Start Mac [8]
前回の「Start Mac [7]」のレポートに引き続き、今回はアップル社による「Start Mac体験モニター」プログラムの借用品である、「iMac 20インチモデル(MA589J/A)」へ、「Windows Vista Ultimate」をインストールした場合の、Windows Vistaを稼働させるための、デバイスドライバをインストールした結果や、Boot Campによるドライバの不具合点などをレポートしてみる。
Windows VistaをインストールしたiMac 20インチモデル(MA589J/A)を、alt(option)キーを押しながら再起動(ブートHDDは、Windowsを選択)すると、Windows Vistaのログイン画面が表示されるので、セットアップ時に設定したログイン名のパスワードをキーボードより入力する。
ただし、この時点ではBluetooth接続による「Apple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)」や、同じくBluetooth接続の「Apple Wireless Mighty Mouse (MA272J/A)」は機能しないので、必ずUSB接続のキーボードとマウスを接続しておく必要がある。
筆者の場合は、手持ちのPC用USB接続キーボードと、愛用中のパソコン自動切替機(KVM切替機)経由で、USB接続によるマイクロソフト製トラックボール(Trackball explorer)を接続し、これらでセットアップの作業を行った。Windows Vistaが起動初めてiMac 20インチモデル(MA589J/A)で起動すると、画面サイズはSVGA(800 x 600ドット)モードでデスクトップ画面が表示される。
iMac 20インチモデル(MA589J/A)には、1680 x 1050ドットのワイドTFT液晶ディスプレイが装備されているので、アスペクト比を無視した表示となっているが、この設定はWindows Vistaの表示モードを変更することで、対処できるので問題は無い。
実際に、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へインストールしたWindows Vistaの、画面キャプチャを行ってみると、SVGA表示で有ることが判る。また、Windows VistaがAero Glassモードで起動していることも、半透明のウィンドウ枠などから判断できるだろう。今回、筆者がインストールしたWindows Vistaは、Windows Vista UltimateなのでAero Glassを装備しているが、Windows VistaのHome BasicではAero Glassはサポートされていないので、半透明枠などは表示されないので、最低でもHome Premiere版をインストールした方がよいだろう。
全くデバイスドライバなどをマニュアルでインストールしない状態でも、サウンド機能で音が出ない程度の不具合状態なので、このiMac 20インチモデル(MA589J/A)へインストール直後の「Windows エクスペリエンス インデックス」スコアを表示させてみた。CPUは5.1と高速な評価で、更にHDD(プライマリハードディスク)は、5.3と高速な評価値だ。
グラフィックに関しても、4.8と十分なスコアでありゲーム用グラフィックスも4.9と高速である。最低評価だったのが、メモリ(RAM)の値で4.7だった。これは、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へ搭載されている、Intel Core 2 Duoプロセッサが、ノートPC向け(モバイル用)のT7400であり、メモリバスの速度が667MHzと、デスクトップ用のCPUに比べて、遅いバススピードなのが影響しているのだろうか。
とりあえず、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へインストールしたWindows Vistaの標準ドライバで、画面設定を1680 x 1050ドットへ変更し、同時に接続してあるデュアルディスプレイの機能も動作するように設定を変更した。特に、問題なく1680 x 1050ドットで表示が行われ、デカンダリィのディスプレイも問題なく機能する。
実際に運用する場合には、iMac 20インチモデル(MA589J/A)に搭載されてるATI 「Mobility Radion X1600」用の、Windows Vista専用デバイスドライバ「Catalyst Ver.7.2」の正式版が、ATIのサイトからダウンロード可能なので、それをインストールして使用することにした。
一応、Windows VistaのAero Glassが動作しているので、フリップ3Dの表示も、お約束なので掲載しておくが、使いやすいかどうかは、筆者としては正直なところ疑問だ。そもそも、「Windows」キーを装備していない、PC/AT用101キーボードを愛用しているので、使いたくても使えない。しかし、Apple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)で、コマンド(リンゴマーク)キー+tabキーでの動作が可能な事は確認した。
さて、サウンド機能の音が出ない状態を回避したり、iMac 20インチモデル(MA589J/A)用の専用ビルトイン機器のドライバを、Boot CampによるドライバCD-Rからインストールするには、pcqanda氏のブログ「パソコンよろずQ&A」が、とても参考になるので、詳しくはそちらを参照いただきたい。筆者も参考にさせていただき、Boot CampによるドライバCD-Rから、必要なドライバをインストールした。
1) Intel 945GMチップセット用Vistaドライバと、SigmaTelサウンドドライバ
2) Windows用LCD輝度調整ソフトと内蔵時計調整ソフト
