NOKIA LD-3W
ノキア・ジャパン社から(やっと)日本国内向けに発売となった、Nokia Wireless GPS Module「NOKIA LD-3W」を、筆者も入手してみたのでレビューをお届けする。ノキア・ジャパン社での正式なサポート機種では、Nokia E61とSoftBank MobileのX01NKの二機種のみとなっているのだが、Nokia社の海外サイトの情報では、これら二機種のノキア製スマートフォン以外のBluetooth搭載携帯電話や、Bluetooth搭載PC、Bluetooth搭載PDAと幅広く使用可能と記載されている。
ノキア・ジャパン社としてみれば、国内の他のBluetooth搭載機器へのサポートが出来ないのは、当然の流れであろうが、自己責任であれば高性能でスタイリッシュなNOKIA LD-3Wを使わない手は無い。しかも、ノキア・ジャパン社は(一流国際企業なら当然であるが)、NOKIA LD-3Wを国内で販売するために、技適(TELEC)認定を取得しているので、技適を取得していない非TELEC認定な輸入Bluetooth GPS受信機と違い、日本国内での使用も全く問題ない上、NOKIA LD-3WはFCCやCEの認定機器でもあるから、安心して海外渡航時にも使用可能だ。
NOKIA LD-3Wのパッケージ内には、NOKIA LD-3W本体と充電用のAC-4J充電アダプタ、車載時にNOKIA LD-3Wを固定するためのマグネット・シール、英語と日本語による説明書などが同梱されている。AC-4J充電アダプタは、従来の国内ノキア携帯電話に同梱されていた、ACP-12J充電アダプタよりも、DCプラグが細く(2mmφ)なっているので、携帯電話用のACP-12Jを兼用したい場合には、変換プラグを用いることになる。
NOKIA LD-3Wのデザインは、シンプルながらノキアらしいデザインっだ。筐体の殆どは黒の艶消しで、側面との境界を渋い艶消しグレーのリング状アクセントとなっている。ノキアのファンとしては、中央にエンボスで表示されている「NOKIA」のロゴだけは、もう少し目立つような色であって欲しかったところか。NOKIA LD-3Wの表面上部には、左からGPS、Bluetooth、電源のアイコンが、ロゴと同様にエンボスで施されている。
このアイコンエンボスの上には、電源オフ時には存在すら見えないのだが、それぞれの動作を示すLEDがあるのだが、黒の筐体プラスチックが、この部分だけトランスルーセント(透過)構造になっているという凝った作りだ。NOKIA LD-3Wの裏側は、交換可能なリチウムイオン充電池ボックスの蓋となっており、裏面下部のボタンを押して蓋をスライドさせることで、内部のリチウムイオン充電池の交換が可能だ。
NOKIA LD-3Wの電源スイッチは、筐体の右側面の上部にあり、NOKIA LD-3Wの筐体から出っ張ることもなく、また凹みすぎていることもない。電源スイッチの動作は、ボタンを長押しすることで電源がオンとなり、逆に動作時には長押しでオフとなる。NOKIA LD-3Wの筐体側面下部には、充電用のDCジャック(2mmφ)が装備されている。
NOKIA LD-3Wに使用されているリチウムイオン充電池は、ノキアの携帯電話に広く使用されているBL-5Cが採用されているので、ノキアの携帯電話を愛用しているユーザであれば、殆どのユーザの場合はリチウムイオン充電池を共有することが可能なので、BL-5Cを使用しているノキアの携帯電話の電池切れの際には、NOKIA LD-3Wのリチウムイオン充電池を外して使用することも可能だ。
NOKIA LD-3Wの電源スイッチをオンにすると、最初にNOKIA LD-3Wの表上部に装備されている、一番右の電源ステータスLED(緑)が点滅を始める。この時点で、NOKIA LD-3Wの内蔵Bluetoothはペアリング待機状態となっているので、ペアリングを行う携帯電話か、PCやPDA、あるいはBluetoothを内蔵している「Caplio 500SE model W」や、Bluetooth CFアダプタを装着したCaplio Pro G3などとのペアリングを行う。
NOKIA_LD-3W posted by (C) Shimizu
Bluetoothのペアリングには、NOKIA LD-3Wの場合にはパスキーが不可欠設定となっており、パスキーとして「0000」をNOKIA LD-3Wとペアリングを行う相手側から入力しなければならない。最近の汎用Bluetooth GPS受信機では、パスキーの設定が不要な機種が多いのだが、NOKIA LD-3Wの場合は携帯電話用としての性格が強いので、セキュリティの面が強化されているのだろう。
