iOS 4.0 for iPod touch
バージョンが3.Xから4.0へアップすると同時に、名前もこれまでのiPhone OSから「iOS」へと変更になったアップル社の「iOS 4.0」がリリースされた。これまでは、OS Xとも呼ばれていたりしたのだが、iPhoneがメジャーな存在になると共に何時しか、iPhone OSと呼ばれるようになったOSだが、動作するデバイスがiPhoneだけでは無く、iPod touchでも動作していたので、このiPhone OSという呼び名には、筆者も違和感があった。しかし、「iPad」のリリースに伴い更に違和感が増し、アップル社もiOSを正式な名前にした様だ。
とは言え、筆者の場合には「iOS」という名前は、既にネットワーク機器(特に基幹ネットワークで使用されているルータ)の米CISCO社のルータ用OSである「IOS」を直ぐに連想してしまう。勿論、IOSの商標はシスコ社が保有しているのだが、IPHONEの時の様なトラブルをApple社が繰り返したく無かったのだろう、今回は事前にCISCO社から使用許諾を取得していると言う。さて、そんな「iOS 4.0」を、筆者も愛用のiPod touch第二世代を、今回のアップデートは無料ということもあり、Version 3.Xからアップデートしてみた。
iOS 4.0へのアップデートは、必ずiTunesから行う必要があり、iPod touch単体では行えない。これは、iPhoneの場合も同じであり、できれば単体でのアップデートを可能にして欲しいと思うのは、筆者だけではないだろう。反面、iTunes経由によるアップデートにも利点はあり、アップデートするデバイスのバックアップを同時にiTunesが行ってくれるので、仮にアップデートが失敗した場合でも、元の状態へ復元できるメリットもある。
前回のOS X Version 2.Xから3.0へのアップデートは有償だったのだが、今回のアップデートは、iPhoneだけではなくiPod touchでも無料だったのは嬉しいところだ。筆者のiPod touch(第二世代)のOS 3.13から、iOS 4.0へのアップデートには、もちろん筆者のiMac(Snow Leopard)のiTunesから行った。Windows環境へもiTunesをインストールしているPCもあるのだが、トラブル回避の意味でも安定度からも、iPod touchのアップデートには、必ずMac OS環境で行うことにしている。
iOS 4.0では、かなり機能アップが行われており、これまではシングルタスクOSだったのだが、マルチタスクが(使用するアプリケーションによっては)可能になったのが、最大の特徴なのだが、これはiPhone 3GSや新発売になったiPhone 4、あるいはiPod touchの第三世代モデルの話しであり、筆者の愛用しているiPod touch第二世代では、残念ながらマルチタスクの機能はサポートされない。
また、Bluetoothの対応デバイスにHIDキーボードがiOS 4.0で追加されたのだが、こちらも残念ながら筆
者の愛用しているiPod touch第二世代ではサポートされないと言った具合で、セキュリティ・パッチなどがメインの様だ。恐らく、今回のアップデートが無料で行われているのも、セキュリティ対策が(古いデバイスでは)メインなのだと思われる。
しかし、筆
者の愛用しているiPod touch第二世代は、第三世代が販売されているとは言え、現在も販売されている現行機種であり、内蔵フラッシュ・メモリの容量が8GBながら、最も安価はiPod touchモデルなので、マルチタスクは無理でもBluetoothのHIDデバイス・サポートの機能は省かないで欲しかったと思う(iPod touchで、Bluetoothキーボードを使うニーズは少ないと思うが(。
さて、OS X Version 3.13からiOS 4.0へのアップデートに要した時間は、筆
者のiPod touch第二世代では約40分を要した。もちろん、この時間にはデータのバックアップと復元も含まれているので、実際にファームウェアの書き換えに要した時間は、それよりも短いのだが、8GBのフラッシュ・メモリの約半分(4GB)程度しか使っていない筆者の場合で40分なので、更にデータが大きな環境の場合には、これよりも時間は長くなると思われる。
iOS 4.0へのアップデートが終わった筆
者のiPod touch第二世代は、OSの要するフラッシュ・メモリのサイズが、約200MBほど増えていた。起動時間に関しては、これまでのOS X Version 3.13と殆ど変化はなく、Version 2.Xから3.0へのアップデート時の様に、起動時間が大幅に遅くなったということは無い。GUI(グラフィック・ユーザ・インターフェース)の動作に関しては、気持ち遅くなった様な気がするのだが、気のせいかも知れないので何とも言えない。
しかし、iOS 4.0にアップデートして良い点も多々ある。まずはメールの操作性や見やすさが格段に向上した。これまでは、本文のテキストを拡大して表示することが出来なかったのだが、これがiOS 4.0ではSafariを使っているのと同じように、フォント・サイズを自由に拡大縮小できるようになった。また、複数のメール・アカウントを切り替える事無く全て受信することもできる様になり、このメール環境の使いやすさと見やすさ向上だけでも、iOS 4.0へアップデートする価値がある。
これは、iOS 4.0へアップデートしても、筆
者のiPod touch第二世代と同様にマルチタスクやBluetoothキーボードがサポートされない、iPhone 3GユーザでもiOS 4.0へのアップデートを行った方が、メールの環境は同様に使いやすくなるので無慮アップデートということもあり、出来ればアップデートをした方が良いだろう。
筆者の場合は、iPod touchを外出時に使用するMP3プレーヤ兼、ビデオ・プレーヤとして使用し、無線LAN環境がある場合はメールの受信もする程度の使用なので、今回の機能限定版のiOS 4.0でも不自由はないのだが、スマートフォンやPDAとして活用するのであれば、やはりiPhone 4が欲しくなるのは仕方のないことだろう。
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