Start Mac [7]
アップル社による「Start Mac体験モニター」プログラムの借用品である、「iMac 20インチモデル(MA589J/A)」へ、「Windows Vista Ultimate」をインストールしてみた。ただし今回のStart Macレポートは、アップル社が提供しているIntel MacへWindows XP SP2をインストールするためのユーティリティ・ツールである、「Boot Camp (β版)」を用いずにWindows Vista Ultimateを、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へインストールを行ってみた。
従って、今回の方法は筆者の個人的な技術的な興味から行ったので、単にWindowsを使いたいという事であれば、Boot Campを用いてWindows Vistaをインストールした方がよいと思う。と言うのも、殆ど全ての作業をコマンド操作によって作業を行う必要があり、GUIでの簡単な操作では無いからだ。
まず、筆者の場合は既にBoot Campを用いて、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へ何度か、Windows XPやWindows Vistaをインストールしており、使い勝手を調べてみた。Boot Campを用いた場合、一番の使いにくさとなるのが、パーティションをMac OS X用とWindows用の二つまでしかサポート出来ないという点と、Windowsのインストール・パーティションを、FATではなくNTFSで行った場合、Mac OS Xから読み出しは出来るが、書き込みが出来なくなってしまう点だ。
もっとも、逆にWindows(XP、Vista共)からは、Mac OS XのJournaled HFS+パーティションは、書き込みどころか読み出しも行うことが出来ないため、Mac OS XとWindowsが共通に読み書き可能となるFATのパーティションを作成すれば、この問題は解決できる。また、Boot CampによるWindowsの導入ガイドには、WindowsのインストールをFATパーティションを作成するようにアドバイスが書かれているが、これは絶対に止めた方が良い。
Windows XPやVistaを、FATパーティションへインストールした場合、OSのセキュリティが非常に甘くなってしまい、さらにWindows XPやVistaの供えているファイルの暗号化機能も動作しなくなる。既に、FATパーティションへWindows XPやVistaを導入している場合には、XPやVistaのユーティリティを用いてFATからNTFSへ、OSの再インストールをしたり、データを壊すこともなくファイル・システムの変換が可能なので、NTFSへ変換した方が良いだろう。

