Hiipo Viewerの日本語化
前々回の記事で紹介した「Hippo OpenSim Viewer 0.5.1」(Windows版)及び、前回の記事で紹介したMac OS X版の「Hippo OpenSim Viewer 0.5.2」の日本語化の方法を解説する。元々、Hippo Viewerは本家とも言うべきSecond Lifeビューアのソースコード(Linden Lab社によってオープンソース化されている)をベースに拡張されたビューアなのだが、何故か多言語化されているオリジナルの英語以外の言語リソースが削除されてしまっている。
そこで、まず最初にオリジナルのSecond Lifeビューアをダウンロードし、Windows(或いはMac OS X)へインストールする。特にSecond Lifeビューアを起動する必要は無いし、既にインストールされているのであれば、そのリソースを利用できるのは言うまでもない。
次に、インストールしたSecond Lifeビューアのフォルダ(通常は「C:\Program Files\SecondLife」を開き、更にその下のフォルダ「C:\Program Files\SecondLife\skins\default\xui」フォルダを開く。すると、各国の言語リソースのフォルダがあるので、その中から「ja」フォルダを選択しフォルダごとコピーする。
Windows XPやMac OS Xの場合には、「ja」フォルダ(ディレクトリ)をマウスで選択した後、右クリックのメニューから「コピー」を選べば良いのだが、Windows 7の場合には管理者権限で操作しないとコピー操作が行えない。そこで、Hippo OpenSim Viewerのインストールされているフォルダ「C:\Program Files\Hippo_OpenSim_Viewer\skins\default\xui」を同時に開き、「ja」フォルダを「Control」キーを押しながら「C:\Program Files\Hippo_OpenSim_Viewer\skins\default\xui」へドラッグ&ドロップする。コピー先の「C:\Program Files\Hippo_OpenSim_Viewer\skins\default\xui」には、英語の言語リソースである「en-us」フォルダのみが存在している。
「ja」フォルダを「C:\Program Files\Hippo_OpenSim_Viewer\skins\default\xui」へドラッグ&ドロップ(+「Control」キー)すると、Windows 7の警告画面が表示(上に掲載したスクリーン・ショット)されるので、「続行(C)」ボタンをクリックする。
すると、Second Lifeビューアの「C:\Program Files\SecondLife\skins\default\xui」フォルダから、Hippo OpenSim Viewerの「C:\Program Files\Hippo_OpenSim_Viewer\skins\default\xui」へ、日本語UIの言語リソースファイルが収納されている「ja」フォルダがコピーされるので、エクスプローラを(Mac OS Xの場合はFinderを)閉じて、英語表示のみだったHippo OpenSim Viewerの日本語化作業は終了だ。
ちなみに、掲載しているスクリーン・ショットは、Windows 7 Ultimate x64 Editionでの作業例なので、「Program Files」のフォルダが、「Program Files (x86)」となっているが、64ビット版のWindowsでは「Program Files」が64ビットのアプリケーション専用インストール・フォルダで、「Program Files(x86)」がWOW64でエミュレーションする、32ビット・アプリケーションのインストール・フォルダとなる。
日本語化されたHippo OpneSim Viewer Version 0.5.1(Mac OS X版では、Version 0.5.2)を起動すれば、オリジナルのSecond Lifeビューアと同じく、日本語表示によるメニューでHippoビューアが起動する。しかし、Hippo OpenSim Viewerで拡張されている部分は、英語表示のままとなる(例えば起動時に表示される「Grid」ボタンや、環境設定で表示される拡張メニューなど)。
日本語化されたHippo OpenSim ViewerでOpenSimサーバへログインしてみると、ビューアの最下段へ表示されるボタンなどは、英語表示のままであるが、殆どのメニューは日本語化されているので、英語が苦手な方でも問題なく使用可能なレベルの日本語化が行われているハズだ。また、元々Second Lifeビューアで日本語化されていない「Advanced」メニューは、当然ながら英語表示のままである。
この他、Hippo OpenSim Viewerでは、ネットワークの最大使用帯域幅が、オリジナルのSecond Lifeビューアの1,500Kbps(1.5Mbps)から、5,000Kbps(5Mbps)へと最大設定値が拡張されているので、このネットワークの最大帯域幅もMAXの5Mbpsへ設定を変更しておこう。特に、LAN内でのOpenSimサーバへの接続はもちろんの事、光ファイバー環境であれば最大設定値であっても小さ過ぎると言っても過言ではなく、そもそもオリジナルのSecond Lifeビューアのサポートする、前時代的な1.5Mbpsが最大値というのは、(日本の)インターネットの現状やOpenSimサーバへの接続には即していない。
Mac OS X版のHippo OpenSim Viewer 0.5.2でも、フォルダ構造は基本的にWindows版と同じなので、Mac版Hippo Viewerをインストールしたフォルダからパッケージの中を調べれば、今回説明したWindows版と同様の手法で日本語化が可能だ(掲載したスクリーン・ショットは、日本語化したMac版のHippo OpenSim Viewerだ)。以上の作業で、Windows版、Mac版ともHippo OpenSim Viewerの日本語化(90%程度だが)は完了する。
