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2011年1月21日

QSTARZ BT-Q1300ST 5Hz 後編

 前回、台湾のQSTARZから筆者へ評価用としてEMSで送られてきた5Hz(1秒間に5回の測位)での測位が可能な「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」のハードウェアのレポートを行ったが、今回は後編として実際に5Hzでの動作をレポートしよう。今回のテストでは同時に、筆者が愛用している1Hz(1秒間に1回)測位の旧BT-Q1300を比較の為に動作させた。両機とも搭載しているGPSエンジンは、台湾MTK製の第二世代GPSコア・チップなので、感度は「-165dBm」、チャンネル数は66チャンネルで、5Hz対応のファームウェア以外は、同一の性能と考えて良い。

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 5Hz測位のテストを行うには、それなりの高速な移動を行わねばならないので、徒歩でのテストではなく車に乗せてのテストを行った。両機の測位条件が同じになるように、車のダッシュボード上へ置いた状態とした。また、QSTARZ BT-Q1300ST等のGPSデータ・ロガーに限らず、GPS受信機やアンテナをダッシュボードへ設置する場合には、ドライバーシート側の方が、GPS衛星からの電波を受信し易く、また誤差も少なくなる。これは、道路脇の建物の影響が少なくなるためだ。ちなみに、上に掲載した写真は、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」(詳しいレポートは記事を参照)にて撮影しているので、Exifにジオタグと撮影方向が記録されているから、興味の有る方はExifを表示してみて欲しい。

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 テストの前に、まず「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」に付属しているCD-ROMより、5Hz機能の設定が可能になったツールをインストールして、QSTARZ BT-Q1300STデフォルトの設定から、5Hz機能をオンにする必要がある。ツールは、アプリケーションの「QTravel」か「QSports」どちらからでも設定を行う事が可能で、この二つのアプリケーションは、付属CD-ROMに両方とも収録している。以前は、英語のみのインストーラだったが、現在でも日本語環境のWindowsであれば、自動的に日本語のインストーラが起動するので特に説明を必要とはしないだろう。

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 「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」用アプリケーションの「QTravel」と「QSports」がインストールされたら、どちらかを起動する。今回は、ランニングやウォーキング、そしてスキーなどでは無く車によるドライブなので、「QTravel」を起動してみた。「QTravel」が起動したら、QSTARZ BT-Q1300STの電源スイッチをオンにした状態で、USBケーブルでPCと接続する。すると「QTravel」がQSTARZ BT-Q1300STを認識するので、メニューの「ファイル」から「GPSの設定...」を選択すると、接続しているQSTARZ BT-Q1300STのプロパティ画面が表示される。

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 「GPSの設定...」からQSTARZ BT-Q1300STのプロパティ画面が表示されると、中段の下の砲に、「□ Turn on 5 Hz log」の項目があるので、ここにチェックを入れよう。通常は、車載時(自転車、ウォーキングなどの設定でも)のログ記録として最大で1Hzの設定が可能で、移動距離によってログの記録を行う等の細かな設定が可能なのだが、5Hzモードに設定すると、移動距離などの設定は行えなくなってしまう。上に掲載したスクリーン・ショットの画面では、念の為に記録されていたログも消去して内蔵フラッシュ・メモリをクリアにしておいた。

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 5Hz設定の可能なバージョンの「QTravel」へ、筆者が愛用している1Hz(1秒間に1回)測位の旧BT-Q1300を接続してみると、機種名に無印の「BT-Q1300」と表示され、5Hz版の「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」を接続した場合と異なり、「□ Turn on 5 Hz log」の項目も表示されなかった。やはり、本体側のファームウェアが完全に異なっているのだろう。こちらは、ログの設定を「一般」にしてから1秒間に1回のログを記録する設定として、内蔵フラッシュ・メモリも全てクリアしてQSTARZ BT-Q1300STと同条件にセットした。

