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2010年12月 8日

CASIO EXILIM EX-H20G (3)

 筆者が先月Amazonで購入したカシオ計算機のGPS受信機と電子コンパスを内蔵したコンパクトデジタルカメラEXILIM Hi-ZOOM EX-H20G BK」だが、12月6日に早々とファームウェアの更新が行われた。筆者が購入した時点でのEX-H20Gのファームウェアは、Version 1.00であったが、今回公開されたファームウェアはVersion 1.01とマイナーアップデートではあるが、EX-H20GのGPS機能的には非常に付加価値の高い機能が追加されたので、メジャーアップデートと言っても過言では無いだろう。

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 そのEX-H20GのGPS追加機能は、EX-H20GのGPSデータ・ロガー機能が、Version 1.00ではEX-H20Gの内部メモリだけのデータであったのだが、Version 1.01へファームウェアをアップデートすることによって、GPSデータ・ログをEX-H20Gへ装着しているSDメモリカードへ、KMLフォーマットで書き出しが可能になったのだ。この機能によって、EX-H20GのGPSログ・データをGoogle MapsやGoogle Earthで表示可能になった訳で、GPSデータ・ロガーを持っていないEX-H20Gユーザにとっては、一足早いCASIOからのGPSデータ・ロガーのクリスマス・プレゼントとなるだろう。

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 今回リリースされた、CASIOの「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G BK」用Version 1.01ファームウェアの説明を行う前に、Version 1.00も含めてEX-H20GのGPS機能(電子コンパスも含む)の説明を行っておく。これらの機能は、既に市場へで販売されているGPS受信機(及び電子コンパスを内蔵しているのは、本機とソニーのCyeber-Shot DSC-HX5Vのみ)を内蔵しているデジタルカメラには無いメニューが多いし、特にEX-H20Gの場合は専用操作ボタンも装備されているので、このGPS関連操作ボタンの説明を行っておく。まず、EX-H20Gの上面左側にある地球儀のボタンを押すと、EX-H20Gの電源がオンとなるのだが、撮影モードでは起動せずに地図表示モードでEX-H20Gが起動される。

クリックで拡大表示 Exh20g_3_2

 地球儀ボタンを押して地図表示モードでEX-H20Gが起動されると、デフォルトだと世界地図が表示されるが、既にGPS受信機が作動してGPSデータ・ログが記録されていたり、Exifへジオタグが記録された写真がSDメモリカードへ記録されていたりすると、そのジオタグやGPSデータ・ログの表示を行うための地図表示となる。また、GPS受信機が作動状態であれば、表示画面の左へGPSアイコンが作動中を示すアイコンで表示される。

クリックで拡大表示 Exh20g_3_3

 表示された地図の表示は、EX-H20Gのズーム・レバーを操作することで、拡大と縮小が行われるのだが、最大は世界地図表示(8000Km)からとなり、最小は2Kmのスケールだ。EX-H20Gの内蔵する国内の地図データとしては、PND(やカーナビ)と比べると荒い地図表示であるが、全世界の地図データを収録しているので、致し方無いと言えるだろう。可能であれば、オプションなどでSDメモリカード側へ国内の詳細地図データなどが収録できれば更に使いやすくなるだろう。

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 地図表示モードでEX-H20Gが起動されるた場合、撮影画像が右側にサムネイル画像として表示される。或いは、サンプルとして世界中の景勝地の写真データも、切り替え(地球儀ボタンを押すことによってのインクリメント)によって表示が可能だ。写真は、カーソルの選択によってビューア画面へ拡大表示が可能で、液晶ビューアへ表示を行った場合には、Exifへ記録されている緯度経度データ(画面下には逆ジオコーダ機能によって地名も表示される)や、撮影日時なども表示される。
 ちなみに、掲載しているEXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの写真は、筆者宅の室内で(別のカメラから)撮影しているのだが、左上のGPSアイコンが測位状態となっていることに注目して欲しい。過去にGPS受信機を内蔵したコンパクト・デジタルカメラを何機種か評価したのだが同じ室内の場所で、いとも簡単に測位をしてくれたのは、このCASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gが初めてだ。EX-H20Gの内蔵GPS受信機が、かなり高感度であるという証拠でもある。

