RoboGEO v3.0
筆者の愛用する、GPS受信機接続に対応している、リコーの最強GPSデジカメ(無線LANデジカメでもある)「Caplio Pro G3」では、ケーブル接続やBluetooth接続によって接続されている、GPS受信機が測位した緯度経度データや高度データを、Caplio Pro G3のシャッターをトリガーにして、撮影されたJPEG画像へ、ExifデータとしてGPSデータを記録している。
つまりデジタルカメラ側が、GPS受信機接続に対応していないと、ExifデータへはGPSデータが記録出来ない。ニコンから発表になった「Nikon D200」であれば、デジタル一眼レフカメラとしては、比較的手の届きそうな価格で、GPS受信機接続にも対応しているが、出来れば手持ちのデジタルカメラでも、簡単にGPSデータのExif記録を試してみたいところだ。
そんな手持ちのデジタルカメラと、GPS受信機を用いて、簡単な操作でExifのGPSデータを記録できるソフトウェアが、「RoboGEO v3.0」である。このRoboGEO v3.0は、GARMINのハンディGPS受信機で記録されたトラックログや、GPXファイルなどからのGPSログデータを元にして、同じ時刻に撮影されたデジタルカメラ画像へ、緯度経度と高度を自動的に撮影時刻と同期を行い書き込む。
Caplio Pro G3ではリアルタイムの処理であった、GPSデータの書き込みを、撮影時刻をキーにして後処理で、GPSデータを書き込む訳だ。同様のソフトウェアとしては、ソニーが過去にNaving'Youの姉妹ソフトとして、gTrexを販売していたが、RoboGEO v3.0も全く同じ手法によって、ExifデータへのGPSデータ書き込みをしている。
RoboGEO v3.0はシェアウェアであり、日本からの場合2,900円となっているが、デモ版のダウンロードが可能なので、筆者も試してみた。RoboGEO v3.0をインストールして起動すると、次の様なメッセージが最初に表示される。
This is a demo version of RoboGEO v3.0
Random errors will be introduces that will cause the latitude and longitude values to be off by as much as a kilometer.
Do you want to purchase now?
これは、「デモ版なので緯度経度データに約1Kmほどの誤差を加える」という案内で、RoboGEO v3.0を購入するかどうかを、尋ねている。「はい」をクリックした場合は、RoboGEO v3.0を終了後にRoboGEO v3.0の購買Webサイトがブラウザで開かれるが、「いいえ」をクリックすると、購買画面の表示は開かれないだけだ。
ちなみに、距離の単位がデフォルトではマイル(mile)だったが、距離単位をは変更する事が可能だ。単位がマイルのままだと、約1mileの誤差が加えられると表示されるので、メートルの単位を選んだ方が、加えられる誤差は少ないのかもしれない(同じかもしれないが)。
RoboGEO v3.0が起動すると、最初のステップ#1を、左側のナビゲーション・ウィンドウから選ぶ。作業としては、撮影された写真画像のフォルダーを指定するか、もしくは単体の写真画像ファイルを指定するだけだ。
筆者の場合は、Caplio Pro G3と新型Socket Bluetooth GPS Receiverによって、既にExif情報へGPSデータ(緯度経度と高度)が書き込まれていたので、それぞれの写真画像ファイルに、これらの情報が書き込まれている。上記の画像では、そのExif情報へ書き込まれているGPSデータも表示されているのが、確認できるだろう。
別途、GARMINのハンディGPS受信機で記録されたトラックログや、GPXファイルを読み込んで、撮影した写真画像のExif情報へ、GPSデータを書き込む場合には、ここでステップ#2を選ぶことになる。ステップ#2では、GPXフォーマットで記録されたログファイルの他、パソコンへ直接繋いだGARMINのハンディGPS受信機からも、トラックログやウェイポイントの取得が可能だ。また、手入力によって緯度経度や高度をExif情報へ入力することもできる。
今回筆者の試用では、既にExif情報へCaplio Pro G3と新型Socket Bluetooth GPS Receiverによって、GPSデータがリアルタイムで書き込まれているため、ステップ#2の処理は省くことが可能である。また、auのGPSケータイに内蔵されている、デジカメを用いて撮影した際、GPSデータを書き込む設定をして保存した画像であれば、同様にステップ#2を省くことが可能だ。
また、既にGPSデータがリアルタイムで書き込まれている場合は、どうやらランダムな誤差情報を加えられることはなく、Exif情報に記録されているGPSデータを、そのまま位置情報として使うようなので、筆者がデモ版を試した限りでは、正確な位置情報のままデータ処理が行われている。
