Windows 7
筆者の前回記事「Mac OS X Snow Leopard」でMac OS X(Version 10.6)を紹介したので、今回は最新のWindows OSとなる「Windows 7」(Windows NT Version 6.1)を紹介しておく。筆者も、Windows 7のβ版より評価を行っており、続いてWindows 7 RC版の評価を行っていた。そして、先月マイクロソフトのMSDN及びTechNetのサイトで(共に有償会員のみ)ダウンロードが可能となった、Windows 7のRTM(正式)版を約一ヶ月弱の間、Windows Vistaからのアップグレードや、クリーン・インストールなどの環境で評価していた。
新OSとは言ってもWindows 7は、OSのバージョン番号(NT Version 6.1)が示すとおりWindows Vista(NT Version 6.0)のマイナーチェンジが行われたOSだ。Windows XP(NT Version 5.1)からのメジャーアップデートだったWindows Vistaと比べてみると、同じマイナーチェンジだったMac OS X Leopard(Version 10.5.X)からSnow Leopard(Version 10.6)と同じく、外観のデザインに大きな違いは無い。とは言え、有償OSなので至る所にWindows Vistaとのデザイン上の違いを意識的にちりばめられている感じがし、起動時のWindowsロゴのアニメーションから、Windows Vistaのそれとは異なっている。
上のスクリーン・ショットは、筆者のマシン(マザーボード:「ASUS Crosshair II Formula」、CPU:「AMD Phenom II X4 940 Black Edition」、メモリ:「Kingston HYPERX」、GPU:「玄人志向 GF9800GTX+-E512H/HD」)へインストールしたWindows 7 UltimateのRTM版によるデスクトップだ。デフォルトでは表示されていないアイコン(デフォルトではゴミ箱アイコンのみ)や、(半透明化した)ガジェットをWindows XPやWindows Vistaの様に表示させている。
Windows 7β版やRC版のデフォルト壁紙だった熱帯魚から、大きなWindowsロゴの壁紙(趣味がよいか悪いかは別にして)にデフォルトが変更されている。Windows Vistaとの大きなデザインの違いはタスクバーだが、デザインだけではなく機能(UI)も大きく改良されている。この新たな機能を持ったWindows 7のタスクバーは、操作に慣れれば使いやすくなっている部分だが、Windows XPやそれ以前のWindowsの様に、デスクトップへショートカット・アイコンを置いておく使い方に慣れていると、操作性が格段に向上するとは(少なくとも筆者は)思えない。
Windows 7には、Windows Vista同様に32bit(x86)版と、64bit(x64)版があり、筆者が主に評価しているのは64ビット版のWindows 7 Ultimate Editionだ。32ビット版か64ビット版かを選ぶポイントは、やはり搭載メモリ量だろうか。4GBのメモリを搭載したPCならば、動作速度も(若干だが)速くなりアプリケーションのメモリ制限も少ない64ビット版のWindows 7(Windows Vistaでも)を選んだ方が良いだろう。
もっとも、搭載しているプロセッサが64ビット対応でなかったり、(Intel系の)チップセットやマザーボードの制限により、4GBのメモリを搭載しても3GB程度までしか認識されない場合には、64ビット版Windowsではなく、32ビット版のWindowsを選択するしかない。ちなみに、Windows 7と同時にRTM版がリリースされたWindows Server 2008 R2では、64ビット版のみとなり32ビット・プロセッサは非サポートとなった。現時点では定かではないが、今回のWindows 7が最後の32ビット・プロセッサをサポートするWindowsになるという噂も流れている。
Windows 7の「Windows エクスペリエンス インデックス」は、Windows Vistaでは最大スコアが「5.9」までだったものが、PCデバイス性能の向上に伴い最大スコアが「7.9」と2ポイント最大値が拡大された。筆者のマシン(オーバークロックはしていない状態)では、Windows VistaでのWindows エクスペリエンス インデックスのサブスコアはオール5.9だったのだが、Windows 7のWindows エクスペリエンス インデックスのサブスコアでは、プロセッサ:「7.3」、メモリ(RAM):「7.4」、グラフィックス:「7.0」、ゲーム用グラフィックス:「7.0」、そしてプライマリ ハードディスク:「5.9」と計測された。
Windows Vista(Ultimate x64版)ではオール5.9という全て最高のサブスコアだったので、重いと言われるWindows Vistaでも非常に快適に使用できており、Windows Vistaよりも若干ながら軽くなったと噂されているWindows 7だが、操作感は全くWindows Vistaと変化したとは感じられい状態だ。一世代前の筆者のPCで、Windows VistaとWindows 7を比べてみた方が、OS自体の速度変化を体感し易いのかもしれないので、時間があれば比較してみたいと思っている。また、同じハードウェア構成上でWindows 7 vs. Windows Vistaのベンチマーク・テスト比較などもやってみたいところだ。
さて、上に掲載したグラフは、本ブログのアクセス・データ(6月6日~9月5日までの三ヶ月間)を、Google AnalyticsでOS情報を解析、集計したものだ。一番目のグラフは、OSの種別で、一位はWindowsファミリィで九割(90%)を占めている。二位はMac OSで、約8%となっており業界のOSシェア調査とほぼ同じ結果だ。三位以降は、全て1%未満でLinuxファミリィが意外と少ない約1%の結果となっている。
二番目のグラフは、OS分類で一位のWindowsファミリィを更にバージョンなどによって分類したものだ。一位はWindows XPの約73%で、未だに現役どころかWindowsの主役であることが判る。二位は、Windows Vistaで約21%と現行Windowsとしては振るわない結果だといえよう。三位は、Windows 2000の約3%で、四位のWindows NTが約2%となっている。このWindows NTには、昔のWindows NT 3.5や4.0も少しだけ含まれているが、殆どがWindows 7であることが、アクセスログの生データを見ると判る。
