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2008年8月 3日

HOLUX m-241 (後編)

 先月ファースト・インプレッションを「HOLUX m-241 (前編)」でレポートした「ハンディDL/M*241」こと台湾HOLUX社の「m-241」だが、これも先月(と言っても先々週だが)のレポート「Wireless Japan 2008」へ出かけた際に、実際にログを採取してみたのでレポートしよう。ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のレポートの前に、読者の方から「HOLUX m-241は、ソニーのGPS-CS1KOEM品ではないのか?」という質問を頂いたので、それにお答えする。

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 ソニーのGPS-CS1Kに関しては、筆者が購入してレポートを行った記事を参照して欲しいのだが、搭載されているGPSエンジンはソニー製の「CXD2951GA-4」チップで、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241に搭載されているGPSエンジンのチップは、MTK(台湾MediaTek社)製なので、外観は似ているが、中身は全く異なる別製品である。上の写真は、両者を並べてGPS-CS1Kに付属してきたプラスチック製のカラビナを、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241へ装着してみたところだ。

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 ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241GPS-CS1Kを並べて比べてみれば、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241の方がGPS-CS1Kよりも一回り小型であり、全長も短いことが判る。また、USBコネクタの位置や電源スイッチの位置、更にはハンディDL/M*241ことHOLUX m-241に装備されている液晶ディスプレイやメニューやエンターなどの操作スイッチが装備されている点など、全く別の製品であることが判るだろう。
 そして、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241には内蔵されているBluetoothも、GPS-CS1Kには内蔵されていないし、最も大きな違いはGPSの測位性能であり、その受信感度の差は外観が似ているとはいえ、雲泥の差である。もちろん、雲はハンディDL/M*241ことHOLUX m-241であり、泥はGPS-CS1Kだ。ただし、GPS-CS1Kにも良い点はあり、PCUSB接続した場合、マスストレージ・デバイスとして認識されるので、USBシリアルのドライバが不要な点や、現在のモデルではビデオ・ハンディカムにも位置情報を記録できるなど、他のGPSデータロガーが持っていない機能をサポートしている。
 しかし、GPSデータ・ロガーとしては、測位性能や受信感度が悪すぎるので、その点を納得して使用しないと、肝心の位置情報が全くロギングされていないということにもなりかねない。筆者としては、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241に加えて、他のGPSデータ・ロガーとGPS-CS1Kを比較評価してみたが、今回ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241を評価してみて、GPS-CS1Kには付属のプラスチック製のカラビナをハンディDL/M*241ことHOLUX m-241へ譲ってもらい、退役していただく事にした。

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 さて、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のレポートに移ろう。ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241に付属してくるUSBドライバとユーティリティをPCへインストールし、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241PCへ接続する。USBシリアル・ドライにアサインされる仮想COMポートは、インストールしたPCの環境によって異なるのだが、「Auto Detect」ボタンをクリックすれば、自動的にユーティリティがハンディDL/M*241ことHOLUX m-241を認識し、対応する仮想COMポートを表示する(上の画面では「COM3」が認識されている)ので、「Connect」ボタンをクリックすれば良い。

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 ユーティリティのアプリケーションとハンディDL/M*241ことHOLUX m-241がリンクされると、「Device Setting」タブの画面ではデバイス名の「M-241」が表示され、ファームウェアのバージョンや、内蔵メモリの空き容量、ユーザネーム(デフォルトではHolux」となっているので、この画面から自分の名前を登録することが出来る)などが表示される。

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 ユーティリティの「Track Log Setting」タブ画面では、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241で記録するGPSデータのログ記録設定を行ったり、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241が記録したGPSデータ・ログを、PCへ吸い上げることが可能だ。デフォルトのログ記録設定では、5秒間隔でログ記録を行う設定になっているが、記録感覚を変更したり移動距離によって記録を行う設定も可能だ。また、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241の内蔵メモリへ記録されるログを、リングメモリ状態のエンドレスで記録するか、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のメモリの容量が無くなった段階で、ログ記録を終了するなどの設定も可能だ。
 ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のメモリへ記録されたGPSデータのログを、PC側へ吸い出すには「Upload」ボタンをクリックすればよ。PCへのアップロードが開始されると、横の表示窓へ何%終了したかをリアルタイムで表示してくれる。

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 「Track Log Format」タブの画面では、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のメモリから吸い出したGPSデータの独自ログ・データを、他のログ・フォーマット形式へ変換することが出来る。変換可能なデータ・フォーマットは、「Text (*.txt)」、「Google Earth (*.kml)」、「NMEA (*.txt)」、「GPX (*.gpx)」の4種類だ。筆者は、Google Earthを常用しているので、KMLフォーマットへの変換を行っているが、汎用の保存用としてはNMEAフォーマットで保存しておけば、後で他のフォーマットへの変換も容易だろう。
 変換は、対称となるハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のメモリから吸い出したGPSデータ・ファイルを指定して、変換先のフォーマットを選び「Convert」ボタンをクリックすればよい。

