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2006年9月の4件の記事

2006年9月30日

Logitec LAN-WSPH01WH

 ロジテックから発売となった、無線LANIEEE802.11b/gWi-Fi)に対応したSkype専用の電話端末「LAN-WSPH01WH」を購入してみた。通常、Skypeを使用するには、パソコン(WindowsMacLinuxに対応)か、PDAWindows Mobileに対応)へSkypeソフトをインストールして使用するのが、普通の使い方だ。
 しかし今回、筆者が購入したLAN-WSPH01WHであれば、パソコンやPDAも不要となり、無線LANのアクセスポイントさえあれば、何処でもSkypeを使用して通話が可能となる。もちろん、Skype同士の通話は全世界無料であるし、通常の電話回線や携帯電話への通話も、有償ではあるが可能となる。

Lanwsph01wh_1

 筆者も、仕事用のデスクトップPCや、モバイル用のノートPCへはSkypeをインストールしてあり、自宅や出先でもSkypeを使用している。特に、海外との通話が無料であるため、海外との通話はほとんどがSkype経由となっているのが実情だ。しかし、Skypeの運用をデスクトップPCで行っていると、通話デバイスをX-Liteと兼用したり、あるいBluetoothのヘッドセットなどで行う場合、設定の変更を頻繁に行ったりしなければならない等、使用環境によっては使い難さもある。
 そこで、ひかり電話専用無線LAN端末の「ひかりパーソナルフォン」(WI-100HC)のような、Skype専用の無線LAN端末が欲しいと思っていたおり、今回のLAN-WSPH01WHが発売となったので、通販の予約販売で申し込んでおいた。そして発売日の前日には、LAN-WSPH01WHが手元に届いたので、早々に使用してみたという訳だ。

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 LAN-WSPH01WHの外観は、ストレート型の携帯電話で、大きさや重さも殆ど同じだ。電池は、リチウムイオン充電池で台湾メーカのGPS受信機などでも、良く使用されている形状だが、一般の携帯電話の電池ともよく似ている汎用品と思われる。LAN-WSPH01WHは、日本のTELEC(技適)認定を受けており、その点では安心して日本国内でも使用可能だ。ただし、FCCCEの認定は受けておらず、海外で使用すると電波法違反に問われる場合があるので、要注意だ。
 液晶はTFTでは無いが比較的明るいカラーSTN液晶を搭載しており、バックライトも明るくモノクロ液晶のWI-100HCよりも見易い。装備しているボタンは、一般的な携帯電話と変わらないテンキーだが、ボタンを押した感触は安っぽい感じで、遊びも多い。スティック型のカーソルコントローラも装備されているが、これも操作感はあまり良くない。
 その他、LAN-WSPH01WHには通話音量専用のボタンも、ボディ側面に用意されており、この点はSkypeの通話では音声が極端に小さい場合があるので、重宝するだろう。LAN-WSPH01WHのボディ底面には、ミニUSB端子と、イヤフォンとマイク専用の端子が装備されている。
 LAN-WSPH01WHには、標準でイヤフォン・マイクが同梱されており、これを接続すればLAN-WSPH01WHはハンズフリー端末としても使用できる。USB端子は、LAN-WSPH01WHの充電と、パソコンへ接続してファームウェアのアップデートなどに用いられる。他に、充電専用の端子と思われる電極があるが、LAN-WSPH01WHの専用クレードルは付属していない。

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 LAN-WSPH01WHの電源を入れると、液晶にバックライトが点灯しロジテックのロゴが表示される。テンキーのボタンも、青色LEDによるバックライトが点灯して、数字や文字が青く光る。このあたりの作りは、無味乾燥なWI-100HCよりも華やかだ。その後、Skypeのロゴが表示され、Skypeのライセンスに同意するかどうかの表示が行われる。
 表示される言語は、デフォルトで日本語表示されるので、特に問題無くメニューの指示に従ってボタンを押していけばセットアップは完了する。LAN-WSPH01WHのセットアップは、主に無線LANの設定とSkypeの設定が必要となるが、既にPCPDASkypeを使用していれば、LAN-WSPH01WHSkype設定はIDとパスワードを入力するだけだ。
 Skypeの通話先リストや自分のアバターなども、特に改めて設定することなく、既存のデータがそのままLAN-WSPH01WHで使用可能となるので、このあたりはSkypeの良くできている点だろう。

