GlobalSat BU-353 (コメットUSB/3) 後編
前編に引き続き、パソコンGPSショップ「SPA」から新発売となった、GlobalSat社製のSiRF Star IIIエンジンを搭載しているUSB接続型のGPS受信機「コメットUSB/3」こと、台湾GlobalSat社製「BU-353」の使用レポートをお届けする。
元々、コメットUSB/3ことBU-353は、パソコンへのUSB接続インターフェースが標準なので、付属のCD-ROMに収録されているデバイスドライバには、Pocket PC用は収録されていないため、そのままではPcoket PCでコメットUSB/3ことBU-353を使用することは出来ない。
しかし、台湾d-Media System社製GPS受信機内蔵Pocket PC、「inView N-911」には、USBホスト機能が内蔵されているので、Pocket PC用のUSBシリアルドライバをインストールすれば、コメットUSB/3ことBU-353を使用することも可能だ。
既に、筆者愛用のinView N-911には、Vodafonブランドの702NKこと、Nokia 6630を接続するために、USBシリアルドライバが組み込んであるので、簡単にコメットUSB/3ことBU-353を使用することが出来た。
inView N-911に専用オプションのUSBホスト・ケーブルを接続し、そこへコメットUSB/3ことBU-353を接続すると、BU-353のケーブルが出力されている、左脇の赤色LEDが連続点灯をし、BU-353が稼働を開始する。
と同時に、inView N-911の画面には、「USB デバイスを認識できません」というメッセージが表示され、コメットUSB/3ことBU-353を動作させるデバイス・ドライバ名を要求してくる。
ここで、「232usb.dll」を入力してやれば、他には何の設定を行うことなく、inView N-911(あるいは、他のUSBホスト機能を持ったPocket PCでも同じだ。)でコメットUSB/3ことBU-353を以後は使用することが可能になる。
USBシリアルのドライバについては、以前に紹介済みなのだが、一応USBシリアル用のデバイスドライバの組み込み方を、おさらいということで紹介しておく。
このUSBシリアルドライバは、Zoroyoshi(ぞろよし)氏の開発によって、ソースコードと共に公開されている、「232usb.dll」と、設定用のツール「232cusb.exe」である。この「232usb - RS232 USB Serial Driver」は、Zoroyoshi(ぞろよし)氏のホームページからダウンロードが可能で、inView N-911用(あるいは、他のUSBホスト機能を持ったPocket PC)としては、ARMプロセッサ用のドライバを用いる。
より詳しいインストール方法や、設定方法は、232usbに同梱されている説明ファイルを参照して欲しいが、通常使用の場合であれば、232usb.dllと232usb.exeを、ActiveSync経由でinView N911のWindowsフォルダへコピーするだけで良い。設定用ツールの232usb.exeは、特に動作させる必要は、通常の場合生じないだろう。
inView N-911(あるいは、他のUSBホスト機能を持ったPocket PC)のUSBホストで接続された、コメットUSB/3ことBU-353が動作しているかをチェックするには、Pocket PC用のツールであるGlobalSat社製の「GPSinfo」を用いると便利だが、残念ながらコメットUSB/3ことBU-353に付属するCD-ROMには、Windowsパソコン用の「GPSinfo」しか収録されていない。
筆者の場合は、先に評価したコメットSD/3*512ことSD-502のデバイスドライバと共に、Pocket PC用の「GPSinfo」がインストールされていたので問題はなかったが、必要であればGlobalSat社のWebサイトからダウンロードすれば良いだろう。
「GPSinfo」には、GPSのNMEAデータを出力されるCOMポートを、自動サーチする機能があるので、「Scan」ボタンをタップすれば接続している、 コメットUSB/3ことBU-353のUSBシリアルで使われている、COMポートを探し出してくれる。(筆者のinView N-911の場合は、COM4へアサインされ「RS232_USB」という表示も行われていたので、これを手動で探しても良いだろう。)
