Caplio 500SE-W&WBT-100 (前編)
日本国内では技適(TELEC)認定を取得しておらず、Bluetoothを内蔵しているにも関わらずBluetooth機能を使用すると、電波法に違反してしまいBluetoothを使用することが出来ない、Bluetooth GPS受信機兼GPSデータ・ロガー「ピクシス100」こと、台湾Wintec社製「WBT-100」を、台湾の台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2007」の取材のために筆者も出張してきたので、台北にてリコーのBluetoothと無線LANを内蔵しているスーパーデジタルカメラ「Caplio 500SE model W」で、やっと筆者も使用することが出来たので、そのレポートをお届けしよう。
上の写真は、COMPUTEX TAIPEIの開催されている会場(台北世界貿易センター:TWTC)の通りを挟んでそそりたつ、「TAIPEI 101」の直ぐ下で撮影したピクシス100ことWBT-100だ。もちろん撮影したデジタルカメラはCaplio 500SE model Wであり、この状態でピクシス100ことWBT-100とのペアリングをしており、ExifのGPSフィールドには、緯度経度などが記録されている。
加えて、予めピクシス100ことWBT-100の設定で、内蔵されている電子コンパスのデータをHDGセンテンスで出力するようにしてあるので、ピクシス100ことWBT-100の方向(方位)もCaplio 500SE model WへBluetoothによって電送され、緯度経度と同様にExifのGPSフィールドへ記録されている。
このサンプル画像を、ExifReaderを用いてExif情報のGPSフィールドを表示してみると、リコーのCaplio 500SE-W用として推奨されている三機種のBluetooth GPS受信機である、「BTGPS/3c」こと「HI-406BT-C」や、ソキアの「SOKKIA GIR1600」、ソニーの「VGP-BGU1」とは違い、ピクシス100ことWBT-100では「撮影した画像の方向」に方位角度が記録されているのが判る。つまり、Caplio 500SE-Wではピクシス100ことWBT-100のHDGセンテンス出力を正しく処理して、電子コンパスによる方位角をExif情報へ記録しているわけだ。
これは、以前に筆者がCaplio Pro G3とGARMINの電子コンパス内蔵のハンディGPS受信機を接続した際、HDGセンテンスをCaplio Pro G3が無視していたことをレポートし、リコーへHDGセンテンスのサポートを要望していたのだが、この要望がCaplio 500SE-Wで実装された形となり、嬉しい限りである。この撮影方位をサポートしているという点だけでも、Caplio Pro G3からCaplio 500SE-Wへ乗り換える価値は十分に有ると筆者は思う。
また、ExifReaderを用いて後から撮影画像のExif情報を確認するだけではなく、実際にはリアルタイムでピクシス100ことWBT-100のHDGセンテンスから取得した撮影方向を、Caplio 500SE-Wでは液晶ビューアで確認することが出来るのだ。上の写真は、Caplio 500SE-Wの液晶ビューア表示の画面を、サブで持参した筆者愛用のコンパクト・デジタルカメラ、リコーのCaplio R5で撮影した画像である。
Caplio 500SE-Wの液晶ビューア左側に見える緯度軽度表示の「E:121°」、「N:025°」と表示されている上に、撮影方向の「15.0°NNE」(北北東15°)と表示されているのが判る。この表示はピクシス100ことWBT-100と違い電子コンパスを内蔵しておらず、HDGセンテンスをサポートしていないBTGPS/3cことHI-406BT-C(電子コンパスは内蔵しているがHDGセンテンスによるデータ出力が無い)や、ソキアのSOKKIA GIR1600、ソニーのVGP-BGU1では、表示されないのだ。
この他、Caplio 500SE-Wの液晶ビューアで確認可能な、GPS衛星の捕捉数や測位状態などの表示は、ピクシス100ことWBT-100の場合と他のBluetooth GPS受信機の場合は、違いは全く無い。
Caplio 500SE-Wの液晶ビューア左上部の二列目の表示には、Bluetoothでの接続を示すBluetoothアイコンやのBluetooth電波強度を示すアイコンなども表示されるが、これもBTGPS/3cことHI-406BT-Cや、ソキアのSOKKIA GIR1600、ソニーのVGP-BGU1であっても表示される。
何点か、COMPUTEX TAIPEI 2007の会場周辺でCaplio 500SE-Wと、ピクシス100ことWBT-100による、Exif情報へ緯度経度に加えて方位情報を記録した、サンプル写真画像を掲載しておくので、ExifReaderを用いて確認していただければ幸いである。上左の写真は、TAIPEI 101であるが、今回の出張でも毎日が雨天という状況であり、TAIPEI 101の先端は雨雲の中という状態だ。
色とりどりのバルーンは出展各社のPR用バルーンである。年々、空き地が少なくなりバルーンの設置場所も少なくなってきている。
黄色の車は全てタクシー、会場周辺は渋滞してる。工事用のクレーンは新しいMRTの駅の工事中。
幾何学的な造形の台北世界貿易中心ビル。手狭になったので周辺にも会場が増設されている。
左側が世貿中心のビルで、右側がTAIPEI 101のビル。両方のビルは2階部分を連絡橋で繋いでいる。
今回の台北出張で、日本国内では違法となってしまうために使用することができない、Caplio 500SE-Wと、ピクシス100ことWBT-100による組み合わせを試してみて、他にも便利な点をCaplio 500SE-Wと、ピクシス100ことWBT-100による組み合わせで可能な事も判明したので、これに関しては後編でレポートしたいと思う。
いずれにしても、Caplio 500SE-Wと組み合わせるBluetooth GPS受信機は、電子コンパスを内蔵している上、その方位データをHDGセンテンスで出力可能なピクシス100ことWBT-100が最適であることは、間違いないだろう。願わくば日本国内でも合法的に使用できるよう、ピクシス100ことWBT-100の技適(TELEC)認定をリコー、あるいは輸入代理店に強く望みたい。
<<以下、後編に続く>>
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コメント
うわぁ。Caplioでとうとう撮影方位も記録できるようになるんですね。GPSマニアックスからの悲願達成ですね。私はeTrexVistaCx-Jを買ってしまったので、しばらく手は出ません。。。
投稿: こば道産子 | 2007年6月27日 20:17
こば道産子さん、こんばんは、
>GPSマニアックスからの悲願達成ですね。
そうですね、歴代のGPS対応Caplioは、初代は評価のみでゲットしませんでしたが、やっと三代目で撮影方向のHDGセンテンス対応です。(^O^)
というよりも、撮影方向(HDGセンテンス)対応はカシオのQV4800カスタムモデル以来の2機種目なので、GPS対応デジタルカメラのユーザとっては、画素数や基本性能に加えて、最新の無線LAN対応や完全防水機能なども装備している、Caplio 500SE-Wは「これしか無い」一品だと思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年6月28日 01:00
清水さん、ごぶさたしています。
BT内蔵GPSロガー、WBT-100、DG-100どれにしようか悩んでいます(^^;;;
7月末に日本出張なのでそのときに入手できないか画策中です。
そういえば、MapkingかPowerMapをベースにしたようなベトナムのWindwosMobile用MAPを見つけました。
この会社はHoluxの代理店もやっているようで、GPSlim236も販売していました。
投稿: siam_breeze | 2007年6月29日 11:18
siam_breezeさん、こんばんは、
詳細はメールしたとおりですので、日本へ帰国した際にゲットしてくださいねぇ~ (^O^)
ぜひ、写真のExifへ緯度経度を書き込んで、ジオタグ付のデジカメ写真にもトライしてみてくださいな。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年6月29日 23:54