OSGrid (1)
前回の記事「Hiipo Viewerの日本語化」にて、読者の方からのリクエストをいただいたので、世界各国で稼働しているOpenSimサーバで構成されるGRIDサービスを行っているNPO法人「OSGrid」(OSgridとも表記されている)を紹介しよう。OpenSimを用いたGRIDサービスには、商用ベースの有償サービス(Second Lifeと同じビジネスモデルで、要はSimサーバのレンタル業)も存在しているが、OSGridは完全に無料(寄付は歓迎)で参加できる。
OSGridへユーザとしてログインする場合や、自分のOpenSimサーバを接続する場合には、まずOSGridへユーザ登録を行う必要がある。アカウントの登録には、OSGridのメインページをWebブラウザで開き、画面に二カ所「Register」が表示されているので、どちらかをクリックする。
すると、アカウント登録のページに切り替わるので、ここへ必要な情報を入力する。登録するアカウント名は、そのままアバターの「名前+苗字」になるので、Second Lifeと同じだ。ただし、Second Lifeと異なり苗字の部分も自由に好きな苗字を使用できる。
上に掲載したスクリーンショットは、筆者の実際の登録アカウントを例にしているので、実名登録となっている。登録アカウントで一番多いのは、Second Lifeで使用しているアバター名と同一のアカウント名で、なにかと後々便利な様だ。登録時にEメールアドレスが必須で、このメールアドレスに登録確認にキーが送られてくるので、アドレスを詐称したりしてはいけない。
一つのEメールアドレスに対して、登録できるアカウントは一つだけなので、複数のアカウントを登録したい場合には、異なるメールアドレスを入力する必要がある。筆者も、Second Lifeで使用しているアバター名と、実名の登録等を別々のメールアドレスで行っている。
必要な項目を全て入力したら、一番下にある「Register」ボタンをクリックする。入力した「名前+苗字」の組み合わせが、既に登録済みであった場合には、上部にエラーが表示されて入力した項目が消去されるので別の組み合わせで記入する必要がある。
アカウントやメールアドレスの重複や記入漏れがなく、レジストが完了すると、登録したメールアドレスに登録認証のためのキーURLが送付されてくるので、その認証用のキーURLをクリックするかブラウザへURLをコピー&ペーストして、Webページを開くと、アカウントの登録が完了する。この時点で、OSGridのサイトへはログインした状態になっている場合であれば、一度ログアウトしよう。
次に、再度OSGridのメインページをブラウザで開き、画面右上にある「ACCOUNT LOGIN」の下に「Avatar Full Name」と表示されている部分を消去してから、自分の登録したアカウントの名前と苗字を、半角スペースで区切って入力する。そして直ぐ下の欄へ登録したパスワードを入力した後、「Enter」キーを押すか右下にある「login」ボタンをクリックすれば、OSGridのサイトへログインできる。
OSGridのサイトへログインすると、最上段にSNS関連のメニューバーが表示されるようになり、登録したアカウント名がウェルカム・メッセージと共に表示されている事を確認しよう。続けて、最上段メニュー・バーの左に「G」を縦にした様なアイコンが表示されているので、これをクリックしてみる。
すると、自分のアカウント名のページが表示されるので、時間のある時にでも自己紹介の文や居住地などを記入したり、専用のページを編集したりできる。また、先ほど「G」を縦にした様なアイコンが大きく表示されているが、この部分には画像を貼り付ける事ができるので、ここへ画像を登録すれば「G」縦アイコンから自分のアイコン表示へ切り替わる。
OSGridのSNS機能は、かなり多機能なので活用すれば下手な国内のSNSサービスよりも使い勝手が良いくらいだ。しかも、OSGridのOpenSim群での「Group」機能とも連動しているので、ビューア(Hippo Viewerが標準)が起動できないモバイル環境などでも、このSNSへのログインでメッセージ交換なども可能だ。ちなみに、Second Lifeではグループ作成に100L$必要(しかも、加入者が無いと自動削除される)だが、OSGridでは無料なので必要ならばグループを多数つくることも可能だ。