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 筆者宅の無線LANのアクセスポイントは何個かあるのだが、マンションなので隣近所にも数多くのAPが存在しており、セキュリティも千差万別な状態で、そのまま他人宅のAPへ接続してしまうこともある。LAN-WSPH01WHでは、優先して接続するAPを指定できる他、Wi-Fiファインダー機能も備えているので、最初はLAN-WSPH01WHの内蔵Wi-Fiファインダーを用いて、自宅のAPをサーチして、優先接続するAPとして登録すればよいだろう。
 もちろんLAN-WSPH01WHは、暗号化にも対応しているので特にセキュリティの問題はないと思うが、企業で使う場合にはSkype自体がファイアーウォールに穴を開けてしまうことが危惧されるので、DMZAPを設置してしまい、そのAPLAN-WSPH01WHを接続するように設定すれば、F/Wを迂回してSkypeを使用することも可能だ。
 当然、企業のISなどでは、社内のPCSkypeをインストールする事を禁止しているケースも多いのだが、このLAN-WSPH01WHを使うのであれば、プロトコルの開示されていないSkypeであっても、PCや社内LANへ悪影響を及ぼすこと無く使用可能となるので、特に海外とのホットライン用として、LAN-WSPH01WHSkypeをビジネスで使えば、大幅な通信経費節減になるだろう。
 さて、なかなか面白いLAN-WSPH01WHであるが、実は写真撮影を終わったところで、電源を一端オフにして、再度起動使用としたところ、二度と起動しなくなってしまった。いわゆる初期不良というヤツだ。現在、ロジテックへ修理か交換を申し込んでいるところで、踏み込んだ使用感や顛末などは、後日レポートをお届けしようと思っている。


ロジテック LAN-WSPH01WH
Skype専用 無線LAN携帯端末
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2006年9月29日

RICOH Caplio R5

 筆者の愛用するデジタルカメラは、メインのデジタル一眼レフのキヤノン「EOS 10Dと、予備機として同じくキヤノンの「EOS D30」に加えて、格安で購入した京セラのFinecam M410R、常時持ち歩き用としてカシオの「EX-S20」、予備用の同じくカシオ「QV-R51」等に加え、最も活躍しているのが、GPS対応でもあるリコーの「Caplio Pro G3」だ
 これら複数のデジタルカメラを所有し、それぞれを使い分けしているのであるが、先日ついに愛用の持ち歩き用として重宝していた、カードサイズのカシオEX-20が壊れてしまった。修理を依頼してもよいのだが、新規に購入した方が安価な予感もしたので、久々にコンパクト・デジタルカメラを新たに購入した。

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 今回、筆者が購入したのは新発売されたばかりの、リコー製「Caplio R5」(ブラック)だ。リコー製を選んだのは、Caplio Pro G3の操作性が良く、これに慣れてきているのとCaplio R5が、28mm35mm換算)からのズームが可能という点、そして何よりも小型軽量だからだ。日常持ち歩くデジタルカメラなので、小型軽量という点がCaplio R5の最大のメリットである。
 もちろん、リコー製デジタルカメラの、お家芸とも言える1cmまで被写体に寄れる、強力なマクロ機能も装備しているので、ブログ用の簡単なブツ撮りでも活躍してくれるのは、Caplio Pro G3の使用でも体感していた。

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 今回、筆者が選らんだCaplio R5のボディカラーは、ブラックだ。ブラック以外のカラーとしては、シルバーとレッドがあるのだが、最初はシルバーを選ぶつもりだったが、ブツ撮りをする場合を考えると、被写体に反射をするシルバーよりも、ブラックの方が反射に対しては有利なので、ブラックを選んだ。
 しかし、Caplio R5のレンズ部分はシルバーなので、出来ればこの部分も黒の艶消し処理されていれば、更に良かったのだが。フレーム部分もシルバーメタリックであるが、この部分は被写体にはあまり反射しないので、特に問題とはならないだろう。ボディ自体はアルミ製で質感は中々良い感じだ。

