GlobalSat GH-615B
先月、台湾の台北で今年も開催されていた「COMPUTEX TAIPEI 2007」を取材してきた筆者であるが、GPS関連でも新製品が多数展示されていた。特に、今年の各社の展示で目立って多かったのは、やはりPND/PNA(Personal Navigation Device/Personal Navigation Assistant)で、単機能の安価なモデルからデジタルTV放送(日本向けにワンセグTV受信機を組み込んだプロトタイプもあった)を受信できる高機能型や、携帯電話(特にWindows Mobile対応のSmartPhone)へ組み込まれた製品も多く見られた。

台湾の最大手GPS機器メーカの一つである、台湾GlobalSat社でもPND/PNAの展示がメインだったが、一年ぶりに会った同社のマーケティング担当者と情報交換の会話をしたのだが、現在GlobalSat社で力を入れているのは、PND/PNA機器に加えて、ハンディGPS機能を持った腕時計型のGPS受信機、「G・Sat GH-615」シリーズとのことだ。
このGlobalSat社製腕時計型GPS受信機G・Sat GH-615は、小型のモノクロLCDディスプレイを装備し、GARMIN社のハンディGPSと殆ど同様の機能を持ち、更に小型軽量(約90g)で高感度(GPSエンジンとしてSiRF Ster IIIを搭載)な上、GPSデータ・ロガーとしても使用可能で、しかも防水防塵構造というアウトドア仕様の、腕時計型のハンディGPS受信機である。

この、GlobalSat社製腕時計型GPS受信機G・Sat GH-615のサンプル品の提供も可能だと、同社のマーケティング担当氏が言うので、筆者は今年のCOMPUTEX TAIPEI 2007土産ということにして、ベーシックモデルとなるGH-615Bのサンプル品を購入してきたので、そのレポートをお届けしよう。ちなみ、G・Sat GH-615シリーズには今回、筆者が購入してきたGH-615B以外に、心拍計(ハート・レート・モニタ)を内蔵した上位モデルとなるGH-615Mがあり、更に現在開発中の最上位モデルGH-615Pがある。
最上位モデルのGH-615Pは、GH-615Bに電子コンパスと電子気圧計を装備したモデルで、年内には出荷を開始したいとのことだった。更に、現在はGH-615B、GH-615M共にブラック・モデルのみであるが、他に各モデル共オレンジ・モデルとグリーン・モデルの出荷を予定しているとのこと。
筆者が台湾で購入してきたGH-615Bのサンプル品(もちろん製品版である)の同梱物は、GH-615Bの本体に加えて、USBソケット型の充電ACアダプタ、GH-615Bの専用となるUSBシンク兼充電用ケーブルに加えて、腕時計型GPS受信機ということで、時計バンドが精密ドライバと共に同梱されていた。この時計バンドは予備という訳ではなく、標準でGH-615Bに装備されているラバー製時計バンドよりも長くなっており、腕が太い場合や、冬などで防寒着の上からGH-615Bを装着する場合には、この長いラバーバンドと交換して使用する。
GH-615B側のUSB兼充電用ソケットは、防水構造のためにラバーキャップが装備されており、更に小型の腕時計型ということもあり、超小型の特殊な専用USBソケットが使用されている。USB兼充電端子は、GH-615Bの裏側に装備されており、使用する場合は防水用のラバーキャップを外し、GH-615Bの専用となるUSB兼充電ケーブルを装着する。満充電に要する時間は、約3時間ほどを要するので、充電時間として長い方だ。

GH-615Bに装備されているコントロール用のボタンは、左右の両脇にそれぞれ3個づつ装備されており、計6個のコントロール用ボタンを用いて、各種の機能を選択したり表示画面を変更することが可能だ。メインの電源ボタンはGH-615Bの正面左側の中央に装備されているボタンで、長押しすることによってGH-615Bの電源をオン・オフすることが出来る。GH-615Bが動作中には、このボタンが液晶ディスプレイの照明用スイッチを兼ねており、暗闇でもハッキリと測位データや時間を確認することが可能だ。
GH-615Bの電源スイッチをオンにすると、最初にGPS受信機が測位モードとなり、GPS衛星を捕捉する動作を行う。測位が完了すると、ラップタイムの表示モードへと切り替わり、この状態から操作ボタンを操作することによって、ハンディGPS受信機としての機能の表示を行うことができる。
基本的なGH-615BのGPS受信機としての機能表示は、殆ど装備しているので、十分にハンディGPS受信機として活用することができるだろ。特に、ちょっと前までのSiRF Star IIIを搭載していなかった時代のGARMIN製ハンディGPS受信機と比べてみると、GPS測位速度や感度は、明らかにGH-615Bの方が良い。
もちろん、最新のGARMIN製ハンディGPS受信機では、GH-615Bと同じSiRF Star IIIをGPSエンジンとして搭載しており、更にGPSアンテナもGH-615Bよりも大型のアンテナを搭載しているので、最新のGARMIN製ハンディGPS受信機の方が、GPS性能は上だろうし、カラー液晶を装備している上、地図表示機能なども装備しているが、GH-615Bには地図表示機能などは装備されていない。

腕時計型のGPS受信機と言うと、もう6年以上も昔になるがカシオから世界初となる腕時計型GPS受信機が発売されていた。当時としては画期的な超小型の腕時計型GPS受信機であり、筆者も愛用していた時期がある。当時の技術では、高感度のGPSエンジンが存在しなかったことや、GPSエンジンの消費電力が大きく、実用性という面では満足な性能を持っていなかったが、技術的には大変に優れており、特に通常は腕時計として使用するにも苦にならない程の小型軽量だった。
そのカシオ製のGPS受信機内蔵型腕時計と、GlobalSat社製腕時計型GPS受信機GH-615Bを比べてみると、大きさでは二回りほどGH-615Bの方が大きい。日常の腕時計の代わりに使用するのは、チト大きすぎる大きさだ。そして、カシオ製のGPS受信機内蔵型腕時計は、一度の充電によって(GPS受信機の動作時間にもよるが)、約1ヶ月間ほど腕時計として使用可能だったのに対して、GH-615Bの方はというと、GPS受信機をオフにした状態であっても、約一日しか動作をしない。更に充電時間に三時間も要するのでは、日常的に使用する腕時計の代わりにはならないだろう。
とは言え、デフォルトではGH-615BのGPS受信機は連続動作モードなので、腕時計の形状をしているのであるが、根本的にはGH-615BはハンディGPS受信機なのだ。つまり、腕時計のように腕へ装着可能なハンディGPS受信機と考えた方がよい。また、GPS・データ・ロガーとしても十分な機能と感度や測位速度を持っているのであるが、同じGlobalSat社製のGPS・データ・ロガーである「DG-100」(コメットDL/3)の方が、より大型のGPSアンテナを搭載しているので、感度が良い。
しかし、GH-615BにはDG-100(コメットDL/3)には無い、ハンディGPS受信機としての機能(液晶ディスプレイ)を装備している点では、単機能のGPS・データ・ロガーのDG-100(コメットDL/3)に無い使い方が可能となっており、特に日常的にランニングやマラソンなどをするユーザにとっては、腕に装着できる点と心拍計(ログも可)を内蔵しているGH-615Mは、良い選択だと思われる。
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