ちなみに、五位のWindows Server 2003は、これもアクセスログの生データを見てみると、実際にはWindows XP Professional x64 Editionであることが判る。Windows Server 2003と、Windows XP Professional x64 Editionは、バージョン番号やビルド番号が同じ(NT Version 5.2)なので、Google Analyticsの解析エンジンが区別できないのだと思われる(ココログの解析エンジンでも同じ結果だ)。
また、OS種別では二位のMac OSを細分化したグラフでは、一位がIntel Macで動作しているMac OS X Leopard(Version 10.5)と順当な結果だ。二位は、Intel MacのMac OS X Tiger(Version 10.4)と、これも当然と言えるが一世代前のWindows XPと、現行のWindows Vistaが逆転した順位の異常性を際だたせる結果だ。加えて三位には、なんと一週間前に発売されたばかりの、Mac OS X Snow Leopard(Version 10.6)が早くもランクインしているのには、正直なところ驚かされる結果だった。
この様に順当に世代交代をしているMac OS Xと比較して、Windows XPの人気(逆に言えば現行であるWindows Vistaの不人気)が際だっているWindowsファミリィだが、果たして来月発売されるWindows 7はWindows XPを駆逐できるのだろうか。筆者が思うに、Windows XPからの直接アップグレードが行えないWindows 7(XPからは必ずクリーン・インストールとなる)へ、Windows XPユーザがOSの入れ替えを行うとは思えない。
不人気な現行OSのWindows Vistaからは、Windows 7へのアップグレード・インストールが殆ど問題なく行えるので、Windows Vistaに不満のあるユーザは、Windows 7へのアップグレードを行うかもしれないが、Windows 7のアップグレード用パッケージの価格を考えると、次のPC買い換えまで待ってしまうユーザの方が多そうだし、Windows VistaとWindows 7では大きな機能差もコストに見合う程は無いと筆者には思えてしまうのだが、如何だろうか。
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コメント
DNRH-001に書き込んだことのある者です。
パソコンの3年保証の前にVISTAの期限切れとなるため、仕方なく不確かな情報でアップグレードキットを申し込んで、送られてくるとのメール情報が入ってきました、もしかしたら後日拒否のメールが入るかどうか不安です。エディションは64bit Ultimate です。書き込みがまとまっていないのは申し訳無いです。
以上
投稿: @パー | 2009年11月14日 01:28
@パーさん、こんばんは、
>パソコンの3年保証の前にVISTAの期限切れとなるため、仕方なく不確かな情報でアップグレードキットを申し込んで、送られてくるとのメール情報が入ってきました、
ちょっと意味不明なのですが、VistaからWindows 7への無償(或いはメディア代程度の)アップグレードは、購入してから3年弱経過したPCでは、対象外ではないのでしょうか・・・
>もしかしたら後日拒否のメールが入るかどうか不安です。
無償アップグレード対象PCは、7月前後以降に購入されたVista(或いはVistaのXPダウングレードマシン)PCのみかと・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2009年11月16日 21:01
2009年6月26日が購入明細書の日で、届いてユーザー登録したのが24日となるソニー製のバイオです。ソニーのキャンペーンは6月26日からのことなので微妙なところです、保障期限が2日のびただけなのかもしれませんが。アップグレードキットは対象外なのかも知れません、サプリメントディスクを購入済みです、そのキットはサプリメントディスクもついてきます。
しかしいまだに手元に届いていないことは対象外と考えるしかありません。
投稿: @パー | 2009年11月19日 05:43
追加情報
VISTAでもパフォーマンス最小にしないと早すぎて大変です。
7はカスタマーサポートで聞かないでほっといておきます。
以上
投稿: @パー | 2009年11月19日 06:17
今さっきバイオのカスタマーサポートに問い合わせてみたら、ultimateアップグレード・ディスクは対象外とのことのようです。
管理人にエディションのダウングレードができるのかどうか教えていただきたい。
投稿: @パー | 2009年11月19日 17:47
今、ultimateアップグレード・ディスク発送の準備ができましたとソニーからメールが届きました。
一体全体何なんだ?とビックリしてます。
書き込みすぎて申し訳ないです。
以上
投稿: @パー | 2009年11月19日 20:56
7に切り替わったとたんに、まるでパソコンにこき使われているような感じなほど早いです。
これから一休します、
以上
投稿: @パー | 2009年11月20日 18:53
@パーさん、こんばんは、
>今、ultimateアップグレード・ディスク発送の準備ができましたとソニーからメールが届きました。
結果的にアップグレードが出来て何よりでした。 (^O^)
>7に切り替わったとたんに、まるでパソコンにこき使われているような感じなほど早いです。
もう、アップグレード完了で運用開始ですね。確かに、VistaよりもWindows 7は起動と終了が早いので快適ですよね。
>管理人にエディションのダウングレードができるのかどうか教えていただきたい。
ダウングレードは、同一(つまりWindows 7)のOSに対しては出来ません。Windows 7(Professional以上のEdition)の場合は、Windows Vistaへのダウングレード権が付いているハズです。
投稿: 清水 隆夫 | 2009年11月20日 22:19
はい、承知いたしました。
以上
起きたてなので寝ぼけてます。
投稿: @パー | 2009年11月21日 08:39