« SONY Cyber-shot DSC-HX5V (1) | トップページ | Imprudence Viewer »

2010年6月30日

SONY Cyber-shot DSC-HX5V (2)

 筆者の購入したソニーのGPS受信機と電子コンパスを内蔵した(コンパクト・デジタルカメラでは初めての製品)Cyber-Shot DSC-HX5V」(ボディカラー、ブラック)のファースト・インプレッション・レポートの後編をお届けする。前回のレポートでは、DSC-HX5の本体関係の紹介を行ったが、書き忘れていたのがDSC-HX5に搭載されている10倍ズーム・レンズが、カール・ツァイス製ではなくソニーのオリジナル・レンズとなる「Gレンズ」ブランドである点だ。コンパクト・デジタル・カメラ向けレンズも、コニカ・ミノルタを買収して得られた、レンズの内製化によるものなのだろうか。

Dschx5v_2_1

 この他、SONY 「Cyber-Shot DSC-HX5V」へ搭載されている画像処理エンジンは、「BIONZ」と呼ばれる処理エンジンで、特に裏面照射型CMOSの高感度と高速処理を利用したスイング・パノラマ機能などを実現している。また、裏面照射CMOSは暗い場所や夜間撮影にも威力を発揮すると言われており、これらの画像処理にもBIONZエンジンが活用されているのだろう。デジタル・スチル・カメラと称しているが、SONY 「Cyber-Shot DSC-HX5V」は動画機能が充実しているのも、ビデオ・カメラ用の技術を応用している関係なのかもしれない。

クリックで拡大表示 Dschx5v_6

 今回筆者が購入したソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」の付属品で、気になったのは付属のリチウム・イオン充電池だ。「NP-BG1」という型番のバッテリだが、これはソニーお得意のインフォ・リチウム・バッテリではなく、普通のリチウム・イオン充電池だ。インフォ・リチウム・バッテリを使用したい場合には、別売の「NP-FG1」を購入する必要がある。出来れば、標準で「NP-FG1」を添付して欲しかったところだ。また、NP-BG1の容量も3.6V3.4Wh(940mA前後)と少なく、DSC-HX5Vで長時間の動画を撮影するには容量が少なすぎると思われる。
 また、DSC-HX5VをPCへ接続するUSBケーブルは、ビデオとオーディオの出力ケーブルと一体になっておりケーブル自体も太いため、DSC-HX5VをPCのUSBポートへ接続する場合に、ビデオとオーディオ出力のケーブル(コネクタ)が邪魔だ。出来れば、USBケーブルとビデオ&サウンド出力のケーブルは、それぞれ分けた形のケーブルを添付して欲しかったところだ。
 電池の充電用ACアダプタは、ソケット部分が折り畳み式となっており、国内旅行の際には、かさばらずに便利だと思うのだが、海外旅行の際にはコンセント・アダプタを使用しなければならない国々も多く、その場合にはACケーブル式の方が重宝する場合もあるので、一長一短だ。

クリックで拡大表示 Dschx5v_7

 さて、ソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」のGPS関連の設定メニューを見ていこう。GPSの設定は、DSC-HX5Vの設定メニューから「本体設定」の項目に「GPS方位」の「入」と「切」があるだけだ。この設定を「入」にセットすると、DSC-HX5Vに内蔵されているGPS受信機と電子コンパスがオンとなり、撮影時に(測位が行われていれば)Exifへジオタグとして、GPS受信機から得られた緯度経度(と高度及びGPS時間)データと、電子コンパスから演算された撮影方向のデータが記録される。
 また、電子コンパスに関してはキャリブレーションを行うための「方位精度調整」メニューがあり、これを実施するとDSC-HX5Vに動かして、地磁気とのキャリブレーションを行うことが出来る。このキャリブレーションは、頻繁に行う必要はなく海外旅行などで移動距離が長かった場合などは、現地に到着した際にDSC-HX5Vで撮影を行う前に行った方がよいかもしれないが、日本国内の旅行などでは頻繁に行う必要は無いと思われる。
 DSC-HX5Vの本体設定メニューには、「Transfer Jet」のオン・オフを行う項目もあるが、Transfer Jetを使用するには、別売のメモリスティック型アダプタを購入しなければならないので、当然「切」に設定してある。Transfer Jet自体は、筆者も非常に興味があるのだが、如何せんソニー製品でしか使えないメモリスティック・アダプタでは購入する気にはなれない。ソニーもTransfer Jetをもっと広めたい気があるのならば、ここはSD/SDHCカード型のTransfer Jetを提供すべきだ。そうであれば、少なくとも筆者はPC側のアダプタも含めて購入しただろう。