ペアリングが完了すると、NOKIA LD-3Wの表上部に装備されている、中央のLED(青)が点滅を開始し、ペアリングが完了している事を示す。この時点で、GPS受信機も測位を開始しはじめ、GPS衛星を捕捉して測位を開始すると、NOKIA LD-3Wの表上部に装備されている、一番左のGPSステータスLED(白)が点滅を開始する。この一連のLED点滅は、単に各LEDが点滅をするだけではなく、ナイト2000風に右から左へと順序良く点滅するギミックを持っており、ノキアの遊び心に感心する次第だ。百聞は一見にしかずなので、NOKIA LD-3Wの三色LEDによるノキア・ギミックの動画を掲載しておこう。
NOKIA LD-3Wの電源スイッチをオフにすると、GPSステータスLEDとBluetoothステータスLEDが消灯し、電源ステータスLEDが緑の点滅後に赤へ一瞬だけ変化し、オフとなる。NOKIA LD-3Wを充電する際には、この電源ステータスLEDは赤で点滅し、充電完了で消灯となる。
NOKIA LD-3Wとペアリングが切れた状態では、そのままBluetoothのリンク待機状態となり、電源ステータスLEDが緑で点滅した状態が続く。自動でスリープ状態へ勝手に移行してしまうといった事もないので、NOKIA LD-3Wの電源さえいれておけば、ペアとなる携帯電話や、PC、PDA、デジタルカメラの設定で、自動接続を行うようにしておくことで、リンクされた時点で再び測位を開始してくれ、NOKIA LD-3Wの電源を再度オンにしてやるというような、面倒な操作は不要だ。
SiRF Star IIIをGPSエンジンとして搭載しているNOKIA LD-3Wであるが、感度や測位速度は同じSiRF Star IIIを積む他のBluetooth GPS受信機と比べてもトップ・クラスの性能を持っていると言える。これは、掲載した動画でもNOKIA LD-3Wが測位状態であることからも判るとおり、筆者宅のマンションは鉄筋コンクリート製の住宅であり、撮影場所の部屋は東側に窓があるのだが、室内での測位を安定して行える環境では無い。
実際にNOKIA LD-3Wが測位をしているのかどうかをチェックする意味で、Caplio 500SE model Wとペアリングした際のCaplio 500SE model Wのディスプレイ表示写真をお見せしよう。この表示から、NOKIA LD-3Wが6個の衛星中、4個を捕捉して3D測位を行っていることが判る。当然ながら、Caplio 500SE model W用のBluetooth GPS受信機としても、安心して使用可能だ。
性能面やギミックでは問題の全く無いNOKIA LD-3Wの唯一の問題点としては、ストラップを装着するためのストラップ・ホールが無いことくらいだろうか。Bluetooth GPS受信機は、一般的に小型化されてきており、手の中にすっぽりと握りしめられる大きさなので、日常的にはポケットに入れておけば良いのであるが、紛失防止という観点からは、やはりストラップを装着しておいた方が安心だし、ネックストラップを装着しておけば携帯にも便利である。出来ればNOKIA LD-3Wにも、上部の側面にストラップ・ホールを設けて欲しかったと思う。
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コメント
海外版パッケージ(UK版?)と異なっているのですね。
<違うところ>
・パッケージ:Display用の引っかけるところ有り
表面印刷図柄も全く異なる
・充電器:「DC-4」カーチャージャー
・説明書:英語含む5カ国語で書かれた1枚もの
両面印刷
日本販売版はお金がかかってそうですね・・・(^^;)
投稿: pepsiman_koza | 2007年7月 7日 07:22
pepsiman_kozaさん、こんちは、
>・パッケージ:Display用の引っかけるところ有り
これは、このパッケージでもあります。蓋の部分に切り込みがあって、内部のつり下げ部分を出せば、つり下げOK。
>表面印刷図柄も全く異なる
このパッケージはアジア版共通みたいです。バンコクで見たのと同じです。
>・充電器:「DC-4」カーチャージャー
ヨーロッパだと、カーナビとしてのニーズが多いからなんでしょうね。日本じゃ、カーナビは持ってて当たり前ですから、やっぱり市場性の違いを把握しているのかも。
>・説明書:英語含む5カ国語で書かれた1枚もの両面印刷
アジア版は、英語、タイ語などで装丁は日本版と同じ本型でした。
>日本販売版はお金がかかってそうですね・・・(^^;)
ほとんどが、アジア版を流用だし、電源は既に日本版があるし、金かかっているのは、技適審査費用とマニュアルだけなので、ノキアに取っては屁でもないと思います。なにせ、一番の障壁と(金のかかる)ローカライズが不要で、天下り団体に献金するだけで売れるようになる商品だから、逆に美味しいのかも。(笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2007年7月 7日 14:39
こんにちは.いつも情報に感謝しつつ見せていただいています.
