inView N-911でUSB Bluetooth
筆者の愛用しているGPS受信機を内蔵したPDA-GPSマシン、台湾d-Media System社製のPocket PC、「inView N-911」には、もう一つの特徴としてUSBホスト機能が搭載されている。標準でサポートされている接続可能なUSBデバイスとしては、以前に紹介しているHID対応のUSBキーボードと、USBマウスだけだ。
しかし、デバイスドライバを別途、追加することによって、接続可能なUSBデバイスの種類は、USBフラッシュメモリやUSB接続可能のMP3プレーヤ、USB接続可能な携帯電話(筆者愛用のNokia 6630こと702NK)も接続できる。また、USB接続可能なフラッシュメモリ・カードリーダも接続可能だったし、iPod shuffleも(少なくともUSBフラッシュメモリとして)接続ができてしまう。
そんな、inView N-911に装備されている非常に便利で強力なUSBホスト機能だが、以前に試してみて、使用出来なかった手持ちのUSBデバイスがあった。それは、USBドングル型のBluetoothアダプタで、Pocket PC用のドライバとしては、一昨日レビューをしたIVT社「BlueSoleil」のBlueSoleil Windows CE版(60日間限定のトライアル版)を、ダウンロードして用いていた。
試した手持ちのUSBドングル型Bluetoothアダプタは、プラネックス社の「GW-BH02U」と、だいぶ古く初期のBluetoothアダプタだったのだが、BlueSoleil Windows CE版のドライバはGW-BH02Uを、全く認識してくれず動作しなかった。そんな経験があったので、恐らく認識はしないだろうと思いつつ、新たに購入したUSBドングル型Bluetoothアダプタである、Logitec社のDiALiVE (LBT-UA200C1)を、再度BlueSoleil Windows CE版のドライバで試してみた。
ところが、なんと予想に反して、BlueSoleil Windows CE版のドライバは、何の設定変更も行うことなく、inView N-911のUSBホストケーブルに装着したLogitec社のDiALiVE (LBT-UA200C1)を認識し、動作を始めてくれた。DiALiVE (LBT-UA200C1)に装備されている、緑色のLEDが点灯し、しばらくすると点滅に変化して、それまでは表示すら出来なかった、BlueSoleil Windows CE版の「Bluetooth Manager」も、問題なく起動してくれたのだ。
早々に、Bluetoothデバイスをサーチさせてみると、筆者のデスクトップPCと携帯電話のNokia 6630こと、702NKを直ぐにリストアップ表示できた。そのまま、デスクトップPCとSPPによるペアリングを行い、702NK/Nokia 6630とはDUNプロファイルでのペアリングを行った。ペアリングは、通常のペアリング動作であるが、Bluetooth Manager」の表示が、残念ながら日本語ではなく英語なので、英語が苦手で始めてBluetoothのペアリング作業を行うユーザは、英和辞書などを手元に用意した方が良いかもしれない。
inView N-911+DiALiVE (LBT-UA200C1)と、デスクトップPCをSPPによるペアリングを行ったのは、言うまでもなくActiveSyncをBluetooth経由で行うためで、これにより、USBケーブルを用いたデスクトップPCとの接続は不要となり、完全なBluetooth経由でのワイヤレスでActiveSyncを行う事が可能となる。
また、702NK/Nokia 6630とDUNプロファイルでのペアリングは、モバイル時にinView N-911+DiALiVE (LBT-UA200C1)で、インターネットへアクセスするためだ。既に、これらBluetooth経由の環境は、手持ちのSDIO型Bluetoothカード経由で実現していたが、同じ事がinView N-911のUSBホスト機能でも実現出来る訳だ。
BlueSoleil Windows CE版のBluetooth Managerを用いて、inView N-911のUSBホストケーブルに装着したLogitec社のDiALiVE (LBT-UA200C1)の情報表示を行ってみると、一昨日レビューを掲載したPC版のBlueSoleilのバージョン「2.1.3.0 Release 060429」では、HCI/LMP共にバージョン2.0と表示されたのが、BlueSoleil Windows CE版のBluetooth Managerでは、「Unknown」と表示されている。
これは、BlueSoleil Windows CE版が、Bluetooth 2.0+EDRをサポートしておらず、認識できないのだろうか。DiALiVE (LBT-UA200C1)が、下位互換のBluetooth 1.2として動作しているのかもしれない。そこで、今回新たに購入した、他のUSBドングル型Bluetoothアダプタも、テストしてみることにした。
まず、筆者が先日購入したPrinceton社製のUSB接続型アダプタ「PTM-UBT2」だが、これもBluetooth 2.0+EDRをサポートしているが、全く動作しなかった。BlueSoleil Windows CE版の設定を変更してみたが、反応無しの状態となり以前テストした、プラネックス社のGW-BH02Uと同様、動作しなかった。
次に、デスクトップ版のBlueSoleilはサポートしていた、日本国内では使用出来ないTELEC非認定(TELECどころかFCC、CEも非認定なので北米、欧州でも使えないのだが)である、上海問屋のDN-BT03Dもテスト(当然、前にレポートした様に、完全シールド状態で)してみたが、こちらもBlueSoleil Windows CE版ではDN-BT03Dを、デバイスとして認識できなかった。もっとも下手に動いてしまうと、別の意味で困ってしまうことになるので、動作しなくて良かったとも言えるのだが。