また、このSNSのメニューから友人がOSGrid内のOpenSimへログインしているかどうかも確認できるので、これも重宝する機能だ。他にもTwitterと同じような140文字までのミニブログ機能なども実装されているし、非常に良くできたSNSサービスだと言えるのだが、メニュー表示が英語のみなので英語が苦手な方には辛いかもしれない。さて、次にOSGridのSNSをログアウトして、Hippo ViewerからOSGridへログインしてみよう。
Hippo OpenSim Viewerについては、既に説明しているので詳しくは記事を参照してもらいたい(Hippo OpenSim Viewerの日本語化も合わせて参照)。Hippo Viewerの内蔵しているGRIDマネージャでは、デフォルト設定でOSGridへの接続設定が行われているが、ローカルのOpenSimなどへの接続設定が行われている場合には、「Grids」ボタンをクリックしてGRID接続マネージャを開き、接続先をOSGridへ設定変更を行う必要がある。
通常、Hippo OpenSim Viewerを起動した際に、メイン画面にOSGridのWebページが表示されている場合は、デフォルトの接続先がOSGridへ設定されているので、そのままユーザ名にOSGridへ登録したアカウント名(名前:ファーストネームと苗字:ラストネーム)とパスワードを入力して「ログイン」ボタンをクリックすれば、OSGridへ接続される(Mac OS X版も同じだ)。
OSGridへ最初にビューアでログインすると、「Lbsa Plaza」Region(OSGrid内の位置は、X:9995、Y:9995)へデフォルトで入る。以前のデフォルトログイン・リージョン(Sim)は「Wright Plaza」(OSGrid内の位置は、X:10000、Y:10000)だったのだが、OSGridが大きくなったので、デフォルト・ログインのリージョン(Sim)も変更された。もちろん、ホーム・リージョンは自由に設定可能だし、Hippo Viewerのログイン指定で、最後にログアウトしたリージョンを指定したり、OSGridの他の「Plaza」(○×△□ Plazaと名前がついている)リージョンを、Hippo Viewer起動時に表示されるOSGridのインフォメーションから指定することも可能だ。
OSGrid内の他のリージョン(Sim)へ移動するには、Second Lifeと同じ様に地図(Map)を表示してテレポートする。ただし、OSGrid内での地図表示は、現在自分の居るリージョンから、東西南北8リージョンまでしか地図に表示されないので、それ以上に距離の離れているリージョンの場合には、リージョン名をキーにして地図表示の検索で表示させる必要がある。
目的地のリージョンへテレポートし、再び地図表示を行うと今度は現在居るリージョンの東西南北8リージョンまでに加えて、先ほど居たリージョンで表示した地図も同時に表示されるので、OSGrid内の全リージョンを地図表示させるには、テレポートを繰り返して旅を続けることになる。しかし、一度ログアウトしてしまうと、地図の履歴もクリアされてしまう。
また、地図には表示されるリージョン(Sim)であっても、実際にはログインできない状態のリージョン(何らかの理由で停止しているか、故意に止めてある等)もあり、当然ながらテレポートを行うと失敗して元居たリージョンへ戻されてしまう。テレポートを行い、テレポート先のリージョンが反応しない場合には、暫く待ってから元居たリージョンへ強制送還されるまで待った方が良いだろう。
ちなみに、OSGridへのビューアでのログインは、パラメータさえ編集すればSecond Lifeビューアでも可能だが、機能的に同等以上なのでHippo OpenSim Viewerを使った方が容易だ。また、単にユーザとしてログインするだけであれば、OpenSimサーバ公開(OSGridへの接続)用として必要となる、NATループバック機能に対応したブロードバンド・ルータの「BBR-4MG」や「BBR-4HG」、YAMAHAのRT-57i/58iである必要はなく、どんなルータ(あるいは、ルータを未使用)であっても可能なのは言うまでもない。
<<以下、OSGrid (2)へ続く>>
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コメント
本文と関係ないので申し訳ないのですが、
最初の写真 -> 居住区とエンジンナセル
Lbsa Plaza -> レクレーションホロデッキ
そう感じてしまうのは自分だけ?
