X-LiteとSkypeの併用
丁度一週間前の夜に、タイ王国に住む筆者の友人であるsiam_breeze氏が、転勤の為にタイ王国を離れる事になり、氏の送別会がバンコク都内にある、焼肉店「焼肉・一休」で行われた。筆者も、何度か同店の焼き肉を食べに訪れた事がある、懐かしいバンコク都内の店だ。残念ながら、筆者も送別会に参加したかったのだが、仕事の関係もあって、バンコクまでは行くことが出来なかった。
そこで、せめて声だけでもということで、siam_breeze氏(の愛機であるHTC Universal)へ「Skype」(スカイプ)を通じて電話をしてみた。会場で盛り上がっていたので、呼び出し音が聞こえなかったとのことだが、最初は通じなかった。逆に、筆者がPCから離れていた時に、こちらへの着信があったので、直ぐに折り返しのコールを行い、通話を開始。
横浜とバンコクの間ではあるが、スカイプの通話品質は良く、たまに音声が短く途切れる事はあるが、非常に安定してクリアな会話を楽しむことが出来た。また、日本からこの送別会に参加していた、tt-bare氏ともスカイプを通して(初めて)会話を楽しむ事もでき、横浜とバンコク間の遠距離無料会話を楽しんだ。
さて、筆者のデスクトップPC環境では、NTTのBフレッツ用「ひかり電話」専用ルータである「RT-200KI」の、SIPプロキシ機能(もちろんNTTとして非保証であるが)を利用して、フリーウェアのSIPソフトフォンである、「CounterPath」(旧Xten Networks)の「X-Lite」を常時起動し常駐させている。
送受話器としては、以前に筆者が購入したUSB接続のハンドセット、「USB VoIP Phone P1-K」(P1-K)を使用し、RT-200KIへ着信があるとX-Liteが、デスクトップ画面へポップアップ表示されると共に、スピーカには着信サウンドが出力される。ここで、P1-Kの受話ボタンを押せば、そのままX-Liteを通して、ひかり電話によって通話が可能だし、発信の場合にも、P1-Kのダイヤリングボタンや、X-Liteへ登録している電話番号リストからも、容易に発信が可能だ。
この場合、X-LiteとSkypeを同時に起動して、Windows XPパソコンに常駐させておくことは、お互いが干渉することなく、可能である。しかし、P1-K専用のコントロールソフトは、X-Lite用の「X-TenMate」と、Skype用の「SkypeMate」に別れており、双方を起動させると、お互いがコンフリクトを起こし、まともな動作が行えない。
この場合、X-liteとSkypeのどちらが、P1-Kに装備されているテンキーや制御ボタンをによって、利便性が高まるかによりX-TenMateと、SkypeMateのどちらかを選ぶ事になる。筆者の場合は、スカイプを主に海外との知人、友人の通話に利用し、SkypeOutを利用することも無いので、X-Lite用のX-TenMateを常駐させ、ひかり電話の発着信を優先している。
しかし、P1-K等によるUSBハンドセットでの通話は、非常に快適であり、これだけでもスカイプで利用したいものだ。この場合、スカイプの着信操作はパソコン画面上のマウス操作か、或いはスカイプの設定によるキーボードのショートカットキーで行い、スカイプの通話だけどP1-Kで行う事が、スカイプの設定によって可能となる。
この設定は、Skypeの「ツール」から「設定」を選び、設定画面の「オーディオデバイス」の設定で、「Windowsの標準デバイス」ではなく、P1-Kの場合には「USB Audio Device」を、「オーディオ入力」、「オーディオ出力」共に選べば良い。
液晶表示機能を持っていないが、SkypeとX-Liteを、コントロールソフトで選択可能な(これも筆者が以前に購入して評価)、「K-200W」の方が便利かもしれないし、K-200WとP1-Kを両方ともPCへ接続し、それぞれをX-Lite用とスカイプ用のハンドセットとして利用することも可能だ。
市場にも、スカイプ用のUSBハンドセットが豊富に見られるようになったが、今後の標準SIP対応のVoIPの普及や、ひかり電話のヘッドセットとしても利用が可能となるので、スカイプ専用のUSBハンドセットよりも、標準SIPにも対応しているUSBフォンを選んでおいた方が、後々応用が効くと筆者は思う。
また、殆どのスカイプ用USBハンドセットや、据え置き型のUSB電話機「P4-K」は、スカイプやX-Lite以外にも、MSN Messenger(Windows Messenger)や、Yahoo! Messenger、Googl Talkなどでも、通話用のデバイスとして設定を行えば使用が可能となるので、試してみるとよいだろう。
