SONY VGP-BGU1 (前編)
ソニーから久々にVAIO用のGPS受信機が発売された。もうだいぶ前になるが、VAIOにオプション設定されていたGPS受信機は、当時としては珍しくUSB接続で動作し、しかも単独でも使用可能で、緯度経度データを内蔵のメモリへ記録できる、GPSロガーの機能も併せ持っていた。
また、CLIE用としてはBluetooth GPS受信機も発売された。無論、Bluetoothを搭載したノートPCでも使用することは出来たが、仕様が中途半端で旧TOKYO測地系から、今ではデファクトとなっているWGS-84測地系へ、設定変更は可能だったが、電源をオフにすると元のTOKYO測地系へ設定が戻ってしまうと言う、致命的とも言える仕様(設計ミスと思える)だ。
しかし、ソニーの歴代GPS受信機には、名機「IPS-5000」など当時としては、他のGPS受信機に比べ、圧倒的に高性能な製品を製品化していた時代もあった。そんなソニーの最新GPS受信機となるのが、今回筆者の購入した「VGP-BGU1」である。
VGP-BGU1は、超小型Windows XPパソコンの「VAIO NOTE type U VGN-UX50」用オプションという設定であるが、仕様的には一般的なBluetoothを搭載した、従来のソニー製GPSと違い、標準的なGPS受信機であるから、VGN-UX50以外のノートPCやPocket PCで使用することが可能だ。
そんなVGP-BGU1の梱包を開けると、VGP-BGU1本体、専用ストラップ、そして充電アダプタが出てくる。充電アダプタは、VAIO専用オプションらしく、「VAIO」のロゴが入った専用アダプタで、電源電圧は「5.2V」となっており、標準的な「5V」では無い。電源容量は、「2.9A」と小型充電アダプタとしては、大容量だ。
電源プラグは、「PSP」や「inView N-911」などと同じ、標準的なサイズのプラグが採用されているので、USB電源アダプタなども充電に使用することが出来る可能性はあるが、電圧の違いが(僅か0.2Vであるが)気になるところだ。
VGP-BGU1の本体は、細長い印象を受けるが、実際には上部へ専用ストラップを装着するための、横長な楕円の穴が空けられており、この部分はデザイン的にも良く考えられていおり、印象として面長に見える。
上部には、3個のLEDが装備されており、左から「GPS」(緑)、「Charge」(橙)、「Bluetooth」(青)となっている。また、筐体にはVAIOのエンボスによるロゴがある点は、VAIOシリーズ用周辺機器の特徴だろう。
VGP-BGU1の本体下部には、充電用のコネクタが装備されている。このコネクタには、「DC IN 5V」と印刷されており、受電用アダプタの「DC 5.2V」とは電圧が合わないのだが、0.2Vが許容範囲だとすれば、USBからの充電ケーブルなどでも、十分に充電可能かもしれない。
これに関しては、後でチェックしてみる予定であるが、今回は付属の充電アダプタを用いて充電を行った。ただ、充電よりも気になる点としては、この充電用コネクタ部分に、防滴効果を考えると、ラバー製のキャップを装備してもらいたかったところだ。実際、過去の製品(USBハンディGPS受信機:PCQ-HGR3V)では、コネクタにラバーキャップが装備されていた。
VGP-BGU1の裏側には、滑り止めとなるシリコンラバーが貼られており、車載時にダッシュボード上へ置いても、簡単に滑らない工夫がされている。VGP-BGU1の本体左サイドには、スライド式の電源スイッチと、リセットホールがあり、特に電源スイッチは、扱いやすい形状をしている。
ちょっと気になった点としては、VGP-BGU1の裏面ラベルには、TELECの認定番号とロゴは見えるのだが、FCCやCEのロゴ、認定番号などは一切印刷されていない。VGP-BGU1は、米国などでも販売されないのだろうか。現状では、Bluetoothの認定が、TELECしか無いため、日本国内でしかVGP-BGU1を使用することが出来ない。
説明書には、海外での使用に関してなど、一切の記述は見られず、後でVAIOカスタマーセンターへ確認をしてみることにする。仮に、海外での認定が無く、日本国内でしか使えないとすれば、ソニー製Bluetooth GPS受信機は、前作に続いてまたもやGPSでは無く、DPS(Domestic Positioning System)となってしまう。
筆者の所有する、他のBluetooth GPS受信機とVGP-BGU1を比べてみると、大きさ的には意外に大きいサイズだ。ただ、幅は小さいため細長く見えるし、上部のストラップホールの部分も影響し、実際よりも大きく長く見えてしまう。
しかし、VGP-BGU1は、価格が2万円を切って、実売では1万8千円前後(税込、送料込)で購入できるので、手軽に購入できる。問題となるのは、測位性能やBluetoothの性能になる訳だが、詳しいVGP-BGU1の評価のレポートは、後編で行う予定だ。
追記:VGP-BGU1の説明書の7ページに記載を見つけた。
「本製品は国内専用です。各国の電波法の関係で、海外などではご使用できません。」 またしても、GPSではなく、DPSだった訳だ。世界企業であるソニーが、何故米国や欧州の認定を取得しないのだろう。製品コストを下げるための手段だとすれば、情けない話だ。ひょっとして、type U VGN-UX50に搭載されているBluetoothや無線LAN(Wi-Fi)も、国内だけの認定で、海外で使用出来ないという間抜けな仕様なのだろうか。
<<後編へ続く>>
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コメント
おお、購入されましたか。
そう。安いですよね!
