Second Life Books(書評)
新年早々、急ぎの執筆作業(昨年末、急に依頼された)に追われてしまい、結局脱稿に昨日深夜まで要してしまった。技術関係の本を書くという仕事をしているのだが、もちろん逆に技術関連の本を読むというのも大事だ。特に筆者の苦手な分野の参考書は、非常に有益なので、趣味と実益を兼ねて積極的に読むようにしている(つもりだ)。2009年の最初の読書は、筆者の苦手な分野の技術関連図書を三冊入手して、これら三冊は今年の読み始めとなった。
今回、筆者が参考書として読み始めたのは、以下の三冊だ。
■ セカンドライフ公式ガイド プロフェッショナル クリエーション (インプレス刊)
■ セカンドライフ アバター メイキングブック (インプレス刊)
■ セカンドライフ ファッション テクスチャブック (インプレス刊)
と、全てが「Second Life」関連の書籍である。特に、「セカンドライフ公式ガイド プロフェッショナル クリエーション」は、読み応えのある非常に良い参考書で、全ページがカラーという豪華な書籍だ。
「セカンドライフ公式ガイド プロフェッショナル クリエーション」は、Second Lifeの仮想世界の中で、モノ作りを行う為のガイドブックだ。プリムと呼ばれるオブジェクトの施策方法から、Second Life内でのプログラミング言語LSL(Linden Script Language)の解説と、一通りの解説に加えて、上級者向けの解説もあるので、非常に参考になる。ある程度のSecond Life経験者には、是非お勧めしたいガイドブックだ。
また、セカンドライフ公式ガイド プロフェッショナル クリエーションには、付録としてCD-ROMも付録として綴じ込みで付いてくるので、記事中の例題で使用されているサンプルが、CD-ROMから読み出して教材として使えるのも嬉しい。収録サンプルには、プリム用のテクスチャや、LSLのソースコード、そしてグラフィックで使用されるフィルタのツールなども収録されているので、本書を教科書として教材をCD-ROMとすることで、自習書には最適だ。数あるScond Life関連の図書の中では、最もお勧めの一冊だ。
もう一冊のSecond Life関連図書は「セカンドライフ アバター メイキングブック」だ。この本は、Second Lifeのモノ作りの中でも、アバターの容姿を作成するために特化したガイドブックだ。最近のSecond Lifeでは、ビューアの性能が向上したため、よりリアルなアバターの容姿が流行っており、そのような美しいアバターの容姿を自作するためのガイドブックとなっている。
実際の写真画像を元にして、アバターの容姿を作成する方法が、Photoshopや、GIMPなどを例にして、セカンドライフ アバター メイキングブックには詳しく解説してある。また、リアルなアバターの作成方法だけではなく、アニメのキャラクタや、SFアニメや映画に登場するロボットなどのアバター作成方も記述されている。また、アバターに必要なプリムの作成方法や、アクセサリーの作成方法なども簡単ではあるが書かれており、アバターのカスタマイズには、参考になる書籍だ。惜しいのは、サンプルのデータを収録したCD-ROMが付録になっていない点だろうか。
最後の一冊は、「セカンドライフ ファッション テクスチャブック」だ。この本は、アバターの着させる服がメインで、しかも服の作り方が簡単に解説されているのみで、正直なところ読むための本ではなく、付録のCD-ROMに収録されている服用のテクスチャのデータが有益だ。Second Lifeの仮想世界内では、アバターの着る服は殆どがテクスチャのみで構成されており、付録のCD-ROMから好みのテクスチャを選び、自分のアバター用としてアップロード(一回のアップロードにL$10を要する)してやり、後は若干の調整を行うだけで良い。
一応、セカンドライフ ファッション テクスチャブックのCD-ROMに収録されているテクスチャは、自分で(Second Life内で)使う場合に限り、自由に使って良いが、他人にそのテクスチャや、テクスチャを使用して作成した服を販売する事は禁じられているのは言うまでもない。本書の総ページの半分以上は、収録してあるテクスチャを使用した「服」を、モデルのアバターが着用したカタログのページとなっており、このモデルのアバターの着ている服から、気に入ったテクスチャを選ぶという構成だ。
しかし、セカンドライフ ファッション テクスチャブックのCD-ROMの収録されているのはテクスチャのみなので、モデルのアバターのテクスチャやウィッグ(カツラ)、シェイプ、靴、アクセサリ等は、自前で別途入手する必要がある。正直なところ、セカンドライフ ファッション テクスチャブックを書籍にした意味があるのだろうかと思う。むしろ、CD-ROMのみとして、テクスチャのビューアを収録した方が良かったのではないだろうか。無論、収録されている服用テクスチャは良くできており、筆者には到底作成することはできないので、このCD-ROMのデータは、非常に有益だ。
筆者の場合は、今回入手した三冊を活用するのは、実はSecond LifeではなくてOpenSimで使用するため、サンプルデータをアップロードする際にもL$10は不要なので、それぞれ、非常に有益な書籍だった。また機会を改めて、最新のOpenSim情報をレポートする予定だ。
■ セカンドライフ公式ガイド プロフェッショナル クリエーション【本体価格:4,500円(税込:4,725 円)送料別】
■ セカンドライフ アバター メイキングブック【本体価格:3,200円:(税込:3,360円)送料別】
■ セカンドライフ ファッション テクスチャブック【本体価格:2,200円(税込:2,310円)送料別】
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