さて、実際に一台のHDDへ、元々インストールされているMac OS XのJournaled HFS+パーティションに加えて、FATパーティションと、Windowsインストール用のNTFSパーティションの二つを新たに作成し、しかもMac OS Xの再インストールを行わないで済ませる方法だが、この手順を詳しく解説してあるガヂェット氏のブログ、複眼中心を参考にさせていただいた。
まず、予めBoot CampをMac OS Xへインストールし、Windows用のデバイスドライバ用CD-Rを作成しておく。このBoot Camp Driver CD-Rを作成しておかないと、Windows XPやVistaを稼働させる際に、必要なデバイスドライバが入手できない。ただし、CD-Rを作成し終わった段階で、パーティションの作成は行わずにBoot Campは終了させてしまう。
次に、Mac OS Xを終了(あるいは再起動)させ、この際にキーボードの「Commnad」(リンゴのマーク)キーと「S」キーを同時に押しながら電源を投入する。すると、Mac OS XのAqua(という名のGUI)ではなく、素の状態のBSD UNIX(Darwinと呼ぶべきか)が、シングル・ユーザ・モードで起動する。Aquaという林檎の薄皮を剥いた状態は、筆者にとって非常に親近感を覚える画面表示をしてくれた。
この状態の起動で、筆者が驚いたのは、Bluetooth接続による「Apple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)」で、なんの問題もなくキーを受け付けてくれたことだった。これは、Mac OS XのカーネルにBluetooth接続されたキーボードをハンドリングするドライバを持っている事を意味し、Windowsでは考えられない非常に良く作り込まれている点だ。アップル社が、自社でBluetooth接続キーボードを製造販売し、同じくOSも自社で開発販売している利点だ。
ここで、プロンプトが表示されたら、「sh /etc/rc」とコマンドを打ち込む。次に、現状のHDD上に作成されているパーティション状況を表示させるコマンド、「diskutil list /dev/disk0」を打ち込む。すると、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へ装備されている、250GB(232.9GB)のHDDには、200MBのEFIパーティションと、232.6GBのMac OS X用Journaled HFS+パーティションの二つが存在しているのが判る。
EFIパーティションは、PCで言うところのBISOシステムが進化したEFIが使用するパーティションで、このEFIパーティションを消し去る事は出来ない。従って、232.6GBのMac OS X用Journaled HFS+パーティションを、FATとWindowsのパーティションへ分割することになるわけだ。
筆者の場合は、FATパーティションへ32GBを割り当て、Windowsパーティションへ80GBを割り当てる事にした。従って、残った領域の120.6GBが、Mac OS X用Journaled HFS+パーティションとなる。
このサイズで、元々のMac OS X用Journaled HFS+パーティションを分割するには、コマンで「diskutil resizeVolume /dev/disk0s2 120.6G "Journaled HFS+" FAT 32G "MS-DOS FAT32" Windows 80G」と、筆者の場合は指定した。サイズやボリューム名は、自分の使用用途や好みで変えればよいだろう。
パーティションの分割と新たなパーティションの作成が完了したら、「shutdown -r now」コマンドでOSを再起動し、再び「sh /etc/rc」とコマンドを入力した後、「diskutil list /dev/disk0」コマンドを打ち込み、正しくパーティションが作成されたかを確認する。指定したサイズよりも、サイズが小さいパーティションもあるが、エラーになっていなければ特に問題はない。
これで、Windowsをインストールする準備が整ったので、Windowsのインストール用CD(あるいはDVD)を、iMac 20インチモデル(MA589J/A)のDVDドライブへマウントしてから、「shutdown -r now」コマンドでOSを再起動するのだが、今度はキーボードの「option」キーを押しながら再起動を行う。

すると、画面にブート・ドライブの選択画面が表示されるので、「Macintosh HD」へ「(↑)」が表示されて選択された状態なので、これをカーソルキーで「Windows」と表示されているDVDドライブを選択すれば、Windowsのインストーラが起動される。
後は、Windowsのインストールを画面に従って行うのだが、この時点でBluetooth接続によるApple English Version Wireless Keyboardや、Bluetooth接続の「Apple Wireless Mighty Mouse (MA272J/A)」を使用している場合は、必ずUSB接続のマウスとキーボードを接続しておかないと、Windowsのインストールが行えない。Windowsのインストーラは、Bluetooth接続のマウスやキーボードを認識してくれるほど賢くは無く、その点はMac OS Xの方が、はるかに良く出来ていると思う。
また、Windowsのインストールでは、何度か再起動を要求されるが、この再起動の際にも、必ずキーボードの「option」キーを押しながら再起動を行い、ブート・ドライブの選択をして、「Windows」と表示されているDVDドライブからブートを行う必要がある。