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 Caplio R5の電源スイッチは、小型の押しボタン型で、ボディの上部へ装備されているが、簡単に電源スイッチがオンにならないように、フレームと同じ高さ程度までボタンの頭が低くなっており、簡単にオンにはならない。もちろん、シャッターボタンと誤って押すことも避けられる。実際、Caplio Pro G3の電源ボタンは、モードダイヤルの中央に、大きなボタで装備されており、良くシャッターボタンと押し間違えてしまい、電源を落としてしまうことがあり、こういった操作性を考慮した作りは、ユーザの声を反映した結果だろう。
 電池は、専用のリチウムイオン充電池で、小型の1150mAhの電池が採用されており、特にオプションの電池を購入しなくても、標準で専用充電器と共にCaplio R5へ同梱されてくる。Caplio R5の電源スイッチを入れると、レンズがボディからせり出す共に、レンズバリヤーが開く。上の写真では、二段にせり出しているが、望遠側へズームすると、もう一段せり出す。電源スイッチから、撮影可能になるまでの時間は、非常に短く早い。反面、モータ音はCaplio Pro G3程ではないが、大きい方だ。オートフォーカス(AF)時のモータ音も、同様に大きいほうだが、AF速度は速い。

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 筆者がCaplio R5の購入をした最大のポイントは、小型軽量で必要な機能を殆ど装備している点であることは既に述べているが、その大きさの基準となるのが、タバコの箱よりも小さいという条件だ。これは、常に持ち歩く大きさという意味では、タバコの箱も常にポケットへ入れており、感覚的に邪魔とならない大きさだからだ。もちろん、重さではタバコに比べて重いCaplio R5であるが、十分にYシャツの胸へ入れておける重さだ。
 とは言え、Yシャツの胸ポケットへ入れておくと、屈んだ際にポケットから落ちてしまうため、実際にはズボンのポケットなり、上着のポケットへ入れる事が多い。最近は、先月購入したKRUSELL社の本革製デジタルカメラケースバーティカル CAM XXS」を、マルチダプト・アダプタでベルトへ装着しているので、Caplio R5バーティカル CAM XXSへ入るか試してみたら、実にピッタリと収納することができた。きつくもなく緩くもなく丁度良い感じだ。これは、Caplio R5のボディが、若干「」の字型なので、厚みの余裕の無いケースだと、出し入れがし難くなるが、バーティカル CAM XXSならば全く問題は無い。

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 今回、Caplio R5と同時に購入したのは、Caplio R5の液晶ディスプレイを保護する、液晶プロテクターだ。Caplio R5の液晶ディスプレイは、2.5インチなので、携帯電話用の保護フィルムで間に合わせようかとも思ったのだが、Caplio R5の液晶ディスプレイ専用のKenko製「液晶プロテクター Caplio R5、GR DIGITAL用」が販売されていたので、これを購入した。
 Kenkoは、一眼レフカメラ用の交換レンズに使用する、各種のフィルターを製造しているメーカとして有名だが、カメラ機材のオプションなども数多く扱っており、今回購入したKenko液晶プロテクターも、殆ど貼ってあることが判らない程、透過率が高く見易いフィルムだった。Caplio R5の液晶ディスプレイは、保護用のパネルなどが小型軽量化のため省かれているので、万一の事故から液晶を守るためにも、液晶プロテクターを貼っておいた方が良いと思われる。
 今回Caplio R5を購入して、実際に試し撮りなどをしてみて思った事がある。実は、筆者が始めて購入したデジタルカメラも、リコー製の「DC-1」だったのだ。今から10年ほど前の機種であるが、当時としてはカシオ製の「QV-1」と比べると、その多機能と実用性は雲泥の差で、趣味ベースでの使用を想定したQV-1に比べ、DC-1は完全に業務で使用される事を想定した本格的なデジタルカメラだった。
 もっとも、DC-1QV-1の価格差は、本体ベースでも2倍以上DC-1が高く、オプションも含めると、その差は4倍以上という高価なデジタルカメラだった。それを考えると、大幅に機能が高く小型軽量なCaplio R5が、当時のQV-1の価格以下で購入できるとは、良い時代になったものである。