Dschx5v_8

 もう一つ、SONY Cyber-Shot DSC-HX5VのGPS関連で忘れてならないのが、「GPSアシストデータ」だ。要するに、A-GPS(Assisted GPS)用の衛星軌道情報を、予めダウンロードしておくことで、GPS受信機の初期測位速度(コールド・スタート時の測位速度)を速める機能だ。このA-GPS用データの有効期間は、おおよそ1ヶ月なので、DSC-HX5VではA-GPS用データの有効期限を表示できるようになっているのは、非常に親切であり便利なA-GPS用機能だ(上に掲載した写真では、まだA-GPS用データをダウンロードしていない状態なので、有効期限も表示されていない)。

Dschx5v_9

 この他、GPS受信機を内蔵しているSONY Cyber-Shot DSC-HX5Vのメリットとしては、デジタル・カメラでは殆ど全ての機種が内蔵しているカレンダー・クロックの補正を、内蔵しているGPS受信機からのGPS衛星から送られてくる原子時計による正確な時刻と同期して補正する機能も装備されている。この設定は、「時計設定」の「自動時刻設定」をオンに設定しておくことで、GPS衛星を捕捉して測位が行われた時点で、定期的に行われるため、GPS受信機をオンにしていない場合は機能しないので、予めDSC-HX5Vの「本体設定」の項目にある、「GPS方位」の設定もオンにしておく必要があるのは、言うまでもない。
 GPS受信機を内蔵していなデジタル・カメラと、GPSデータ・ロガーによる緯度経度データから、後処理でアプリケーションからExifへジオタグを書き込む場合、撮影前にデジタル・カメラ内蔵の時計を正確に合わせておく必要があるのだが、GPS受信機を内蔵しているDSC-HX5Vの場合には、逆に時計合わせをGPS受信機が行ってくれるので、そう言った面倒な事前設定は不要だ。しかし、事前設定として、DSC-HX5Vの「GPSアシストデータ」用A-GPSデータを、付属のアプリケーション経由でPCからダウンロードしておかないと、GPS衛星の捕捉が遅くなってしまい、初期測位の速度も結果的に遅くなってしまうので、A-GPSデータの事前のダウンロードは、忘れないようにしたい。
 実際に、SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vの内蔵しているGPS受信機の性能を試してみたが、A-GPSデータを入れていない状態でのコールド・スタートの測位は遅く、筆者が期待していた程、DSC-HX5Vの内蔵GPS受信機の感度も決して良い方では無かったため、かなり測位までの時間を要した。しかし、予めA-GPS用データをダウンロードした状態のDSC-HX5Vでは、コールド・スタート時の初期測位も早かったので、SONY Cyber-Shot DSC-HX5VではA-GPSデータの事前ダウンロードが、必要不可欠な様に感じた。
 本格的なSONY Cyber-Shot DSC-HX5Vの撮影評価やGPS受信機、電子コンパスなどの性能チェックは、梅雨が明けてから行いたいと思っているのだが、最近は筆者の体調があまり芳しくないのでレポートが何時になってしまうか、今のところ全く未定な点はお許し頂きたい。

<<評価レポートは比較レポートを参照されたい>>


ソニー サイバーショット 「Cyber-Shot DSC-HX5V ブラック」 《デジカメオンライン》 【販売価格:17,800円(税込)送料込

 

 


ソニー サイバーショット 「Cyber-Shot DSC-HX5V ゴールド」 《デジカメオンライン》 【販売価格:17,800円(税込)送料込

 

 

|

« SONY Cyber-shot DSC-HX5V (1) | トップページ | Imprudence Viewer »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: SONY Cyber-shot DSC-HX5V (2):

» CASIO EX-H20G vs. SONY DSC-HX5V [清水 隆夫の「Good Job !」]
 筆者が購入したGPS受信機と電子コンパスを内蔵したカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」だが、今年の6月に同じく筆者の購入したGPS受信機と電子コンパスを内蔵しているソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」との比較を行ってみた。両者を比べてみると、共に、光学10倍の高倍率ズーム・レンズを搭載したコンパクト・デジタル・カメラという、デジタル・カメラとしての基本性能もよく似ている。また、これまで発売された国産のGPS受信機を内蔵したコンパクト・デジタル・カメラでは、内蔵している... [続きを読む]

受信: 2010年12月14日 00:46

« SONY Cyber-shot DSC-HX5V (1) | トップページ | Imprudence Viewer »