COMPUTEXの新型Bluetooth GPS
今年のCOMPUTEX TAIPEI 2006は、昨年にもましてGPS関連機器の展示が多く、その中でも最も展示が多かったのは、PDAベースのナビゲーションに特化した、「PND」(Personal Navigation Device)だった。日本では、MiTACから発売となった、「Mio C310」がPNDの日本語版なのだが、ヨーロッパでは車載カーナビ機器よりも普及率が高く、米国でもその傾向が強くなっているようだ。
そんなGPS関連機器展示の中、やはり完成度の高くなってきているのが、Bluetoothを用いた、小型GPS受信機ユニットだ。COMPUTEX TAIPEI 2006のGPS関連機器レポート、第一弾は、そんなBluetooth GPS受信機の新製品を紹介する。
今年のCOMPUTEX TAIPEI 2006では、台湾のGPSメーカでは最大規模の一社である、台湾GlobalSat社が、TWTC(Taipei World Trade Center:世界貿易中心)の第一ホールへ出展していた。
台湾GlobalSat社の展示ブースでは、新製品となる「BT-359」が展示されていた。このBT-359は、現在でも販売されている「BT-338」の上位機種という位置づけだが、実際には後継モデルとなるようだ。基本的な性能は、BT-338と大きく変わってはいないが、デザインが洗練され、BT-338の野暮ったいデザインから、スリムなデザインへと進化した。
BT-359に搭載されるGPSエンジンは、SiRF Star IIIを搭載している点も、BT-338と変わっていないが、大きさは82mm × 41mm × 13.4mmと細長くなったと同時に、大幅なスリム化が計られている。また、デザインの違いによって、「BT-359S」(写真左)と、「BT-359W」(写真右)の2モデルがある。
BT-359に搭載されるBluetoothは、おそらくGPS受信機では初となるBluetooth 2.0が搭載されているのも目新しいところだ。連続動作時間も、最大11時間となっており、細かな改良が加えられているようだ。
同じく、台湾GlobalSat社のブースで「BT-328」が展示されていた。このBT-328には、「SiRF GSC2」チップが搭載されているのだが、このSiRF GSC2チップは、従来のSIRF Star II e/LPチップをベースにし、高感度と低消費電力を計ったGPSエンジンとのことだ。
連続稼働時間は、最大で16時間となっており、小型でシンプルな筐体(67.5mm × 45mm × 17mm)であるにも関わらず、長時間の動作がメリットとなっている。
昨年は、担当者の方にわざわざ筆者の宿泊ホテルまで、台北からはかなり距離のある新竹より出向いていただき、個別に商品説明をしていただいた、台湾HOLUX社のGPS受信機だが、今年はTWTC第一ホールの2階にある展示ブースへ、アジア地区の総代理店となる、GTEK社がブースを構えていた。
昨年は、カタログだけで実機がまだ無かったのだが、今年はすでに販売も開始されている、「GPSlim236」の後継モデルとなる、「GPSlim236B」が展示されていた。基本的な性能は、GPSlim236と同様であるが、ファームウェアが新しくなっており、SiRF Star IIIのチューニングも更に改善されているとのことだ。
今回展示されていた、台湾HOLUX社のBluetooth GPS受信機の中では、この「GPSlim240」が、最もデザイン的には優れていたと、筆者は思う。サイズは、64mm × 22mm × 16mmと、スティック状の形状で、大きさ敵にはiPod shuffleより少し短く、少し厚みがあるといった感じだ。
重さも、わずか40gという計量であり、内蔵するリチウムイオン充電池は、600mAと小型ながら約6時間の連続稼働が可能となっている。搭載されているGPSエンジンは、もちろんSiRF Star IIIであり、内蔵されているGPSアンテナは、超小型のセラミックパッチアンテナとのことだ。
他にも、多くのブースでBluetooth GPS受信機を展示していたのだが、そんな多くのBluetooth GPS受信機の中、ユニークな機能を装備した機種があったので、紹介しておこう。このBluetooth GPS受信機は、台湾Wonde Proud Technology社の製品で「BT-CD100」というモデル。
