QSTARZ BT-Q1300ST 5Hz 前編
筆者宅へ台湾よりEMSで荷物が届いた。と言っても、既に「初荷」の記事を今年に入ってから書いてしまって恐縮なのだが、実はこのEMSで台湾から届いた荷物は、昨年の12月に届いていたので後先が逆になってしまうのだが、いわゆる「末荷」だ。発送先は、台湾のQSTARZ社からで、中身はGPS製品であるのは言うまでもない。しかし、全くの新製品という訳ではなく、一昨年に筆者が紹介したBT-Q1300Sなのだが、当時筆者がレポートした製品は、無印のBT-Q1300へBT-Q1300Sのファームウェアを組み合わせた製品だった。
このカスタム版のBT-Q1300は、全くBT-Q1300Sと同等だったのだが、その後に改良版の「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」とアップグレードされたので、新しくなったBT-Q1300STを使ってみて欲しいと、台湾QSTARZ社が筆者へ送ってくれた評価用の製品だ。この新型QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STは、筆者が愛用している旧型のBT-Q1300Sとの最大の違いは、旧型がBT-Q1300Sが測位の間隔が1秒間に1回の1Hzであったのに対して、新型のQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STでは、設定により1秒間に5回の測位が行われる5Hzへとアップグレードされている点にある。
台湾QSTARZ社から送られてきたEMS小包を開封すると、「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」のパッケージが現れた。一昨年に筆者が紹介したBT-Q1300Sでは、黒いパッケージだったのだが、QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STのパッケージでは、明るい白をベースとしたパッケージに変更されている。これは、スポーツ用のGPSデータ・レコーダ(ロガー)が主目的なので、やはりエクササイズやフィットネスの健康イメージを重視したパッケージに変更されたのだろう。
とは言え、旧BT-Q1300や同じくQSTARZ社から評価用で筆者へ送られてきた「QSTARZ BT-Q1200 Ultra」と同じく、トラベル用のGPSデータ・ロガーとしての機能も併せ持っているので、スポーツ用に特化している機能を持っているが、通常のGPSデータ・ロガーとしても使用可能だし、デジタルカメラとの連携によって、後処理による写真画像へのジオタグ(緯度経度)を書き込む機能を持ったツールも付属しているので、一般的なGPSデータ・ロガーよりも多機能なアプリケーションが添付されている。
QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STの本体は、筆者が愛用中の旧BT-1300Sの黒と金のボディカラーではなく、銀と緑のパステル調ボディカラーとなっており、パッケージと同様にスポーツ用のGPSデータ・レコーダ(ロガー)として、エクササイズやフィットネスの健康イメージを重視したカラーリングに変更されている。形状やサイズ、重量などは旧BT-1300Sと全く同一なので、詳しくは以前に筆者がレポートした記事を参照して欲しい。しかし、QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STの裏側には、Bluetoothが日本国内の技術適合に認定されている証の「技適」マークと番号のシールが貼られているので、安心して日本国内においてもQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STを使用できるのは、喜ばしい事だ。
筆者が旧BT-1300Sを愛用している最大の理由は、まずBT-1300シリーズに搭載されているGPSエンジンが、台湾MTK製の第二世代GPSコア・チップでトラッキング感度はなんと「-165dBm」であり、チャンネル数も66チャンネルと高感度で測位速度も高速な点だ。しかもバッテリーの持ちも良く、A-GPSにも対応しているので予めA-GPSのデータをダウンロードしておけば、高速な測位速度が更に高速化される。また、BT-Q1300シリーズの小型なサイズと軽さもだが、その超薄型のボディは、ジーンズのポーケットにも無理なく収まる。これらの特徴は、今回筆者へ送られてきた新型のQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STでも全く同じなのは、言うまでもない。
今回、台湾QSTARZ社から送られてきたQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STでは、一昨年レポートした旧BT-1300Sと付属品が若干異なっている。それは、QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STにはシガープラグのDC充電アダプタが付属して来なかった点だ。恐らく、一昨年レポートした旧BT-1300Sは、海外仕様(米国向け製品)だったので、車用の充電アダプタが付属していたものと思われるが、特に車載用途で使う場合でも、充電しながら使用しなくてもバッテリーは十分に持つので、無くても問題とはならないし必要であれば別途、オプションを購入すればよいだけだ。
ちなみに、筆者は一度も一昨年レポートした旧BT-1300Sに付属してきたシガープラグ型のDC充電器を使用した事は無い。その他のQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST付属品は、USBケーブルとアームバンド型のケースで、このアームバンド型ケースは筆者もウォーキングや散歩で、非常に重宝している。後は、スポーツ用とトラベル用のWindows用アプリケーションが収録されたCD-ROMと説明書だが、説明書も日本語版が付属しているので、使い方が判らないと言ったことも無くなり安心だろう。