投稿: KITA | 2009年12月12日 13:23
KITAさん、こんちは~
>最初の写真 -> 居住区とエンジンナセル
冒頭のスクリーンショットは、Star Gateですよ。映画のStar Gateでは、とある惑星にしかテレポートできませんでしたが、続編となるTVドラマ(SG-1)では、複数の惑星や空間へ自由にテレポートできるんですが、OSGrid内に数カ所設置されているStar Gate(もどき)は、単なるオブジェクトではなく、実際にHyper Gridと呼ばれる機能を持っていて、OSGrid以外の異なるGRIDや、スタンドアローンで動作しているOpenSimサーバへテレポートが可能なんです。
随分前になりますが、本家のSecond Lifeグリッドと、OSGrid間でテレポートの実験が(IBMによって)行われましたが、その実用版がOpenSimに実装されているHyper GRIDモードです。
まぁ、技術的には実用化されていますが、諸般の問題(主に政治的というか、経済論からか)で、Second Lifeとは接続されてませんけど、フリーなグリッド間では実用化されています。
OpenSimで動いているグリッドでも、商用(のレンタルSimサーバ運営)グリッドは、やはり自分の世界の中で仮想通貨を持ったりしているので、接続拒否ってことだと思いますが、商用OpenSimサーバのグリッドは閉鎖が相次いでいます。これは本家Second LifeでもSimの閉鎖が相次いでいるようで、不況なのでSimサーバが維持できなくなっているのが現状のようです。
>Lbsa Plaza -> レクレーションホロデッキ
そうですねぇ~ ハッキリと言えば、OpenSimで作られる仮想世界そのものが、ホロデッッキで作られる世界と同じですよ。というか、それをめざし作っている面もあります。
発想のベースになっているのは、SFのサイバーパンク小説で、映画MATRIXの原作にもなっているウィリアム・ギブスンの「Neuromancer」や、ニール・スティーヴンスンの「Snow Clash」に登場するメタバース、仮想世界ですね。
OpenSimサーバをOSGridで運営している方々も、その手のファンが多いですよ。Region名が「Chiba-City」(「Neuromancer」に登場)だったり、StarFleet Academyとか・・・ (笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2009年12月12日 15:22
よりリアルっぽい視覚情報を構築・共有出来るってのは素晴らしいです。
一方、TOSの時代はVIDEO録画すら出来なかったので
早川文庫の世話にもなりました。
話によっては文庫の方を読んでよかったって事もあり、
映像化と同時に文字文化の熟成(継続・成長)も
重要であることを感じてます。
・・・・
ヴァーチャルでふと、ブレインストームっていう
映画を思い出しました。
人間の全感覚の記録装置ってアイデアを軸に、
軍事利用から生命まで扱ったハードSF。
店頭で何気なく買ったレーザディスクなのですが
結構お気に入りでした。
LDプレーヤが動かなくなる前にBDにでも救出
せねばぁ。
投稿: KITA | 2009年12月13日 11:49
KITAさん、こんちは、
小説って、個人によってイメージのふくらみ方が違うので、逆にイメージが固定されてしまう映画や漫画、アニメとちがって、楽しみ方が面白いですよね。
情報量の多さからすれば映画の方がはるかに多いのですが(特にデジタル化した場合は顕著ですけど)、逆に情報量の少ない小説のほが、イマジネーションが膨らむってこともあるので、リアリティだけじゃないのですよね。
人間の想像力(妄想力)次第ということでしょうかね。
>LDプレーヤが動かなくなる前にBDにでも救出せねばぁ。
ウチではβMAXテープが救済できずに、大量廃棄・・・VHSは、まだテープはありますが、プレーヤは破棄・・・
情報の蓄積ってのは、難しいですよねぇ
投稿: 清水 隆夫 | 2009年12月13日 16:13