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2007年7月 9日

Caplio 500SE-W&WBT-100 (後編)

 前編の「Caplio 500SE-W&WBT-100」に引き続き、台湾の台北へ「COMPUTEX TAIPEI 2007」の取材のために出張した際、筆者の愛用するBluetooth GPS対応(Bluetoothと無線LANを内蔵)のリコー製スーパーデジタルカメラ「Caplio 500SE model W」と、日本国内では技適(TELEC)認定を取得していないためにBluetooth機能を使用することができない、Bluetooth GPS受信機兼GPSデータ・ロガー「ピクシス100」こと、台湾Wintec社製「WBT-100」をペアリングして使用したレポートの後編をお届けする。
 今回、ピクシス100ことWBT-100Caplio 500SE model Wを組み合わせて使用した際に、もっとも困ったのは両者の固定方法だ。電子コンパスを内蔵しているピクシス100ことWBT-100によって、撮影方向をExif情報として書き込むのだが、その場合にCaplio 500SE model Wのレンズ方向が、ピクシス100ことWBT-100の方向と連動していないと、正しい撮影方向をExif情報へ書き込む事が出来ない。

Exif GPS ジオタグ付 500sew_taipei_9

 本来であれば、Caplio 500SE model Wの上部へ装備されているアクセサリーシューへ、アダプタを自作するなどしてピクシス100ことWBT-100を固定すれば良いのだが、アダプタを工作する時間も筆者には無かったので、今回はあくまでも応急処置ということで割り切り、ピクシス100ことWBT-100Caplio 500SE model Wのアクセサリーシューの上に置いた状態で、展示会の取材時には必ず鞄に入れてある、布製の粘着テープで固定をした。
 プロのカメラマンの方ならば、必ず撮影機材の鞄に同様の粘着テープを入れている方も多いだろう。筆者も、ブツ撮りに良く布製の粘着テープを使うので、取材時にも鞄に入れているのだが、今回はこの粘着テープのおかげで出先にも関わらず、ピクシス100ことWBT-100Caplio 500SE model Wへ固定する事が出来た。まさに備えあれば憂いなしである。
 さて、Caplio 500SE-Wと、ピクシス100ことWBT-100による、Exif情報へ緯度経度(合わせて撮影方向も)を記録した撮影画像に加え、今回のCOMPUTEX TAIPEI 2007の取材には、Caplio 500SE-Wをメインで使用した。基本的なデジタルカメラとしての性能が高いので、特にデジタル一眼レフカメラを使う必要もないのが嬉しいところだ。また、台北が連日の雨天で、日によっては大雨洪水注意報まで出るという悪天候であったが、完全防水機能を持ったCaplio 500SE-Wでは、雨に濡れても安心だったのが非常に有りがたかった。

クリックで拡大ポップアップ 500sew_taipei_10

 Caplio 500SE-Wで撮影した写真画像は、前にもレポートしたGoogle Picasa 2SDメモリ・カードから取り込みを行う。サムネイル画像に「(+)」の表示が、画像の右下へ表示されている写真は、Caplio 500SE-Wと、ピクシス100ことWBT-100によって撮影された、Exif情報へ緯度経度と撮影方向などの「ジオタグ」が記録されている事を表している。
 ジオタグがExif情報へ記録されている画像が有る場合、Picasa 2の「ツール(T)」のドロップダウン・メニューから「ジオタグ(G)」を選び、更にサブメニューから「Google Earthで表示...」を選べば、自動的にGoogle Earthが起動されて、ジオタグの記録されている写真画像だけが、Google Earthへ緯度経度情報と共に取り込まれる。

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 Picasa 2から自動的に起動されたGoogle Earthには、ジオタグがGPSピクシス100ことWBT-100)とCaplio 500SE-Wによって、Exifへ記録された写真画像だけが表示されるので、それぞれの縮小された写真画像をクリックすることで、バルーンが表示されて少し大きめの画像が表示される。表示されるバルーンには、キャプションなども埋め込む事が可能なので、キャプションをタグとした検索も可能になる。
 ちなみに、上のGoogle Earthには、建設途中のTAIPEI 101が衛星写真として表示されていることから、衛星によって撮影されたのは二年ほど前になることが判る。