LD-3Wを入手したのですが,今,嬉しさ半分です.手持ちのリコーCaplioProG3とつながりません.
清水様の場合,LD-3WとCaplioProG3はうまくつながりましたか?
私の場合,パスキー入力画面が出ないまま,ネゴシエーション不成立で,接続できません.セキュリティが厳しいのでしょうか.EMTAC/Socket:D1598(持っています)のようにはつながらないのです.Ricohファームウェアと一緒にダウンロードできるBluetooth接続マニュアル(ProG3_Gps.pdf)には,パスキー要求画面が出ますと書いてあるのですけれども.リコー窓口は親切でしたが,LD-3Wとの対応については情報がないという答えでした.
投稿: morimoto | 2007年8月 9日 15:58
morimotoさん、こんばんは、
>清水様の場合,LD-3WとCaplioProG3はうまくつながりましたか?
試してみましたが、ペアリング出来ませんでした。どうやら、SocketのBT-CFカードとLD-3Wとのペアリングに問題があるようです。
Bluetoothのバージョンにも関係がありそうですね。すでに、Caplio Pro G3は、製造販売共に終了しているので、よほどの不具合が無いかぎりは、新しいBT GPSにも対応してくれないと思いますが・・・Pro G3本体のファームを改良することで、対応できるものならして欲しいところですが・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2007年8月10日 19:20
お返事をありがとうございました。
おっしゃるように、メーカーには期待薄な感じです。
BTGPSは2年前とくらべて感度・電池持続時間・価格の面でずいぶん進歩したと思うので、対応していただけるとすばらしいのですが、メーカーさんの利益にはならないことですから・・・
私の場合、LD-3Wを買った目的は多少別のところにあるので、そちらができたら良しとしたいと思います。
投稿: morimoto | 2007年8月14日 14:47
こんにちは。
遅くなりましたが、TBさせていただきました。
清水さんのこの記事を読んで。11日に清水の舞台から飛び降りる思い出購入に踏み切りました。(少しオーバー?)
来タイ中の熊さんも購入したようです。
投稿: 大川ひろあき | 2007年8月14日 20:45
クマです。ご無沙汰です。
買っちまいました。(^^A
で、でも日本地図がない。(--A
今日はEM-ONEでGoogleMapを拾いながら使ってみましたが、やっぱWebMapには限界が・・・。
Mapは何がおすすめですか?
投稿: tt-bear | 2007年8月17日 00:13
>morimotoさん、
>私の場合、LD-3Wを買った目的は多少別のところにあるので、そちらができたら良しとしたいと思います。
ホスト側となるBluetoothの規格が、Ver.2.0 + EDRだと、手持ちの機器では問題ありませんでしたので、BTのバージョンの相性かもしれません。
>大川ひろあき さん、
ご無沙汰しております。
LD-3Wの入手、おめでとうございます。 (^O^)
性能は安定していますし、感度も測位速度も早いので、活用してくださいませ。
そうそう、松下製のリチウム電池・・・該当品かもしれないので、チェックされた方がよろしいかと思います。友人のが、当たりだったとか・・・
>tt-bearさん、
お帰りなさい。タイよりも暑い日本へ帰国してくるなんて・・・って、仕事があるか(^o^;
tt熊さんにしては、GPS買うのは、遅かったんじゃ・・・
>Mapは何がおすすめですか?