この事から、必ずしもデスクトップ(Windows PC)版のBlueSoleilでサポートされているBluetoothデバイスであっても、BlueSoleil Windows CE版で使用可能になるとは限らないことが判る。そうなると、Logitec社のDiALiVE (LBT-UA200C1)がBlueSoleil Windows CE版で使用出来た(サポートされていた)のは、非常にラッキーだったと言えるのだろう。
Logitec社のDiALiVE (LBT-UA200C1)は、inView N-911用のBluetoothアダプタとしては、SDIO型のBluetoothアダプタよりもずっと安価で、しかもデスクトップPCやノートPCでも使用可能なので、コストパフォーマンスも良いし、最新のBluetooth 2.0+EDR対応と、良いことずくめだ。
既に、IVT社のサイトでは、「BlueSoleil for CE version 2.0」もアナウンスされているのだが、こちらは未だトライアル版のダウンロードも出来ないし、ダウンロード販売も行われていない。本来ならば、Logitec社にDiALiVE (LBT-UA200C1)用として、BlueSoleil for CE version 2.0を提供して欲しいところなのだが、現在の国内Pocket PC市場では望み薄だろう。
そうなるとBlueSoleil for CE version 2.0は、対応するプロファイルも増えているので、IVT社のサイトで早期にダウンロード販売が可能になればと願うのは、筆者だけではないだろう。
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コメント
今からBluethoothを始める人には吉報ですね!
私も以前挑戦したのですが、あえなく撃沈。
仕方なく高いSDIOを買いました(涙
http://photozou.jp/photo/show/3327/233045
投稿: しもの | 2006年5月22日 08:35
しもの さん、こんにちは、
しものさんも試されていたんですね。(苦笑)
動かなかったのは、どちらのメーカのですか? I-Oデータかな?
SDIO型が安定していて便利ですけど、SDスロットにメモリカードが入って居る場合、USBホスト側が使えるのは、やっぱり便利ですよね。
USBホストへの接続周辺機器も、残るはUSBドングル型の無線LANアダプタくらいかなぁ・・・でも、私は一本も持ってないんで・・・挑戦するとUSB型無線LANアダプタのコレクションが出来ちゃうから。(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年5月22日 18:48
清水さん、こんばんは。
V70で試してみましたが、沈没! (T_T)
いろいろなスタックをインストールした
ゴミが残っているのか、BLUESOLEIL_CEが
インストできません。
今度ハードリセットを余儀なくされたときに
試してみます。
投稿: pepsiman_koza | 2006年5月23日 19:47
pepsiman_kozaさん、こんばんは、
Windows XPと異なり、Pocket PC版は、他のドライバと干渉しちゃうんですね。
残念でした。
BlueSoleil CE版は、インストールすると、ソフトリセットも2回ほど勝手にソフトがやって、その後に自動認識してくれました。
一応、inView N-911は、ハードウェアリセットをしてから、完全にクリーンの状態でインストールしました。
でも、ハードリセット時の楽しみが出来ましたね。(笑) またレポート、よろしくです~
投稿: 清水 隆夫 | 2006年5月23日 23:57
USBドングル型の無線LANアダプタはドライバがないので使えないというのが一般的ですが本当に使えないのでしょうか?
投稿: なお | 2008年1月14日 00:32
なお さん、こんばんは、
>一般的ですが本当に使えないのでしょうか?
はい、希な例外を除いて使えません。
正確に言うと、OSのWindows CEが、対応するUSB接続のWi-Fiアダプタ対応のデバイス・ドライバを収録しているかどうかで決まります。
一般的に、Pocket PCの場合には自社用のオプション用のドライバは、予め組み込んでいる場合があり、このケースでは対応するオプションか、互換のデバイスであれば、デバイス・ドライバの組み込みは不要です。
投稿: 清水 隆夫 | 2008年1月14日 21:16
古い記事なのでコメントを返していただけるとは思いませんでした。
ありがとうございます。
こちらでinViewN-911を知りまして年末に購入いたしました。
無線LANが使えないことがネックでしたが、ヤフオクなどで古いUSBアダプタを入手して実験してみます。
投稿: なお | 2008年1月20日 16:40
なお さん、こんばんは、
>無線LANが使えないことがネックでしたが、ヤフオクなどで古いUSBアダプタを入手して実験してみます。
inView N-911のUSBホスト機能を用いて、USB無線LANアダプタを購入される場合の注意点としては、以下の点を確認されて購入してください。
1)Windows Mobile 2003 SE(Second Edition)もしくは2003に対応した。デバイスドライバが付属、あるいはメーカよりダウンロードなどで提供されている事。
2)可能であればUSB 2.0対応ではなく、USB 1.1対応の古いアダプタを探してみる。(USB 2.0でも下位互換があればOKですが、中にはUSB 1.1では動作しないアダプタもあります。)
入手されて、上手く動作したら、是非教えてください。
動作するアダプタを入手できると良いですね。
投稿: 清水 隆夫 | 2008年1月21日 00:02