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2009年5月 5日

ASUS Eee PC 1000HE

 長い連休も明日が最後、連休中も殆ど仕事をしていた筆者であるが、その仕事の関係で、台湾ASUS社の「Eee PC 1000HE」を評価する機会を得られたので、簡単にレビューを掲載しておく。ASUS社のEee PCシリーズは、言うまでもなく昨年の世界的ヒット商品であるNetbook(ネットブック)PCの代名詞的な製品で、日本ではASUSブランドをマザーボードだけではなく、完成品のノートPCまで広げたエポック・メーキングな商品ブランドだ。

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 ASUS Eee PC 1000HEのパッケージは、全世界共通のパッケージで、表面の印刷は全て英語表記となっており、裏面の印刷には主要販売国マーケットに向けての多国語による商品説明が印刷されている。しかし、日本向けEee PC 1000HEでは、日本マーケット向け独自の構成となる、マウス付属と液晶パネルの不良ドット保証(LCD ZERO)を示すシールが貼られている。日本のユーザにとって有りがたいのは、マウス付属よりも液晶パネルのドット欠けが有った場合、無償で交換してくれるサービスだろう。

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 今回、筆者が借用できたEee PC 1000HEは、パールホワイトのモデル(EPC1000HEWHI)であるが、この他にブラック(ファインエボニー)モデル(EPC1000HEBLK)と、日本独自カラーとなるシルバーのモデル(EPC1000HESIV)がラインナップされている。パッケージの写真では、ピンクなどの他のカラーも見られる事から、他の国で販売されているEee PC 1000HEは、更に多くのカラー・バリエーションが存在していると思われる。
 ASUS Eee PC 1000HEのボディはプラスチック製であるが、その加工は高級感があり塗装も上質だ。特に液晶パネル部分の外側は、パール加工された光沢のある塗装で、とても5万円を切った価格のノートPCとは思えない程の仕上がりだ。付属のバッテリーは、脱着可能なリチウム・イオン充電池ユニット(7.4V8,700mAh)で、オプションで予備バッテリーも購入可能であるが、Eee PC 1000HEは標準装備のバッテリーでも定格で9時間以上もの稼働時間があるため、通常の運用では予備バッテリーは不要だろう。

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 ASUS Eee PC 1000HEの液晶ディスプレイ部分は、ラッチのない開閉タイプであるが、簡単に開閉してしまうことも無く、しっかりとした作りになっている。また、標準付属品として保護用のインナーバッグも付属しているので、収納時に誤って液晶パネルを傷つけてしまうこともなし、オマケに液晶パネルやボディを清掃するための、クリーニング・クロスまでも付属している。
 ASUS Eee PC 1000HEの液晶パネルは、10インチのLEDバックライトを備えた1,024ドット x 600ドットのSVGAワイド型液晶パネルで、有りがたいことにテカテカ光沢液晶パネルではなく、ノングレア仕様となっているため、非常に見やすい。また、Eee PC 1000HEのキーボードは、ブラインド・タッチも問題なくこなせる大きさで、変則的なキー配列でもないのが好感度をあげてくれる。キーボード自体は、若干剛性不足を感じるが、キーストロークも十分確保しておりタイピングに苦痛は伴わない感じだ。
 ASUS Eee PC 1000HEの液晶ディスプレイ上部には、130万画素のビデオカメラとステレオ・マイクが装備されているが、日本ではあまり流行っていないSkypeやメッセンジャーによる、TV電話チャット用だ。日本以外の海外マーケットでは、必需品ともいえる装備であり、ネットブックに限らず、ノートPCには不可欠な(日本のマーケットでは不要なのかもしれないが)装備となっている。