ボーナスが出たら買おうと思っています。
これでようやくsigmarion IIIとペアリングして、GPSナビができそうです(前々からやりたかったんです)。
投稿: エピゼマ | 2006年6月 2日 17:37
おひさです。UX90PSと合わせて買いました。使っているのは例のSONYの新世代チップで、前のよりかなり測位速度は改善されています。感度はSirfStarIIIに若干落ちますが特に問題ないです。UX90PSにNavinYouも入れて遊んでいます。
投稿: 28 | 2006年6月 3日 11:36
連投ですみません。デスクトップPCのUSBポートから充電していますが特に問題は起こっていません。ただ、UX90PSのUSBポートは電源供給能力が低いようなので、飛ばすのがちょっと怖くてこっちではやっていません。
投稿: 28 | 2006年6月 3日 11:42
清水さん、こんにちは。
もうTPEですか?
ご病気ということですので、くれぐれも
ご自愛ください。
下記Shino氏のBLOGで、UXのUSバージョンが
紹介されていますが、FCC 6/1認可?
WLAN+BT+GSM!?
形は同じでも別物?
ということはUX50日本版は国内専用?
買った方に教えていただきたいですね~。
http://blogs.shintak.info/
投稿: pepsiman_koza | 2006年6月 3日 13:58
皆さん、こんにちは、
>エピゼマさん、
ソニー製(設計のみ? MADE IN TAIWANです。)らしく、癖が強いですよ。はっきり言えば悪い方に・・・(苦笑)
>28さん、
ご無沙汰です。お元気ですか? 私は絶不調ですが、まだ生きてます。(苦笑)
チップは、POLSTAR社の「PGM-238」(イオ111w)と同じ、CXD2951GA-4ですね。コマンドで確認出来ています。
感度や測位速度も、PGM-238と殆ど同じ特性ですので、SiRF IIIに比べてデータ出力の遅れが無いので、車載には誤差が少なくてよいですね。コマンド送ると、徒歩モードに測位フィルタが変わってくれるのも、PGM-238と同じで、精度としてはSiRF IIIよりも良いのですが・・・
いかんせん、ソニークォリティのタコいところが多いのが残念です。
#Bluetoothのリンクが確定しないと、GPS受信機が機能開始しないなんて・・・何考えているのでしょうね。>ソニー (いや、何も考えず、机上でスタミナ設計優先思考?)
>pepsiman_kozaさん、
まだ日本ですよ。(笑)
体調はイマサン位なんですが、今更キャンセルも出来ないので、行ってきます。(苦笑)
UX50の米国仕様は、リークされていた情報でもGSM/GPRS搭載でしたからね。恐らく、国内版では左側の膨らみの中が空白なので、ここに入れている? (逆にCFスロットが無いみたいですが)
まぁ、今回のUX50に限らず、日本のノートPCメーカは、Bluetoothにしても無線LANにしてもFCCやCEの認定取ってない機種が多すぎます。
で、説明書に「海外では内蔵の無線LAN、Bluetoothはご使用になれません。」の一行で済ませてしまう。困ったもんです・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2006年6月 3日 14:34