Hanwha PND-A4320 ハードウェア編
久々にGPS機器を購入したのでレポートする。今回、筆者が購入したGPS機器は、ハンファ・ジャパン社から発売されているPND(Portable Navigation Device)「PND-A4320」だ。購入した最大の魅力は、なんと言っても19,800円(送料込み)という低価格な事もそうなのだが、筆者が最も興味を持ったのはハード面であり、搭載されているGPSエンジンを内蔵したワンチップCPUの、Atlas-IIIである。Atlas-IIIの詳しい内容は後述するが、開発したのはStar IIIに代表される高性能GPSチップを製造している、あのSiRF社だ。
筆者が楽天でハンファ・ジャパンへ(深夜に)「PND-A4320」を注文してから、翌日には発送の連絡があり、発送の翌日には手元に届いた。宅配便業者は佐川急便だったが、トレース番号も発送のメールに記載されているので、配達の追跡をトレース番号からWebで追跡すれば、宅配備に受け取り損なう事もない。届いた「PND-A4320」を開封すると、同梱物は「PND-A4320」本体と、吸盤付きのスタンド、及び吸盤のベース(両面テープ付き)、シガープラグ型のDC電源、そして取り扱い説明書の必要最低限のシンプルな構成だ。
筆者の購入した「PND-A4320」本体は、4.3インチ(480ドット x 272ドット)のワイドQVGA液晶パネルを装備しており、もちろん操作はタッチパネル(抵抗皮膜タイプ)だ。PND-A4320の前面にスイッチ類は一切なく、右側にパイロットLEDが装備されているだけだ。PND-A4320の裏面には、PNDとしては大きめのスピーカが装備されているだけだ。貼られているシールには「Windows CE Core 5.0」と印刷されており、PND-A4320のOSは、Windows CEであることが判る。
ちなみに、付属のマニュアルには「OS:Microsoft Windows 5.0」とあるが、実際にWindows 5.0即ちWindows 2000が搭載されている訳はなく、明らかに誤植でありWindows CE 5.0が正しいのは、言うまでもない。
PND-A4320の左側面には、SDメモリ・カード・スロットと電源スイッチ、音量コントロール・スイッチが装備されている。また、PND-A4320の右側面には、ミニUSB(電源コネクタ・PC接続兼用)コネクタ、3.5mmφのステレオ・ヘッドフォーン・コネクタ、そしてマニュアルには未使用と記載されているTMCコネクタが装備されている。このTMCコネクタは、恐らく外部GPSアンテナ接続用のコネクタだと思われる。
PND-A4320の下部側面には、リセット・スイッチの穴と、マウント用スタンドとの接続用ロック角穴が二個配置されている。同様のスタンド装着用ロックの角穴は、上部側面にも一個あり、合計三カ所のスタンドの爪でしっかりとホールドされる構造になっている。また、PND-A4320をカーナビとしてではなくポータブルGPSとして使用する場合に便利な、ストラップ取り付け用の穴も、右側側面上部の角に装備されているのも、手持ちで使用する場合に便利だ。
この他、PND-A4320には、背面にディマー(調光)用スイッチがあるのだが、マニュアルには未使用と記載されており、スイッチの穴はシールで塞がれていた。同様に、PND-A4320の前面上部の右にマイクロフォンの穴もあるのだが、こちらもマニュアルには未使用と記載されており、アプリケーションでもマイクロフォンを用いる機能は未装備だ。恐らく、海外版のPND-A4320では、マイクロフォンを用いたアプリ(例えば、音声認識によるカーナビ・アプリは、欧州向けPNDに搭載されている機種が多い)なども装備されているのだろうと推測される。
PND-A4320の付属のマウント用スタンドは、吸盤型のスタンドで車のフロント・グラスなどへの装着であれば、装備されている吸盤でしっかりと固定できる。しかし、ダッシュボードなどでは吸盤で固定できない場合が多い(小さな凹凸加工されている場合が多い)ので、その場合には吸盤用のベースをダッシュボードへ両面テープで固定し、そこへPND-A4320のスタンドを固定する事になる。
PND-A4320のスタンドは、上下と左右にアジャストが可能だが、斜めにスタンドを固定した場合には、PND-A4320の画面も斜めになってしまい、この様な場合にはスタンドのPND-A4320マウント部分が回転するような構造になっていれば、PND-A4320を正しく水平に調整できるのだが、残念ながら付属のスタンドには回転アジャスト機能は無い。この辺りはコストダウンが響いていると理解し、諦めるしかないだろう。
PND-A4320の車載時の電源は、PND-A4320に内蔵されているリチウム・イオン充電池(1400mA)の他に、同梱されているシガープラグ型の外部DC・DCコンバータ型のアダプタを使用する。アダプタの出力はミニUSBコネクタなので+5Vだ。シガープラグ。アダプタの本体には、赤色のLEDパイロット・ランプも装備されているので、シガー・ライター・プラグの接触不良なども一目で判断できるし、車種によっては、イグニッション・キーを抜いてもシガー・プラグに給電するので、このパイロットLEDを確認すれば、車を降りる時にシガープラグを抜き忘れないだろう。
PND-A4320に付属してくる2GBのSDメモリ・カードには、ゼンリン製のナビゲーション・アプリケーションとマップ・データが収録されている。収録されている内容を覗いてみると、Windows CE用のナビ・アプリと地図データのみが収録されており、OS本体はPND-A4320のフラッシュ・メモリに書き込まれている様だ。記録されているデータは、約1.7GB弱で殆どが地図データの容量だ。