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 「Track Log Photo」タブ画面では、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のメモリから吸い出したGPSログ・データを、デジタルカメラで撮影したJPEG画像ファイルのExifデータへ、GPSデータを記録することが可能だ。勿論、デジタルカメラで撮影する場合、予めハンディDL/M*241ことHOLUX m-241の時刻データと、デジタルカメラの内蔵時計を正確にキャリブレーションしておかねばならないし、より正確なGPSデータを記録したいのであれば、ログ記録の記録感覚も1秒へ設定しておくべきだろう。
 もっとも、冒頭で比較対象として紹介した、ソニーのGPS-CS1Kでは、5秒間隔固定のGPSデータ・ログなので、同等の精度で問題ないのであれば、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のログ記録間隔もデフォルトの5秒間隔で問題はない。5秒間隔の場合、徒歩であれば誤差の範囲だと思うが、車や列車などの交通機関で移動中の場合には、大幅に位置情報も変化してしまうので、やはり1秒間隔にハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のログ記録間隔を設定したいところだ。

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 上のGoogle Earthの画面ショットは、ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241で記録した、7/23日の「Wireless Japan 2008」へ出かけた際に実際にログを採取し、それをハンディDL/M*241ことHOLUX m-241のユーティリティでKMLファイルへ変換したデータを表示させたところだ。東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅から、徒歩でビッグサイトへ向かい、その後ビッグサイト内のワイヤレス・ジャパンの展示会場を歩き回り、帰りは来た道とは別のルートで国際展示場駅まで戻った。
 ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241は、ショルダーバッグのショルダーストラップへGPS-CS1Kに付属のプラスチック製カラビナでぶら下げた。ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241の内蔵GPSアンテナは、常に天空を向いているので、鞄などへ装備する場合も金属製のカラビナやリングは避け、プラスチック製を使用した方が測位や受信感度に悪影響が出ない。
 ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241で採取したログ・データは、一部測位データが大きく乱れているが、ビッグサイトの建物内でも、それなりに移動経路が記録されており、感度的にハンディDL/M*241ことHOLUX m-241は問題ないが、測位精度で若干暴れる傾向が見て取れる。ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241で記録したデータは、午前1130分~午後2030分位で、Google Earth上へ表示されている軌跡は午後1時~午後18時までのデータだ。

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 余談であるが、筆者は最近記録したGPSログ・データや、あるいはジオタグ(緯度経度データ)を記録(リコーのスーパーデジタルカメラ「Caplio 500SE model Wによる撮影なので、撮影時にBluetooth GPSによって、撮影画像へリアルタイムで記録している。)の地図上への表示などは、殆どGoogle Earthで行っている。しかも2D表示モードではなく、3D表示によって撮影場所や移動したルート表示を行い、視点を自由自在に変更可能なSecond Lifeビューア用に購入した3Dconnexion社製の「SpaceNavigator PE」によって変えて楽しんでいる。
 Google Earthで表示される日本国内の3D建造物も数が多くなってきており、ビッグサイトなどの建物は、まるでSecnd Lifeの仮想世界のような3D表示を行うことができる。ハンディDL/M*241ことHOLUX m-241で採取したログ・データによる軌跡表示でも、Google Earth上の3D建造物を表示させると、レイヤが異なる3D建造物表示で、建物内部の軌跡が隠されてしまうのだが、それが鳥瞰表示で視点をSpaceNavigator PEによって、自由に変更してみると、紙地図の延長でしかない2D表示の地図とは全く異なった3D地図表示の楽しみを我々に与えてくれる。

<<以下、m-241のBluetooth試用へ続く>>


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コメント

毎度楽しく拝見しております。
このブログを元にm-241を購入しました。
今色々試してみてるのですが、

>『メモリから吸い出したGPSログ・データを、デジタルカメラで撮影したJPEG画像ファイルのExifデータへ、GPSデータを記録することが可能だ。』

とありますが、本当にJPEGファイル自体のExifデータへGPS情報が記録されるのでしょうか?撮影日時と位置情報とを関連付けた*.kmlが生成されるだけではなく?
Exif表示ツールで該当するJPEGを確認してもGPS情報が書き加えられた形跡がないもので・・・

投稿: だっと | 2008年9月19日 19:59

だっと さん、こんばんは、

>本当にJPEGファイル自体のExifデータへGPS情報が記録されるのでしょうか?

ご指摘のとおりです。
m-241に付属のツールでは、だっと さんがおっしゃるとおり、KMLファイルの生成が行われるだけです。

>撮影日時と位置情報とを関連付けた*.kmlが生成されるだけではなく?

KMLファイルさえ生成してしまえば、PicasaとGoogle Earthを用いれば、Picasa管理の画像にはExifへジオタグが書き込めますし、他のツールなど使用すれば、ログデータからも可能になります。このあたりは、過去の記事で書いていたので、端折ってしまいました。

誤解を生むような書き方をしてすみませんでした。 m(_ _)m

投稿: 清水 隆夫 | 2008年9月23日 18:43

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