Zenithink ePAD/ZT-180
Apple社から発売になった「iPad」、筆者も買う気満々だったのだが品不足やら、販売代理店がソフトバンク・モバイルになってしまったり、その上更に自社の通販以外は、殆どの国内通販を閉め出してしまう等、殿様商売を絵に描いたような商売に嫌気がさしてしまい、結局購入しないままとなっている筆者である。代わりと言っては語弊があるが、(またもやと言うべきか)中国製のiPadの模倣品(山寨機:Shanzhai)を購入してしまった。
既に秋葉原市場などでは、5インチ液晶ディスプレイや7インチ液晶ディスプレイを搭載した山寨Padが販売されていたのだが、やはり本物のiPadと同等の10インチ液晶ディスプレイが搭載したモデルが欲しかったので、中国の山寨マーケットのサイトなどをウォッチしていたのだが、やっと10インチ液晶ディスプレイを搭載した山寨Padが販売されたので、これを購入した。今回、筆者が購入したのは、中国Zenithink社製の「ePAD」こと「ZT-180」だ。
中国Zenithink社製の「ePAD」こと「ZT-180」のパッケージは、中々良くできてて蓋部分はマグネット付きで開閉可能なのには洒落ていて驚いた。とは言え、やはりそこは山寨Pad、パッケージの表には本物iPad風の写真が掲載されている。しかし、良くこの写真を見てみると、OSはWindows CE 6.0をタッチ・オペレーションにカスタマイズした様な雰囲気だが、明らかに出来の悪いレタッチの後もみられる。側面の「ePAD」ロゴの「e」は、インターネット・エクスプローラ(古いバージョン)のアイコンが流用されていたりと、笑いと怪しさ満載だ。
「ePAD」こと「ZT-180」のパッケージを開くと、エアーキャップ(プチプチ)とスポンジの二重のパッキンの下に、「ePAD」こと「ZT-180」が収納されている。本体の周りは堅めのスポンジによるパッキンとなっており、「ePAD」こと「ZT-180」は裏返しの状態で納められていた。液晶ディスプレイの保護という意味では、裏返しの収納は正しい選択であるが、本物のiPadでは逆の状態の液晶ディスプレイが上になる状態で収納されている。
「ePAD」こと「ZT-180」の収納されているスポンジのパッキンを取り出すと、その下にはボール紙の台座があり、中には同梱物としてAC充電アダプタ、RJ-45イーサネット・ケーブル用アダプタ、そしてスタイラス・ペンが入っていた。加えて、小さな説明書も入っており、ここに「ePAD」こと「ZT-180」の製造メーカである中国「Zenithink」社のメーカ名が入っている(山寨機のメーカ名が入った説明書というのは、珍しい)。
「ePAD」こと「ZT-180」のデザインは、もちろんiPadを模倣したデザインなのだが、搭載している液晶ディスプレイが10.2インチの1024ドット x 600ドットというNetBookなどでお馴染みのWSVGAサイズなので、iPadよりも細っりしたデザインなので、「ePAD」こと「ZT-180」の方がスリムだ。タッチパネルは、iPadでは静電容量型が搭載されているが、同梱品にスタイラス・ペンが付属している「ePAD」こと「ZT-180」では、安価な抵抗皮膜型が採用されている。もちろん、マルチタッチなどという高度な技術には非対応であるのは、言うまでもない。
「ePAD」こと「ZT-180」の液晶ディスプレイ(一応TFT液晶のLEDバックライト搭載だ)面には、本物iPadと同じデザインの大型ボタンが一個装備されてるが、本家iPadではHomeボタンと呼ぶが、「ePAD」こと「ZT-180」ではEscapeボタンと呼ぶらしい。液晶面(前面)に装備されているのは、このEscapeボタンのみとなっており、iPadと同じだ。
「ePAD」こと「ZT-180」の上部側面には、(ディスプレイ側からみて)右からシーソー型の音量調整ボタン(OSからそれぞれに機能割当て可能)、miniUSBコネクタと同じ形状よりも薄い形状をしたEthernet(10/100Mbps)ポート、電源スイッチ(ボタン)、そしてT-F(Trance Flash:microSD同等)スロットが装備されている。本物iPadより優れている点としては、有線LANポートが装備されている点と、やはりT-F/microSDスロットが搭載されている点だ。怪しい「ePAD」こと「ZT-180」の仕様書によれば、16GBのT-F/microSDまで使用可能ということなので、SDHC対応のスロットの様だが32GBのmicroSDHCメモリ・カードが使用できるかかどうかは(現時点では)不明だ。