筆者は、最初Windows Vistaをインストールしようとし、Windows VistaのインストールDVDをマウントした。Windows Vistaのインストーラは、特にエラーも出さずに起動され、画面に従って、キーボードの選択(もちろんBluetooth接続のキーボードなどはメニューに表示されない)や、プロダクトキーの入力などをすませ、インストールが順調に進んでいるように見えた。
ところが、インストール先のHDDを選択する画面で、エラーが発生してしまったのだ。エラーコードは「0xE0000 100」で、「Windowsのインストールで予期しないエラーが発生しました。・・・」という表示で、もちろん筆者とて予期していなかったエラーだ。別のマシンへのインストールでも、このエラーは発生したことが無いし、予備実験でBoot Campを用いてiMac 20インチモデル(MA589J/A)へ、Windows Vistaをインストールした時も、この様なエラーは発生しなかったのだが。
何度か、インストール作業を繰り返してみたが、全く同様のエラーが同じところで発生したため、Windows VistaのインストールDVDメディアに傷が付いてしまったかと思い、TechNet Plus SubscriptionでダウンロードしたISOイメージ・ファイルから、DVD+Rへ新たに作成してみたDVDでも、全く同じ症状だった。どうやら原因は、Windows Vistaのインストーラそのものにあるのでは無いかと思い、Windows Vistaでは無くWindows XP SP2のCD-ROMで、再度インストールを行ってみた。
すると、Windows XP SPでは、なんの問題もなく作成したパーティションを認識してくれた。やはり、Windows Vistaのインストーラでは、Boot Campを用いて作成されたパーティションであれば認識するが、今回の方法によって「diskutil」コマンドで作成された複数のパーティションは認識できないようだ。
しかし、Windows XP SP2は問題なくインストールが可能だったので、そのままWindows XP SP2をインストールすることにした。それはWindows XP SP2が起動できれば、そこからWindows Vistaのインストーラを起動することができるからで、過去にもWindows 98やWindows 2000では、同様の方法でアップグレードを行っている。

Windows XP SP2のインストールが終わり、再起動を行うとブート・ドライブの選択画面が表示され、「Macintosh HD」パーティションに加えて、新たに「Windows」パーティションが、ブート・ドライブとして表示されるた。ここでは、カーソルキーで「(↑)」を「Windows」と表示されているHDDアイコンに合わせ、「return」キーを押せば(あるいはマウスで選択すれば)、インストールされたWindows XP SP2が起動される。
Windows XP SP2のインストールCD-ROMが、まだマウントされた状態なので、CDのアイコンも表示されるが、これを起動してはいけない(上の写真では、「(↑)」がCD起動を選択状態になっているが、これは誤りだ)。

Windows XP SP2が起動されたら、特にデバイスドライバの設定なども行わずに、マウントされているCD-ROMをイジェクトする。iMac 20インチモデル(MA589J/A)のDVDドライブには、メカニカルなイジェクト・ボタンは装備されていないし、Appleキーボードに装備されているイジェクト・キーも動作しない。CD-ROMのイジェクトは、Windowsの「マイ コンピュータ」を開き、DVDドライブのアイコンをマウスで選択後、右クリックを行う。
表示されたメニューから「取り出し(J)」を選択しクリックすれば、マウントされているCD-ROMがイジェクトされる。Windows XP SP2のインストールCD-ROMと入れ替わりに、今度はWindows VistaのインストールDVD-ROMをマウントすると、Windows Vistaのインストーラが自動起動するので、後はインストーラのガイドの従ってWindows Vistaのインストールを行えばよい。
筆者が予想したとおり、Windows XP SP2から起動されたWindows Vistaのインストーラでは、直接DVDからブートした場合に発生したエラーは起こらず、問題なく「diskutil」コマンドで作成された複数のパーティションが認識された。ここでは、Windows XP SP2をインストールした、NTFSのパーティションをインストール先として選び、後はインストールの作業を進めるだけだ。
Windows Vistaのインストールが完了し、再起動後にWindows Vistaが無事に起動すれば、これで後はWindows VistaのiMac 20インチモデル(MA589J/A)用のデバイスドライバを、先に作成しておいたBoot Camp Driver CD-Rや、デバイス・メーカからの最新Windows Vista用のデバイス・ドライバなどをインストールすればよい。
これら、Windows Vistaの細かなチューニング等は、次回の「Start Mac [8]」で詳しく解説する。実際には、チューニングを行わない、この段階のインストールしただけで、標準のデバイスドライバだけのWindows Vistaでも、音が出ない程度なので、使用するには不自由することはないのだが、やはり問題点も少なからずあるため、それらの問題を解消を行うには、しっかりとデバイス・ドライバを組み込む必要がある。
■ Apple iMac MA589J/A 20インチディスプレイ OS:Mac OS X v10.4 Tiger
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