SONY Cyber-shot DSC-HX5V (1)
今年の3月に発売された、待望のとも言うべきGPS受信機と電子コンパスを内蔵したコンパクト・デジタルカメラである、ソニーの「Cyber-Shot DSC-HX5V」(ボディカラーはブラック)を、三ヶ月が経過した今日、今更と言われるを覚悟でやっと購入した。正直なところ、同じ3月に発売されたパナソニックの「LUMIX DMC-TZ10」にも惹かれる所はあったし、何よりも今年のCESでカシオからプロトタイプとして公開された「CASIO EXILIM EX-10HG(仮称)」が発売されてから、GPS内蔵コンパクト・デジタルカメラ三機種を比べてみてから購入しようと思っていたのだ。
今回、筆者がソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」を購入した決めては幾つかあるのだが、最大の理由はDSC-HX5VがGPS受信機に加えて電子コンパスを内蔵している点だ。そして、これまでのソニー製のデジカメの最大の欠点である、記録デバイスがメモリースティックだけではなく、SD/SDHCメモリ・カードもサポートした点を大きく評価したからだ。やっと、ソニーも自社だけのローカル規格と言っても過言では無いメモリースティック路線から、デファクト・スタンダードのSD/SDHCをサポートした決断を、筆者を始め多くのユーザは好意的に評価している。
今回、筆者が購入したSONYの「Cyber-Shot DSC-HX5V」(ブラック)には、GPS受信機と電子コンパス内蔵以外にも、多くの新技術が搭載されている。撮影に使われる素子は、一般的なCCDではなく、裏面照射型CMOS「Exmor R」が使われており、これまでデジタル一眼レフ・カメラでは大型CMOSが搭載されていたのだが、CMOSの欠点をリカバーしたという裏面照射CMOSを搭載したコンパクト・デジタルカメラだ。
また、このDSC-HX5Vが搭載する裏面照射CMOSの性能を生かした、フルHD解像度による動画撮影機能も搭載している。もっとも、筆者は動画をあまり撮影しないので、活用する場面は少ないと思う。光学ズームも広角25mm(35mmフィルム換算)から10倍という高倍率のズームレンズを小型のボディに搭載しているので、旅カメラとしては勿論のこと、普段の外出時に携帯するデジタル・カメラとしもDSC-HX5Vは活躍しそうだ。
筆者が購入したソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」(ブラック)の同梱されていた付属品は、本体(既にハンド・ストラップが装着された状態だったので、一瞬だが中古品かと思ってしまった)、及びリチウム・イオン・バッテリ、バッテリ用のAC充電器、DSC-HX5Vの多目的コネクタへ接続するUSBケーブル兼ビデオ&サンド出力ケーブル、そして同じく多目的コネクタへ接続するHDMIケーブル接続用の変換アダプタ、説明書や保証書、PC用アプリケーションを収録したCD-ROMとなっている。
ソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」ボディは、やや横長の形状でグリップ部分が少し膨らんでおり、手で持った際にはグリップ部分の膨らみが安定した手持ちをサポートしてくれる。DSC-HX5Vの上部には、電源スイッチ(押すと緑色のLEDが点灯する)と、連射ボタン、大きめのシャッター・ボタンとシャッターを取り囲む形状のズーム用レバー、しして、一番右には撮影モード切り替え用のダイヤルが配置されている。
DSC-HX5Vの液晶ディスプレイ側は、設定操作などを行うリング状のカーソル・ボタンや、設定メニューを呼び出すメニュー・ボタン、再生ボタンなどが配置され、赤い目印のついた動画撮影用のボタンが独立して配置されており、このDSC-HX5Vが動画の撮影モードを重視している設計がなされていることが伺える。DSC-HX5Vの裏面は、カバーを開けるとバッテリー・ボックスとメモリ・カード・スロットがある。メモリ・スロットは、メモリスティックとSDメモリ・カードの排他使用スロットとなっており、二種類のメモリカードを同時に使用する事はできない。
ソニー「Cyber-Shot DSC-HX5V」の電源を入れると10倍ズームレンズがせり出すのだが、薄型のコンパクト・デジタルカメラの高倍率ズーム・レンズの場合、三段式のズーム・レンズも多いのだが、SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vでは二段式となっているので、望遠側にズームを行った場合でも、比較的ズーム・レンズの伸びが小さい。SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vの搭載している液晶ディスプレイは3インチであるが、ワイド型の液晶ではなく4対3の液晶ディスプレイで、解像度もフルHD撮影が可能な割には低解像度で、ビューファインダーとして使った場合も、ちょっと物足りない感じがする。
コンパクト・デジタルカメラとしては珍しく、SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vには簡易モードながら、マニュアル設定可能な撮影モードも装備されている。とは言え、実用的に設定できるのはシャッター速度程度で、露出は二段階の設定のみなので、あまりマニュアル設定を使うケースは無いだろうと思う。SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vの様なコンパクト・デジタルカメラの場合は、フル・オートの撮影かプログラム・オートの撮影が殆どで、凝った撮影を行いたい場合には、やはりデジタル一眼レフ・カメラを用いて、適材適所の交換レンズを用いて撮影するのが王道だと、筆者は思っている。
さて、肝心のGPS受信機(用アンテナ部分)や電子コンパスが搭載されている事を示す外観上の特徴は、SONY Cyber-Shot DSC-HX5Vには一切無く、ボディの横にGPSアイコンとGPSと印刷されているだけで、かなり控えめな演出だ。GPS受信機を活用する場合、GPSアンテナの位置が、デジタル・カメラのどの部分に装着されているかが判れば、測位を行う場合にも有効に活用できるので、できればSONY Cyber-Shot DSC-HX5Vの何処にGPSアンテナが装備されているかを示すデザイン上の工夫も欲しかったところだ。
しかし、今月ソニーからCyber-Shot DSC-HX5Vと全く同じボディ・デザインを持った、(GPS受信機非内蔵の)ソニー「Cyber-Shot DSC-H55」が発売されたので、金型を流用することを考慮してのデザインだったと言うことなのだろう。
<<以下、「SONY Cyber-shot DSC-HX5V (2)」に続く>>
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