DNRH-001 (ベンチマーク編)
前回の記事では、「初心者」向けとして激安(19.999円(税込)の送料無料)UPS内蔵PC「DNRH-001」のユーザ・アカウント設定や使用者名のカスタマイズなどを解説したが、今回の記事ではDNRH-001の性能に関してレポートしておこう。特に、ある程度の「経験者」が気になるVIA C3プロセッサの性能や、DNRH-001そのものの性能を表すベンチマーク・テストの結果などを、手持ちの同じ駆動クロックのパソコンと比較してみた。
DNRH-001のベンチマーク・テストのレポートの前に、DNRH-001の質問メールで多い「USBポートの速度が遅い」という点に関してレポートしておこう。結論から言えば、DNRH-001のUSBポートはUSB 2.0なのであるが、BIOSレベルではUSB 1.1でしか動作していないため、Windows XPが起動して対応ドライバが読み込まれるまでは、USB 2.0ではなくUSB 1.1でしか動作しないので速度が遅いのだ。
写真では、筆者が以前に購入したあったバッファローの「HD-PSG120U2-WH」と、I・OデータのUSBフラッシュをBIOSレベルで動作させて、DNRH-001のHDDデータをバックアップしている状態の写真であるが、HD-PSG120U2-WHの仮想CD-ROMドライブ機能によって、バックアップ・ツール(Linux OS)をブートするのだが、ハングアップしたかと思うほどにブート速度は遅い。
上の写真は、だいぶ前に筆者が購入したI・OデータのUSBフラッシュ・メモリ「EasyDisk Platinum」を、DNRH-001のUBSポートへ装着した状態でDNRH-001の電源を投入し、その状態変化を撮影した。上段ではフラッシュ・メモリのアクセスLEDが赤色で点灯しており、この時点はDNRH-001のBIOSが起動して初期化を行っている状態である。下段の写真は、DNRH-001の内蔵HDDからWindows XPが起動した直後の状態で、フラッシュ・メモリのアクセスLEDが、赤色から青色へと変化した。
使用したUSBフラッシュ・メモリEasyDisk Platinumは、USB 1.1で動作している場合には、アクセスLEDが赤色で点灯し、USB 2.0で動作している場合はLEDが青色へと切り替わる機能を持っている。つまりDNRH-001(というよりは、VIA EPIA PD)のUSBポートは、BIOS動作レベルの場合、USB 1.1でしか動作しておらず、OSが起動してUSB 2.0用デバイス・ドライバが読み込まれて、初めてUSB 2.0ポートへ動作が移行すると言う訳だ。
従って、DNRH-001へHDDにプリインストールされているWindows XP Homeから、他のOS(Windows 2000やWndows XP Professional、Linuxなど)をインストールする場合、USB接続のCD-ROM/DVDドライブなどを接続して行うと、非常に遅いという結果が待っている。可能であれば、ケースを分解してセカンダリのIDE/ATAポートが遊んでいるので、ここへCD-ROM/DVDドライブを接続した方が、快適にOSをインストール可能だ。これは、Live CDによるLinuxの起動などでも同様なので、DNRH-001でUSB接続の起動ドライブを選んだ場合には、一服して待つという覚悟をしておくべきだろう。
さて、本題となるDNRH-001のベンチマークテストの結果だ。使用したベンチマーク用ソフトウェアは、フリーソフトのhiyohiyo氏が開発配布されている「CrystalMark 2004」を使用させて頂いた。DNRH-001の総合ベンチマーク結果は「14207」で、VIA C3(1GHz)のCPU単独のスコアは、ALUが「1732」、FPUは「1703」と言ったところだ。グラフィック性能は、VIAの(買収した)S3がベースなのだが、想像していたとおりOpenGLのスコアが低い。しかし、HDDのスコアが非常に良かったのは筆者も予想外だった。
ベンチマークを実行したDNRH-001の状態は、Windows XP SP3へアップデートを行った状態で全てのWindows Updateも済ませてある。またVIA EPIA PDのBIOSもアップデートを行ってあり、Winodws XP用のデバイスドライバも更新された状態だ。メモリも標準の256MBメモリ・モジュールから、DDR400/PC-3200 DIMM 1GBのメモリ・モジュールへ改装を行った状態で行っている。
