RT-200KI SuperAG対応FirmWare
先週の9月10日に、NTT東日本のBフレッツ用「ひかり電話」専用ルータである、「RT-200KI」のファームウェアが、「バージョン 01.04.0001」から、「バージョン 01.05.0001」へと更新された新ファームウェアが公開された。今回公開された、ファームウェアの01.05.0001では、無線LANがAtheros Communications社の無線LANチップが持つ「SuperAG」のサポートが実現したので、伝送速度の実効速度の向上や、電波の到達距離が伸びるなどの機能が、RT-200KIでも(やっと)サポートされた。
これまでのRT-200KIでは、ファームウェアがSuperAGの機能をサポートしていなかったので、ハードウェアでSuperAGの機能をもっていたAtheros Communications社の無線LANチップを搭載しているSC-32KIでも、通常のIEEE802.11b/gかIEEE802.11aの標準スペックの規格でしか動作しなかったのだが、今回のファームウェアのバージョン01.05.0001へアップデートすることで、SuperAGの機能がRT-200KIでも使用可能になったわけだ。
筆者も早々に新ファームウェアをダウンロードして、RT-200KIをアップグレードしようと思ったのだが、純正のSC-32KIを使用しておらず、SC-32KI互換の無線LANカードを使用しており、それが新ファームウェアでも使用可能かどうかのチェックも、早く行いたかったのだが、なぜかRT-200KIのファームウェア・アップデートの表示が現れないので、アップデートに躊躇していた。
しかし、やっと新ファームウェアのWebでの公開から10日後に、筆者宅のRT-200KIでもファームウェアのアップデート表示が現れたので、RT-200KIからのアップデートを行ってみた。なお、今回の新ファームウェアバージョン01.05.0001では、以下の点も改良されている。
- 推奨OSとしてWindowsVista(TM)、推奨ブラウザとしてInternet Explorer7.0を追加しました。
- 無線IP端末が圏外になった際に、切断時間を短縮するよう改修しました。
- IEEE802.11a/b/gの無線区間を高速化する機能(SuperAG)に対応しました。
今回の新ファームウェアで、仮にSC-32KI互換の無線LANカードが使用出来なくなった場合は、別途ダウンロードしてる前回のファームウェア・バージョン01.04.0001へ戻せば済む。今回は、筆者の「iMac 20インチモデル(MA589J/A)」で、Mac OS X 10.4.10の標準ブラウザである「Safari」を用いてRT-200KIのメニューから、手動でファームウェアのバージョンアップを行った(もちろん、WindowsでIE6やFirefoxでも良い)。手順としては、RT-200KIのメニュー(http://192.168.1.1/)へブラウザでアクセスし、「状態表示」から「装置状態表示」を選択し、表示されたメニューの「更新確認」のボタンをクリックする。すると、「最新のバージョン」の項目に、今回リリースされた「Ver. 01.05.0001」が表示されるので、「ダウンロード実行」ボタンをクリックする。
すると、ブラウザの表示が上記のような画面表示に切り替わるので、この状態からはブラウザの表示をに従い、操作は行わなくても自動的に新しいファームウェアをRT-200KIがダウンロードして、ファームウェアの書き換えを行ってくれる。この場合、プロバイダとのリンクが行われている事が前提となるの、必ずRT-200KIでISPとの接続を行っている必要がある。
ブラウザの画面にも表示されるが、この間は絶対にRT-200KIの電源を落としてはならないし、電話による通話も行えないので、注意した方が良いだろう。頻繁に通話を行う時間帯ではなく、深夜などに実行した方が、無難な場合もあるので都合に合わせて行えば良い。ダウンロードが完了して、書き換えに要する時間は300秒(5分間)と、決して短い時間ではない。
新しいファームウェアへの書き換えが完了すると、自動的にRT-200KIが再起動し、ブラウザの画面には、RT-200KIのメニュー画面が表示されるので、ここで再度「状態表示」から「装置状態表示」を選択すると、新しいファームウェアに書き換わっていることが確認できる。さらにメニューの「更新確認」のボタンをクリックすると、「アップデート状態」には、「新しい更新はありません。」と表示され、「ダウンロード実行」ボタンがグレー表示となり、クリックできない状態となっていれば正しくファームウェアの更新が行われている。
今回もファームウェア・バージョン01.05.0001では、SC-32KI互換の無線LANカードは、全く問題なく従来と同様に使用できているので、安心してアップデートを行っても大丈夫だ。以前にレポートした、筆者の所有しているSC-32KI互換の無線LANカードを、念のため(手元に無いI・Oデータ機器製の「WN-G54/CBL」を除き)動作チェックを行ったが、全て問題なく動作をしてくれた。また、SuperAGの機能のチェックも行ってみたが、特に問題なくSuperAGの機能は動作してる。
新ファームウェア・バージョン01.05.0001へアップデートすると、SuperAGの機能がデフォルトで「有効(圧縮なし)」としてオンになっているので、クライアント側の無線LANがSuperAGに対応しているAtheros Communications社製のチップが使われていれば、そのままSuperAGモードでの通信となる。必要に応じて、圧縮を有効にしれば、より実効転送速度速度が体感的に向上する。
また、専用無線LAN端末である「ひかりパーソナルフォン」(WI-100HC)に対する改良点、「無線IP端末が圏外になった際に、切断時間を短縮するよう改修しました。」も旧ファームウェアから比べると、弱電界の圏外ぎりぎりの場所では、明らかに改善されていることを確認できた。ちなみに、クライアントPC側で純正のSC-32KIを使用している場合には、今回のファームウェア公開と同時に、Windows Vista対応と共にSuperAG対応のドライバが公開されたので、RT-200KIのファームウェア・アップデートを行った場合には、クライアント側のドライバも更新することで、SuperAGに対応可能となる。
今回のRT-200KI用新ファームウェアで、今更ではあるがSuperAGがサポートされ、しかもSC-32KI互換の無線LANカードでもSuperAG機能が使用可能になったことで、安価な無線LANアクセスポイント「La Fonera」よりも、SC-32KI互換の無線LANカードを使用するメリットが出てきた。安価なので筆者も勧めていた、筆者宅で稼働しているLa Foneraは、高温多湿な今年の日本の夏を乗り越えることができず、何回も熱中症いや熱暴走を起こしてしまい、知らない間に機能停止を起こしていた。
また、La FoneraはSuperAGにも未対応であり、この猛暑でもエアコンの無い室内でも安定に稼働していたRT-200KIの無線LANアクセスポイントと比較して、熱対策が不十分で不安定なLa Fonera」よりも、安価なSC-32KI互換の無線LANカードの方がやはりお勧めである。
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コメント
今日、久しぶりに自宅の電話を使ったところ受話器からピピピピっとのお知らせ。
いつものバージョンアップ通知でしたが、早速NTT東日本サイト経由で清水さんのGood Jobへ(笑)。また人柱かなと思ったら、NTTからは随分前にバージョンアップの通知はされていたんですね。
実際のWebアップデートは最近準備が整ったのでしょうか?久々に電話を使った私はグッドタイミングだったみたいですね。
ということで、いつもお世話になります。今回は安心して(!)バージョンアップしました。バッファーローのAG54ですが、当然大丈夫です。
投稿: AEC | 2007年9月22日 17:51
ご報告いつもご苦労様です。
私もMac使っていますが、SuperAG、Macじゃあまり意味ないんですよね・・・。ちょっと悲しいですが。日本独自のものなんですかね?当分はWindows機で恩恵を預かるという感じです。
投稿: tamazo | 2007年9月22日 22:52
いつもご報告ありがとうございます。
今回のファームウェアの更新で、ちょっとお知らせ。
今までポートの2以下はハブで複数の機器に繋いでいましたが、今回の更新で、そうした接続方法はすべてアウトになりました。
直接繋ぐ分には問題ないのですが。それから、NTTにヴァージョンダウンの方法を確認したのですが、それはできないと言うことでした。実際にやってみても、エラーが出て、ダメでした。
同じような症状の方、いらっしゃるでしょうか。
投稿: マサ | 2007年9月23日 17:09
>AECさん、こんばんは、
>バッファーローのAG54ですが、当然大丈夫です。
AG54でもOkでしたか、となると、大抵のSC-32KI互換カードもOKでしょうね。レポートありがとうございました。
>tamazoさん、こんばんは、
>uperAG、Macじゃあまり意味ないんですよね・・・。
たしかに。Macに搭載されている無線LANチップは、SuperAGをサポートしてませんから、全く意味ありませんね。
>日本独自のものなんですかね?当分はWindows機で恩恵を預かるという感じです。
いえ、IEEEで規定されている規格ではなく、Atheros Communications社製の独自拡張規格です。Windowsの場合も、メーカ製PCの場合は、殆どサポートされていません。日本だけではなく、世界でもIntelのチップがWindowsマシンの場合は多いですね・・・インセンティブの関係からですけど。
>マサさん、こんばんは、
ちょっと意味がわからないのですが・・・
>今までポートの2以下はハブで複数の機器に繋いでいましたが、今回の更新で、そうした接続方法はすべてアウトになりました。
これは、LANのハブのポート2ということではなくて、アナログ(電話)ポートの2ということですよね?
それとも、LANのハブですか?
私ののところでは、RT-200KIの4ポートハブから、二個のポートに対して、それぞれカスケードで別のスイッチング・ハブを接続していますが、全く問題なく使えてますよ。
通常、ハブのカスケードは、規格上2段までは問題ないハズです。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年9月26日 00:44
>マサさん、こんにちは、
ちょっと時間が出来たので、RT-200KIのハブのポート設定を調べてみました。
RT-200KIの「ルータ設定」から「ネットワーク設定」を開いてください。
「ポート設定」は、全てのポートで「自動認識」になっているか確認してください。
「LAN側 MDI/MDI-X モード設定」が、「MDI-X固定」になっていると思うのですが、ハブや接続のLANケーブル(ストレートか、リバースか)によっては、この設定を「自動設定」にすれば、ハブやケーブルを問わず、接続可能になるかと思います。
ただし、ハブ側にも同様のネゴシエーション機能がある場合には、通常はMDI-X固定でも問題ないのですが、安価なハブの場合には、電源を一度切って、再起動(あるいはLANケーブルの脱着)をしないと、ネゴシエーションを行わないハブもあるので、ハブの再起動(か、LANケーブルの脱着)も試してみてください。
LANケーブルは、通常はストレートで問題ありませんが、リバース(クロス)ケーブルを使っていたりすると、ややこしくなりますので、ケーブルのチェックもしてみてください。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年9月26日 13:50
清水様、ご丁寧に回答いただき有り難うございました。
前に書いた不具合は、ハブを再起動することで解消しました。
ご指摘の通り安いハブのせいだったようです。
それからひとつ前のご質問ですが、ポート2というのは、RT-200KIのポート2のことで、1は私のパソコンのみに、2以下はほかの部屋のハブに繋がっています。ケーブルはすべてストレートで、ルータのポート設定は自動認識です。
ただその時、NTTの故障受付と話をして気になったことですが、ファームウェアのヴァージョンダウンはできないという点です。いざというときのために、古いヴァージョンのファイルはすべて保存してあり、今回も前のRT200KI-01.04.0001.binに戻そうと試みたのですが、不正なファイル指定ということでできませんでした。私も無線LAN用にGW-NS54SAGを挿しているのですが、その点でヴァージョンアップは慎重にしようと思います。
投稿: マサ | 2007年9月26日 20:33
マサさん、こんばんは、
>ハブを再起動することで解消しました。
解決して、なによりでした。(^O^)
どうも、今回のファームのアップデートで、「LAN側 MDI/MDI-X モード設定」のデフォルト設定が、「自動設定」から、「MDI-X固定」へ変更になったのかもしれません。以前のデフォルトを覚えていなくて、断言はできないのですが・・・以前にキャプチャした設定画面を探しだせばハッキリするんですが・・・
>ファームウェアのヴァージョンダウンはできないという点です。
そうですね、現状ではバージョンチェックが入ってますね。
まぁ、SC-32KI互換の無線LANカードが使えなくなるファームが出てきたときに、また考えましょう。(苦笑)
一応、ファームファールを覗いてみると、Linuxのバージョンやら無線LANカードのドライバなども見えますし、チェック用のバージョン番号なども見えるので・・・なんとか、なるでしょ。(意味不明)
それに、後継機種となるRT-201KIという機種も既に認可されて、市場へ投入されるようですから、このままRT-200KIの方はSC-32KI互換カードの排除用ファームも出ないで終息しちゃんじゃないかなと、個人的には思ってます。
投稿: 清水 隆夫 | 2007年9月27日 00:01