「ePAD」こと「ZT-180」の右側面(Escapeボタン側)には、ディスプレイ側からみて下側からマイクロフォン用の穴、リセット・ボタン(用の穴)、3.5mmφステレオ・イヤフォン・ジャック、USBポート、miniUSB(OTG)ポート、そして充電用のDCインプット・コネクタの順で配置されている。こちらも、本家iPadより優れている点としては、汎用のUSBポートが装備されている点と、PC接続も可能なOTG型のminiUSBポートまでもが装備されている点だろう。また、リセット・スイッチが装備されている点も、(動作が現状では怪しい)「ePAD」こと「ZT-180」には、ユーザとして嬉しい点だ。
「ePAD」こと「ZT-180」の下側面には、左右に同じ編み目で覆われた穴がある。これはステレオ・スピーカだ。音質が決して良さそうには見えない小型のスピーカ穴だが、ステレオ・スピーカが装備されている点は良しとしたい。「ePAD」こと「ZT-180」の左側面には、両脇に小さな穴がある。おそらくは、分解時に液晶ディスプレイ側のノッチを押す為の穴だと思われる。「ePAD」こと「ZT-180」の表側にはネジの頭は一切なく、はめ込みによって組み立てられていると思われる。銀色にみえる部分も、プラスチック製であり、本物のiPadの様な削りだしのアルミニウム製では無いのも、言うまでもない。
「ePAD」こと「ZT-180」の付属品は、冒頭でも述べたがAC充電アダプタ、RJ-45イーサネット・ケーブル用アダプタ、そしてスタイラス・ペンの三点が同梱されていた。AC充電アダプタは、ごく一般的なACアダプタなのだが、決してスマートなデザインとは言えない。有線LAN接続用のRJ-45ジャックのアダプタは、反対側がminiUSBコネクタに似ているが薄い形状となっているので、USB接続タイプのLANアダプタではなく、miniUSBコネクタへ誤って挿入することは出来ない。また、スタイラス・ペンも「ePAD」こと「ZT-180」専用品ではなく山寨携帯用の汎用品だ。むろん、「ePAD」こと「ZT-180」に収納できるような穴が無いのも、言うまでもない。
「ePAD」こと「ZT-180」に付属するAC充電アダプタは、AC入力が100V~240Vと国際対応しているし、プラグも日本向けのACアダプタだ。容量は9V/2Aとなっており、一般的な5Vのアダプタが使えないのは残念だ。とは言え、本物のiPadも一般の5V/USB電源では、容量不足で充電が完全に行えないという規格なので、似たり寄ったりとも言えなくは無い。「ePAD」こと「ZT-180」の付属マニュアルだが、中国語と英語の二カ国対応なのだが、ハードウェアに関しては役立つのだが、ソフトウェアに関してはWindows CE 6.0ベースの説明となっており、今回筆者が購入した「ePAD」こと「ZT-180」のOSはAndroid 2.1なので、全く役に立たないと言っても過言ではない。
動作テストの為に、購入した「ePAD」こと「ZT-180」の電源を入れてみたのが、上記に掲載した写真だ。電源ボタンを押すと、Escapeボタン(Homeボタン)そばに青色LEDが点灯し、液晶ディスプレイに「ePAD」のロゴが表示される。このとき、「ePAD」の表示はランドスケープ(横向き)に表示され、続いて左上隅にLinuxのマスコットであるペンギンの「Tux」(タックス)が表示される。このTuxの表示もランドスケープ表示で、続いて「Android」のロゴ表示が、同じくランドスケープ表示される。どうやら、「ePAD」こと「ZT-180」のデフォルト表示は、iPadやiPod touchの様なポートレート(縦)表示ではなく、ランドスケープ表示の様だ(ある意味、パッケージの写真表示が正しい訳だ)。