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コメント
以前は、ひかり電話導入の件でお世話になりました。その後も楽しく記事を拝見させていただいております。
先日、無事に工事の方も終わり、Bフレッツ無事導入と相成りました。
今まで使っていたTEPCOと比べますと、確かに計測結果は約半分くらいの35〜38前後になりましたが、体感上はわかりませんし、ひかり電話とのトータルで考えると月額費用の面からも安い印象です。
さて、以前、RT200KIにアナログポートが2つしかないのでどうにか何かの機器をSIP登録してアナログポートを増やせませんかといった質問をさせていただき、いろいろネットを検索した結果できそうな機種を発見し、今後試してみたいと思っております。もしよろしければその際はご報告させていただきたく思いますが、今回、ちょうどSkypeのコラムですのでまたご質問させてください。
もし、上記機器でアナログポート不足の件が解決しましたら当然、ひかりパーソナルフォンなるSIPフォンは余ってしまう訳ですが、こちらをパソコンの無線LANと接続してSkypeの無線専用電話みたいにしてしまうことは可能でしょうか?要するに市販されているヘッドセットの無線版になると思うのですが、清水様のコラムを拝見する限り標準的な仕様のSIPフォンみたいですのでいけるのではと思っております。私はまだSkypeに登録していないのでわからないのですが、もし無線の子機としてSkypeで使えたらおもしろそうだな〜と思っています。
今後とも記事の方毎回楽しみに拝見させて頂きます。
失礼します。
投稿: tamazo | 2006年3月 4日 00:00
tamazoさん、こんばんは、
無事に、Bフレッツ&ひかり電話が開通されたようで、おめでとうごさいます。
さて、
>ひかりパーソナルフォンなるSIPフォンは余ってしまう訳ですが、こちらをパソコンの無線LANと接続してSkypeの無線専用電話みたいにしてしまうことは可能でしょうか?
残念ながら、WI-100HCをSkypeの端末に設定することは出来ません。これは、Skypeは、世界標準のSIPプロトコルではなく、完全な独自仕様で、仕様も非公開となっています。
SIPの場合には、SIPサーバ(或いはSIPプロキシ)に対して、クライアントを登録してクライアント同士が通話を行う、言わばクライアントサーバ型の通信を行います。ですので、必ずサーバありきで、RT-200KI(RT-200NEや、WBC V100Mも)は、NTTのSIPサーバの子機として機能し、更に内線の簡易PBXとしても、RT-200KIやRT-200NEは機能する、SIPプロキシの機能を備えています。
これに対して、Skypeの場合は、P2Pプロトコルですので、サーバが存在しません。最初の通信時には、Skypeのクライアントが、ノードとして機能して、通信相手とのリンクが確定した後は、クライアント、クライアントの直接通信(P2P)を行います。
ですので、Skypeの端末となるには、端末自体にSkypeプロトコルが装備されている必要があり、残念ながらWI-100HCには、Skypeのプロトコルが実装されていませんので、Skypeの端末にはなれません。
逆に、設定さえすれば、標準SIPに対応している、SIPサーバには登録が可能なので、私は試しておりませんが、RT-200KI/NE以外のSIPサーバにも、子機端末として登録できると思います。(IP-PBXのAsteriskにも登録が可能なようです。)
今後は、Skypeプロトコルを搭載した、無線LAN端末も海外では登場してくるようなので、国内にも登場してくると思いますが、日本の場合は携帯キャリアの力が強いので、このあたりは不透明な状況ですけど・・・
と言うわけで、現状ではSkypeのハンドセットやヘッドセットは、オーディオデバイス(外付けUSBデバイスを含む)のみとなります。(Bluetoothデバイスも、Windows XPや、Pocket PCならばSkypeにも対応できます。Linuxは試しておりません。)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年3月 4日 01:25
清水様
詳細なご説明ありがとうございます。
ひかりパーソナルフォンの利用計画は残念ながら頓挫してしまったようです。
それにしても、このひかりパーソナルフォンは電波が悪いですね。電池の持ちも今ひとつだし・・・。木造の一軒家でこんな状況では正直使用するのがためらわれます。無事にYAMAHAのルーターでSIP登録できてアナログポート増設できるといいのですが・・・。
ありがとうございました。