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 こちらのGoogle Earthのキャプチャ画像は、dmedia Systemの本社を取材した際と、Maction Technologiesの本社を取材したレポートへ掲載した、ジオタグをExifへ記録した写真を表示している。こちらのGoogle Earthによる衛星写真画像も、やはり二年ほど前の衛星写真のようで、内湖周辺の高層ビルの数が現在よりもかなり少ないし、道路も完備していなかったことも判る。

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 Google Earthの拡大率を下げてより広域を表示させてみると、COMPUTEX TAIPEIが開催された台北世界貿易センター(TWTC)のある場所と、dmedia社やMaction社のある内湖区との相対的な位置関係が良くわかる。Google Earthを広域表示にすると、ジオタグをExifへ記録した写真画像が複数ある場合は、それらが重なってしまい一枚だけを選択することが出来なくなってしまいそうだが、縮小された写真画像をクリックすれば、各縮小写真が放射状に表示され、その中から一枚だけクリックをすれば選択した写真の放射線が赤で表示されて簡単にその写真画像を表示することも可能だ。

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 こちらも同様に、Google Earthの広域表示から、台北世界貿易センター(TWTC)で撮影した複数のジオタグをExifへ記録した写真画像から、一枚だけを選択してみたところだ。このようにPicasa 2では時間軸による管理と、Exifへ記録された検索用の文字によるタグでの管理だけであるが、GPSピクシス100ことWBT-100)とCaplio 500SE-Wによって緯度経度をExifへ記録した写真であれば、Picasa 2Google Earthを併用することによって、簡単に位置情報による写真の管理が可能になるわけだ。

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 加えて、ピクシス100ことWBT-100は、Bluetooth GPS受信機として機能してる時でも、GPSデータ・ロガーとしても同時に機能をしているので、GPSピクシス100ことWBT-100)とCaplio 500SE-Wによって緯度経度をExifへ記録している間も、ピクシス100ことWBT-100は緯度経度の位置情報を自分自身も記録している。従って、カメラ(Caplio 500SE-W)側の電源をオフにしていても、ピクシス100ことWBT-100の電源をオフにしてなければ、GPSデータ・ロガーとして機能し続ける。このログデータを吸い出して

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 この、ピクシス100ことWBT-100のログデータを吸い出してGoogle Earthで表示させたのが、上の画面キャプチャである。場所は台北世界貿易センター(TWTC)脇のTAIPEI 101の周囲であるが、GPSピクシス100ことWBT-100)とCaplio 500SE-Wによって、Exifへジオタグが記録された写真画像をGoogle Earth上へ表示したキャプチャ画面と未来比べてみると、位置が殆ど一致しているのが判る。

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 ピクシス100ことWBT-100のログデータも、表示位置が重なってしまい一カ所だけを選択することが出来なくなってしまいそうだが、重なった表示位置のアイコンをクリックすれば、各位置情報のアイコンが放射状に表示され、その中から一カ所だけをクリックをすれば、選択した位置の放射線が赤で表示され、その位置の緯度経度情報を表示することも可能だ。
 ただし、ピクシス100ことWBT-100のログデータには、電子コンパスによる方位データ(HDGセンテンス)は記録されない。ログデータに記録されるのは、緯度経度と日時のデータだけであり、しかもNMEAフォーマットのデータではないので、汎用性という面ではNMEAフォーマットでログデータを記録可能な、GPS受信機データ・ロガー「 コメットDL/3」(台湾GlobalSat社製DG-100)の方が応用性が高いだろう。
 実際、コメットDL/3ことDG-100を用いて、筆者が過去に紹介した位置情報をデジタルカメラで撮影した写真画像のExifへ、後処理で書き込むことが可能となるツール「RoboGEO v3.0を併用し、Exifへジオタグを後処理で書き込んで楽しんでおられる、「ネコトクラス」の泉式氏の記事は、Caplio 500SE-WのようなBluetooth GPS対応ではない、普通のデジタルカメラでジオタグ情報を持った写真画像を楽しみたい方には、大変参考になるだろう。
 また、ピクシス100ことWBT-100コメットDL/3ことDG-100など、GPSデータ・ロガーの記録した緯度経度情報を元にし、それを一般のデジタルカメラで撮影した写真画像をPicasa 2に読み込ませて、Picasa 2からジオタグをGoogle Earth上で書き込みを行うことも可能だ。しかしGoogle Earth単体や、Google Mapsでもデジタル写真画像を管理することは可能だが、大抵の場合は撮影者や被写体となった人の記憶に頼っており、案外と間違った位置情報の場合も多い。
 予め、デジタルカメラの内蔵時計の時間を正確に合わせておき、ピクシス100ことWBT-100や、コメットDL/3ことDG-100 で位置情報をしっかりと記録しながら、デジタルカメラで撮影を行えば、ほぼ撮影場所を撮影時間から特定できるので、記憶による不確かな位置ではなく正確な位置情報で撮影場所を管理できるわけだ。