次のステップ#3では、RoboGEO v3.0が対応する電子地図上へ、撮影ポイントやトラックデータ(軌跡)などをエクスポートする作業となる。RoboGEO v3.0が対応している電子地図ソフトは、「Google Maps」(Googleローカル)、「Google Earth」、「MapPoint」の三種類で、加えてテキストファイルへのデータだけの出力もできる。
MapPointは、マイクロソフトの販売している電子地図ソフトで、Webでのサービスも行っている。MapPointには、北米版とヨーロッパ版はあるのだが、日本版は販売されていないので、やはりGoogle Earthを選ぶのが、最も面白い選択だろう。
ちなみに、Google Maps(Googleローカル)を選ぶ場合には、事前にGoogleアカウントの取得や、Google Maps APIの使用許諾によって得られる、Google Keyが必要となる。しかし、Googleローカルへのエクスポートを行うと、自分のサイトへGoogleローカルの地図や衛星写真と共に、自分の撮影した写真の撮影ポイントなどを表示できる、HTMLファイルを自動作成してくれるので、これもまた便利な機能と言えるだろ。
RoboGEO v3.0のステップ#3が完了すると、Google Earthをインストールしてあれば、自動的にGoogle Earthが起動して、撮影ポイントの周辺航空写真が表示される。画面のスナップショットでは、Google Earthの起動から、撮影ポイントの表示までの動きが紹介できないのだが、これは毎回見ていて楽しくなる動作だ。
上に掲載したGoogle Earthの表示は、先日撮影の試用で行った、Caplio Pro G3と新型Socket Bluetooth GPS Receiverによるものだが、撮影した画像のポイントのみのKMLファイル作成を選んでいる。GARMINのハンディGPS受信機で記録されたトラックログや、GPXファイルからのログ取り込みであれば、同時に軌跡の表示も可能だ。
RoboGEO v3.0が生成する、Google Earth用のKMLファイルには、画像のサムネイル表示なども行えるし、メモなどを入力することも可能だ。上に掲載したGoogle Earthの表示では、先日横浜の赤レンガ倉庫で、Caplio Pro G3と新型Socket Bluetooth GPS Receiverの組合せで撮影した画像だが、撮影ポイントをクリックすると、サムネイルがポップアップによってバルーン表示される。
RoboGEO v3.0が作成するサムネイル画像のサイズも、ステップ#3のオプションによって、自由に設定可能だ。デフォルトでは横640ドットに設定されるので、少し小さめの200ドット前後のサイズが、衛星写真をバックに表示するには、見やすいのではないかと思う。
日本で市販されている電子地図ソフトであれば、Exif情報へ書き込まれたGPSデータによって、その写真画像が撮影されたポイントを表示する機能を、機能の差こそあるが、殆どサポートされている。しかし、これも日本国内に限っての話で、海外で撮影したExif情報へGPSデータを記録した写真画像となると、せいぜい世界地図上への表示しか出来なかった。
しかし、RoboGEO v3.0を使い、Google Earth用のKMLファイルを作成してやれば、世界中の何処の国で撮影された、Exif-GPS写真画像ファイルであっても、その撮影ポイントを特定できるのである。また、Caplio Pro G3やD200の様に、GPS受信機接続に対応しているデジタルカメラでなくとも、GPS受信機さえあれば、同様の事が可能になるのだ。
上に掲載しているGoogle Earthの表示は、筆者が8月に米国のラスベガスへ行った際に、Caplio Pro G3とHOLUX社より提供していただいたSiRF Star IIIのGPSエンジンを搭載している、「GPSlim236」で撮影した写真画像を、KMLファイルへエクスポートしたサンプルだが、見事にラスベガスの街の衛星写真上へ、撮影ポイントを表示してくれている。
RoboGEO v3.0では、GPS受信機としてはGARMINのハンディGPS受信機しかサポートされていないのだが、先日紹介した「GPSBabel」を用いれば、GARMINのハンディGPS受信機のトラックログ形式や、ウェイポイント形式、またGPSファイルフォーマットへの変換も可能なので、inView N-911や、Mio 168RS/Mio 168や、手持ちのGPS受信機とPocket PCを組合せ、同じく先日紹介した「VisualGPSce」を用いて、NMEAフォーマットのGPSログを採取し、それをGPSBabelを用いてデータ変換することも可能だろう。
いずれの場合でも、後処理によるExif情報へのGPSデータ記録では、同期をとる際に試用する撮影時間が、GPS受信機の時間とずれていないことが必要となるので、GPSデータのログ記録を行う時に、予め測位開始と同時にデジタルカメラの時計を、GPS受信機の時刻とゼロ・キャリブレーションをとっておく必要がある。