Kenko デジカメ用液晶プロテクター
Caplio R5、GR DIGITAL用
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2006年9月23日

HAiCOM HI-406BT-C (BTGPS/3c)

 日本の技術適合規格(技適)を取得した、日本でも合法的に使用可能なTELEC認定のBluetoothGPS受信機「BTGPS/3」こと台湾HAiCOM社製「HI-406BT」が、パソコンGPSショップSPA」から発売になったので、早々に入手して評価してみた。このBTGPS/3ことHI-406BTには、電子コンパスを内蔵している上位モデルの「BTGPS/3c」こと「HI-406BT-C」があり、今回筆者が入手したのは、この電子コンパス内蔵型のBTGPS/3cことHI-406BT-Cだ。

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 電子コンパス内蔵型のBTGPS/3cことHI-406BT-Cのパッケージは、欧米版のパッケージだったが、なかなか凝ったパッケージで台湾製品にしては、珍しく過剰デコレーション梱包な製品だ。パッケージには、SiRF Star IIIを搭載している高感度GPS受信機であることを表示し、Bluetoothのロゴも大きく表示している。
 このBTGPS/3cことHI-406BT-C筆者は6月に台湾の台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2006で、HAiCOM社のブースにて詳しい商品説明をHAiCOM社のエンジニアよりレクチャーされており、その時点でHI-406BTHI-406BT-Cは、まもなく日本での販売が開始され、今は技適の申請中であると聞かされていた。それから三ヶ月経過して、日本で販売開始されたのは、(台湾企業にしては)早いと言うべきだろう。

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 筆者の入手したBTGPS/3cことHI-406BT-Cのパッケージに同梱されていたのは、本体のBTGPS/3cことHI-406BT-Cに加えて、AC電源充電器とDC電源充電器(シガープラグ・アダプタ)、充電用ケーブル、ビニール製ケース、ユーティリティを収録したCD-ROM(8cm)だったので、恐らく電子コンパスを内蔵していないBTGPS/3ことHI-406BTに同梱されているアクセサリーも同様だろう。
 BTGPS/3cことHI-406BT-Cに装備されているスイッチは、電源スイッチと電子コンパスへの切り替えスイッチ(恐らくBTGPS/3ことHI-406BTには未装備)、GPS動作を示すLED(緑)は、電源パイロットランプを兼ねている。Bluetoothの動作ステータスは専用のLED(青)が装備されている。加えて充電用のコネクタが装備されている。また、外部GPSアンテナ接続用のコネクタも装備されているので、車載時にも安定した受信が行える。
 注意しなければいけないのは、この充電用コネクタがミニUSBではなく、ミニIEEE1394のコネクタであり、汎用のUSB・ミニUSBのケーブルでは充電が出来ない点だ。BTGPS/3cことHI-406BT-Cに付属してくる充電ケーブルは、片側はUSBでもう片方はミニIEEE1394の形状という、ちょっと特殊なケーブルなのだ。
 何故、ミニIEEE1394のコネクタがBTGPS/3cことHI-406BT-CBTGPS/3ことHI-406BTも)に採用されているのかと言うと、このコネクタでオプションのシリアル・ケーブルアダプタを接続することで、Bluetoothだけではなくシリアル接続でもPCPDAと接続が可能になっているからだろうと、筆者は勝手に推測してみた。

