Imprudence Viewer
OpenSimulator(OpenSim)用のビューアは、Second Life用のビューアが、そのまま使用可能なのだが、OpenSimの拡張機能やSecond Lifeと非互換の部分などにも対応した、OpenSimに特化したビューアを用いる方が良い。これまでは、OpenSim用ビューアとしては、Hippo OpenSim Viewerを用いるのが一般的だったが、最近ではより高機能なOpenSimに対応したビューアが、いろいろと登場している。
最近、筆者が使用しているOpenSim用ビューアとしては、Hippo OpenSim Viewerも、もちろん使用しているが、この他Cool VL Viewerなども使用している。Cool VL Viewerは、Hippo OpenSim Viewer(Version 0.6.X)の元になったビューアでもある。更に、これらのビューアよりも高機能なOpenSim用ビューアが、今回紹介するImprudence Viewerだ。Imprudenceとは、日本語訳すると「軽率」とか、「不謹慎」といった意味で、ビューアの名前としては、ちょっと怪しそうな名前なのだが、機能は高機能で安定している。
Second Life用ビューアは、純正のビューアがVersion 2.Xへアップデートされたのと、時を同じくサードパーティ製のビューアの使用が、著しく制限される様になってしまった。これに伴い、開発が中止されるビューアも多く、その中にはMeerkat Viewerの様に、OpenSim用のビューアとしても有益だったビューアもあるのが残念だ。しかし、Imprudence Viewerは、とHippo OpenSim Viewer共にOpenSim用のビューアとして、OpenSimのサイトでも公式ビューアとして認定されているし、もちろんSecond Life用ビューアとしても公認されている数少ないビューアの一つだ。
Imprudence Viewerを(OS別にWindows用、Mac OS X用、Linux用があり、Windows用には通常版とSSE2オプティマイズ版があるのだが、SSE2版の方が高速だ。Linux版は32ビット版と64ビットがあるので、OSによって選ぼう)サイトからダウンロード(OSGridのページからもダウンロードが可能)した後に、インストールして起動すると、Hippo OpenSim Viewerと同じGRIDマネージャが装備されているので、接続先に「OSGrid」を選べばOSgridへ接続できるし、「SecondLife」を選べばSecon Lifeへ接続できる。もちろん、PCで稼働しているOpenSimへ接続する場合にも「Localhost」を選べば接続が可能なのは言うまでもない。
また、Imprudence Viewerでは、Hippo OpenSim Viewerの用に日本語化するための作業も不要で、基本的なインターフェースやメッセージは、全て日本語表示される。ただし、Imprudence Viewerで拡張されていたり改良されていたりする部分のメニューは英語表示となってしまうが、特に不自由することなく使用可能だ。
上に掲載した二枚のスクリーンショットは、どちらもImprudence Viewer(Windows SSE2オプティマイズ版)をWindows 7 Ultimate x64 Editionで動作させた画面だが、二枚のスクリーンションの違いに気がつかれただろうか? 一枚目のスクリーンショットは、Imprudence Viewerのデフォルト設定での表示だが、二枚目のスクリーンショットでは、Imprudence Viewerのオプション設定によって、「影」を表示させている。
良く見比べていただくと、樹木(OpenSim標準装備の樹木オブジェクトだ)や、建物、宇宙船(SPACE:1999に登場するEagle Transporter)、そしてAvatarに影が表示されているのが判るだろう。これらの影は、光源と影の対象物を演算によってリアルタイムに表示しているので、光源(太陽)が動いたり、対象物(アバターなど)が動いたりすると、影の表示もリアルタイムで変化する。
Imprudence Viewerで「影」を表示させるには、「環境設定」から「表示」のタブに切り替えて、「品質およびパフォーマンス」の設定お「超高」へ設定する。デフォルトでは「高」に設定されている婆が殆どだ。スライダーを「超高」へ移動させた後、一番したの「適応」のボタンをクリックすれば良い。必要であれば、「カスタム」のチェックを入れて、他のパラメータも同時に調整しておくと良いだろう。
次に、同じ「環境設定」から「表示」タブより「Advance」のタブへ切り替える。この「Advance」タブは、Imprudence Viewerで拡張された機能の設定を行うので、メニュー表示は全て英語表示になっている。ここで、「□ Enable Shadows」へチェックを入れて、最下行に表示されている「OK」ボタンをクリックすれば、「影」の演算表示機能がオンになる。
ただし、グラフィック・カードが古い場合や機能が低い場合には、このオプション設定をオンに設定しても、影は表示されない。筆者が今回テストしたのGeForce GTS 250(二枚装着してSLI接続にて使用)だが、描画が重くなったり遅くなったりする事なく、オプションをオフにしている状態と全く遜色無くアバターの動作も可能だった。もちろん、PCのCPU動作速度やコア数などによっても、描画速度は変化すると思われるのは言うまでもない。
上に掲載しているスクリーンショットは、Imprudence Viewer(SSE2オプティマイズ版)を、Windows XP Professional x64 Editionで動作させている際の画像だが、「影」表示オプションをオンにしたにも関わらず、残念ながら影は表示されなかった。このPCのグラフィック・カードは、GeForce 7600GSを二枚使用したSLI構成なのだが、GPUの世代が古いので恐らく影の描画機能がサポートされていないのだろうと思われる。グラフィック・カードのGPUの違いの他、チップセット内蔵のGPUやCPUに内蔵されているGPUなどでは、Imprudence Viewerによる影の表示は出来ないかもしれないが、出来る場合もあるかもしれないので、オプションをオンにしてチェックしてみると良いだろう。
また、Imprudence Viewerには、アバターの頭の上に表示されるアバターの名前の部分は、自分の表示では紫に表示される。他のアバターの使用しているビューアが、Second Life純正ビューアやHippo OpenSim Viewerの場合には、薄いオレンジ色で表示されImprudence Viewerを使用している場合には、自分と同じ紫で表示されると共にビューア名のImprudenceも表示される。更に、他のアバターが(何かと話題の多い)Emerald Viewerを使用している場合に限り、緑色でアバターの名前が表示されると共に、Emeraldとビューア名も表示される。Emerald Viewerには、色々と機能が多いので、使用者が判るのは自己防衛と言ったところか。
いずれにしても、Imprudence Viewerの「影」表示を行うには、一昔前の高性能グラフィック・カードである、GeForce 9800GTX+(8800GTクラスでも大丈夫かもしれない)程度のGPUを搭載したグラフィック・カードが必要の様だが、現在では全く同等のGeForce GTS250(省電力版)が安価に購入可能なので、Imprudence Viewerをフル活用するのであれば、グラフィック・カードを新規に購入してみるのもアリだと思う。
■ 「DARK NIGHT」ファンで冷却も静音も両立!DDR3 512MBメモリ搭載 GTS250ビデオカード【送料無料】ASUS ENGTS250 DK/DI/512MD3/WW 【sm15-17】【smtb-MS】【価格:13,780円(税込)送料込】
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント