3DMark06 Windows XP編
先週、筆者が購入したAGPスロット仕様のグラフィック・ボード、台湾ASUS社製「ASUS N7600GS SILENT/HTD/2」を、筆者の仕事用キューブ型デスクトップPCへ装着されている、GeForce 6200A/128MB(ノーブランド品)と交換してみた。元々、このキューブ型デスクトップPC(台湾Shuttle社製、SN95G5 V3ベアボーン・キット)は、楽天市場の通販で在庫限りの特売品(2万5千円程度だったと記憶している)を購入し、メインのデスクトップPCのプロセッサをAthlon 64 3200+から、Athlon 64 X2 3800+へ改装した際に、余ったAthlon 64 3200+と予備のメモリやHDD等で組み立てたマシンだ。
この余った部品で筆者が組み立てたキューブ型デスクトップPCには、使用されているチップセットがnVIDIA社製nForce 3であったため、グラフィック機能を内蔵していないので、当時安価になり始めたnVIDIA社製のGPUを搭載した、台湾製ノーブランドのGeForce 6200A/128MBを購入した。GeForce 6200A/128MBを選んだ理由は、安価だったのもあるが、マザーボードのチップセットが、同じnVIDIA社製nForce 3だったからだ。また、ハーフハイトのロープロフィール・サイズでファンレスだったことも、選択の重要なポイントになっていた。
さて、ノーブランドのGeForce 6200A/128MBを外す前に、ASUS N7600GS SILENT/HTD/2にバンドルされていた「3DMark06 Advanced」を実行したベンチマーク結果は前のレポートで掲載したので、ASUS N7600GS SILENT/HTD/2へ改装した後のベンチマークを紹介しよう。この3DMark06 Advancedによるベンチマーク結果は、GeForce 6200A/128MBからASUS N7600GS SILENT/HTD/2へ改装しただけで、ドライバなどは全く同一である。
同じnVIDIAのグラフィック・ボードなので、ボードの交換後にデバイスマネージャから、ASUS N7600GS SILENT/HTD/2が認識された後、一回リブートすればドライバは殆どの場合共通で使用可能だ。新たに装着したASUS N7600GS SILENT/HTD/2で、3DMark06 Advancedによるベンチマーク・テストを行ってみると、3DMarkのスコアがGeForce 6200A/128MBの355から、ASUS N7600GS SILENT/HTD/2では2035へと劇的に向上した。
また、GeForce 6200A/128MBではサポートされていなかった「HDR/SM 3.0」のテストも、ASUS N7600GS SILENT/HTD/2ではHDR/SM 3.0ファンクションがサポートされているので、ちゃんとテストが行われているのが判る。CPUスコアが若干ながら異なっているのは、ベンチマーク時のPCやOSの状態が異なっているためで、本来より正確なベンチマーク結果を得るのであれば、3~5回程度3DMark06によるベンチマーク・テストを実行し、その平均値を得るべきだろう。
約6倍近くの3DMark06スコアが向上すると、GeForce 6200A/128MBと比べASUS N7600GS SILENT/HTD/2では、3D描画機能のみならず、写真や ブラウザによるWeb画像表示の速度までもが、体感で明らかに早くなったと感じることができる。もちろん、本来の目的である、Second Life(セカンドライフ)の3D表示では、非常に滑らかなアバターの動作や、オブジェクトの高速かつ綺麗な表示が可能となり、今回の目的は十分以上に達成され、加えて写真画像の高速表示や、Photoshopもより快適に使用できるようになるなど、結果的には大満足のASUS N7600GS SILENT/HTD/2購入だった。
筆者、大満足のASUS N7600GS SILENT/HTD/2の3DMark06スコアから、悪戯でnVIDIA製チューニング用アプリケーション「nTune」を用いて、AGPスロットのクロック速度を、標準の66MHzから約80MHz程度まで上げてみたのが、上に掲載した3DMark06 Advancedによるベンチマーク結果だ。GPUの3DMark06スコアは変化せず、AGPクロックをアップしたことによる、CPUクロックが上昇してしまったことで、CPUのスコアが上昇している。
筆者はオーバークロック運用は、あまり好きではないし、今回のデスクトップPCは仕事用ということもあり、ベンチマーク・テストを行ったのちに、標準の設定へ戻している。しかし、少なくともAGPスロットがボトルネックになっていないことが判ったので、より高性能なGPUを搭載したAGPスロット対応のグラフィック・ボードへ改装すれば、更なるグラフィック性能の向上は期待できるだろう。とは言え、次により以上の機能アップを、このキューブ型デスクトップPCで行うならば、更にクロック周波数の高いデュアル・コアのCPUへ改装するしか選択肢が無いのも事実であるが、Socket 939という一世代前のCPUソケットでは、対応するAMDプロセッサが市場に存在しなくなっているのが、なんとも悩ましい状態だ。
続いて、筆者のメイン・デスクトップPCで3DMark06 Advancedによる、ベンチマーク・テストを実行してみた。CPUはAthlon 64 X2 3800+で、グラフィック・ボードは今回購入した「ASUS N7600GS SILENT/HTD/2」AGPスロット版の、PCI Express x16スロット対応版となる、ASUS社製の「ASUS EN7600GS SILENT/HTD/」を二枚使用している。二枚使用しているのは、当初は一枚だったのだが、nVIDIAのSLI構成を試してみたくなり(と言うよりも、実際にはSecond Lifeビューアをより快適に実行するためだが)、通常はSLI環境で使用している。
掲載した3DMark06 Advancedによるベンチマーク・テスト結果は、上の結果がASUS EN7600GS SILENT/HTD/を単独で使用する設定にした結果で、下がASUS EN7600GS SILENT/HTD/をSLI構成として二枚で使用した結果だ。ASUS EN7600GS SILENT/HTD/単独の場合が、3DMark06のスコアは2238で、SLI構成では3635というスコアだ。ASUS EN7600GS SILENT/HTD/をSLI構成すると、2倍のパフォーマンスとまでは行かないが、約1.6倍のパフォーマンスが得られている。
「HDR/SM 3.0」テストの3DMark06スコア結果では、SLI構成によってほぼ二倍の3DMark06スコアを叩き出しており、ASUS EN7600GS SILENT/HTD/をSLI構成すると、それなりに効果があるということが判る。ASUS EN7600GS SILENT/HTD/も、値段が下がってきており、特売などでは1万円を切って売られている場合もあるので、手持ちのグラフィック・ボードがSLI対応しているのであれば、同じグラフィック・ボードを購入してSLI構成へグレードアップするというのも、マザーボードがSLIに対応していればコストパフォーマンスの高い、リーズナブルなアップグレード選択肢だろう。
また、SLI構成を使用する場合、初期のSLI対応マザーボードでは、PCI Express x16スロットがPCI Express x8スロットとして動作する。このため、ASUS EN7600GS SILENT/HTD/単独のスコアでは、マザーボードの設定を変更して、マスター側のPCI Express x16スロットが、本来のPCI Express x16スロットとして動作する様に設定変更した。ちなみに、上に掲載した3DMark06 Advancedによるベンチマーク・テスト結果は、マザーボードの設定変更を行わないで、ドライバの設定変更によるSLIを解除した状態でのベンチマーク・テスト結果だ。
ドライバの設定変更によるSLI解除では、PCI Express x16スロットがPCI Express x8スロットとして動作しているので、もっとスコアが悪いだろうと予想していたのだが、さほどスコアは悪くなかった。AGPスロット版のASUS N7600GS SILENT/HTD/2のスコアと対比させてみると、PCI Express x16スロットやPCI Express x8スロットでの使用と、さほど大きな差はないことが判る。
しかし、今回の3DMark06 Advancedによるベンチマーク・テスト結果は、前者のCPUがAthlon 64 3200+なのに対して、後者はAthlon 64 X2 3800+と異なっており、チップセットも前者はnForce 3なのに後者はnForce 4と違っている。更に、OSも同じWindows XP Professionalであるが、前者が32ビット版なのに対して、後者の方はWindows XP Professional x64 Editionという違いもあるので、一概に両者のスコアを比較することは出来ないだろう。
とは言え、グラフィック・ボードとして一世代前となり、更にミッドレンジ・クラスのGPU搭載となる、AGPスロット版のASUS N7600GS SILENT/HTD/2や、PCI Express x16スロット版のASUS EN7600GS SILENT/HTD/であっても、バリバリの3Dゲームでなければ、Secondo Lifeの快適な実行環境やWindows VistaのAeroをはじめ、写真画像の高速表示やWebのブラウジングなどを、より快適運用する環境のアップグレードには、十分な性能を持っていると言えるだろう。
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