測量・設計システム展 2007
今年も昨年に引き続き、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で、6月20日~6月22日の三日間にわたって開催されていた、「全国測量技術大会 2007」に併設される展示会の「測量・設計システム展 2007」を、開催初日の6月20日に筆者が取材してきたので、昨年の筆者のレポート同様、簡単にレポートしておく。
昨年の同展示会は、7月に開催されたのだが、今年は2週間ほど早い時期の開催となっており、梅雨真っ盛りの時期であったのだが、筆者が取材を行った6月20日の開催初日は、晴天に恵まれ夏の様な青空と白い入道雲をバックに、横浜みなとみらいのシンボルとも言える横浜ランドマークタワーが青空にくっきりとそびえ立っていた。
今年の取材は、会場で友人と会う約束をしていた関係で、取材時間があまり長くとれなかった。久々に会った友人と会場内の談話コーナーで、長時間の談笑をしていた関係からなのだが、展示会場自体は昨年に比べると、目新しい展示が増えていた印象なのだが反面、一般向けの面白い展示は減っていた。
大手の測量メーカは、この展示会に殆ど出展しており、加えてGIS関連のメーカや大手地図会社も展示を行っており、逆に言えば間接的な展示も含めて、この展示会に出展していないメーカは測量やGIS、地図データ関連では、業務用にあまり力を入れていないメーカなのか、出展する予算を計上できないようなマイナー・メーカなのだろうか。出来れば、独自の新技術を持っているGIS関連や、GPS関連のベンチャー企業の出展がもっと増えると面白いのだが。
そんな中の展示品で、トプコンが展示していたGNSS(GPS/GRONASS両用)受信機とアンテナは、興味深い製品の一つだ。白いレドーム(ヘルメットではない)が外されて、内部のアンテナ構造が見えていたのだが、一般的なパッチアンテナの構造ではなく、レンズ構造をもった高いゲインを実現しているGPS/GRONASS兼用アンテナだ。
また、同じくGNSS対応のハンディ型受信機は、Windows CEが搭載されているPDA型の端末で、内蔵されているデジタルカメラを利用し、撮影した画像にGNSSの測位情報が記録可能となっている。係員の方へ質問してみたところ、Exifへの記録ではなく、撮影画像と測位データのデータベースを別々に記録しているとのことで、限られたExif情報エリアではなく、別途測位データを記録することによって、後処理をし易いデータ構造にしているのだろう。
内蔵されているデジタルカメラは、最新の携帯電話などに搭載されている高解像度のデジタルカメラ・ユニットではなく、VGAサイズ程度の解像度でレンズも固定焦点の小さなレンズ・ユニットが、筐体の上部側面へ装備されており、撮影時には本体を水平に保ったままで、撮影が可能な構造だ。これは、一般的な携帯電話の内蔵デジタルカメラのような構造では、測位のための内蔵アンテナが、天空方向ではなく水平方向になってしまう。それを防ぐ意味でも、このデジタルカメラとアンテナの位置構造は、測位優先の配置であり、業務用の端末としては当然の構造だ。
GPSの老舗である、ニコン・トリンブルでは、リアルタイム測位でも10mm誤差(10m誤差では無い!)を得られる小型のハンディ型測量用GPS受信機を展示していた。後処理によって更に精度を上げることも可能で、なんと5mmの精度を得られるという、文字どおりの測量用GPS受信機だ。
また、Windows CEを用いたPDA型のハンディGPS端末も複数展示されていたが、中でも業務用のハンディ無線機を用いたシステムは、筆者も以前はアマチュア無線を用いた、GPSデータ電送システムを考案して、そのシステムを制作したこともあり、なかなか興味深いシステムだ。
何故、携帯電話ではなく業務用の無線機を用いるのかと言えば、電送のタイムラグを極力減らす必要が、リアルタイムの測位を行うために不可欠だからだ。Bluetoothや無線LANでは、最大でも100m程度の通信エリアしか確保できないが、業務用無線機を用いることによって、通信エリアは数Kmの範囲で可能になる。
携帯電話を用いた場合には、更に広いエリアで通信が可能になるが、基地局を経由したり、間に複数のIP回線やルータを経由してしまうため、データの電送に大きなタイムラグを生じてしまうので、リアルタイムでの測位データとしては、携帯電話回線は不向きなのだ。
先だって筆者も評価を行った「GIR 1600」をメインに展示していたのは、測量機器の老舗メーカ、ソキアだ。筆者が評価を行った際には、PC用(Windows XP/2000対応)のアプリケーションが提供されたのだが、今回の展示ではWindows Mobile(Pocket PC)用のアプリケーションが新たに登場していた。そう言えば、筆者もGIR 1600のPC用アプリケーションの評価レポートを、まだ掲載していないことを想い出してしまった(汗)。近々、レポートを行うので今しばらくお待ちいただきたい。
昨年の展示では、マネキンが黒子状態の「そきあ君」(筆者が勝手に命名)だったが、今回の展示では顔のあるマネキンの「そきあ君2号」(これも筆者が勝手に命名)になっており、昨年はリュックを背負った重装備だったが、今年の展示では筆者が評価したポーチ型と、肩へのGPSアンテナ装着に加えて、Pocket PC用アプリケーションがリリースされたことによって、軽量装備となっていた点が大きな違いだ。
また、ソキアのGIR 1600のブースには、筆者も愛用するGPS対応のリコー製スーパーデジタルカメラ「Caplio 500SE model B」と「Caplio 500SE model W」が展示されていた。もちろん、業務用としてGIR 1600のBluetooth機能によって、Bluetoothを内蔵しているCaplio 500SE model Bや、Bluetoothと無線LANを内蔵したCaplio 500SE model Wと連携し、撮影場所の位置情報をExifへ記録し、それを測量やGISへの応用データとして利用する、業務用のデジタルカメラという本来の姿で展示されていたのは、言うまでもない。
今回の取材では、筆者愛用のCaplio 500SE-Wではなく、同じリコー製ではあるが、やはり筆者愛用の日常の持ち運びようのコンパクトデジタルカメラ、「Caplio R5」で取材撮影を行ったのだが、こうしてCaplio 500SE-BやCaplio 500SE-Wの展示をみると、筆者愛用のを持ってきてCaplio 500SE-Wで撮影すれば良かったと、少々後悔してしまったのは内緒である。
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