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 加えて、両機とも初期測位速度を早めるために「QTravel」のメニュー「ファイル」から、「Download AGPS...」を選択してA-GPS用のデータを読み込ませた。「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」のA-GPS用データは、ダウンロードする日時によっても異なるのだが、約一週間弱の有効期間だ。普段は、ウォーキングや散歩などのログを吸い出した後に、このA-GPS用データを更新しているのだが、場合によっては古いA-GPSデータだと逆効果になってしまう場合もあるので、A-GPSのデータをクリアして使用する場合も筆者は多い。「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」は感度が良いので、特にA-GPSデータを読み込まなくても、実用上は問題がない。

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 準備が終わったところで、「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」と筆者愛用している1Hz測位の旧BT-Q1300を車に乗せて近郊をドライブした。ドライブと言っても、実は所用があったので、買い物などで立ち寄ったりもしている。自宅から出かけたのだが、往復で可能な限り別々の道を走行してみた。青(行き)と赤(帰り)の軌跡が、筆者愛用の1Hz測位版旧BT-Q1300で、他の色の軌跡が「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」だ。QSTARZ BT-Q1300STでは、5Hz設定にしたためか、ログが自動で分割されてしまっているのが判る。また、「QTravel」で表示されるGoogle Mapsで、全ての軌跡を表示させた場合、軌跡が重なってしまって比較するのが困難だ。

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 そこで、Google Mapsを拡大表示にして、行きと帰りで同じ路(横浜市環状二号線)へ乗った交差点の部分を表示したのが、上に掲載したスクリーン・ショットだ。行きの左側車線の軌跡は、殆ど同じで重なっているが、これは直進しているので差が無くて当然だ。しかし、赤(旧BT-1300帰路)と緑(QSTARZ BT-Q1300ST帰路)を比べてみると、緑のQSTARZ BT-Q1300STの方が、正しく路をトレースしているのが判る。この時は、交差点の信号が青だったので、一時停止無しで横浜市環状二号線へと減速無しで乗ったから、この軌跡が正しい。

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 「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」に付属する「QTravel」では、Google Mapsによる地図表示の他に「速度/高度表示」モードに切り替えることで、Google Mapsの地図表示に加えて、移動速度と高度の変化をグラフ化して表示する事が可能だ。この「速度/高度表示」モードで、速度の変化を1Hzと5Hzで比べてみると、やはりQSTARZ BT-Q1300Sの5Hz表示の方が滑らかなグラフ(上に掲載しているスクリーン・ショット)となっている。ちなみに、表示されている地図の場所は、筆者が過日レポートした「EX-H20G vs. DSC-HX5V (2)」で撮影した夕暮れの交差点写真(横浜環状二号線、馬洗橋)の場所だ。

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 実際に、筆者が愛用している1Hz測位の旧BT-Q13005Hz対応の「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」を比較してみると、5Hzと1Hzの差は地図上の軌跡表示ではそれ程差が現れにくいのだが、ログの内容として明らかに異なる次元のデータが得られる。反面、そのデータは1Hzと比べた場合に5倍のデータ量となってしまうので、内蔵フラッシュ・メモリの容量も大量に食ってしまう。上に掲載したスクリーン・ショットは、上部が1Hzの旧BT-Q1300無印で、下が5Hzの「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」だ。
 1Hzの旧BT-Q1300無印では6%のメモリしかログの書き込みに使用していないが、5Hzの「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」では、40%ものメモリをログ書き込みに用いている。計算では1Hzの5倍で30%のメモリ消費量のハズだが、実際には7倍弱のデータがログとして書き込まれているわけだ。特に、5Hzモードでは移動距離に応じたログの書き込み設定も不可能となってしまうので、特別な用途以外では1Hz設定で合わせて距離による設定をしておいた方が、圧倒的にメモリの消費量は少なくなる。
 しかし、今が旬のウィンタースポーツで、スキーやスノーボードなど(付属の「QSports」には、スキー/スノボー専用のモードもある)による高低差もあり速度も速い場合には、「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」の5Hzモードによるシュプールを3D表示(付属のアプリケーションではなく別のアプリケーションが必要だが)させたりするする場合には、この5Hz測位出力が大いに役立つだろう。