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 さて、BTGPS/3cことHI-406BT-CBTGPS/3ことHI-406BT)のGPS受信機性能だが、SiRF Star IIIを搭載しているので、初期測位速度も高速だし、感度も十分に高感度なので、SiRF Star III搭載の受信機としては標準的な感度だ。Bluetoothに関しても癖がないので、筆者の環境ではPCPDAは問題なくペアリングが出来たし、リコーのGPS対応デジタルカメラ「Caplio Pro G3」へ装着したSocket社製のCFBluetoothアダプタで、問題なく緯度経度や高度をExifデータとして撮影画像にも記録ができた。
 ただ残念なのは、電子コンパスを内蔵しているBTGPS/3cことHI-406BT-Cは、内蔵の電子コンパスが、独立して非内蔵のBTGPS/3ことHI-406BTへ搭載されているだけで、NMEAのセンテンスとしてデータ出力がされない事だ。BTGPS/3cことHI-406BT-Cの上面は、黒の透過プラスチック素材で覆われており、電子コンパスを動作させると、この部分の内部へ装備されている12個の赤・緑LEDが派手に回転表示を行った後、北を赤のLEDが示し、南を緑のLEDが示す。
 BTGPS/3cことHI-406BT-Cに装備されている表示LEDの個数が12個なので、12ポジションの方位表示かと思うが、実際には隣り合う二個のLEDが同時に点灯する場合もあるので、中間ポジションも判別可能なため24ポジションの方位を知る事ができる。紙地図などと併用すれば、便利に使用可能な電子コンパスであるが、惜しむらくはGARMINの電子コンパス内蔵ハンディGPS受信機の様に、HDGセンテンスでNMEAデータ出力をサポートしていない事だ。
 アナログではあるが、アウトドア・ショップなどで売られている磁気コンパスを購入すれば、BTGPS/3cことHI-406BT-Cと同等以上の精度で、方位を知ることができるので、派手な電子コンパスの起動時のデモと合わせて、人に見せる程度の事しかできないため、純粋にBluetooth型のGPS受信機としてならば、電子コンパス非内蔵のBTGPS/3ことHI-406BTを購入して、コンパスは安価なアナログ磁気コンパスを購入した方が、コストパフォーマンスはずっと良い。
 正直なところ、BTGPS/3cことHI-406BT-Cの内蔵電子コンパスの価値に、4,000円の価値は無いと筆者は思う。しかし、技適を取得しているBluetoothGPS受信機として、コストパフォーマンスの良いBTGPS/3ことHI-406BTは、お勧めのBluetoothGPS受信機だ。


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2006年9月 2日

SONY GPS-CS1K

 ソニーから、デジタルカメラと連携することに特化した、GPSデータロガー「GPS-CS1K」が新発売となったので、早々に筆者も購入してみた。ソニーは、過去にも「gTrex」シリーズという、ソニー製GPS受信機によるデジタルカメラ連携に特化したパッケージを販売していたのでが、gTrexシリーズはバージョン2を最後に製造中止となってしまい、Navin'Youシリーズと共に市場から消えてしまった。

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 今回、筆者が購入したGPS-CS1Kは、 そのgTrexシリーズの実質的な後継モデルと言えるのだが、過去のgTrexシリーズで用いられていたソニー製GPS受信機は、GPSデータロガーとし ても機能するのはもちろん、USB接続による単独のGPS受信機としてもモードを切り替えることで機能したのだが、残念ながらGPS-CS1Kは、GPSデータロガーに特化しており、USB接続型のGPS受信機としての機能は持っていない。

クリックで拡大ポップアップ Gpscs1k_2

  GPS-CS1Kは、単三アルカリ電池一本で動作を行う。これは、過去のソニー製GPS受信機「IPS-8000」と同様なのだが、稼働時間は短く連続使用の場合には、予備の電池を用意しておいた方が良い。とは言え、単三アルカリ電池であれば、何処でも購入できるというメリットはある。PCとの接続は、USB接続によって行うのだが、GPS-CS1KUSBPCへ接続すると、GPS-CS1Kはマスストレージ機能をサポートしており、USBフラッシュメモリとして振る舞い、GPSログデータを、そのままエクスプローラでドラッグ&コピー可能なので、マスストレージ機能を持ったデジタルカメラと同様に使い勝手が良い。
  GPS-CS1K側へ装備されているのは、ミニUSBコネクタで、一応コネクタのカバーは付いているが、防滴構造ではないので雨天時での使用は出来ないと考えた方がよいだろう。これは、電池ケース部分の蓋の構造も同様だ。
 GPS-CS1Kの電源スイッチをオンにすると、測位を開始しはじめると同時に、内蔵フラッシュメモリへ測位データを記録しはじめる。測位状態は、LEDによる点滅表示で把握することができる。記録データのフォーマットは、NMEAデータそのものであり、この点は便利である。ちなみに、GPS-CS1Kでのデータ記録間隔は15秒間隔の固定で、これは設定によって5~1秒間隔などへの対応もして欲しかったところだ。