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 地球儀ボタンを押して地図表示モードでEX-H20Gが起動された状態から、液晶ビューア右側のカーソル・ボタン下の「MENU」ボタンを押すと、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20GのGPS関連の「地図設定」メニューと「設定」メニューが表示される(この「設定」メニューは、撮影モードでも表示される)。この「地図設定」メニューからは、GPSデータ・ログのオン・オフや、GPSデータ・ログの保存期間などが設定可能だ。(上に掲載した「地図設定」メニューの写真は、ファームウェアVer.1.00の画面である。)
 EX-H20GのGPSデータ・ログ保存期間は、デフォルトでは1日に設定されているので、必要に応じて2日、3日、あるいは最大の7日に設定すれば良い。デフォルトの1日だと、旅行の場合には短すぎるし、通常のEX-H20Gを持ち歩いての撮影でも1日だと前日のデータが消えてしまうので、最低でも2日か3日に設定しておいた方が使いやすいと思う。この他、EX-H20G内蔵の電子コンパスのキャリブレーション(ソニーのCyber-Shot DSC-HX5Vにも電子コンパスが内蔵されているので同じメニューがある)も、この「地図設定」メニューから「方位センサー補正」を選ぶことで行うことが出来る。

クリックで拡大表示 Exh20g_3_6

 地図表示モードでEX-H20Gが起動した状態で、「MENU」ボタンを押し、「設定」メニュー側のメニュー(撮影モードからの「設定」でも可)では、GPS受信機のオン・オフや、Exifへの緯度経度、高度データなどの記録のオン・オフが可能で、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの内蔵GPS受信機をオンにした状態でも、撮影した写真へジオタグを記録しない設定も可能になっている。これは、EX-H20GをハンディGPS受信機、あるいはGPSデータ・ロガーとしてだけ使う場合には、とても有効だ。
 また、既に前回のレポートで紹介しているが、撮影した写真に日時をスーパーインポーズしたり、GPSデータからリバース(逆)ジオコーディングされた地名をスーパーインポーズする設定も、それぞれを独立してスーパーインポーズ可能となっているのも、細かな点だがニーズによってスーパーインポーズするデータを選べて有用な設定だ。

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 この他、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの「設定」メニューからは、GPS受信機内蔵のデジタルカメラであれば、あって当然の内蔵時計とGPSデータからの時刻補正を行う「時刻自動修正」のオン・オフ(入・切)の設定が行える。正直、これまでの初期測位が遅く感度の悪いGPS受信機内蔵のデジタルカメラでは、この機能があっても時刻が同期されるまでの時間が長くて嫌になってしまったユーザも多いだろうが、内蔵GPS受信機の初期測位も早く感度も良いEX-H20Gでは、この設定は常時オンにしておいた方が良い。

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 もう一つ、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの内蔵GPS受信機を活用するボタンが、EX-H20Gの上面、一番左側にあるボタンだ。この人型アイコンのボタンを、EX-H20Gの内蔵GPS受信機をオンに設定した状態で、EX-H20Gの上面左側にある地球儀のボタンが押された状態で押すと、現在自分の居る位置を地図上に表示してくれる。もちろん、測位された緯度経度データから、ジオコードされた地名の表示も同時に行ってくれるので、簡易のハンディGPS受信機モードと言っても良いだろう。また、この機能はハイブリッドGPSが動作している状態でも有効なので、GPS衛星を捕捉していない状態であっても機能する。

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 さて、最後に12月6日にアップデートされた、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20GのVersion 1.01ファームウェアで実装された、GPSデータ・ロガー機能を説明しておこう。Ver.100ファームウェアから、Ver.1.01ファームウェアへ、EX-H20Gをアップデートすると、EX-H20Gの地球儀ボタンを押して地図表示モードでEX-H20Gが起動された状態から、液晶ビューア右側のカーソル・ボタン下の「MENU」ボタンを押して表示される「地図設定」メニューへ、新たに「ログの一括保存」の項目が追加された。
 この「ログの一括保存」から「保存」を選ぶと、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの内蔵メモリへ保存されているGPSデータ・ログを、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gへ装着しているSD/SDHCメモリカードへKMLフォーマットによるGPSログ・データとして書き込む事が可能となった。書き込まれるGPSログ・データは、日付単位の複数KMLファイルとなり、設定されている「ログの表示期間」の設定日数によって、日数分の(複数の)KMLファイルがSD/SDHCメモリ・カードへ保存される。
 専用のGPSデータ・ロガーや、ハンディGPSの持つGPSログ機能と比較すると、EX-H20GのGPSデータ・ロガー機能は、GPSデータの記録間隔などの設定ができないのだが、専用のGPSデータ・ロガーやハンディGPS受信機を持っていなうユーザにとっては、十分且つ実用的なGSPデータ・ロガーとしてEXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gを活用できると思う。なにしろ、旧式のハンディGPS受信機や性能の悪いGPSデータ・ロガーに比べても、EXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gの内蔵GPS受信機は感度も良いし測位速度も速いので、十分に実用的だと言えるだろう。

<<「CASIO EX-H20G vs. SONY DSC-HX5V」へ続く>>

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コメント

ログの保存が可能となるとは!
CASIOさん、やるな~♪

スライドパノラマも良い。
#方位はセンターかな?