さて、PND-A4320に使用されているSiRF Atlas-IIIプロセッサは、SiRF社がPND用に開発したGPS受信機能を含んだワンチップ・プロセッサで、CPUはARM 9が使われている。CPUは約400MHz(実クロックは396MHz)で駆動され、GPSやマルチメディア処理用のDSPは264MHzで駆動できる。GPS受信機としてはSiRF Starシリーズのアルゴリズムを受け継ぐ、SiRF Start IIIに継ぐ第四世代となるGPS V4と呼ばれる30チャンネルのGPSエンジンだ(PND-A4320のマニュアルには32チャンネルと記載されているが、恐らく誤植だろうと思われる)。
PND-A4320等のPNDをメーカが設計する場合、SiRF Atlas-IIIプロセッサを使用することで、周辺デバイスとしては液晶ディスプレイやタッチパネル、メモリ(RAMとフラッシュRAM)を実装するだけでPNDを構成でてしまうワンチップ・ソリューションだ。SiRF Atlas-IIIにはPND-A4320に実装されていない、IrDAや、イメージ・センサ、ATAインターフェースなども装備されているので、PNDだけではなくインコンソール型のカーナビなどもワンチップで実現できてしまうのだ。
PND-A4320がコストパフォーマンス抜群なのは、搭載されているSiRF Atlas-IIIプロセッサによって実現されていると言っても過言ではないだろう。今回はPND-A4320のハードウェアのレポートを、お届けしたが、次回はPND-A4320のソフトウェア系レポートを、お届けする予定だ。
<<以下、Hanwha PND-A4320 ソフトウェア編へ続く>>
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コメント
ごぶさたしてます。
うちの車には迷WANのBZN-200が積んであるんですけど、4年前の地図のままでそろそろ変えたいところ。
PND-A4320は地図データとあまり変わんない値段なので、だいぶ気になってます。
レポート続編も楽しみにしてます。
投稿: すぅ | 2009年10月21日 10:55
すぅ さん、しばらくです。
>PND-A4320は地図データとあまり変わんない値段なので、だいぶ気になってます。
そうなんですよね、4~5年前のCD版ナビ用の地図データCD-ROMの価格と比べても、3.5インチ液晶のPND-A3510なら、殆ど同じですしね。
私は、3.5インチ、QVGA(320ドット x 240ドット)よりも見やすいPND-A4320にしました。
>レポート続編も楽しみにしてます。
ハードでは画面のサイズ&解像度以外は、PND-A3510と同じみたいですね。ソフトは同じで、地図データ量が異なるだけみたい。それでも4~5年前のCDナビと同じですから。
Windows CEなのに、画面キャプチャが撮れないのが、レポートには辛いとこです。(苦笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2009年10月21日 22:19
清水先生。はじめまして。
楽しく読ませていただきました。
初心者ですが以下お教えくださいませんか。
私も発売当時からPND-A4320を購入、使用しており、車載し、何も問題ありませんでした。
先月、中古でルノーを購入してからPND-A4320のアンテナ感度が悪くなり、衛星捕捉に15分から30分もかかるようになり、いろいろ調べていましたが
http://www.thruway.jp/etc_other/huka.html
を見つけ、納得し、ETC位置等微調整しました。
特殊ガラスのためですが、フロントガラスに一部の四角い窓? があり、そこなら電波受信ができるので、外部アンテナが必要になりました。
先生の原稿に
そしてマニュアルには未使用と記載されているTMCコネクタが装備されている。このTMCコネクタは、恐らく外部GPSアンテナ接続用のコネクタだと思われる。
の表記を見つけ、ネットでPND-A4340のアンテナを探して、ハンファにメールで代用できないか問い合わせましたら
PND-A4320は外部GPSアンテナ用端子が設けられていないためアンテナを拡張することは出来ません。そのため、PND-A4340-GPSをご利用頂くことは出来ません。
(外部GPSアンテナPND-A4340-GPSは弊社PND-A4340およびPND-A4341専用品となります)
との返事でした。
汎用品でもアンテナ代用は出来ないものでしょうか。このままですと
GPSがほぼ使えません。助けて下さい。
投稿: まるまる | 2010年10月27日 00:55
まるまる さん、こんにちは、
>PND-A4320は外部GPSアンテナ用端子が設けられていないためアンテナを拡張することは出来ません。そのため、PND-A4340-GPSをご利用頂くことは出来ません。
販売メーカが使えないと回答してきている以上は、これを繋いでみるリスクは大きいですよね・・・ 決して安価なアンテナでもないですし。
実際に、私も外部アンテナを接続してみてはいないので、なんとも言えません。TMCコネクタに対応している外部アンテナを持っていれば、実際には使えるかどうかが判断できるのですが、残念ながら持っていませんので、実験することができません。
TMCコネクタの外部GPSアンテナを探して、試してみるしか方法はないのではないかと思います。自己責任となりますし、使えない場合もあるので、その場合には購入した外部アンテナは無駄になります。
ナビ自体を買い換える価格よりは安いと思います・・・
お力になれなくて残念です。
投稿: 清水 隆夫 | 2010年10月27日 15:37