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 ASUS Eee PC 1000HEに装備されているI/Oポートは、ボディ左側に手前からサウンド入出力(マイク、ステレオ・ヘッドフォーン、共に3.5mmφ)、USB 2.0ポート x 1RJ-45 Ethernetポート(100BASE-TX)、ケンジントン・ロック用ホールが装備され、ボディ右側には手前からSDメモリ・カード・スロット、USB 2.0ポート x 2、アナログRGBポート(ミニD-Sub15ピン)、電源コネクタが装備されている。USBポートが左右合計3ポート装備されているので、各種のI/O機器はUSB接続がメインとなる。
 もちろん、Eee PC 1000HEには無線LANIEEE802.11b/g/n)とBluetooth(バージョン2.1)も装備されているので、Wi-Fiでのネットワーク接続とBluetoothによるヘッドセットやGPS機器の接続も、USB接続のオプションを用いることなく可能になっているのは言うまでもなく、特にBluetooth 2.1が標準装備なのは有りがたいと思う。
 ASUS Eee PC 1000HEの裏面には、ビス二本で容易に開閉可能な蓋があり、この蓋を開けると内蔵2.5インチHDD160GB)と、メイン・メモリ(1GB)へアクセスできる。共に一般的な仕様のHDDとメモリ・モジュールなので、容易に交換も可能であり、HDDSSDへ改装したり、メモリを2GBのモジュールへ交換して、よりEee PC 1000HEを高性能化することも自由に行えるのも有りがたい仕様だ。

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 ASUS Eee PC 1000HEに日本向けのみ付属するマウスは、一般的な光学タイプの2ボタン型のホイール付きマウスで、小型な形状なのでモバイル時にも邪魔にはならない。Eee PC 1000HEに付属のAC電源アダプタも小型軽量で、Eee PC 1000HEの本体色と同じ白い電源アダプタで、ケーブルを収束してバインドしておける、マジックテープも標準装備と細かな点にも気を配ってあるのは、世界マーケットをターゲットとしている商品ならではだろう。
 ASUS Eee PC 1000HEに付属してくるマニュアル類は、全て完全な日本語版なのでパッケージが世界共通とは言え、付属マニュアル類は各国向けにそれぞれの国の言語に対応したマニュアルが同梱されている。付属してくるDVD-ROMは、Eee PC 1000HEのリカバリ用で、別途USB接続のDVDドライブが必要となるが、このDVD-ROMからEee PC 1000HEWindows XP Home Edition SP3を、完全に出荷時へとリカバリが可能となっている。

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 ASUS Eee PC 1000HEに搭載されているプロセッサは、ネットブックの定番であるIntel Atom N280(クロック1.66GHzFSB:667MHz)で、チップセットはIntel 945GSEと他社製のネットブックと同じである。言い換えれば、現状のネットブックは、どこのメーカも殆ど同じ仕様であるため、差別化要素が非常に少なく、性能的には大差がなく操作感の速度の違いも殆ど無いという、性能的にはどのメーカも金太郎飴状態だ。となると、ネットブックの差別化要素としては、電源の持続時間や、デザインの優劣、大きさや重さと言った点と、価格(コストパフォーマンス)に絞り込まれてしまう。
 ASUS Eee PC 1000HEの他社への差別化は、やはり9時間以上の電源持続時間と、オーソドックスなデザインでありながら仕上げの良いボディと、ノートPCに望まれる装備をフル搭載している点だろうか。Eee PC 1000HEの大きさは266mm x 191.2mm x 28.5mm(幅、奥行き、高さ)と十分に小型だが、反面、Eee PC 1000HEの重量は約1.45kgと若干重くなってしまっている。これは電源持続時間とのトレードオフと言えるので仕方ないことかもしれないが、コストパフォーマンスは非常に良いネットブックに仕上がっている。
 筆者としては、次に購入するノートPCは、間違いなくネットブックにすると確信しているのだが、ただ残念な事に日本国内で販売されているネットブックの殆どの機種が(Eee PC 1000HEもそうだが)、日本語キーボードのみとなっているので、筆者の様な英語配列キーボード常用者にとっては、海外モデルを海外より購入するということになってしまう。願わくば、US配列キーボードのBTOオプションやUS配列キーボードを保守用パーツとして販売するなどを、是非ともメーカへお願いしたい(と、限りなく筆者の個人的要望なのだが)。


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