さて、LAN内で動作しているOpenSimサーバを、インターネットを介して外部からのログインを可能にする設定方法を最後に説明しておこう。まず、LAN(イントラネット)側からアクセスが問題ない事を確認しておき、既に使用しているブロードバンド・ルータが、「BBR-4MG」や「BBR-4HG」、もしくはYAMAHAのRT-57iか58iであれば、そのまま設定を行うだけで良いが、他のルータの場合には、NATループバック(ヘアピンNAT)機能を持ったルータへ置き換えるか追加する必要がある。
今回は、ルータの細かな設定説明は省くが、OpenSimサーバのスタンドアロン・モードで必要なポート9000(UDPとTCP)を開けて、同様にポート9000(UDPとTCP)を
OpenSimサーバのPCへ割り当てているLAN内のIPアドレスへポート・フォアード設定を行っておく。また、通常のPPPoEによるISPへの接続
ではルータに割り振られるグローバルIPアドレスが変化してしまうため、固定IPアドレスをISPから割り振ってもらうのがベストなのだが、ISPによっては維持費用も発生してしまうので財布の中身と相談することになる。
しかし、「BBR-4MG」や「BBR-4HG」には、DynamicDNS機能が装備されているので、これを利用することで固定IPアドレスを使用することなく、インターネット側からのアクセスにもドメイン名(DynDNS.orgにて別途設定)での指定で対応可能だ。
ブロードバンド・ルータの設定が完了したら、OpenSim Version 0.6.6がインストールしてあるサーバのPCで、「C:\Program Files\OpenSim\Regions」フォルダをエクスプローラで開く。Regionsフォルダ内には、「Regions.ini」ファイルがあるので、これをマウスで選択してダブルクリックする。
するとメモ帳で「Regions.ini」の内容が表示されるので、内容を確認してみよう。この「Regions.ini」に記述されている内容は、OpenSim Serverを最初に起動した際に初期設定された内容が保存されていることが判るだろう。編集する必要のある'項目は、「InternalAddress =」の部分と「ExternalHostName =」の部分だけだ。「InternalAddress =」の部分は、ルータを「BBR-4MG」か「BBR-4HG」に置き換えた場合、デフォルトではLAN側のIPアドレスが「192.168.11.*」なので、PCへ割り振る固定IPアドレスを書き換えてしまえば良いので、そのアドレスをここへ記述する(上の例では192.168.0.2が指定してある)。
次に「ExternalHostName =」の部分は、ルータに割り振られたグローバルIPアドレス(WAN側)を記述するが、固定IPアドレスでない場合は、DynDNS.orgにて取得したドメイン名をここへ記述する。無論、ルータが「BBR-4MG」か「BBR-4HG」で無くダイナミックDN機能をサポートしていない場合には、固定IPアドレスを取得して記述することになる。筆者宅ではYAMAHA RT-57iを固定IPアドレスで運用している。また友人宅では「DNRH-001」と「BBR-4HG」を使用しているが、ダイナミックDNSサーバではなく、固定IPアドレスでOpenSimサーバを運用している。
「Regions.ini」ファイルの「InternalAddress =」、「ExternalHostName =」へIPアドレス(或いはドメイン名)の書き換えが終わったら、メモ帳の上書き保存を選んでファイルをセーブする。また、必要であれば行の最初に記述されている「[OpenSim Server]」なども書き換えが可能なので、合わせて編集しても良いし、管理者アバター(Master Avatar)の名前や苗字、パスワードの変更も可能だ。
以上の設定書き換えだけで、OpenSimサーバを再起動すれば、LAN(イントラネット)側からもインターネット(WAN)側からもOpenSimサーバへの同時アクセスが可能となる。OpenSimサーバ運営の一番の問題点は、NATループバック(ヘアピンNAT)対応ルータが必要な点で、しかも国内で販売されているルータが、殆ど未対応な点だろう。NTTが、ひかり電話やフレッツTVなどでレンタルするルータも、NATループバックに非対応であり、OpenSimサーバに限らず自宅内でサーバが稼働する環境には機能不足である。
LAN内へDNSサーバを構築すれば、NATループバック非対応のルータであっても、OpenSimサーバのWANとLANの同時アクセスが可能になるハズなので、今後筆者も実験してみる予定なので、上手く動作したらレポートをしようと思っている。
<<以下、OSGrid (1)へ続く>>
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コメント
清水さんナイスな記事をありがとうございます。
EeePCが遊んでいたので記事の手順どおりにOpenSimをインストールして、メインPCからHiipoビューアでログインしたらバッチリ動きました!感動です。
無線LANでの接続ですが全く問題ありませんでしたので、そうそうにアマゾンでBBR-4MGをポチっと購入しました。w
よろしかったらOSgridへの接続方法を簡単に紹介願えればと思います。お暇なときで構いませんのでよろしくおねがいします。
投稿: Kami | 2009年12月 3日 00:12
Kamiさん、こんばんは、
>清水さんナイスな記事をありがとうございます。
お役にたったようで、なによりでした。 (^O^)
>そうそうにアマゾンでBBR-4MGをポチっと購入しました。w
後継機種も出る予定が無いみたいなので、ディスコンになっちゃう前に私も1台入手しておこうかなと思ってます。(笑)
>よろしかったらOSgridへの接続方法を簡単に紹介願えればと思います。
了解しました。スタンドアロンで外部からのアクセスが可能な状態であれば、簡単にOSGridへの接続は可能なので、OSGridの説明もしてみますね。お楽しみに。
投稿: 清水 隆夫 | 2009年12月 3日 17:25