防水・耐塵モデルが出たら・・・。
Gショックバージョンだとアウトドア的に良いけどかなり高くなるかな。(^^;

投稿: KITA | 2010年12月12日 05:35

KITAさん、まいどです。

>ログの保存が可能となるとは!
>CASIOさん、やるな~♪

ログの書き出しを(KML)でやってみました。Google EarthへKMLファイルをドラッグして表示してみると、EX-H20Gの記録ログは、徒歩での移動に対して最適化したチューニングなのが、良くわかります。

それと、撮影したポイントもKMLファイルへ書き出されるので(ポイントは色が異なる)、Google Earthで表示すると、撮影ポイントも一目でわかります。

後で、詳しいレポートをします。使用中のソニーCyber-shot DSC-HX5Vとの比較も合わせてね。 (^O^)

>スライドパノラマも良い。

私は、あまり使わない機能ですけど、好きな人って、結構いらっしゃるみたいですね。

>防水・耐塵モデルが出たら・・・。

そうですね、EXILIMのGシリーズの後継機種に搭載されると嬉しいですねぇ~

投稿: 清水 隆夫 | 2010年12月12日 10:10

>>スライドパノラマも良い。
>私は、あまり使わない機能ですけど、好きな人って、結構いらっしゃるみたいですね。

広いレンズの使えないコンパクト機使用者、ビデオカメラユーザも好きかも。
要はパンニングかな。見回した感じで物の位置関係が記録できるお手軽スパイグッズ感・空気感が好きだけどアート的作品にするのは難しい(ほぼムリ?)ですね。

投稿: KITA | 2010年12月12日 22:25

KITAさん、おばんです。

>広いレンズの使えないコンパクト機使用者、ビデオカメラユーザも好きかも。

EX-20Gは、広角24mmだし、DSC-HX5Vも25mmなので、十分にランドスケープ撮影がバッチリです。どちらかと言うと、標準の4:3ではなく16:9で撮影する方が良い感じですよ。

>アート的作品にするのは難しい(ほぼムリ?)ですね。

これ、EX-H20Gのダイナミック・フォトで遊んでみましたが、面白いですねぇ~ 画面合成が、簡単にできるので、SF的な写真も作れるかと・・・
(^O^)

投稿: 清水 隆夫 | 2010年12月13日 01:10

>標準の4:3ではなく16:9で撮影する方が良い感じですよ。
そーですよね。
最近はプリントよりはテレビで見ることが多いので私もデジカメは最大解像度となる4:3でなく16:9で撮ってます。
デジタルビデオカメラで撮影したビデオへのタイトル編集ってこともありますが。
メインマシンの予算都合でHDノンリニア編集は未だできてませんが(泣)

ダイナミック・フォト、サンプルの通りな構図でその通りなら良い感じなんでしょうけど、これもセンスの問題とちゃんと考えて撮れるか(時間的に。撮影の為のお出かけと出来るか?)ってところで色々試されるかも。
作品の発表とかは専門サイトもあるようだし、YouTubeとかへも上げれるから最近は便利ですねー。

投稿: KITA | 2010年12月16日 06:18

KITAさん、まいどです。

>最近はプリントよりはテレビで見ることが多いので私もデジカメは最大解像度となる4:3でなく16:9で撮ってます。

そうなんですよね。特に、ビデオ出力なんかでTV(HD)へつなぐと、アスペクト比もへったくれもあったもんじゃないので、最初から16:9で撮影しておいた方が良いですね。

私は、これまでコンパクト・デジカメでも3:2で撮影して(デジタル一眼レフとアスペクト比を合わせるために)たんですが、来年からは16:9にしよかなぁ・・・ なんてね。

#最近、4:3のTVのCMがウザくてねぇ~ 早く、TVの放送コンテンツも(CMも含めて)全て16:9にして欲しいですよ。(苦笑)

投稿: 清水 隆夫 | 2010年12月16日 21:03

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 GPS受信機と電子コンパスを内蔵し、GPS衛星からの測位電波が受信できない屋内や地下でも、自律測位によって位置を演算するハイブリッドGPS機能を持った、カシオ計算機製「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」のファームウェアが、発売直後にアップデートされたバージョン1.01から、バージョン1.02へとアップデートされた。前回のアップデートでは、GPSデータ・ロガー機能の追加という機能アップがバージョン・アップによってもたらされて、簡易GPSデータ・ロガーとしても大活躍の「EXILIM Hi-... [続きを読む]

受信: 2011年3月28日 00:24

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