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 GPS-CS1Kは、ソニー製のデジタルカメラであるサイバーショット・シリーズ用のオプションという設定であるが、ソニー製デジタルカメラへ直結できる訳ではなく、撮影した写真画像に、専用ツールで後処理によってGPS-CS1Kで記録されたGPSの位置データを編集書き込みする。従って、他社製のデジタルカメラで撮影された写真画像であっても、DCFファイル形式とExifデータ構造をサポートしていれば、他社製のデジタルカメラで撮影された写真画像へのExif-GPSフィールドへの位置情報を書き込むことが可能だ。
 従って、国内製のデジカメ内蔵の携帯電話で撮影された画像なども利用可能なのだが、Nokiaをはじめとする海外製携帯電話やWindows Mobileなどの海外製スマートフォンなどでは、DCFExifに非対応なので、これらの写真画像ではGPS-CS1K同梱のアプリケーションが対応できない場合もある。
 これらの仕様は、過去のgTrexと全く同じで、GPS-CS1Kを使用する場合は、予めデジタルカメラの内蔵時計を、GPS-CS1Kの時計(すなわちGPS時計)の時間と、キャリブレーションをとっておかないと、撮影した時間をキーに撮影画像とGPSデータを同期させるので、実際の撮影場所と違った位置情報が書き込まれてしまう。

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 さて、GPS-CS1Kの受信感度であるが、使用されているGPSエンジンは、6月に筆者が購入してレポートした、ソニー製のBluetooth型GPS受信機「VGP-BGU1と同じ、ソニー製の「CXD2951GA-4」が搭載されている。正直なところ、高感度の代名詞となったSiRF Star IIIを搭載したGPS受信機と比べると、かなり感度的に劣っていると言わざるをえない。また、同じCXD2951GA-4を搭載しているBluetooth型GPS受信機VGP-BGU1よりも、明らかに感度が悪く初期測位速度も遅い。
 これは、GPS-CS1Kに搭載されているセラミックパッチ型GPSアンテナの性能が悪い(恐らく超小型のキャラメル型セラミックパッチGPSアンテナを搭載してる)のか、あるいは単三電池一本で動作を行っているため、十分なダイナミックレンジをLNA(ローノイズ高周波プリアンプ)が発揮できていないのか不明だが、一つ言えることはデザイン的な欠陥が大きく影響している。
 GPS-CS1Kのデザインは、三角柱を基本にしており見た目は斬新でスタイリッシュな感じを受ける。しかし、問題は三角柱の一側面にGPSアンテナを装備しているので、付属のストラップを兼ねたプラスチック製帷子で、ベルトやバッグへGPS-CS1Kを装着した場合、どうしても三角柱であるため、何処かの平面側が、体やバッグ側と密着する。その密着する側がGPSアンテナを装備した面となると、当然ながらGPS衛星を捕捉できなくなってしまうのだ。
 また、帷子で GPS-CS1Kをベルトやバッグへ装着した場合、当然ながらGPSアンテナは天空を向かずに側面を向いてしまうことになる。しかも、三角柱という筐体であるため、GPSアンテナ側の面が、体側へ向いてしまう場合が多い。高感度なSiRF Star IIIであれば、このような状態でも測位を行うことができるが、感度的にSiRF Star IIIよりも劣るCXD2951GA-4では、測位を安定して行うことは難しいだろう。
 これはソニーのGPS製品全般(初期のIPSシリーズは違うが)に言える事だが、デザイン優先で製品を作る事が多く、性能を優先せずデザインを優先してしまった結果、使い勝手と性能が著しくスポイルされた製品となってしまい、結果的には使えない製品となってしまう。まさにGPS-CS1Kが、このデザイン優先で機能がまともに動作できない代名詞の最たる製品だと思う。
 是非、GPS-CS1Kの次のモデルでは、試作機段階でデザイナーに実機を持たせ、稼働試験をすると共に、エンジニアはGPS受信機の動作原理やアンテナの理論をデザイナーへレクチャーしてもらい、実際に使える製品を市場へ投入して欲しいと思う。デザインと技術を両立した製品を市場へ提供してこそ、過去の「技術のソニー」というブランドイメージが蘇るのだと思うのは、筆者だけだろうか。



 
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