投稿: tamazo | 2006年3月 8日 01:27
tamazoさん、こんばんは、
>ひかりパーソナルフォンは電波が悪いですね。
WI-100HCの無線LAN受信感度は、悪いとは言えないですよ。一般的な外部アンテナ無しのPCカード型と、受信感度の数値をキャリブレーションして、比べてみても似たような数値です。
むしろ、RT-200KI側の問題(外部アンテナが無い)が大きいと思います。外部アンテナの使えるカードを使うと、だいぶ改善されます。
また、電波にはアンテナの設置状態によって、偏波が異なります。偏波面や位相を合わせてやることで、通信状態が、大きくアップします。
そういう意味でも、RT-200KI側には、もっとゲイン(利得)のあるアンテナが使える無線LANカードを使った方がよいと思います。
>電池の持ちも今ひとつだし・・・。
これは、全くそのとおりです(苦笑)。定格の時間にはほど遠いですね。まぁ、電界強度が弱い環境だと、よけいに電池を消耗してしまうのは、3G携帯と似たような特性かもしれません。
RT57iであれば、RT-200KIに対して、SIP登録ができることは確認しています。常用している訳ではありませんが・・・子機ばっかり増えてしまっても、仕方がないので(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年3月 9日 01:48
ご無沙汰しております。tamazoです。
>RT57iであれば、RT-200KIに対して、SIP登録ができることは確認しています。
RT57iですか。かなり評判のいいルーターですよね。私もISDNの時代には5万円くらいだしてRT60WというYAMAHAのルーターを購入しました。当時、アナログが3ポートあるTAはなかなかなかったのでかなり値は張りましたが、メールの着信お知らせ機能や、当時は先進の無線LAN(802.11bですが・・・笑)など、今の今まで現役で使えていてスループットがよければ今でも使いたいくらいです。
何より、サポートが大変しっかりしている印象で、ネットワークなど素人に難しい問題を何回も丁寧に教えていただきました。
こういったいい印象があるので、現在、RT57iは購入候補に挙がっています。
清水様もSIP登録できたとのことですので、某巨大掲示板を参考にこの、RT57iと、RTA55iなどを検討しています。RTA55i値段かなりが安いという事で考えています。(ちなみにRT60WもSIPには最新ファームで対応するみたいですが、登録はできませんでした)
安いRTA55iの場合、スループットとしても200KIをメインにする事になると思いますが、
それよりも、やはり、RT57iを購入してそちらをメインにした方が全体的にはいいでしょうか?正直、200KIの性能はあまりお世辞にもいいとはいえなさそうですし・・・。
ちなみに、ご報告までですが、先日NTTよりプロバイダ050IP電話用にレンタルしていたV110は、SIP登録できました。パーソナルフォンはとりあえず、お役御免です。そのうちNTT側で何かして使えなくなる可能性もあるでしょうけどとりあえず、電波が届き、電話が鳴るので安心しています。
投稿: tamazo | 2006年3月19日 18:07
tamazoさん、こんばんは、
ISDN時代だと、YAMAHAかBUGかって選択だったと思いますが、やっぱり業務用での実績からYAMAHAに一日の長があるかと思います。
RT57iは、速度としては決して早くはありませんが、やはり細かな設定がターミナルモードで可能なのと、IPフィルターの詳細な設定が可能なので、F/Wをルータである程度構築しようとすると、これ以外には価格的には選択肢はないと思います。VoIP機能も考えれば、尚更じゃないでしょうか。
V110でもRT-200KIにSIP登録できるんですね。私は、V110を持っていないので、試せませんけど、電話機をアナログポート増設するとなれば、便利ですね。
単にアナログポートの増設目的だけであれば、RT57iは勿体ないですから・・・ WI-100HCも、価格を考えれば、安価なWiFI-VoIP端末なので、重宝しています。
出来れば、NokiaのE70のような、Wi-Fi内蔵で、かつGSM/W-CDMA対応の携帯電話が、国内でも販売されればと願っているのですが・・・・ボーダフォンを買収したソフトバンク/Yahoo! JAPANが、こういった魅力的な端末を国内で販売してくれることを期待しています。
とはいえ、RT-200KIは、いろいろと遊べるので、ひかり電話のおもちゃとしては、最高だと思います。(笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年3月19日 23:15