まだプロトタイプなのだが、通常のBluetooth GPS受信機の機能に加えて、POI(Point Of Interest)を内部のフラッシュメモリへUSBポートからアップロードして記録でき、更にそのPOIに対して音声データ(WAVファイル)を登録できる。そして、その記録したPOIの緯度経度データに近い測位データを、GPSデータが出力すると音声データを内蔵しているスピーカから再生するという機能を持っている。
どんな用途で使用するのかは、改めて説明する必要も不要なほど、明快な利用目的だ。日本でも、同様の機能をもったレーダー探知装置にGPS受信機を組み込んだ製品が、カーアクセサリショップなどで販売されているが、BT-CD100は汎用のBluetooth GPS受信機としても使用可能な点で、重宝しそうだ。
搭載しているGPSエンジンも、珍しくSiRFのGPSチップではなく、NEMERIXのチップと、実に渋いGPSエンジンを搭載している。稼働時間は、連続20時間という長時間運用が可能なうえ、Bluetoothも2.0を搭載するなど、かなり意欲的な製品である。
筆者もサンプルを持ち帰りたかったのだが、残念ながら未だプロトタイプしか無く、製品版ができた時点で再度入手してみたいと思っている。
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コメント
実はまだSONYのは買っていません。ちょっと躊躇しています(^_^;)
HOLUXの小さいのはいいですねぇ。アンテナも小さいですから、感度が気になるところですが。
投稿: エピゼマ | 2006年6月17日 14:52
清水さん、こんにちは。
体調はどうですか?
くれぐれもご自愛ください。
記事の中の物で、今すぐ買えるのは
BT-328だけですね~
あと、どれでも良いから、TELEC認証取ってくれないかな?
(もちろん、FCC・CE付きで)
すぐオーダーしちゃいます。
投稿: pepsiman_koza | 2006年6月17日 16:49
こんにちは、マイミクのお二人にコメント頂きましたね(笑)
>エピゼマさん
GPSlim240は、気になりますね。アンテナが小さいという点は、P350やC310にも言えることなのですが、SiRF Star IIIであれば、相殺してしまうというコンセプトの様です。
まぁ、比べて試してみないことには、何とも言えない部分ですけど・・・
>pepsiman_kozaさん
体調は不良ですけど、まぁなんとか生きております。(苦笑)
台北市内では、GPSlim236Bが既に売られており、同行した仲間が一台購入しました。
また、BT359も既に出荷されているとのことで、恐らくは販売店がBT-338の在庫調整のため、まだ販売をしていないんじゃないかと思います。
GPSアンテナの大きさを考慮すると、BT-359が良い感じですね。GPSlim240と共に、入手できたら評価してみたいと思ってます。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年6月17日 17:40
清水さん、おはようございます。
BT-359いいですね。
私がよく覗くbuyGPSnow/Semsons/
Yahoo!奇摩購物中心にはまだ、無いですね。
でも、○○NYを入手しようと努力中・・・
>エビゼマ様
mixiで何度か足跡を付けさせて頂いてるのですが
「宿帳」にアクセスできません。
この場を借りて、ご挨拶申し上げます。
>清水様
目的外使用すみません。 m(_ _)m
投稿: pepsiman_koza | 2006年6月20日 09:28
pepsiman_kozaさん、こんばんは、
>でも、○○NYを入手しようと努力中・・・
国内用なら、問題無いですよ。
>目的外使用すみません。 m(_ _)m
いえいえ、問題ないですよ~ (^O^)
mixiのinView N-911コミュニティの管理人様ですので、是非、マイミク申請してみては如何でしょう。(笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年6月20日 23:43
おはようございます。
「Yahoo!奇摩購物中心」で見ていたら
BT-359W BT-359Sが発売になっていました。
(BT-338と併売でした:値段下がらず)
GPS-CD100もGPS-BT77(いろいろ名前で売られています)が、
在庫処分価格らしくなっているので、もうすぐでしょう。
ただ、HOLUX GPSlim236B/GPSlim240はありませんね~
在庫多いんですかね!