実際に、コメットUSB/3ことBU-353を使ってみると、既に紹介しているCF型GPS受信機「コメットCF/3*GS」(GlobalSat社製BC-337)、SDIOに対応した超小型GPS受信機「コメットSD/3*512」(GlobalSat社製SD-502)に、勝るとも劣らない性能を持っている。
定量的に比べてはいないので、はっきりとは断言できないが、GlobalSat社製のSiRF Star IIIを搭載しているGPS受信機の三姉妹では、最も高感度な感じだ。
事実、筆者宅のルーフバルコニーでテストし、そのまま電源を落とさずに室内へ持ち込んでも、まだ測位を続けていた。それも多くのGPS衛星を捕捉したままでだ。さすがに信号レベルは低くなっており、マルチパスを受信しているので、かなり精度的には悪いのだが、南側の窓へ向けて、コメットUSB/3ことBU-353を傾けてみると、窓から直接見える衛星を捕捉し、精度もアップした。
ついでに、意味が有るか無いかは別にして(恐らく、意味はないだろうが)、inView N-911の内蔵GPS受信機(SiRF Star II e/LP)と、先日レポートしたSDIOスロット対応のコメットSD/3*512ことSD-502(SiRF Star III)、そして今回評価したコメットUSB/3ことBU-353を使って、トリプルGPS環境を試してみた。
inView N-911は、128MBのRAMを持っているので、それぞれのGPS用アプリを起動しても、問題なく動作をしてくれるのだが、さすがに内蔵電池の消耗も3倍以上となってしまい、あまり実用的ではない。特に、SiRF Star IIIは、SiRF Star II e/LPよりも消費電力が多く(その分、高感度だが)、inView N-911の内蔵バッテリーだけでは、稼働時間も2時間を切ってしまう。
今回のレポートでは、コメットUSB/3ことBU-353をパソコンへ接続する部分を省いてしまったが、これは以前にレポートしている、「イオ111w」こと台湾POLSTAR社の、「PGM-238」と同じなので、そちらのレポートを参照していただきたい。
逆に、今回のレポートでは、コメットUSB/3ことBU-353をPocket PCへ接続しているが、同様にイオ111wことPGM-238も、問題なく使用可能だ。更に、筆者の所有している、東芝製のPocket PC、GENIO e550G(Pocket PC 2002)も、USBホスト機能を持っており、こちらも問題なくコメットUSB/3ことBU-353を稼働させることが出来た。
本日発売が開始された、ウィルコムのPHSを内蔵しているPocket PC「W-ZERO3[es]」も、USBホスト機能をサポートしているので、恐らくはコメットUSB/3ことBU-353を使用出来るのではないかと思う。W-ZERO3[es]を購入された方の、追試レポートを期待したいところだ。
追記:ぞろよし氏よりコメントを頂いたが、「W-ZERO3[es]」用に「232usb - RS232 USB Serial Driver」の、バージョンアップを行って頂いたとの事。W-ZERO3[es]で使用する場合は、最新版の「232usb.dll」を使用し「232cusb.exe」を用いて、設定を行うことになる。
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コメント
はじめまして。いつも拝見しています。
03esが店頭で在庫があったので思わず購入してしまいました。
USBホストは無効なデバイスを刺してもドライバ名を聞いてこないようなので、232usb.exeを使って手動登録できるようにしました。
USB bluetooth用ドライバも入っているのでイロイロ面白そうですよ。どうですか1台?(笑
投稿: ぞろよし | 2006年7月28日 14:15
こんばんは。
BC-337単体より感度良いですね~
BC-337+外部ANTぐらい↓かな?
http://pdagps.asablo.jp/blog/2006/05/14/364723
条件が違うので、参考程度にしかなりませんが・・・(^_^;)
投稿: pepsiman_koza | 2006年7月28日 21:12
>ぞろよし さん、こんばんは、
すばらしい、USBホスト用のドライバをフリーで公開していただき、感謝しております。ぞろよし さんのおかげで、USBホストを内蔵しているPocket PCが活用できていると言っても過言ではありません。
この場を借りて、一ユーザですが、ユーザの皆さんの分もお礼申しあげます。ありがとうございます!
