3Di OpenSim & OpenViewer βテスト
何度か筆者もレポートしている、オープンソースの「Second Life」サーバ互換ソフトウェアである「OpenSim」こと「OpneSimulator」だが、その企業向け商用版の「3Di OpenSim」と、専用ビューアとなる「3Di OpenViewer」のβテストが、4月6日より開始された。ただし、事前に申し込みをして当選したユーザのみが参加可能なβテストなので、誰でもが参加できる完全公開βテストではない。しかし、幸いにも筆者は3Di OpneViewer、3Di OpenSim βテストに当選したので、当選者限定のオープンβテストへ参加している。
今回、3Di社の行っているβテストのページには、「3Di OpenViewer オープンβテスト」と記載されているのだが、事前のβテスター募集ページでは「3Di OpenSim オープンβテスト」と記載されており、双方のプロダクトをβテストするという意味にも取れる。しかし、βテスターを募集して、予定人数を超えた場合には抽選となるのであれば、オープンβテストではなく、クローズドβテストだと筆者は思う。また、テストする対称が3Di OpenSimなのか、3Di OpenViewerなのか(双方なのか)も明確化されておらず、戸惑うβテスターも多い様子だ。
今回の3Di OpneSim/OpenViewerのβテストでは、当選者に対してのみ事前にβテスト用のユーザ・アカウントが知らされてきており、専用βテストのページへIE6かIE7(筆者は、既にIE8へアップデートしてしまったので、駄目もとでIE8でアクセスした)で開くと、3Di OpenViewerのActiveXモジュールがダウンロードされ、これがインストールされる。筆者の場合は同時に、Microsoft Visual C++のランタイム・ライブラリもインストールされたが、同モジュールが既にインストールされていれば、このランタイム・モジュールはインストールされない。
3Di OpenViewerのActiveXモジュールがインストールされると、IE(IE8でも問題なく3Di OpenViewerのActiveXは起動した)の画面内にビューアが表示されると共に、ログイン画面が表示される。アクセス先となるURL欄には、自動でIPアドレスが表示されるので、ここは変更せずに事前に配布されたユーザ・アカウントのファーストネームと、ラストネーム、及びパスワードをそれぞれ空欄に入力する。
今回、事前に割り当てられたユーザ・アカウント名は、ファーストネームが「user」で、ラストネームが「testXX」(XXは数字でXXXと三桁のβテスターもいたが、筆者は二桁だった)と、全てのβテスターが同じ形式のアカウント名だった。パスワードは自動生成されたと思われるランダムなパスワードなので、アカウント名と一緒にメールされてきたパスワードを、コピー&ペーストした方が間違わないだろう。全て入力したら「ログイン」ボタンをクリックすれば良い。
「ログイン」ボタンをクリックすると、ログインの窓が消えて3Di OpenViewerの画面も変化し、ログイン状態を示す青いバーが伸びて行き(このログインの状態を示す形状は、Second Lifeビューアや互換ビューアと同じだ)、右端まで青いバーが達すると3Di OpenSimへログインされ、画面に殺風景で真っ平らなSim(Region)が表示される(OpneSimサーバをいじっていると、丸い小さな小島に慣れているので驚かないが、Second Lifeしか知らないβテスターには味気ないSimだろうと思う)。
上に掲載したスクリーン・ショットが、実際に3Di OpenViewerによってログインした3Di OpenSimの状態で、アバターがなんともサラリーマンっぽいのが笑える。このデフォルトのアバターは、今回のβテストでは変更できすに全てのβテスターが同じアバターだった。ユーザ識別は、ユーザ名のXXだけだったので、まるでボットの大群の様な雰囲気だった。3Di OpenViewerの設定項目は少なく、陸地と海の描画クォリティがそれぞれ二段階に設定できるだけだ。
3Di OpenViewerはテレポート操作も可能なのだが、最初の時点では別のSim(Region)名が判らないうえ、マップ表示機能も無いのでテレポートのテストは行えなかった。折角(IEのみではあるが)ブラウザ内で動作する3Di OpenViewerなのだから、せめてログインのWebページ内にテレポート可能なSim(Region)名を記載して欲しかったところだ。
3Di OpenViewerでは、チャットも問題なく日本語で行えるが、IM(インスタント・メッセージ)機能は実装されていないので、同じSim(Region)内にログインしているユーザのみの会話がチャットで行える。スクリプトやサウンド再生も可能で、これらのテストを行うためのオブジェクトが、βテスト用のSim(Region)内に設置されていた。アバターの操作は、Second Lifeビューアや互換ビューアの様なカーソルキーや「W・A・S・D」キーでは行えなず、マウスによる操作のみに対応している。
また、3Di OpenViewerはSecond Lifeビューアや互換ビューアのサブセット機能しかサポートしていないので、「建造」によるオブジェクトの作成はもちろん、スクリプトの作成や土地の編集機能はサポートされていない。更に、アバターの移動も歩行(走ることはできるが)のみで、アバターの「飛行」もサポートされていない。Second Lifeや本家のOpenSimでのアバター操作になれていると、マウスのみのアバター操作には、慣れが必要に感じるので、せめてカーソルキーでのアバター移動はサポートして欲しいところだ。
今回の専用βテストのページでは、3Di OpenViewerの表示エリアはVGA(640ドット x 480ドット)に設定されていたが、3Di OpenViewerの表示エリアはデフォルトではSVGA(800ドット x 600ドット)程度なので、必要に応じてより広い表示設定もHTMLのパラメータを変更すれば可能と思われる。また、Second Lifeビューアや互換ビューアの殆どがOpenGLでの3D描画を行っているのに対して、3Di OpenViewerでは(Windowsの)DirectX(Direct3D)によって3D描画を行っているので、描画速度が同じ対応GPUでも速いのも特徴だろう。
3Di社によるオープンβテストも、今日と明日の後二日間(明日は17時頃まで)で終了してしまう。事前登録を行い、βテスターに当選された方は、早めに3Di OpenViewerを体験しておいた方が良いと思う。
<<以下、詳細レポートへと続く>>
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