Logitec LAN-WSPH01WH
ロジテックから発売となった、無線LAN(IEEE802.11b/g、Wi-Fi)に対応したSkype専用の電話端末「LAN-WSPH01WH」を購入してみた。通常、Skypeを使用するには、パソコン(Windows、Mac、Linuxに対応)か、PDA(Windows Mobileに対応)へSkypeソフトをインストールして使用するのが、普通の使い方だ。
しかし今回、筆者が購入したLAN-WSPH01WHであれば、パソコンやPDAも不要となり、無線LANのアクセスポイントさえあれば、何処でもSkypeを使用して通話が可能となる。もちろん、Skype同士の通話は全世界無料であるし、通常の電話回線や携帯電話への通話も、有償ではあるが可能となる。
筆者も、仕事用のデスクトップPCや、モバイル用のノートPCへはSkypeをインストールしてあり、自宅や出先でもSkypeを使用している。特に、海外との通話が無料であるため、海外との通話はほとんどがSkype経由となっているのが実情だ。しかし、Skypeの運用をデスクトップPCで行っていると、通話デバイスをX-Liteと兼用したり、あるいBluetoothのヘッドセットなどで行う場合、設定の変更を頻繁に行ったりしなければならない等、使用環境によっては使い難さもある。
そこで、ひかり電話専用無線LAN端末の「ひかりパーソナルフォン」(WI-100HC)のような、Skype専用の無線LAN端末が欲しいと思っていたおり、今回のLAN-WSPH01WHが発売となったので、通販の予約販売で申し込んでおいた。そして発売日の前日には、LAN-WSPH01WHが手元に届いたので、早々に使用してみたという訳だ。
LAN-WSPH01WHの外観は、ストレート型の携帯電話で、大きさや重さも殆ど同じだ。電池は、リチウムイオン充電池で台湾メーカのGPS受信機などでも、良く使用されている形状だが、一般の携帯電話の電池ともよく似ている汎用品と思われる。LAN-WSPH01WHは、日本のTELEC(技適)認定を受けており、その点では安心して日本国内でも使用可能だ。ただし、FCCやCEの認定は受けておらず、海外で使用すると電波法違反に問われる場合があるので、要注意だ。
液晶はTFTでは無いが比較的明るいカラーSTN液晶を搭載しており、バックライトも明るくモノクロ液晶のWI-100HCよりも見易い。装備しているボタンは、一般的な携帯電話と変わらないテンキーだが、ボタンを押した感触は安っぽい感じで、遊びも多い。スティック型のカーソルコントローラも装備されているが、これも操作感はあまり良くない。
その他、LAN-WSPH01WHには通話音量専用のボタンも、ボディ側面に用意されており、この点はSkypeの通話では音声が極端に小さい場合があるので、重宝するだろう。LAN-WSPH01WHのボディ底面には、ミニUSB端子と、イヤフォンとマイク専用の端子が装備されている。
LAN-WSPH01WHには、標準でイヤフォン・マイクが同梱されており、これを接続すればLAN-WSPH01WHはハンズフリー端末としても使用できる。USB端子は、LAN-WSPH01WHの充電と、パソコンへ接続してファームウェアのアップデートなどに用いられる。他に、充電専用の端子と思われる電極があるが、LAN-WSPH01WHの専用クレードルは付属していない。
LAN-WSPH01WHの電源を入れると、液晶にバックライトが点灯しロジテックのロゴが表示される。テンキーのボタンも、青色LEDによるバックライトが点灯して、数字や文字が青く光る。このあたりの作りは、無味乾燥なWI-100HCよりも華やかだ。その後、Skypeのロゴが表示され、Skypeのライセンスに同意するかどうかの表示が行われる。
表示される言語は、デフォルトで日本語表示されるので、特に問題無くメニューの指示に従ってボタンを押していけばセットアップは完了する。LAN-WSPH01WHのセットアップは、主に無線LANの設定とSkypeの設定が必要となるが、既にPCやPDAでSkypeを使用していれば、LAN-WSPH01WHのSkype設定はIDとパスワードを入力するだけだ。
Skypeの通話先リストや自分のアバターなども、特に改めて設定することなく、既存のデータがそのままLAN-WSPH01WHで使用可能となるので、このあたりはSkypeの良くできている点だろう。
筆者宅の無線LANのアクセスポイントは何個かあるのだが、マンションなので隣近所にも数多くのAPが存在しており、セキュリティも千差万別な状態で、そのまま他人宅のAPへ接続してしまうこともある。LAN-WSPH01WHでは、優先して接続するAPを指定できる他、Wi-Fiファインダー機能も備えているので、最初はLAN-WSPH01WHの内蔵Wi-Fiファインダーを用いて、自宅のAPをサーチして、優先接続するAPとして登録すればよいだろう。
もちろんLAN-WSPH01WHは、暗号化にも対応しているので特にセキュリティの問題はないと思うが、企業で使う場合にはSkype自体がファイアーウォールに穴を開けてしまうことが危惧されるので、DMZへAPを設置してしまい、そのAPへLAN-WSPH01WHを接続するように設定すれば、F/Wを迂回してSkypeを使用することも可能だ。
当然、企業のISなどでは、社内のPCへSkypeをインストールする事を禁止しているケースも多いのだが、このLAN-WSPH01WHを使うのであれば、プロトコルの開示されていないSkypeであっても、PCや社内LANへ悪影響を及ぼすこと無く使用可能となるので、特に海外とのホットライン用として、LAN-WSPH01WHでSkypeをビジネスで使えば、大幅な通信経費節減になるだろう。
さて、なかなか面白いLAN-WSPH01WHであるが、実は写真撮影を終わったところで、電源を一端オフにして、再度起動使用としたところ、二度と起動しなくなってしまった。いわゆる初期不良というヤツだ。現在、ロジテックへ修理か交換を申し込んでいるところで、踏み込んだ使用感や顛末などは、後日レポートをお届けしようと思っている。
■ ロジテック LAN-WSPH01WH
Skype専用 無線LAN携帯端末
【価格:18,800円(税込)送料込】
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