「ePAD」こと「ZT-180」の電源を入れてから、Android 2.1 OSが起動するまでの時間は、思ったほど遅くない。起動したAndroid 2.1 OSは、カスタマイズも殆どされていない素の状態で、タッチパネルの反応も悪くなくページ切り替えの横スクロールもスムーズで、描画速度はストレス無い表示だったのも予想外だった。詳しい、Android 2.1関連のレポートは、別途掲載の予定だが、想像していたよりも操作性や速度はずっと良い感じだ。
中国Zenithink社のサイトに、「ePAD」こと「ZT-180」のスペックが掲載してあるので、詳しくは、そちらを参照していただくとして、重量に関しては記載が無かったので測ってみたところ、約680gと本物のiPadと殆ど同じ重量だった。筐体が全てプラスチックの「ePAD」こと「ZT-180」であるが、結構ずっしりとした重量がある。内蔵のリチウム・イオン充電池の重さが殆どを占めるのかもしれないが、電池の持ち時間が気になるところである。
山寨Pad(山寨瓦?)には、今回筆者が購入した「ePAD」こと「ZT-180」以外にも、7インチのディスプレイを搭載した「aPad」(Android Pad)などもあり、それぞれ特徴のあるモデルとなっているが、ディスプレイ・サイズやCPUスペック、I/Oポートなどは多岐にわたっているし、重量やサイズも千差万別なので、自分の好みにあったモデルを選択できるのは、本物iPadでは味わえない(怪しさ満点の)冒険心あふれる遊びとも言える(のでは無いだろうか)。
【追記】
中華パッド(中華タブレット)のZT-180は、この記事を執筆後に液晶ディスプレイが故障(反転表示)してしまった。分解してケーブルなどの接触不良をチェックしたり、液晶ディスプレイパネルの表面実装部品のハンダ付けなどをチェックしたが、結局は修理できなかった。まぁ、結果から言えば安物買いの銭失いを実践してしまったわけで、この手の中華パッドには、こういった自己責任での結果が常に待ち受けているわけだ。それでも、恐らく筆者は(懲りずに)また中華パッドに手を出してしまうのだろうが・・・
【追記その2】
懲りずに、中華パッド(中華タブレット)を、またもや購入してしまった。詳しくは、レビューを参考。
「Dropad A8」(2011年5月21日)
(URL:http://tshimizu.cocolog-nifty.com/good_job/2011/05/droad-a8.html)
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コメント
楽天ですか!思わずポチりそうに・・・。
人柱を覚悟させる「研究用商材です」の注意書きがステキ♪
投稿: KITA | 2010年8月 8日 00:14
KITAさん、まいど (^O^)
>楽天ですか!思わずポチりそうに・・・。
まぁ、それなりというか、中華品質ってことで・・・ (苦笑)
>人柱を覚悟させる「研究用商材です」
そうですね、研究というか実験というか、改造して使えるようにするってのもアリかなと。 (笑)
投稿: 清水 隆夫 | 2010年8月 8日 22:29
こんにちは、以前からバイクのカーナビに使っていた富士通LOOXUをviliv X70に買い換えました。
GPSが内蔵されていて非常に使い勝手がよい!
ソフトはNAVIN'YOUとゼンリンのMapFanNaviを入れていますがやはり前者の方が格段に良いソフトです。
バイクのページにレポートをアップしてみました。
https://ssl.webike.net/private/diary/diary.html?diary=26497&msg=successDiary
投稿: ラッキーストライク | 2010年8月21日 01:56
ラッキーストライクさん、こんばんは、
>viliv X70に買い換えました。
韓国製の小型Windows PCでしたよね。
>ソフトはNAVIN'YOUとゼンリンのMapFanNaviを入れていますがやはり前者の方が格段に良いソフトです。
なんだか、懐かしいソフト名ですね・・・(苦笑) 未だ現役とは驚きですが・・・(笑)
ちなみに、MapFanNaviはゼンリン製ではなく、インクリメントP(パイオニア子会社)製ですね。
投稿: 清水 隆夫 | 2010年8月22日 20:37