デジタルカメラに内蔵されているカレンダークロックは、機種によっても異なるのだが、秒単位の誤差は数日で発生する場合も多い。従って、位置情報を記録しようとする場合、撮影前に必ず、GPS受信機の正確な時刻とキャリブレーションをとるというのが、GPS受信機接続に対応していないデジタルカメラで、Exif位置情報記録に対応した写真画像を撮影するための、最低限のコツと言えるだろう。
なお、RoboGEO v3.0を終了する際、少なくとも筆者の運用環境では、毎回Windows XPがエラーを表示している。しかし、元画像ファイルや生成されたKMLファイル、HTMLファイルを壊すような事はなく、実害は発生していないので当面は様子を見ることにした。
■ 【そのまま内税】Gps60【英語版】(USBケーブル付き)【特別販売価格:25,000円(税込)送料込】代引き無料
■ GPS搭載ハイグレードPocketPC inView N-911/128MB BASICモデル 【SuperMappleDigitalVer6forSPA付き】 【新発売記念電源変換コネクタ付き、期間限定】 【特別販売価格:43,980円(税込)送料込、代引無料】
■ パーソナルナビ機能付きPocketPC Mio168RS BASIC+【SuperMappleDigitalVer6forSPA付き】【特別販売価格:47,429円(税込49,800円)送料込】
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
Kiyomizu-san,
I read your article on Robogeo, GPS with great interest. It is a very clear description of Geo-referencing imaging theme.
I have pointed Tim Helton(Author Robogeo) on your weblog. I am using Robogeo from version 1.0 onwards. (In earlier versions(no Google Earth export) I transformed the Google Maps files with XSLT to Google Earth KML.
I noticed you get a Windows error when closing robogeo 3. Personally never had a problem.
Better report it to Tim Helton.
o genki de,
Oranda kara
William A Slabbekoorn aka Cybarber
投稿: William A Slabbekoorn | 2005年11月16日 20:14
I am sorry Mr. Shimuzu for reading your name as kiyomizu.
warui nihongo wo sumimasen deshita.
William A Slabbekoorn
投稿: Wim Slabbekoorn | 2005年11月16日 20:18
Dear Mr. Slabbekoorn,
Thank you for having the evaluation report of my RoboGEEO praised.
RoboGEO which you are also using is a convenient tool.
Since especially v3.0 became Google Earth correspondence, it is convenient.
I think that the error generated in my PC environment is the relation of ".NET Flamework 2.0" new probably.
If it investigates to a slight degree and is not improved, it will report to the author of RoboGEO.
The thing of my name does not matter. My being surprised from it is that you from the Netherlands can read Japanese.
My many overseas friends cannot read a KANJI character.
Please give me information exchange of Exif-GPS in the future.
Thank you, Takao Shimizu
投稿: Takao Shimizu | 2005年11月19日 00:32