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2007年8月 6日

Second Life on Windows Vista (1)

 先月の13日(日本時間)に、セカンドライフ(Second Life)ビューアの日本語β版が公開されたことによって、それまでの英語版Second Lifeビューア(英語版であるが、一部メニューは日本語表示設定も可能だった)に対しての言語障壁が無くなったことで、日本語しか理解できないSecond Lifeの日本語環境ユーザでも、扱いやすくなった。
 筆者は、Second Lifeのユーザとなったのが丁度、一年前の8月の夏休だったので、かれこれ1年間ほどSecond Lifeを楽しんでいる。当時は、まだ日本のメディアも、それほどセカンドライフに対しての報道も、今ほど過熱しておらず日本人ユーザも少なかったのだが、やはりメディアでの報道が盛んに行われるようになってきた昨年末あたりから、徐々に日本人ユーザも増えてきた感じだ。

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 そんな日本では話題先行型のSecond Lifeであるが、TVのクイズ番組でも「今話題のインターネット上の仮想世界は何ですか?」と言った問題が出されるほど、知名度だけは高くなってきている。そこで、ちょっとだけSecond Lifeのメタバース(仮想世界)を覗いてみたいと思い、Second Lifeへユーザ登録をすることまでは、誰でも簡単に出来る。しかし、自分のパソコンへSecond Lifeビューアをインストールして起動させるとなると、ビューアが起動できないというトラブルに、多くのユーザが遭遇しているようだ。
 Second Lifeビューアの推奨動作環境は、Windows XP(SP2)Windows 2000(SP4)の場合、CPUのクロックスピードはPentium III/Athlon800MHz以上、メモリは256MB以上となっている。しかし、最も重要なのはグラフィック環境のGPUで、nVIDIAの場合はGeForce 2以降、ATI(現AMD)ではRADEON 8500以降となっているが、実際には推奨環境であっても動作しなかったり、極端に動作速度が遅かったりもする。
 逆に、推奨環境以外であっても問題なく動作してしまう場合もある。掲載したスクリーン・ショットは、「Windows Vista Ultimate」(32ビット版)の環境で、CPUPentium 4/3GHz、メモリが2GB、そしてGPUIntelのチップセットである945G内蔵グラフィック・チップで動作している例だ。

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 上記に掲載した三枚のスクリーンショットは、5月に新造した家内用の Windows Vista Ultimate (32bit)のデスクトップPC環境で、ベアボーン・キットの「ASUS P2-P5945G」でSecond Lifeビューアを起動した際の、デフォルト初期グラフィック設定の画面だ。液晶モニタとしては台湾Acer社のワイド19インチ(WXGA+)モニタ「acer AL1916WAsd」を、新規に家内用として購入したので、1440ドット x 900ドットのワイドスクリーン表示設定となっている。
 GPUIntelのチップセットである945G内蔵グラフィック(GMA950)で動作しているのは、すでに述べているが、グラフィック・ドライバはWindows Vista Ultimateの標準でインストールされるドライバではなく、Intelのサイトからダウンロードした最新版をインストールしアップデートしてある。
 デフォルトの設定で、一枚目の「表示」設定では、「描画距離」の項目が「64mと自動設定されている。この部分はGPUがある程度のパフォーマンスを持っている場合、自動的に「128mが設定される項目だ。二枚目の「グラフィック1」設定では、「Enable Vertex Shaders」の項目では、945Gチップセット内蔵GPU GMA950の場合はVertex Shaderがサポートされていない様で、選択することが出来ない。また、「アバターVertex プログラム」も同様にグレーアウト表示となっており、選択することができず「アバターの描画」項目も「ノーマル」設定しか選択できなくなっている。

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 この様に、945Gチップセット内蔵GPU GMA950の場合はVertex Shaderがサポートされていない等の、Second Lifeビューアの機能としては不完全であり、グラフィクスの描画をGPUではなく、CPUパワーに依存することになってしまうが、Pentium 4/3GHz程度のパワーがあれば、表示する画面サイズやレゾリューションにもよるのだが、あまりストレスを感じ無い状態でSecond Lifeビューアは機能する。
 今回、筆者が試したWindows Vista UltimateをインストールしたASUS P2-P5945Gの様な、Intel 945Gチップセットの内蔵GPU GMA950を使用するノートPCやメーカ製デスクトップPCは、かなりの数が現在も使用されていると思うのだが、その場合はIntelのサイトからダウンロードした最新版の945G(GMA950)用グラフィックドライバをインストールすることで、若干機能不足は否めないがSecond Lifeビューアは動作すると思われるので、是非とも試してみてほしい。

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 次に、Second Lifeビューアが動作しない例を紹介しておこう。上のスクリーン・ショットは、アップル社によるStart Mac体験モニター」プログラムで筆者へ譲渡された、「iMac 20インチモデル(MA589J/A)」へインストールしたWindows Vista Ultimate (32bit版)での、Second Lifeビューアがクラッシュした画面である。Second Lifeビューアは、起動すると一瞬だけ全画面モードで起動され、その後にSecond Lifeビューアの表示がすぐに消えて、エラー画面だけが表示されてしまう。

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 筆者のiMac 20インチモデル(MA589J/A)へは、「Boot Camp (βバージョン1.3)」によって(本来のインストール手順ではなく、マニュアル作業によるHDDパーティション分割によって)インストールした(導入時はBoot Camp 1.2βだったが、現在はBoot Camp 1.3βへアップデートしてある)、「Windows Vista Ultimate」(32ビット版)が稼働している。iMac 20インチモデル(MA589J/A)に搭載されているGPUは、ATI(現AMD)のMobility RADEON X1600 GPUであり、ATI製「CATALYST」バージョン7.2のデバイス・ドライバがインストールされている環境だ。

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 インストールしてあるCATALYST3Dグラフィックの設定も、いろいろと試してみたのだが、結果的にはすべての設定でSecond Lifeビューアは正常に起動せず、同じエラー画面表示となってしまった。そこで、CATALYSTの古いバージョンのドライバを試してみることにし、ATIのサイトから最初のバージョン(CATALYST 7.1)から最新のバージョン(CATALYST 7.7)までを、すべてダウンロードしインストールして試してみた。
 結果としては、全てのバージョンで同じエラー表示となってしまった。そして判ったことなのだが、少なくともiMac 20インチモデル(MA589J/A)に搭載されているMobility RADEON X1600 GPUのドライバは、最初にリリースされたCATALYSTのバージョン7.1から一切アップデートされていないということだ。従って、最新のCATALYST 7.7へアップデートを行っても、Mobility RADEON X1600のドライバは更新されることなく、古いまま(CATALYST 7.1のまま)なのである。
 唯一、CATALYSTのバージョン7.1からバージョン7.2へのアップデートだけが可能であるが、CATALYST 7.2からバージョン7.3以降へのアップデートはもちろん行えず、最新のCATALYST 7.7へアップデートを行っても、Mobility RADEON X1600のドライバは更新されることなく、CATALYST 7.2の状態だ。

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 そこで、今度はCATALYSTのドライバをアンインストールし、Windows Vista Ultimateの標準Mobility RADEON X1600デバイス・ドライバで試してみると、今度はSecond Lifeビューアが全く起動せずに、グラフィック・ドライバが対応していないというエラー表示となる。どうやら、ATIMobility RADEON X1600デバイス・ドライバの不具合で、iMac 20インチモデル(MA589J/A)にインストールしたWindows Vista Ultimateでは、Second Lifeビューアはまともに動作をしないということだけは判明した。
 iMac 20インチモデル(MA589J/A)Windows XPBoot Campでインストールした環境では、Second Lifeビューアが動作しているのかもしれないが、少なくともWindows Vista Ultimateの場合には、Second Lifeビューアは動作しない。Mobility RADEON X1600を搭載したノートPCも、それなりの数が出回っていると思うので、早期にSecond Lifeビューアに対応した、Mobility RADEON X1600のデバイス・ドライバをAMD(旧ATI)には、リリースして欲しいものである。
 少なくとも、現時点ではMobility RADEON X1600を下手に搭載したWindows VistaノートPCよりも、非力ながらIntel 945Gチップセットの内蔵GPU GMA950を搭載しているWindows VistaノートPCであれば、グラフィック・ドライバさえアップデートすることによって、Second Lifeビューアは動作するので、新規にSecond Lifeの動作するWindows VistaノートPCを購入する場合は、価格も安価なIntel系チップセット内蔵グラフィックを搭載したノートPCの方が、問題の発生率は少ないかもしれない。

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 上のスクリーン・ショットは、日本時間85日午後1159分(Second Lifeの時間は、米国太平洋時間表示で、今はサマータイム表示)時点の登録ユーザ数だ。約860万人のセカンドライフ登録ユーザ数で、過去60日間の間にセカンドライフへログインした人数は、約170万人足らずとなっており、更にリアルタイムでログインしているユーザ数となると、約35千人程度である。
 セカンドライフへのユーザ登録は、一般のWebブラウザで誰でも簡単に登録可能なので、せっかく興味を持ってセカンドライフへユーザ登録をしてみたのだが、実際にSecond Lifeビューアをインストールして起動しようとしたところ、GPUが対応していなかったり、今回のようにグラフィック・ドライバの不具合によって、Second Lifeビューアが起動できないというユーザが、実際のセカンドライフ登録ユーザの大多数を占めているのかもしれない。
 ちなみに、今回Windows Vista Ultimate32ビット版)をインストールしたiMac 20インチモデル(MA589J/A)では、ATI(現AMD)製のグラフィック・ドライバの不具合によって、Second Lifeビューアが起動出来なかったが、iMac 20インチモデル(MA589J/A)Mac OS X 10.4.9では、全く問題なく(むしろ快適に)Second Lifeビューアが動作する。このことからも、ATI(現AMD)製のMobility RADEON X1600用グラフィック・ドライバの不具合は明白だと思われる。


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