筆者の場合、(1)で組み込んだSigmaTel用サウンドドライバによって、問題なくサウンドの出力と内蔵マイクによる入力が可能になった。(2)のLCDの輝度調整ソフト(Brightness)と、内蔵時計調整ソフト(AppleTime)をWindows Vistaの起動時に自動起動させないと、iMac 20インチモデル(MA589J/A)のディスプレイが、起動時にいつも最大輝度となってしまい、また時間表示も9時間ずれてしまうため、Windows Vistaの「スタートアップ」へショートカットを作成し、自動起動するようにした。
しかし、残念ながらWindows XPまでであれば、これで問題は無いのだが、Windows Vistaの場合にはUAC(User Account Control)機能で引っかかってしまい、自動起動を行えずにAppleTimeとBrightnessの起動はブロックされてしまう。この問題は、Boot Campが正式版となり、認証されたソフトになるまでの間、Windows VistaのUACを機能しないように設定しておくしかないのだろうか。
(3)のiSight用ドライバは、特に問題は発生していないし、(4)のBluetoothドライバも問題なく稼働し、iMac 20インチモデル(MA589J/A)で使用しているBluetooth接続によるApple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)や、同じくBluetooth接続のApple Wireless Mighty Mouse (MA272J/A)も、問題なくペアリングが行えた。
ペアリングが完了した時点で、Apple Wireless Mighty Mouse (MA272J/A)のスクロールボールは、縦方向だけであるが使用可能となった。両サイドのボタンも、機能しており、スクロールボールによる横スクロール以外は、問題なく快適に使用可能だ。
しかし、Apple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)は、一部のキーが機能しない。具体的には、「F13」、「F14」、「F15」、「F16」が使えず、AT用キーボードで言えば、「Print Scrn/SysRq」、「Scroll Lock」、「Pause/Break」キーが使えない。他にも、テンキー上にある音量整序キーやイジェクトキーも使えないのだが、これは拡張キーなので専用ドライバを組み込まなければ、使えなくて当然だ。
そこで、Apple製キーボードの配列を、AT(PC)用キーボードの配列へ変換してくれる、Boot Campのキーボード・ドライバを組み込む事にした。
しかしながら、Bluetooth接続によるApple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)は、ドライバのインストーラが起動する段階で、接続しているキーボードをチェックしており、Bluetooth経由のApple English Version Wireless Keyboard (M9270LL/A)はインストーラが認識してくれず、ドライバのインストールはできなかった。とりあえず、画面キャプチャを行う「Print Scrn/SysRq」キー(Appleキーボードでは「F14」に相当)が使えないのは痛いが、この問題は先送りして、他の問題が無いかをチェックしてみることにする。
肝心の前回のレポートで作成したFAT形式のパーティションは、問題なくWindows Vistaからも認識され、FATのフォーマットで読み書きが可能であることを確認した。また、iMac 20インチモデル(MA589J/A)へUSBで接続されている、メモリカード・リーダ/ライタもWindows Vistaからリムーバブルドライブとして認識されている。念のためにDVDドライブも含めて、全てのドライブへメディアをマウントし、書き込みや読み出しを行ってみたが、全く支障なく動作した。
もちろん、作成したFAT形式パーティションのドライブは、Mac OS XからもFAT HDとして認識されており、Mac OS Xからも読み書きが可能だ。また、読み出しに限るが、NTFSパーティションのWindows HDも、暗号化の設定やBitLockerをオフにしていれば、問題なく読むことはできるが、筆者の運用ではデータの暗号化や、Windows Vistaで新たに装備されたBitLockerを試すので、Mac OS Xからは、NTFSパーティションの読み出しもできなくなるため、共有ドライブとしてのFATパーティションが不可欠となる。
もっとも、iMac 20インチモデル(MA589J/A)には、BitLockerをフル活用するためのハードウェア「TPM 1.2チップ」が搭載されていないので、Windows XPでも実装されていたEFSによる暗号化を施すことになるが、いずれの場合であっても、データのセキュリティを高めるには、FATパーティションではできないないため、Windows XPやWindows Vistaをインストールするパーティションは、NTFSパーティションへ行うべきだろう。
■ Apple iMac MA589J/A 20インチディスプレイ OS:Mac OS X v10.4 Tiger
CPU:2.16GHz Intel Core 2 Duo
メモリー(標準/最大):1GB(2x512MB)/3GB
ハードディスク:約250GB 【価格:178,100円(税込)送料別】
■ Windows Vista Home Premium 32bit版 FDDセット
【価格:15,696円(税込:16,480円)送料別】
■ Windows Vista Ultimate 32bit版 FDDセット
【価格:25,146円(税込:26,403円)送料別】
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント