Princeton PTM-UBT2
少し(多忙だったので)間が空いてしまったのだが、筆者の購入したPLANTRONICS社製のBluetoothヘッドフォン(ヘッドセット機能付き)「Pulsar 590A」を、パソコンの音楽再生環境や、VoIP通話(Skypeや、ひかり電話で使用しているX-Lite)で使用してみたので、対応するPC用USB接続型のBluetoothアダプタと合わせて、レポートをお届けする。
筆者が、今回入手したBluetoothのUSB接続型アダプタは、Princeton社製のUSB接続型アダプタ「PTM-UBT2」だ。Bluetoothのバージョンは、最新のVersion 2.0 EDRに対応しており、対応するBluetoothのプロファイルには、Pulsar 590Aでステレオ音楽再生が可能な、「A2DP」プロファイルと、選曲をPulsar 590Aのリモコンで行うための、「AVRCP」プロファイルにも対応している。
更に、SkypeやX-Lite等のVoIPで通話を行うことができる「HSP」プロファイルもサポートされているので、Pulsar 590Aを活用するには、十分なプロファイルを装備している。
Princeton社のPTM-UBT2には、USB接続Bluetoothアダプタの本体と、ドライバを収録したCD-ROM、簡単な説明書が同梱されているだけの、簡素なパッケージ内容である。特に注意すべき点は無いが、専用のドライバをCD-ROMからインストールを行う前に、PTM-UBT2をWindows XPパソコンへ装着すると、Windows XP標準のドライバがインストールされてしまう場合があるので、必ず付属のCD-ROMからドライバをインストールした後に、PTM-UBT2をパソコンへ接続した方が良い。
また、PTM-UBT2はWindwos 98SE/Meにも対応しているのだが、この場合にはPulsar 590Aで必要となるプロファイル、「A2DP」、「AVRCP」、「HSP」等がPTM-UBT2で使用できないため、事実上Pulsar 590AをPTM-UBT2とペアリングして使うことが出来るのは、Windows 2000/XPに限られる。
PTM-UBT2の大きさは、小型のUSB接続フラッシュメモリと同じ位のサイズで、比較的小型であるが、以前に筆者が使用していた、Version 1.1対応のUSB接続Bluetoothアダプタと比べると、若干長さがある。PTM-UBT2のボディは、銀色で塗装が施されているが、実際にはトランスルーセント(透過性)のプラスチックで出来ており、稼働すると内蔵されている青色LEDの点灯が、透けて見える。
無論、PTM-UBT2は日本国内で販売されている製品なので、TELECの認定を受けているため、日本国内でも電波法に違反することなく、安心して使用が可能だ。しかし、残念ながらCEやFCCの認定を受けていないので、海外で使用することが出来ない。こういったアダプタ機器は、海外でも使用する頻度が高いので、Pulsar 590Aの様に是非ともFCCやCEの認定も受けて、国内で販売して欲しいものだ。
PTM-UBT2のUSBプラグ部分は、保護用のキャップが付属しているので、PTM-UBT2を使用する場合には、このキャップを外して使用するのだが、PTM-UBT2のボディは裏表が非対称のデザインで、キャップ部分も同じく裏表が非対称となっている。具体的には、表側は凸型となっており、裏側が凹型になっているので、キャップを裏表逆に装着すると、この部分が合わなくなってしまう。
とは言え、キャップ自体が刺さらない訳ではなく、表面にギャップが出来るだけなので実用上は差し支えないのだが、この辺りのデザインは、裏表(左右もだが)の無いようなデザインの方が、使い勝手は良くなると思う。しかし、キャップ自体が付属していないUSB接続Bluetoothアダプタも多いので、キャップが付属してくるだけ、PTM-UBT2はマシだと考えた方がよいのだろうか。
さて、PTM-UBT2に付属してくるBluetoothドライバは、東芝製のスタックであり、バージョンは「Version v3.03.13(C)」となっており、Bluetooth内蔵の東芝製ノートPCへバンドルされているドライバに比べると、多少古いバージョンだ。とりあえず、Pulsar 590Aとペアリングしてみると、これは問題なく「A2DP」でペアリングされた。
そして、何度かペアリング動作を繰り返すと、今度は「HSP」でのペアリングが成功した。どうも、二つのプロファイルを同じBluetoothデバイスであるPulsar 590Aと行うと、二つ目のプロファイルでのペアリングが上手く行われないようだ。これは、一度最初に行った「A2DP」のペアリングを削除し、再びペアリングを行ってみたが、やはりエラーが数回発生したので、プロファイルの優先順位ではなく、単に同じ機器の二度目のペアリング動作が不安定のようだ。どうも、この挙動は、東芝製のドライバである「Bluetooth Manager」が原因のようである。
しかし、一度ペアリングが成立してしまえば、以後はペあっリングが解除されてしまうこともなく、問題なく動作を行ってくれる。ただし、大変に残念な仕様であるが、同時に「A2DP」と「HSP」の接続を行う事は出来ない。
これは、「A2DP」か「HSP」のプロファイルで、どちらか先に接続していた場合、後からは同時に接続が行えない。つまり、MP3で音楽を聴くために、「A2DP」でヘッドフォン用にPulsar 590AとPTM-UBT2をリンクしてしまうと、SkypeやX-LiteによるVoIP用として、「HSP」によるヘッドセットの接続は出来ないのだ。
これで、筆者の求めていた、パソコンでMP3の音楽を再生して、Pulsar 590Aによってその音楽を聴きながら、X-Liteの着信もPulsar 590Aによって受けて通話を行うという目論見は、少なくともPTM-UBT2では実現出来ないことが判明した。無論、携帯電話(Nokia 6630/702NK)での着信は、問題なくPulsar 590AとPTM-UBT2をリンクしていても、行える。
また、Pulsar 590Aが装備している、選局用リモートコントロール(前後の曲を、ボタンによって選択可能)機能は、PTM-UBT2に付属する東芝製Bluetooth Managerのデフォルト設定では、使用することが出来ない。この機能をオンにするには、タスクトレイのBluetoothアイコンを、右クリックし表示されるメニューから「サービスプロパティ(S)」を選択する。
すると、上に掲載したサービスプロパティのメニューが表示されるので、ここから一番下にある「□ AV リモートコントロールサービス」にチェックを入れ、「OK」ボタンをクリックする。
すると、それまでグレー表示だった、「Bluetooth設定」の「Bluetooth(B)」で表示される、「AVプレーヤの選択(I)」が選択可能な状態になるので、ここから「Windows Media Player」を選択(これしか選択出来ないが)すればよい。残念ながら、iTunesを使用している場合は、リストに表示されないので、是非ともiTunesにも対応して欲しいと思うのは、筆者だけではないだろう。
実際に、Pulsar 590AとPTM-UBT2をリンクし、Pulsar 590Aに装備されている選局ボタンを操作してみると、画面上にはそのボタンに対応したコマンドが表示され、確実にWindows Media Player 10の操作を行う事が可能で、これは離れた場所からの選局が可能で、かなり便利な機能だ。
無論、Pulsar 590Aには音量のボリューム制御ボタンも装備されているし、携帯電話の着信ボタンや、切替ボタンもあるので、音楽を聴きながらでも離れた場所から、携帯電話へでの着信や通話も問題は無い。この操作は、かなり快適であり、一度体験してしまうと、かなり癖になってしまう程、快適なオペレーションが可能だ。
何とか、携帯電話だけではなく、ひかり電話(X-Liteによる)の着信や通話も、Pulsar 590Aで対応できればと、PTM-UBT2ではなく(というよりも東芝製プロファイル以外を採用している)他社製のUSB接続Bluetoothアダプタを試したくなった。
最後に、唯一のトラブルとして、筆者も最初は気がつかなかったのだが、Pulsar 590Aと付属のBluetoothサウンド・トランスミッタ「ユニバーサルアダプター」や、ワイヤー接続では問題なく、左右の音が正常に聞こえるのだが、何故かPTM-UBT2経由では、左右が逆転して音が聞こえてくる。これは、筆者のPulsar 590Aのレビューへコメントしていただいた方(PLANEX社の「BT-01UDE」を使用とのこと)からの指摘だったのだが、全く同様の不具合が筆者のPTM-UBT2でも発生している。
原意は不明であるが、筆者の環境でも発生しているということは、東芝製の「A2DP」プロファイルが原因なのだろうか。それを確認する意味でも、他社製のプロファイルがバンドルされている、USB接続Bluetoothアダプタを入手して試してみたい訳だ。結果は、後日レポートする。
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コメント
清水さん、こんばんわ。
BT-01UDEも「Version v3.03.13(C)」なので
基本的にPTM-UBT2と同じものなんですかね?