では。
投稿: pepsiman_koza | 2006年6月26日 06:47
pepsiman_kozaさん、おはようございます。
台湾市場のチェック、お疲れさんです。(笑)
>BT-359W BT-359Sが発売になっていました。
(BT-338と併売でした:値段下がらず)
COMPUTEX TAIPEIの展示時点で、既に出荷をしていると言ってましたので、販売店側の流通在庫の関係だったのかと思います。BT-338も併売とは言ってましたが、恐らくはデイスコン製品だと思います。
>ただ、HOLUX GPSlim236B/GPSlim240はありませんね~
240は試作品の展示だったから、まだ市場には出てないと思いますが、236Bは光華商場で売られていて、同行した友人が買いました。
台北に行けば購入できると思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年6月26日 09:43
おはようございま~す。
GPSlim240がpre-orderになりましたよ。
→Semsons/buyGPSnow (奇摩購物中心は無し)
写真を見ると、改めて小ささに唖然とします。
稼働時間・測位性能がちょっと心配。
http://www.semsons.com/hogpwigpsres1.html
先行販売で出してくれないかな >SPAさん
GPSlim236Bは販売無し。
→GPSlim240と比べると、マイナーチェンジ感が強く
USAでのアピールポイントが少ないから?
BT-CD100も販売無し。
→まだ開発中なのかな?
販売状況巡回チェック2でした。
投稿: pepsiman_koza | 2006年7月 7日 09:52
pepsiman_kozaさん、こんにちは、
台湾の通販だと、やはり遅いみたいですね。店頭販売は、開始されているようです。また、236Bは、既にCOMPUTEXの時点で販売されてましたし・・・
BT-CD100は、如何にも試作品でしたから、まだ当分先だと思います。(笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2006年7月 8日 15:59
こんにちは。いつも記事を読ませていただいてます。
bt-359ですが、ジーアイサプライとか言うところで売っていたので思わず注文しちゃいました。
即位性能とかはbt-338とあまり違わないのかなあ?とか思ったのですが、商品きたら比べてみようと重います。
投稿: Mitsugu | 2006年7月10日 13:04
Mitsuguさん、こんにちは、
最下行に、こんな注意書きがありますね。(苦笑)
>※本受信機のBluetoothは日本国内における技術適号証明を取得しておりません。日本国内でのご使用は電波法に抵触します。
ということで、国内での評価は電波法に違反しますので、ご注意ください。
まぁTELEC認定を行うと、価格が上昇するんですが、合法機器をどこかで扱って欲しいと思います。
しかし、違法機器のBluetooth機器や無線LAN機器、PDAなどの販売を、何も言わずに通販で販売する悪徳販売店よりは、ず~~とマシですね。厚顔無恥の悪徳販売店には、コンプライアンスなんて概念なんて、微塵も無いのでしょうけど・・・
もっとも、それらを違法機器と知りつつ、購入して国内で使う電波暴走族は、もっと悪質で厚顔無恥ですけど。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年7月10日 14:35
こんにちは、清水さん
> まぁTELEC認定を行うと、価格が上昇するんですが、合法機器をどこかで扱って欲しいと思います。
そういえば、合法なSirf star IIIのレシーバが7月末ぐらいに日本でも発売されるようです。
台湾のhi-comってところのようですが。
http://www.cfcompany.co.jp/product/haicom/hi406btc.html
問い合わせて見ましたが、8月にはTELECの認証が取れる予定だそうですよ。
投稿: Mitsugu | 2006年7月10日 15:14
Mitsuguさん、こんばんは、
はい、丁度COMPUTEX取材時に、CFカンパニーの社長さんと会った時、情報を頂きました。
電子コンパスを搭載しているのが、面白いところなんですが、残念ながらデータとしては出力されず、LEDで方向を示すだけだそうです。
hi-comも取材してきてはいますが、CFスロットタイプの方は、SDスロット搭載なんですけど、大きいのが難点でしょうか。
SiRF Star IIIの場合は、アンテナ部分が稼働しても、しなくても、大差ありませんし・・・これは、SiRF Star IIだと、結構、有効なギミックだったんですけどね。
それと、オプションでBluetoothアダプタがあるので、そちらも是非、日本でTELEC取得して販売して欲しいと思ってます。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年7月11日 00:49