>USBホストは無効なデバイスを刺してもドライバ名を聞いてこないようなので、232usb.exeを使って手動登録できるようにしました。
情報、ありがとうございます。W-ZERO3[es]というよりも、Windows Mobile 5の仕様なんでしょうかね。
とりあえず、232usb.dllがW-ZERO3[es]でも動作するということは、BU-353もUSBホスト経由で、W-ZERO3[es]で動作しそうですね。
また早々に、バージョンアップ版も公開して頂き、またまた多謝です。 (^O^)
>どうですか1台?(笑
今月は、W-ZERO3[es]を購入できる金額を、GlobalSatのSiRF Star III GPS三姉妹へつぎ込みましたので・・・完全に金穴ですから、財布は空っぽで買えません~ (苦笑)
>pepsiman_kozaさん、こんばんは、
衛星配置にもよるので、なんとも言えないんですが、同じ条件で比べてみないとですけどね。
アンテナの割に健闘しているのが、SD-502です。意味のないトリプルGPS環境で比べてみたんですが、遜色ありませんでしたが、捕捉する衛星数は同じでも、信号レベルは落ちますね。
やはりSiRF Star II e/LPは捕捉してない衛星も多いのですけど、精度は良かったりと、一長一短です。
まぁ、測位に使用する衛星は4個ですから、捕捉衛星の数は、周りの障害物の変化が激しい、車載の場合に影響するだけで、徒歩や停止しての測位には、意味無いとも言えます。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年7月29日 01:38
はじめまして。
私は初めて購入したGPS受信機がコメットUSB/3なのですが、これからログデータをノートパソコンに書き出す方法がわからなくて困っております。
初めての書き込みで恐縮ですが、何かご存じでしたらお教えいただけないでしょうか?よろしくお願いします。
投稿: ナオ | 2006年11月28日 14:33
ナオさん、こんばんは、
コメットUSB/3には、ログを記録する機能を持っていません。パソコン側で、コメットUSB/3が出力するNMEAデータを記録するソフトが必要となります。
Windowsには、Hyper Terminal(ハイパーターミナル)という通信ソフトが標準で装備されているので、これを用いれば、コメットUSB/3のログを記録することが出来ます。
詳しくはGoogleで「ハイパーターミナル」を検索してみてください。或いは、コメットUSB/3を購入した販売店へ問い合わせるのが、てっとり早いかと思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年11月28日 22:24
なるほど!
さっそく調べて利用してみたいと思います。
拙い質問にも関わらずお教えいただき、本当にありがとうございました!
投稿: ナオ | 2006年11月29日 18:24
ナオさん、こんばんは、
Googleで検索すると、PC用のNMEAデータ専用のログソフトも、フリー版で何件も見つかりますので、ログ取り専用でしたら、導入した方が色々と便利だと思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2006年11月30日 22:58
お初です。大変興味深い記事、楽しく拝読しております。
ところでGoogleMapがWM5に対応になりましたね。
http://www.google.com/gmm/index.html
インストールしてみると、衛星写真がぐりぐりと動かせます。
負荷も、回線が細いわりにはスムーズに動く感じです。
さらにメニューには、TrackLocation(GPS)という気になる項目が。
これってGPSと連動できるということでしょうか。
もしzero3とGPSとGoogleMapがシンクロできたら
カーナビとはひと味違ったナビゲーターができそうです。
たのしくなってきました。
投稿: 内方はじめ | 2007年2月 5日 04:55
内方はじめ さん、こんばんは、
私も、Google Maps for WM5を試してみました。
X01HTで、Bluetooth GPSを使いました。結果的にには、問題なく現在位置を衛星写真上へ表示できました。
欧米並に、地図画像や、ルート検索も可能になると、更に便利になるのですが・・・
ただ、衛星写真のダウンロードには、かなり太い回線でないと、車などでの移動速度では、ダウンロードが間に合わず、空白上を自分の位置を示すアイコンが動いてしまいます。
HSDPAのエリアなら問題ないと思いますが、PHSの場合は、回線速度も動作にシビアに影響します。これは、Google Mapsに限らず、PHS回線で地図をダウンロードする場合は、同様の問題が発生します。(Mobile PRESS EX. #3でレポートしています。)