AMBICOMとのペアリングがうまくいかないので
買い換えようと思いましたが、変わらなそうですね。
702NKIIとは問題ないんですが・・・
ANYCOMでも購入して試してみようかな?
e830Wの中古を探す方が、早そうですが・・・
投稿: pepsiman_koza | 2006年4月 3日 16:02
pepsiman_kozaさん、こんばんは、
>基本的にPTM-UBT2と同じものなんですかね?
外観は違いますけど、中身は同じ可能性も否定できませんね。とは言え、東芝のスタックを使用しているので、Bluetoothのロジックレベルでは、同一と見て良いかもしれませんね。
もう1個買ったのが、Bluesoleilでしたの、後でレポートします。ただ、私はAMBICOMのデバイスは持っていないので、それとの相性はどうなのかは?
少なくとも、Pulsar 590Aとは、問題なく接続できています。ただ、サウンド出力の左右逆転は、PTM-UBT2と同じく発生しているので、これは東芝スタックの問題ではなく、Pulsar 590Aの不具合であることは、間違い無さそうです。
#Pulsar 590A・・・ユニバーサル・アダプタと合わせて、交換対応だろうか?
投稿: 清水 隆夫 | 2006年4月 3日 23:51
清水さん、こんにちは。
検証していただきありがとうございます。
こちらもロジテックのLBT-UA200C1(BlueSoleil)を購入して試していました。
やはり左右逆でしたので590Aとユニバーサルアダプタ双方が逆になっているということでほぼ確定のようで。
Bluetoothのオーディオだけ左右を入れ替えるようなツールは……探してもないだろうなぁ。
とほほ。
東芝スタックの「AVプレーヤの選択」ですが、当方の環境ではWindows Media Player以外にBeatJamが選択可能でした。
投稿: 伊織舞也 | 2006年4月 5日 15:05
清水さん こんばんは。
PLANEXはTELEC・CEはマーク記載があります。
FCCはマーク記載がないのですが
FCC ID:PQY4xxxxxxと記述されています。
XXX:伏せ字
FCC申請中なんでしょうか?
投稿: pepsiman_koza | 2006年4月 6日 23:31
こんばんは、
>伊織舞也さん、
伊織さんも購入されたのですね。これで、間違いなくPulsar 590Aとユニバーサルアダプタの不具合が確定したわけで、早く交換処理なり、対策処理を、プラントリニクス社には行ってもらいたいですね。
ユーザ登録してないけど、しておいた方がよいかな。(苦笑)
Webには、特に不具合のお知らせなどは、米国のサイトも日本も、掲載されてませんね。あまり、他のBluetoothアダプタでの接続を、皆さん、やって無いということなのでしょうかね・・・
>pepsiman_kozaさん、
おぉ~ プラネックスのは、珍しくCE認定ですか、恐らくFCCのロゴが無くても、FCCのIDがあれば、それはFCCの認定品です。。
FCCのIDは、全て同じでシリアル番号ではないので、そのID番号で、FCCのサイトで検索できます。
#こりゃ、プラネックスも買うようかなぁ~(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年4月 8日 01:58