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コメント

BT-1300QTはコンパクトなので身一つのスポーツには良さそうですね。使用温度範囲:-10℃~60℃となっているので、ウィンタースポーツでも内臓バッテリーはちゃんと持つのかな?薄い分冷えそうな気がしますが、スペックで12時間なら半分でもオッケーかも。

5Hz、データを活用する場面が難しいです。メモリー容量も減るだろうからいざというとき?に使うとか(^^; これも、BTでPC記録するとしたらオッケーなのでマニア的にはセンサーとして持ってても良いデバイスって感じでしょうか。

iPhoneのセンサーログってアプリは方位や加速度等の全センサー記録ができるけどそれも2次利用のアプリ(iPhone用+PC用)が出来たら・・・と思ってしまいます。一般人的にはソフト作って分析ってのもハードル高いですので。
そう考えると、車とかでは映像も記録可能なドライブレコーダとかは、ソフトも付属してお手軽な感じかも。

投稿: KITA | 2011年1月29日 17:55

KITAさん、まいどです。

>内臓バッテリーはちゃんと持つのかな?薄い分冷えそうな気がしますが、スペックで12時間なら半分でもオッケーかも。

常温ならば、ほぼ定格にちかい時間持ちますよ。ただし、Bluetoothはオフですけど。

>5Hz、データを活用する場面が難しいです。メモリー容量も減るだろうからいざというとき?に使うとか(^^;

5Hzですけど、Google Mapsで表示すると1Hzと差がでないのですが、データをNMEAとか他のデータへ変換してからGoogle Earthなどへポイントで表示させると、明らかに差が出ます。

Google Mapsの場合は、ポイント表示させると200点位までしか表示できないので、ライン表示になっちゃうので・・・ 表示させる地図にもよりますね。

問題は、5Hzへの切り替えが本体のみで出来ない点でしょうか・・・ iOS向けやAndroid用のコントロール用アプリがリリースされれば、Bluetoothで制御できるのですが・・・残念ながら、時代遅れのWindows Mobile用のアプリ(しかもβ)しか無いのですよね。今更、Windows MobileやWindows Phoneを引っ張り出して使いたく無いので・・・ (苦笑)

>iPhoneのセンサーログってアプリは方位や加速度等の全センサー記録ができるけどそれも2次利用のアプリ(iPhone用+PC用)が出来たら・・・と思ってしまいます。

スマートフォンをGPS受信機の代わりや、GPSデータ・ロガーに使うと、バッテリーが持たないので、本来の電話として使うときに電池切れってことになっちゃうのでねぇ~

>そう考えると、車とかでは映像も記録可能なドライブレコーダとかは、ソフトも付属してお手軽な感じかも。

iOSやAndroid用のドライブ・レコーダ用アプリもありますね。車ならば充電しながら使えるので・・・ でも、専用機を据え付けて使うと、やっぱり専用機の便利さがありますからね。

特に、ナビはローカルに地図データを持っているのが、やっぱり良いですよ。災害時には、ネットワークで引っ張ってくる地図だと使い物にならないのが過去の経験から得た結論です。

投稿: 清水 隆夫 | 2011年1月30日 00:11

深刻な災害の場合は一般キャリアの通信は役立たないですねー。

但し、その場合は水や食料が優先で携帯の電源すら危ういしGPS移動距離を稼げる移動手段を使えるか?内蔵地図で役にたつか?ってのは阪神等の混乱1週目では難しいかと。
で、その後の外部支援が多くなる状況下ではGPS+GIS(生活便利位置)を主に支援者が利用となるけど、最新情報が必要なので一般人にはキャリアの復活はライフライン的に必須かと。それまでは、口こみ、ラジオやテレビが判断材料になるのでは?と。

要は、GPSでCGISはヘリで俯瞰できるならば有効だけど一般人には災害地では贅沢品的位置づけではないかと個人的には思ってます。

但し、平時でもスキー場の奥とか、ジャングルとかは携帯では地図取れないかもしれないので、地図とトラック表示ができたら良いですね、

パナソニックDMC-FT3 のリリース資料に:
|※7水中にいる場合、中国とその周辺国や地域では、
|GPSが働かない場合があります。
|撮影場所・使用条件により、GPS情報を取得できない場合や
|誤差が生じる場合があります。