より高速な回線がモバイル環境でも安価(或いは定額)で使用可能な時代が来れば、こういった問題も無くなるのですが・・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2007年2月 8日 22:52
GlobalSat BU-353 (コメットUSB/3)を購入し、
WindowsXPのNavi'You5.5に接続しょうとして困って
います。
参考意見、よろしく、お願いいたします。
1.接続ソフト NYLINK.DLL(0.8.2.2)を入手し使用。
2.現象 以下の設定で計測地点に北東方面に3~400m
ずれて困っています。何時間たっても同じです。
(コメット付属のSuper Mapple Digital Ver7
ではぴったり表示します。)
3.Navi'Youの設定
GPS/ルートガイド機能設定 の
- GPSレシーバーの種類 で
- NMWA-0183($GPRMC only)のみ指定可能
他の設定
NyLink for GPS player32 "エラーコード02" "GPSPALY起動できず"
FGPS標準POTインターフエース "反応なし"
ETAKinc ET-GPS1 "反応なし"
なにかヒントがあれば、よろしく、お願いいたします。
投稿: アズマ | 2007年4月10日 10:30
上のメール、挨拶なしで失礼いたしました。
清水様、皆様、なにとぞ、よろしく、お願いいたします。
投稿: アズマ | 2007年4月10日 10:35
アズマさん、こんばんは、
身内で不幸があったので、コメントが遅れました。
さて、
>1.接続ソフト NYLINK.DLL(0.8.2.2)を入手し使用。
NYLINKは、既に作者のひろくんが、配布を停止して久しいソフトです。もちろん、サポートもありませんし、配布時点からも自己責任での使用がフリーウェアなので、原則です。また、もしも再配布されているサイトがあるならば、それは明らかに著作権を侵しております。もちろん、それをダウンロードして使用することも同じです。
従って、NYLINKに関しましては、コメントを差し控えさせていただきます。
>2.現象 以下の設定で計測地点に北東方面に3~400mずれて困っています。
これは、GPSの測地系がWGS-84で、Navin'Youの地図の測地系が旧TOKYO測地系の場合に発生します。
解決策はGPSの測地系を旧TOKYO測地系に変更するか、あるいは測地系の変換を行えば、ズレが直ります。SiRF Star IIIの測地系切り替えコマンドを使えばGPSの測地系を切り替えられます。
本ブログの他のGPSの評価レポートへのコメントで、測地系切り替えコマンドなどを紹介していますので、参考にしてください。
あるいは測地系変換のチェックを設定で行える・・・(以下自粛)
>3.Navi'Youの設定
ソニーのサポートセンターへお問い合わせください。当方は既に発売が終了して久しいNavin'Youは、全て廃棄してしまいましたので、判りません。
>- NMWA-0183($GPRMC only)のみ指定可能
NYLINKの組み込みであれば、これだけが設定可能です。
>NyLink for GPS player32 "エラーコード02" "GPSPALY起動できず"
GPSPlayerをインストールしてないのではないですか。既に、GPSPlayerも配布が終了していますけど。
>FGPS標準POTインターフエース "反応なし"
これも、POTインターフェースのドライバを組み込む必要があります。
>ETAKinc ET-GPS1 "反応なし"
ET-GPS1をPCカードスロットに装着してないのでしょう。もっとも、Windows OSによっては、ドライバがありませんから、無意味ですけど。
>清水様、皆様、なにとぞ、よろしく、お願いいたします。
本ブログはBBSではありませんし、Q&Aサイトでもありませんので、不特定多数への質問などはご遠慮下さい。
Navin'YouはWindows OSが98、2000、XPでそれぞれ動作が微妙に違います。またXPへの対応は最終の5.5だけです。OSとバージョンが質問には書かれていませんので、他のBBSなどへ質問される場合は、動作環境をもっと詳しく書いた方がよろしいかと思います(老婆心ながら)。
お役に立てませんが、配布が終了し、サポートも終了したソフトの使用は「自己責任」が基本です。Google等で検索して、情報を探すことが基本ですので・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2007年4月17日 23:06