参考までにDNRH-001と比較する意味で、筆者が過去にCrystalMark 2004を用いてベンチマークを行ったマシンのスコアを掲載しておく。比較し易い様に、DNRH-001のVIA C3と同一の稼働クロック(1GHz)で動作していたマシンを選んだ。左側のスコアを計測したのは、Intel Celeron(Coppermine-128K)で、チップセットは同じくIntelの815E/EPで、グラフィックもチップセット内蔵( Intel 82815 GC)だ。ALUが「3383」でFPUが「3647」と、ほぼDNRH-001のVIA C3の倍ほどのスコアを出している。逆にHDDのスコアは「 3138」と、DNRH-001の半分ほどとなっており、トータルスコアではDNRH-001の方がスコアが良かった。
右側のベンチマーク結果は、Intel Pentium III(Coppermine)のスコアであるが、同じ1GHzの駆動クロックであるが、こちらはデュアル・プロセッサ構成なので、CPUベンチマークのスコアは、半分程度と割り引く必要がある(CrystalMark 2004は、4スレッドでのベンチマークまで可能なので、マルチプロセッサやマルチコアでのベンチマーク結果はシングルCPUやシングルコアの結果に対して、ほぼスコアも比例する)。チップセットは、VIA Apollo Pro266(マザーボードはSupermicroのP3TDDE)で、グラフィックはMatroxのMillennium G450 DualHeadだ。
どちらのベンチマーク環境も、Windows XP Professional SP2で行っている(Pentium IIIもWindows XPのLunaを殺して、WindowsクラシックGUIにしているがXPである)。こうして、DNRH-001のベンチマークのスコアを比べてみると、同じ1GHzの駆動クロックで共にSocket 370アーキテクチャの場合、CPUの能力的にDNRH-001のVIA C3/1GHzは、Pentium III/Celeron(Coppermine)1GHzの半分程度という結果だ。
低いCPU性能とは言え、それでも当時のマシンと同等か多少トータル性能は良い(特にHDD性能が良い)ので、やはりDNRH-001の能力を生かす使い方としては、ファイル・サーバをはじめとする、各種のサーバ運用が適していると思う。サーバであれば、DNRH-001の内蔵UPSの価値も発揮されるのだから。
<<以下、監視モニタ編へ続く>>
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コメント
お世話になっております。
DNRH-001ですが、一応ソフトのインストールも終わりましたので、今朝(26日)からNavitraのデジとネットのIFとしての運用を始めました。
ANTは自宅ですが、岡山県南東部(山陽道)、隣接の瀬戸内海、香川県の一部のエリアの送受信が全国対応で出来る様になりました。
今日は当地方の予報では30度をまで温度が上がるとのことですが、今のところ正常に動作しております。24時間運用予定ですので、どうなりますか。ファンなしで働かせて見ます。
また、いろいろご指導ください。ではでは。
投稿: 内田 正夫 | 2008年5月26日 15:38
内田さん、こんばんは、
いよいよ実戦モードですね。(^O^)
>24時間運用予定ですので、どうなりますか。ファンなしで働かせて見ます。
本日、監視モニタ編をアップしたので、HDDの温度は監視された方がよろしいかと思います。
アラーム設定も出来ますので、55度は限界ギリギリで稼働し続けても、おそらく大丈夫だとは思いますが、60度くらいにアラーム設定しておかれて、様子を見た方が安全かと思います。
投稿: 清水 隆夫 | 2008年5月26日 21:10
アドバイス有難うございます。
ご指摘のような運用をして、様子を見ます。
投稿: 内田 正夫 | 2008年5月27日 08:30
内田さん、こんばんは、
>ご指摘のような運用をして、様子を見ます。
こちらでは、二台のDNRH-001共に、HDD温度は53度~54度ですが、そちらでは何度くらいで推移しているのか、また教えてください。
やっぱり、ファンを取り付ける必要はありそうですね・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2008年5月27日 23:02