Windows Mobileで使うならば、今のところは昭文社のSuper Mapple DigitalへおまけでついてくるPocket Mapplでしょうね。
Windows Mobile 6へも対応したし。(昭文社のサイトよりアップデート版がダウンロードできます。)
日本全部の地図を入れると、それなりのデータ容量を食うので、全国版を購入しておいて、tt熊さんの必要な地域だけをEM-ONEへインストールするとよいかと・・・
Super Mappleの方は、ノートPCへインストールしておけば、HDDなら全国入れても問題ないでしょ。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年8月17日 01:20
アドバイスありがとうございます。
とりあえず、Super MappleVer.7が安く売っていたので入手しました。
本当は,Ver.8にしたかったのですが、なんせバーツ高の中の帰国だったのでお金ないのです。(T-T)
>tt熊さんにしては、GPS買うのは、遅かったんじゃ・・・
ど、ドキ!そ、底を突っ込まれると。
今回、大川さんが持ってるの見て思わず買ってしまいました。(^^A
清水のアニイという師匠が側にいるのにデビューが遅くなりました。
これからは精進してGPSを極める所存に・・・。
き、極められのか・・・。(--A
投稿: tt-bear | 2007年8月17日 17:47
アドバイスありがとうございます。
僕のバッテリーBL-5Cは中国製で非該当でした。
tt-熊さんのも僕と同じ7月製造ロットなので大丈夫と思いますよ。
でも、PowerBook G4(最終型)の場合、バッテリーのSerial No.では非該当だったのに、今年5月に修理にだしたら、ナゼか?交換されて帰ってきました。持ちが悪くなってきていたのでラッキーでしたが...。
投稿: 大川ひろあき | 2007年8月19日 23:03
>tt-bearさん、こんばんは、
>今回、大川さんが持ってるの見て思わず買ってしまいました。(^^A
熊さんらしくて、よい衝動買いですねぇ~ (^O^)
>き、極められのか・・・。(--A
極めてくだされ。応援しますよ。
>大川ひろあき さん、こんばんは、
>僕のバッテリーBL-5Cは中国製で非該当でした。
外れで良かったですね。ただ、内部のセルだけが松下製で、外装には中国製とラベリングされている電池もあるので、型番でのチェックが不可欠みたいです。
SBMでは、該当機種の携帯(702NK/NK IIなど)の持ち主には、全員に代わりの電池を送るというSMSが届きました。当たり外れ無関係みたいです。松下の赤字額が莫大なのや、NOKIAのブランドに傷がついたのだけは、間違いないみたいですけど・・・
そうそう、tt-bearさんと大川さんもよくご存じの、ベトナム駐在の某氏やFlat Spin Maniacさんたちと、昨晩ですがSecond Lifeで大盛り上がりでした。(^O^)
明日は、伊藤さんの生放送もSecond Life内で午後11時からかいさいされますし、Second Lifeの仮想空間も、なかなか賑やかになってきました。
大川さんのPowerBook G4のMac OS X 10.4.Xならば、問題なくSecond Lifeビューアも動作するでしょうし、tt熊さんのMac Bookでは、伊藤さんもMac BookでSecond Lifeを楽しまれているので、こちらは確実にSecond Lifeビューアが動作するので、お二人も是非、Second Lifeの仮想世界へいらっしゃいませんか?
mixiの非公開コミュで情報交換をやってますので、よろしければどうぞ~~ (^O^)
投稿: 清水 隆夫 | 2007年8月21日 00:53
長らくご無沙汰しています、無事に生きてます(^_^;)
記事を全部読んで、「ぽちっ」としそうです(大汗)
でも8月は大変大きな出費をしたので、
すぐには手を出せそうにありません。
それとも古いCLIEをヤフオクに出すか...。
投稿: dal segno | 2007年8月30日 20:22
dal segnoさん、こんばんは、
おっと、お帰りなさいですね、楽しまれてきたんじゃないかと思っております。無事の帰国、なによりです。 (^O^)
>記事を全部読んで、「ぽちっ」としそうです(大汗)
本来ならば、出費前にぽちって、旅の経路を記録しておくのが・・・ (^o^;
>それとも古いCLIEをヤフオクに出すか...。
ビンテージ品は、普段は使わないのに、手元に無くなると、妙に懐かしくなって、再入手したりもありますから、慎重に。(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2007年9月 1日 02:52
いつも素早い情報ありがとうございます。
チェコでGARMINのすかすか情報に泣かされ、E61にNOKIA
MAPSをインストールしてみました。こりゃ使えるじゃありませ
んか!
ってことでLD-3Wをぽちっ。でもこれバッテリーの持ちはどう
なんでしょうか?使ってない702NKの代替バッテリーはある
んですが…
投稿: こって牛 | 2007年10月10日 13:45
こって牛さん、ご無沙汰です。お元気そうで、なによりです。
>ってことでLD-3Wをぽちっ。
LD-3Wのゲット、おめでとうおざいます~~ (^O^)
>でもこれバッテリーの持ちはどう
なんでしょうか?
稼働状態でのバッテリーのもちは、他のSiRF Star IIIを搭載してるBluetooth型GPS受信機と、殆ど同じです。
ただ、動作させていない時の自然放電が、大きいという感じがします。まぁ、マメに充電すれば問題はないと思います。
>702NKの代替バッテリーはある
んですが…
使えますねぇ~ (^o^;
投稿: 清水 隆夫 | 2007年10月11日 19:22