とありました。
ホントに危険地域での動作制限を(日本メーカは??)掛けてるんですね。
昔のスパイグッズ並み機能を持つ機能だけにメーカとしても対策してるようで。
しかし、逮捕された場合は装置機能的に制限掛かってるなんて説明は聞いてくれそうにないので・・・自己責任ってヤツですね。(^^;

投稿: KITA | 2011年1月30日 11:08

KITAさん、まいど

>要は、GPSでCGISはヘリで俯瞰できるならば有効だけど一般人には災害地では贅沢品的位置づけではないかと個人的には思ってます。

これも、人によって経験値が異なるので、一概にそうは思いません。私は、出先(特に知らない場所)から、自宅や親族の場所へ戻ったり行ったりする場合、やはりナビに頼ることになるので、ネットの地図が役に立たなかった経験から、ネットの地図やクラウド・システムは、必ず自前のバックアップが不可欠と思ってます。

>平時でもスキー場の奥とか、ジャングルとかは携帯では地図取れないかもしれないので、地図とトラック表示ができたら良いですね、

両方が使えるのがベストですね。ネット版の地図の方が新しい道路なども反映している場合が多いしね。

>ホントに危険地域での動作制限を(日本メーカは??)掛けてるんですね。

メーカにもよるのでしょうけどね。GPS受信機そのものに設定されているのは、時速1,000Km/h以下でしか使えないって制限かな。ミサイルへの応用を制限しているのだとか・・・ 巡航ミサイルだと使えちゃう速度ですよね。(苦笑)昔は500Km/hだったとか・・CPUの演算速度の関係だったてオチもあったりしてね。(笑)

投稿: 清水 隆夫 | 2011年1月30日 22:29

清水さん、まいどです。
>ネットの地図やクラウド・システムは、必ず自前のバックアップが不可欠と思ってます。
クラウドは無料だと便利だけど一方的にサービス終了ってことも有りますからお遊びと一時用途位には思ってます。
地図は有効なレベルのものを持とうとすると・・・市販PNDが一般には現実的かも。

>昔は500Km/hだったとか・・
かの、IPSシリーズとかは500Km/hまでしか測定できなかった(ハズ)でしたが今は時速1,000Km/h以下になってるんですか!地上の乗り物+有視界航法機ならほぼ問題無しですねー。(^o^)/

投稿: KITA | 2011年2月 1日 01:10

KITAさん、こんばんは、

>地図は有効なレベルのものを持とうとすると・・・市販PNDが一般には現実的かも。

ですねぇ~実は、PND新調しました。(^O^)
地図データだけ買えれば良かったんですが、それも無いので結果的にオマケでハードがついてきたって感じでしょうかねぇ~ (苦笑)

投稿: 清水 隆夫 | 2011年2月 1日 01:35

はじめまして、GPSロガーのレポート、大変参考になりました。ありがとうございます。
一つ、教えて頂きたいのですが、ロガー本体のデータを削除する方法は、あるのでしょうか?
上書きする設定にすればよいかとは思うのですが、常にデータがいっぱいだと、取り込む際に時間がかかるのでは、と思っています。
ネットで、いろいろ調べたのですが、このことに書かれたサイトが見つかりませんでした。
良ければ、ご教授お願いします。

投稿: jin | 2012年9月 1日 21:13

jinさん、こんばんは、

記録されるデータは、連続したデータが、一つのファイルとしてPC側へ記録されます。

ですので、上書きを指定しておけば、以前の記録は上書きと共に消えます。

ですので、取り込みの際に最新だけを取り込むので、時間はあまり関係ないと思います。

ツールのは、記録データの削除もありますので、必要であればそれで削除することもできますが・・・

通常は上書き保存で問題ないと思います。

投稿: 清水 隆夫 | 2012年9月 8日 23:20

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受信: 2011年1月31日 23:45

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