さて、肝心のQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STがサポートしている5HzのGPSデータ・ロガー機能だが、これは最大1Hzでしかログを記録することが出来ない旧BT-1300Sと、実際に比較して評価してみることにした。しかし、5Hzという1秒間に5回の測位を行い、それを記録するとなると、徒歩やランニング程度の速度では、比較するにも走行速度が遅すぎるので、車で走行して5HzのQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STと旧BT-1300Sの1Hzとを比較してみることにした。
デフォルトの設定では、QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STも5Hzでの記録は出来ないので、予め付属のアプリケーション(スポーツ用でもトラベル用でも可)から、設定を変更しておく必要がある。これは、旧BT-1300Sでも同様で、1Hzでのログを記録するためには、同様に付属のアプリケーションから、1Hzのログ設定を行う必要があった。実際に、1Hzでの記録を行う設定でも、筆者のウォーキングやランニングでは、十分過ぎるほどに細かなログが記録できるので、通常ではデフォルトの設定で使用していた程だ。
ちなみに、5Hzを更に上回る10Hzでの記録が可能な超高速GPSデータ・ロガー「QSTARZ BT-Q818XT」も台湾QSTARZ社は製品化しており、加えて5Hzであるがモータースポーツに特化した機能(アプリーケーション)を追加した「QSTARZ BT-Q1000EX」も製品化されている。また、自転車用に特化して液晶ディスプレイと電子コンパスや温度センサーを内蔵している「QSTARZ SR-Q2100」も製品化しているので、目的に合ったGPSデータ・ロガーを、台湾QSTARZ社の製品からチョイスできるだろう。
尚、旧BT-1300S(1Hz)と、QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST(5Hz)との実際の比較評価レポートとアプリケーションなどの紹介は、後編でレポートを行う予定だ。
<<以下、QSTARZ BT-Q1300ST 5Hz 後編へ続く>>
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コメント
またまた、新着レポート拝見しました。
念のためですが、後編のレポートで、RIKOHカメラ500SEとのBluetoothの接続状況を、チラッと教えてください。
投稿: 内田正夫 | 2011年1月20日 17:20
内田さん、こんばんは、
>RIKOHカメラ500SEとのBluetoothの接続状況を、チラッと教えてください。
BT-Q1300、Q1300STともに、Caplio 500SEとのペアリング、GPSデータの取得は、問題なく可能です。
BT-Q1300STに、電子コンパスが内蔵されていないので、撮影方向のデータが記録できないのが残念ですが・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2011年1月20日 20:56
こんにちは。
AndroidタブレットとのBluetoothを用いての接続方法の記事がとても参考になりました。
私もこのBT-Q1300STを買おうと思うのですが、ひとつ教えていただきたいことがあります。
Bluetoothでペアリングするときに、マルチペアリング、すなわち複数の機器との接続を記憶しておくことはできますでしょうか?
同時に複数の機器と接続できなくてもかまいません。
また、もしマルチペアリング可能なBluetooth GPS機器をご存知でしたら、お教えください。
投稿: おしこうじ | 2011年7月12日 12:05
おしこうじ さん、こんばんは、
>Bluetoothでペアリングするときに、マルチペアリング、すなわち複数の機器との接続を記憶しておくことはできますでしょうか?
BT-Q1300STに限らず、同時に複数のホストと同時接続を行うことが可能なBluetooth GPSは、現時点では無いと思われます。
複数のホストとペアリングを行うことは、どのBluetooth GPS機器でも可能ですが、最後に接続したホストと再接続を優先するようになっていますが、ペアリング済みのホストからの接続要求があれば、そのホストと接続を行います。
記憶しているペアリング・ホストは、機種によっても違いがあるのですが、BT-Q1300STの場合は、少なくとも二つ以上は可能なように思います。
実際には、再接続を行った場合に、再度ペアリングのPIN番号を要求されずに、そのまま接続できるからです。ペアリング情報の記憶は、ホスト側が優先されるので、そのせいかもしれません。
ただし、同時に複数のホストからの接続要求があった場合などの挙動は試しておりません。
ご参考まで。
投稿: 清水 隆夫 | 2011年7月13日 22:17
丁寧なご回答、ありがとうございました。
複数ホストとのペアリング(非同時)に対応しているのならば買ってみたいと思います。
スマートフォンの内蔵GPSがしょぼすぎて閉口していたところです。
投稿: おしこうじ | 2011年7月14日 00:39
おしこうじ さん、こんばんは、
>スマートフォンの内蔵GPSがしょぼすぎて閉口していたところです。
スマートフォンや携帯電話に内蔵されているGPS受信機は、基本的に基地局との通信が前提の測位性能がメインで、スタンドアロン動作での測位性能は、どれも悪いですよね。
内蔵のGPSアンテナが極小なので、当然と言えば当然なのですけどね。
それに対して、GPSデータ・ロガーやBluetooth GPS受信機は、A-GPSをサポートしているとは言え、基本が単独測位ですので、測位性能は携帯内蔵型GPSよりも高感度です。
逆に、都市部では単独測位のGPS受信機よりも基地局の助けを借りた携帯やスマートフォンのGPSの方が良いという面もありますけど・・・
GPS(スマートフォンやタブレット内蔵も含めて)もTPOで使い分けるというのが、贅沢ですが確実ということなのでしょうね。
では、また・・・・
投稿: 清水 隆夫 | 2011年7月23日 21:04
投稿: adopt a rescued dog | 2015年11月 3日 01:12