OpenSim Ver.0.6.6 (1)
筆者の知人、友人、そして親族の中にも、Windows 7の搭載されたPC(殆どがノートPCの様だが)や、Mac OS X Snow Leopardの搭載されたiMacやMacBookを購入したりと、PCの世代交代の話が多数聞こえてきている。やはり、Windows XPマシンの老朽化からだろうか、今の時期が買い換えのタイミングだと判断している様だ。そんな中、Windows 7マシンを購入した友人の一人から、今まで使用していたWindows XPマシンをOpenSimサーバとして活用したいという相談を受けたので、その方法や必要機材を解説しておくので参考にして欲しい。
OpenSimこと「OpenSimulator」は、何度か記事にしているがバージョンもアップしているので、インストールの方法や設定方法が変更になっている部分もある。今回は、現在OpenSimのサイトからダウンロード可能なOpenSim Version 0.6.6(Windows Installer版、Mac OS X版、Linux版のそれぞれ実行ファイルが公開されている)のWindows版を例にして説明する。まず、OpenSimサイトのメインページからOpenSim Ver.0.6.6 Windows Installer版(OpenSIm0.6.6Setup.exe)をダウンロードしよう。サイズは約20MBほどだ。
ちなみに、OpenSimの現在の最新バージョンは、Ver.0.6.8がテストされており日々改良とバグ修正が行われている。安定版としては、Ver.0.6.7も公開されているのだが、こちらはソースコード(C#で記述されている)のみの公開だ。Visual Studio 2008(無料のExpress版でも可)の環境があれば、ソースコードから簡単にコンパイル&ビルドも可能だ。このソースコードの入手は、OpenSimのダウンロード・ページから可能となっている。
また、現在開発中のVer.0.6.8もソースコードのダウンロードは可能なのだが、従来使用されていたソースコード管理であるSVNから、Linuxカーネルなどのソースコード管理ツールであるGitへ管理ツールが変更されているので、最新のソースコードが必要な場合は、Gitを使用する必要がある。
それではOpenSim Ver.0.6.6をWindows XPマシンへインストールしてみよう。その前にOpenSimの稼働には、Windowsマシンの場合「.NET Net Framework 2.0」が必要なので、予めWindows UpDateを実行してWindows XPを最新の状態にしておくと共に、オプション設定されている「.NET Net Framework」のダウンロードとセキュリティパッチの更新を行っておこう。新しいWindows 7マシンなどへ既にデータの引っ越しが済んでいるならば、リカバリCDから購入時のクリーンな状態へ初期化してしまい、その状態からWindows Updateを実行して、オプションも含めて全てダウンロードと更新を行ってしまった方が良いと思う。
OpenSimのサイトよりOpenSim Ver.0.6.6のダウンロードが完了したら、「OpenSim0.6.6Setup.exe」をダブルクリックで実行する(上に掲載した画面を参照)。すると、Windows XPのセキュリティ・チェック機能が警告のアラート画面を表示するので、これは無視して「OK」ボタンをクリックすれば良い。
すると、インストーラの言語設定画面が表示されるので、通常「Japanese」が表示されるのだが、場合によっては「English」と表示されるので、この場合は「Japanese」を選択してから「OK」ボタンをクリックすれば良い。
これで、OpenSim 0.6.6のセットアップ ウィザードの画面が日本語で表示されるので、「次へ(N) >」ボタンをクリックすると、OpneSim Ver.0.6.6のインストールが開始される。
インストールが開始されると、まず「ライセンス契約書」の画面が表示されるので、これは「同意する(A)」のボタンをクリックする。すると次に「インストール先を選んでください」と表示され、デフォルトでは「C:\Program Files\OpenSim」に設定されているので、HDDの容量などで他にパーティションへインストールする場合や、後での管理から特定のディレクトリを指定しても良いし、デフォルト設定でも問題は無いので、「次へ(N) >」ボタンをクリックする。
すると「スタートメニュー フォルダを選んでください。」と表示されるので、ここもデフォルトの「OpenSim 0.6.6」のままで良いので、「インストール」ボタンをクリックする。これで、OpneSim Version 0.6.6の実行に必要なファイルが、指定された(デフォルトでは「C:\Program Files\OpenSim」)フォルダへコピーが開始される。
OpneSim実行ファイルのコピーが完了すると、上記の画面が表示され「完了(E)」ボタンをクリックすると、インストール ウィザードの画面が閉じる。これで、OpneSimのインストールは完了だ。実際には、特にインストールと言っても、実行ファイル群をコピーしてスタートメニューに起動用のショートカットを登録するだけなので、インストール時のトラブルは殆ど無いハズだ。
今回、友人からの相談では、これまで1台だけのWindows XPノートPCを使用しており、ADSLモデムとイーサネット・ケーブルで直結して使用していたとのことで、新たにWindows 7(これもノートPCだそうだ)マシンが増え、都合2台のPCとなったので、安価なブロードバンド・ルータも新たに購入したいとのことだった。
筆者が彼に勧めたのは、バッファローの「BBR-4MG」だ。今時、無線LAN内蔵ルータでは無く、かなり古いBBR-4MGを推奨したのは、OpenSimサーバを彼の友人と共有したいという要求もあったからだ。彼はSecond Lifeを使用して、(Second Life内で)クリエータ活動を行っており、テクスチャのアップロードに費用が発生(1枚のテクスチャをアップロードすると10L$かかる)するので、プロトタイプの制作などにはOpenSimサーバを使い、完成した作品のテクスチャのみをSecond Lifeへアップロードすれば、費用が抑えられるというわけで、しかも創作活動にはSecond Lifeの友人との共同作業もあるので、OpenSimサーバも友人と共有したいという訳だ。
OpenSimサーバは、ネットワークのプロトコルに特徴があり、インターネットへ接続する場合にルータが「NATループバック」(或いはヘアピンNATとも呼ばれる)機能を持っていないと、イントラネット(LAN側)からとインターネット側からのOpneSimサーバへの同時アクセスが行えないため、このNATループバック機能をサポートしているBBR-4MGを勧めたのだ。もちろんBBR-4MGの上位機である「BBR-4HG」でも良いのだが、この両者の違いは、ファームウェアの違いだけでハードウェアは同一だ。
最新の無線LAN内蔵ルータや、NTTが光ファイバー用にレンタルしているルータは、NATループバック機能がサポートされていないので、OpenSimには不向きなのだ。幸い、筆者が使用しているYAMAHAのRT-57iはNATループバックをサポートしており、DNRH-001で運用中のOpenSimサーバも問題なくLAN側からもインターネット側からもアクセスできている。高性能で安定しているルータが欲しい場合には、現行機種のRT-58iという選択肢もあるだろう。
次回はOpenSim Ver.0.6.6の実行と設定について説明し、次回以降に必要最低限のコマンドや実際の運用方法などに関しても説明する予定だ。
<<以下、OpenSim Ver.0.6.6 (2)へ続く>>
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追記情報:
記事中に記載している、OpenSim Version 0.6.8 インストーラ版は、メニューから削除されています。
現在は、OpenSim Version 0.6.8正式版のバイナリ(ZIP圧縮)が公開されていますので、これをダウンロードした後に解凍して、使用してください。
ダウンロードURL:
http://dist.opensimulator.org/opensim-0.6.8-binaries.zip
OpenSimサイトのトップページ、右側のメニューから選択できます。
ZIP形式の他に、Linux向けのtar.gz形式や、Mac OS X向けのdmz形式もダウンロードできます。
投稿: 清水 隆夫 | 2010年1月16日 11:26