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コメント

よく読まさせて頂いております。
何度かメールもさせて頂きました内田と言います。
さて、ピクシス100ことWBT-100ですが、良いGPSで入手したいなあと思っているうちに、販売終了となりました。
大きさ、価格等を含めて同等機能製品は見あたりません。
再生産、新製品、同等品などの情報をお持ちでしたら教えてください。
よろしくお願いします。

投稿: 内田 正夫 | 2007年7月 9日 10:19

内田OM、ごぶさたしております。

>再生産、新製品、同等品などの情報をお持ちでしたら教えてください。

メールにて、別途お知らせいたしますので、よろしくお願いします。

清水

投稿: 清水 隆夫 | 2007年7月 9日 18:55

WBT-100は海外からだったら、まだ購入できるようです。
→在庫処分に入っています。

http://www.buygpsnow.com/data-logger_126.aspx
http://www.semsons.com/datalogger.html

保証という点では、ちょっと厳しいですが・・・(^^;)

投稿: pepsiman_koza | 2007年7月10日 13:29

pepsiman_kozaさん、こんばんは、

>→在庫処分に入っています。

それは違うと思います。なぜならば、新型のWBT-201と同じ価格で販売されています。Caplio 500SE関連の米国Web情報では、やはりWBT-100に人気が集中してます。

在庫処分なら、もっと安価になるでしょ。

で、内田さんも、Caplio 500SEをゲットされたそうなんですよ。(^O^)

まぁ、単なるBluetooth GPSやGPSデータロガーとして使うならWBT-201なんでしょうけどね。MTKチップのパラメータをいじると、測位感度も上げられたりするので、面白いのはWBT-201でしょうけど。

SemsonsがYahoo!のシステムを使っているので安心かな・・・USPSが$43、DHLが$55ってのが微妙で、米国のUSPSはイマイチ信頼度が低いので、やっぱDHLなんですよね。

投稿: 清水 隆夫 | 2007年7月11日 00:49

清水さん、こんばんは。
紹介してくださいまして、ありがとうございます。

Caplio 500SEは良さそうですし、Richoデジカメの愛用者なので興味はあるのですが、大きいのがネックです。手袋をはめて操作する方には良いのですが、一般使用ではもう少し小さい方が良いですね。
そういう意味では防水でなくても、CFカードを挿入できるCaplio Pro G3の現代版を出して欲しいですね。

WBT-100もDG-100を買うとき随分迷いました。
小ささは魅力ですね。ただ、GPSエンジンが不安だったのと専用バッテリーが気になってDG-100にしたのですが、なくなると聞くと・・・ちょっと欲しくなっちゃいます(笑)

これからもよろしくお願いいたします。

投稿: 泉式 | 2007年7月11日 23:51

泉式さん、こんばんは、

>そういう意味では防水でなくても、CFカードを挿入できるCaplio Pro G3の現代版を出して欲しいですね。

たしかに、業務用のタフネス・デジカメですからちとゴツイですね。<500SE

本当はGX100ベースで無線LAN無しでも良いので、Bluetooth内蔵でGPS対応版が出てくれると、旅カメラとしては最高なんですけど・・・

>ちょっと欲しくなっちゃいます(笑)

電子コンパス内蔵でそのデータがNMEAで出力できるのは、現状ではWBT-100かGARMIN Vista系にBluetoothアダプタを付ける以外に手が無いですからね。(なぜか、私は両方持ってますが・・・台北で試したのですが、今となってはGARMINの旧eTrex Vistaは感度が・・・苦笑)

投稿: 清水 隆夫 | 2007年7月12日 00:16

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