすさは悪くなかった。
ボディの厚みを比べてみると、やはりJSAJARの方がinView N-911よりも、倍近く厚みがある。inView N-911はPDAとしては、薄いボディであるが、一般的なPDAと比較してみても、やはりキーボードを装備したクラムシェル型であるため、厚みが増加するのは、致し方ないところだ。重さも、勿論inView N-911よりもJSAJARの方が重い。
inView N-911の上に、JSAJARを重ね合わせてみると、完全にinView N-911が隠れてしまう大きさだ。唯一、inView N-911の装備するジオヘリックスGPSアンテナだけが、見えている。
JSAJARの液晶画面を回転させている状態。90度以内であれば、画面がランドスケープから、ポートレートへ切り替わることは無い。キーボード側ボディの横に、SDメモリスロットが見えているが、SDIO/MMCに対応しているのは、言うまでもない。JSAJARのスペックによると、RAMは64MBなので、inView N-911の装備する128MBの方が大きい。また、inView N-911の装備するUSB HOST機能もJSAJARは装備しておらず、USBクライアントとしては、どちらもUSB 1.1だ。
JSAJARには、標準で合成革によるケースが付属してきたと、siam_breeze氏が言われていたが、筆者の愛用するKRUSELL社製の、ユニバーサルケースをinView N-911用として使っているのだが、これにJSAJARを入れてみると、厚みがあるのだが、なんとぴったりだった。マルチダプトによるベルト装着が可能なので、siam_breeze氏が食指を伸ばすのは、間違いないところだろう(笑)。
筆者のinView N-911(左)と、siam_breeze氏のJSAJAR(右奥)、BenQ P50(右前)。実際に、JSAJAR(HTC Universal)を操作してみると、やはりこの大きさのフルキーボードは、打ちやすい。特に、英文を打つ場合には、日本語の場合と異なり、文字変換を伴わないので、フルキーボードによるメリットは大きい。
日本語の場合は、必ずIMEによるローマ字/仮名から漢字への変換を行うので、極端に言ってしまえば、携帯電話のテンキー操作での入力も、慣れてしまえばそれほど苦にはならないのだが、英文の場合には、やはりIMEを必要としないので、フルキーボードは打ちやすいと言える。
それも、BenQ P50などの小さなキーボードよりも、両手で打てる大きさのキーボードは、筆者にとっては打ちやすい大きさだ。筆者も、海外での使用端末としては、Nokia 6820を愛用しているのだが、正直なところHTCのUniversalに換えたくなってしまった(苦笑)。
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コメント
デザインは個人的にはTreoとかP50のほうが好きですが,こういったデバイスが日本でも出てくるといいです。
投稿: (か) | 2005年9月19日 00:28
(か)さん、こんばんは、
BenQのP50が、W-CDMA対応であれば、携帯電話としても国内で使えるので、選択肢には入るのですが・・・
TreoもWindows Mobile版が出てくるようですし、海外モデルは選択肢が多くて、羨ましい限りです。
HTC Universalも、RAMが128MB版のモデルがいいのですが・・・それとUSB HOST機能も欲しいですね。OEM先によっては、そう言ったカスタマイズが可能なハズなので、他のOEM先のモデルとも比べる必要がありそうです。
#GPS(SiRF III)搭載ならばなぁ・・・それもジオヘリックスGPSアンテナで・・・ 欲望は限りなく(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2005年9月19日 01:49
HTC UniversalのWM6.0版を手元に持っています。結構いいのですが、6.0だとカメラがすごく遅いので困っています。
http://www.windowsmobileinjapan.com/2007/11/htc-universal-in-shibuya.html
投稿: stingraze | 2007年11月25日 13:55
stingrazeさん、こんばんは、
>6.0だとカメラがすごく遅いので困っています。
Windows Mobileマシンにビルトインされているカメラは、一昔前の日本製携帯電話に内蔵されていたカメラと同じ感じですね。
日本製の携帯も、最新機種は起動も撮影も早くなってきてますし、ノキアの携帯も凄く早くなってますから、Windows Mobileマシンも、次のWindows CE 6.xベース(のWindows Mobile 7)になって対応ハードウェアにが進化しないと、高速化は難しいかなと思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年11月26日 00:19