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2010年5月 7日

ASUS U3S6

 先月の事なのだが、仕事でUSB 3.0のデバイスを評価する必要が生じたので、USB 3.0のインターフェース・カードを購入することになった。価格は4千円前後で、どれもNEC製(正確には、旧NECエレクトロニクス社製、現ルネサス エレクトロニクス社製)のインターフェース・チップ「μPD720200」を搭載しているので、性能的には同等だったために一番、安価なインターフェース・カードを購入するつもりだったのだが、結果的に購入したのは台湾ASUS社製の「U3S6」を購入した。

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 今回、筆者が購入したASUS製「U3S6」には、USB 3.0のインターフェースが2ポート装備されているのに加えて、6GbpsをサポートするシリアルATA 3.0のポートも2ポート装備されているにも関わらず、価格が単体のUSB 3.0インターフェース・カード+シリアルATA 3.0インターフェース・カードの合計よりも安価だったからだ。現状では、シリアルATA 3.0の転送速度が必要となるようなストレージ・デバイスは所有していないし、デスクトップPCへの内蔵ストレージ・デバイスでは、シリアルATA 2.0でも十分な速度なのだが、価格差があまり無い上に、どうせ買うならと思い購入してみた。

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 ASUS製「U3S6」のパッケージに同梱されているのは、本体となるインターフェース・カードに加えて、デバイスドライバが収録されているCD-ROM、説明書、それとシリアルATA 3用の接続ケーブルが二本だ。シリアルATA 3.0用のケーブルは同梱されているのだが、USB 3.0用のケーブルは同梱されていないので、USB 3.0対応のデバイスを接続する場合には、デバイス側にUSB 3.0対応ケーブルが同梱されていない場合、別途USB 3.0接続用ケーブルを購入する必要がある。

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 ASUS製「U3S6」インターフェース・カードには、通常のUSB 3.0インターフェース・カードに加えて、シリアルATA 3.0用のインターフェースも装備されているので、他のUSB 3.0インターフェース・カードよりも大型だ。シリアルATA 3.0用の接続ポートは、インターフェース基板の内側に装備されているので、外部接続用(eSATA)のポートとしては使用できず、内蔵のストレージ・デバイス専用となる。
 「U3S6」のシリアルATA 3.0のポートは、RAIDなどの機能はサポートされていないのだが、現状ではHDDや一般的なSSDを使用した場合には、マザーボード上に標準装備されているシリアルATA 2.0(3Gbps)でも十分に余裕のある速度だし、特にHDDの場合にはシリアルATA 3.0対応のデバイスであっても、シリアルATA 2.0でも全く速度は変わらないため、超高速なSSD以外のデバイスには猫に小判といった状況であり、今後の高速デバイス専用といったところだ。

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 「U3S6」のUSB 3.0ポートは、外部接続用のポートが二個、バックパネルのブラケットに装備されている。もちろん、専用ケーブルが必要となるのだが、USB 2.0やUSB 1.1デバイスを接続する場合には、通常のUSBケーブルでの接続にも対応している。既に述べているが、シリアルATA 3.0用のポートは内部ストレージ・デバイス専用となっているので、eSATAとしての外部接続には対応していない。
 USB 3.0用インターフェース・チップは、ルネサス エレクトロニクス社(旧NECエレクトロニクス社)製「μPD720200」が搭載されており、他のUSB 3.0用インターフェース・カードと同じだ。シリアルATA 3.0用のインターフェース・チップは、Marvell社製の「88SE9123」が搭載されており、シリアルATA 3.0用の専用インターフェース・カードでは良く見るコントローラ・チップだ。これら二つのインターフェース・チップを、一枚の基板上へ実装しているのが、「U3S6」の最大の特徴でもある。

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 USB 3.0(5Gbps)とシリアルATA 3.0(6Gbps)という次世代インターフェースを二つ装備している「U3S6」では、カードの装着用として一般的なPCI Express x1ではなく、PCI Express x4の形状となっている。また、USB 3.0用の「μPD720200」と、シリアルATA 3.0用の「88SE9123」をPCI Express x4スロットへ接続するために、PCI Expressブリッジ(スイッチ)チップのPLX Technology社製「PEX8613」が搭載されており、他の単独のUSB 3.0インターフェース・カードや、シリアルATA 3.0インターフェース・カードと、「U3S6」では大きく異なっている。

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 この他、「U3S6」にはシリアルATA 3.0専用接続ケーブルが二本、標準で同梱されているのだが、ケーブルのコネクタ形状はそれぞれ異なっており、基板の上部へ接続する場合には、L字型コネクタのケーブルを使用し、基板前部のコネクタにはストレート型コネクタのケーブルを使用することで、PCのケースへ干渉することが防げる。もちろん、内蔵3.5インチHDDとインターフェース基板が干渉してしまうような場合には、逆の接続が可能なのは言うまでもない。
 「U3S6」のデバイス・ドライバCD-ROMには、USB 3.0用の「μPD720200」と、シリアルATA 3.0用の「88SE9123」用のドライバが収録されているが、これらのドライバは最新版をASUSのサイトよりダウンロードして使用した方が、若干ながらパフォーマンスが上がる様だ。付属している説明書は、初めてこの種のインターフェース・カードを使用する方は、一読しておいた方が良いだろうが、PCの組み立てに慣れているユーザには、あまり役に立つことは書かれていないというのは、この手のインターフェース・カードに共通だ。
 肝心の「U3S6」パフォーマンスであるが、仕事の関係のベンチマークを行ったので、残念ながら公開することができない。筆者自身は、USB 3.0のストレージ・デバイスも、シリアルATA 3.0のストレージ・デバイスも所有していないので、これらを入手した際には、USB 2.0やシリアルATA 2.0(eSATAを含む)などとの、転送速度比較などもやってみたいと思っている。総論になってしまうだが、シリアルATA 3.0はともかく、USB 3.0のストレージ・デバイス接続用インターフェースとしては、シリアルATA 2.0やeSATAの代替えインターフェースとしても遜色なく、十分に高速な事は間違いない。
 今後、メーカ製PCには、USB 3.0ポートが、急速に標準搭載されるだろし、マザーボードも標準で搭載しはじめているので、USB 1.1からUSB 2.0への移行期間よりも、USB 1.1/2.0+USB 3.0(外部ストレージ用)が標準となるのは、ずっと早いのではないかと思われる。


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